2016年度大学入試センター試験・分析表 科目 数学IIB ■ベネッセ・駿台共催/データネット実行委員会 ― 数列で群数列、三角関数で文字を含む方程式の解の個数が問われた。問題難易は昨年より易化 ― 1.全体概況 【大問数・解答数】 大問数は5。第1問、第2問が必答で、第3問~第5問から2問選択。 【出題形式】 昨年から変更なし。一部に、グラフの位置関係を選ぶ出題がみられた。 【出題分野】 昨年通り、数学IIの分野が60点分、数学Bの分野が40点分の出題。第1問では 「指数・対数関数」「三角関数」、第4問では空間ベクトルが出題された。 【問題量】 昨年よりやや減少。 【難易】 問題難易は昨年より易化。(現役生・既卒生の受験生比率が異なるため、平均 点ではなく、問題自体の難易を比較) 2.大問別分析 第1問「指数・対数関数、三角関数」 (30点・やや難) 数学IIと共通 〔1〕(1)は指数、対数の計算問題、(2)は指数関数・対数関数のグラフに関する問題、(3)は対数関数を2次 関数に帰着させて考える問題であった。グラフどうしの位置関係を選ばせる問題は目新しい。〔2〕は三角方程式 の解の個数を考える問題。2倍角の公式や、変数の範囲などの誘導に従えるかどうかがポイントであった。 第2問「微分法・積分法」 (30点・やや難) 数学IIと共通 (1)は2つの放物線とy軸に平行な2つの直線で囲まれた図形Dの面積を積分で求め、その最小値を考える問題。 (2)は(1)のDと正方形の共通部分の面積を求め、その最大値を考える問題。共通部分を正確に把握できるかど うかがポイントで、確実な計算力が要求された。 第3問「数列」 (20点・難) 真分数を素材とした群数列についての出題。(2)は各群の最初と最後の項について第何項かを考え、第104項を 求める問題。(3)は各群の和、第k-1群までの和、第103項までの和の順に求める問題であった。各群の規則を 正確に把握する力が求められた。 第4問「ベクトル」 (20点・標準) 角度、辺の長さが与えられた四面体OABCにおいて、(1)はベクトルの内積、ベクトルの大きさの最小値を求める 問題。(2)は内積から角度、三角形の面積を求める問題。計算量は標準的で、丁寧な誘導もあり例年に比べると取 り組みやすい。 第5問「確率分布と統計的な推測」 (20点・標準) 数直線上を点が確率pまたは1-pでn回移動する反復試行の問題。(1)は具体的なpとnの値に対して、Xの確率分 布を求める問題。(2)は確率変数Yが二項分布に従うことを用いて、Xの平均と分散を選ぶ問題。(3)、(4)は 正規分布表を利用して確率の近似値や信頼区間を求める問題。全体的に誘導が多く、計算量も少ないため、教科 書をきちんと理解している受験生にとっては取り組みやすかった。 3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値) 年度 平均点 2015 39.31 2014 53.94 2013 55.64 2012 51.16 2011 52.46
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