週刊経済指標

週刊経済指標
経済の動きをグラフで見てみましょう。
毎週火曜日夕方発行
発行日
金も原油も下落
:
2016/1/12
1月11日のNY金2月限は▲1.7ドル安の1096.2ドル。ドル安で金曜高値を突破したが、ドル反発や原油安で後
退した。中国株の急落で上昇したが、ドル高・原油安の加速が圧迫して時間外取引の安値を下回った。時間外取引を
1108.3~1098.7ドルのレンジで推移し、前週末比5.0ドル高の1102.9ドルとなった。2月限は、ドル安で買いが
先行し、直近高値(1105.5ドル)を突破した。ドル反発や原油安が嫌気され、一時1100ドルを下回ったが、中国
株の急落やドル高一服で大台を回復した。サウジアラビアがイランと断交したが、アラブ連盟がイランを内政干渉と
非難するなど、中東緊張が高まっていることも逃避買いを誘った。
立会時間は、1103.5ドルまで上昇したが、ドルの上値追いや原油の下値追いが圧迫し、時間外取引の安値を下回っ
て1095.6ドル(2.3ドル安:0.2%)まで値を消した。時間外取引は、中国株の急落で上昇したが、立会時間は、ド
ル高・原油安の加速や米国株の上昇で値を消した。先週金曜に発表された米雇用統計で、非農業部門雇用者数が予想
を大幅に上回り、米利上げペースの加速予想が広がったことも蒸し返された。イスラム教スンニ派とシーア派の対立
が広がり、中東緊張が高まっているものの、供給過剰や世界景気減速による需要減少観測で原油相場が2004年2月
以来の安値(当限月足ベース)を付けたことから、市場への影響は限られた。
今日の材料
・大口投機家の金の先物建玉は2万6560枚の買い越しに拡大。
・大口投機家の銀の先物建玉は2万1626枚の買い越しに拡大。
・12月の中国CPIは前年比1.6%上昇、予想と一致。PPIは5.9%低下、予
想は5.8%低下。46カ月連続の低下。
・上海総合指数は前週末比169.71安の3016.70、売買代金2847億元。
・アラブ連盟、イランのアラブ諸国への「内政干渉」を非難する声明を発表。
・11月のOECD景気先行指数は前月比変わらずの99.8。
・1月のユーロ圏投資家センチメント指数は9.6に低下、予想は12.2。(つづく)
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11日のNY原油2月限は▲1.75ドル安の31.41ドル。投機筋の買い越し玉の急減や、中国の生産者物価指数が46
カ月連続して低下したことなどが嫌気され、期近は2003年12月8日以来の水準へ一段と下落した。2月限は、夜間取
引終了近くに33.20ドルへ持ち直したのが精一杯で、立会い開始後は大幅に下値を切り下げた。前週末発表された投
機筋の買い越し玉が前週比24%減少し、市場の強気見通しが後退したことや、昨年12月の中国生産者物価指数が46
カ月連続して低下し、景気減速による需要減少懸念が背景。引き続き世界的な供給過剰の長期化懸念も重しとなるな
か、モルガン・スタンレーなど主要銀行による先行き一段安観測や2016年の価格見通しの下方修正なども一因と
なった。序盤すぎには7日の直近安値(32.10ドル)割れでテクニカルな動きなども強まると、終盤には一時、
30.88ドルと期近ベースで2003年12月8日以来の水準まで値を沈めた。
石油製品は、ヒーティングオイルは期近が大幅続落、改質ガソリンは軒並み下落。夜間取引では安値修正の動きなど
に支えられたが、立会い開始後は原油安に圧迫され一変し、期近ベースで一時、ヒーティングオイル2月限が2004年
6月30日以来、改質ガソリン2月限は2009年2月25日以来の水準へ一段と売り押された。
ブレント原油期近2月限は大幅続落。米市場同様の理由から下値を試す動きとなり、一時、31.20ドルと期近ベース
で2004年4月7日以来の安値を付けた。
イラン石油省が運営するシャナ通信は11日、ザンギャネ石油相が、OPEC(石油輸出国機構)が生産上限で合意で
きなかったことによる供給過剰により、現在の原油価格は全生産者を傷つけることになろうと述べた、と伝えた。同
相は、現在の市場状況や価格下落の背景に政治があるに違いないとの見方を示した。
米商品先物取引委員会(CFTC)から8日に発表された5日時点の建玉明細によると、投機筋のWTI(ウェスト・テ
キサス・インターミディエート)原油の買い越し玉(先物・オプション)は7万6394枚と前週比24%減少し、
2010年7月以来の低水準となった。買い玉が2.5%減少し5カ月ぶりの低水準となる一方で、売り玉が11%増加した
ため。海外主要通信社が伝えた。
国際エネルギー機関(IEA)のフェイス・ビロル事務局長は11日、イスタンブールの会議で世界エネルギー価格見通
しに関し、原油価格は2016年遅くか2017年初めに上昇し始める可能性を示唆した。同事務局長は、イランの制裁解
除が2016年の原油価格の下げ圧力となり、2015年は原油投資が20%減少し、2016年も同様となる見通しで、世
界成長が再び回復し始める時、投資減少が供給問題を引き起こす可能性があるとの見方を示した。
モルガン・スタンレーによれば、急速なドル高がブレント原油をバレル当たり20ドルまで押し下げる可能性がある
とのこと。アダム・ロングソン氏を含むアナリストは、11日付けリサーチメモで、原油価格は部分的にドル相場の影
響を受ける関係にあり、ドルが5%上昇すれば、原油価格は10~25%下する可能性があるとし、世界的な供給だぶつ
きが原油価格を60ドル以下に押し下げたかもしれないが、35~55ドルへ下落したのは主にドルが要因だと指摘した。
ドル高継続を考慮すれば、単に為替を理由に、20-25ドルの原油価格もあり得ると予想し、ドルや非ファンダメン
タルズ要因が原油価格を動かし続けるとの見方を示した。
ゴールドマン・サックス・グループのダミアン・クールバリン氏を含むアナリストは11日、電子メールで配布した
メモで、米石油リグ(掘削機)稼動数の急減を背景に、2016年の米原油生産を前年比7万5000バレル減少するとの
見通しを示した。昨年12月23日のリポートでの前年比7万バレル減少から修正された。
バンク・オブ・アメリカは11日、電子メールで配布したメモで、2016年のブレント原油価格見通しをバレル当た
り46ドルと従来予想50ドルから下方修正した。また、WTI原油価格見通しも45ドルと48ドルから引き下げた。極端
に高水準な在庫を理由に、引き続き原油価格は超短期的に20ドル台半ばへ下落する可能性があるとのこと。海外主要
通信社が伝えた。
ソシエテ・ジェネラルは11日、リポートで。2016年のブレント原油価格見通しをバレル当たり42.50ドルと従来
予想から11.25ドル引き下げ、WTI原油価格見通しも40.50ドルと9.25ドル下方修正した。イランの予想よりも早い
市場復帰見通しや米原油生産の回復力、マイクロ要因や豊富な供給などが理由。
今日の材料
・イラン石油相、現在の原油価格は全生産者に損害を与えよう
・投機筋の原油買い越し玉は前週比24%減、2010年7月以来の低水準
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TOPICs
米国の経済指標
景況指数
2015年12月のISM製造業景況感指数は、総合指数が48.2ポイントとなった。前月の48.6から▲0.4ポイント低下
し、好不況の分岐点となる50ポイントを2カ月連続で下回った。輸出の伸び悩みなどから、製造業の活動が引き続き
停滞していることを示唆している。ただ、総合指数を構成する5指標のうち、先行性のある新規受注指数が上昇したこ
とは、前向きに評価できる。新規受注指数と在庫指数の動きから判断すると、製造業の在庫調整は今年1~3月期頃に
一巡する見通し。
12月の非製造業景況感指数は55.3ポイントとなった。11月の55.9から▲0.6ポイント低下したが、50ポイント
台半ばの水準は維持した。内需への依存度が高い非製造業は、製造業とは対照的に拡大基調を維持していると考えら
れる。<三井住友アセットマネジメント1月7日マーケットデイリーより>
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住宅販売
2015年11月の米国の住宅販売(一戸建て新築と中古の合計・季節調整済)は46万4千戸と前月比▲10.6%減少
した。新築住宅販売(一戸建て季節調整済)は49万戸と前月より+2万戸+4.3%増加したが、市場予想の50.5万戸
にを小幅下回った。一方中古住宅販売(季節調整済・年率換算戸数)は476万戸と前月比▲10.5%減少し、市場予
想の535万戸を大幅に下回った。変動の大きいコンドミニアムとコープ住宅が61万戸あと前月非+1.7%増加した
ものの、1戸建てが4154.万個と前月比▲12.1%減少している。
以上のように、11月は中古の急減によって大幅に鈍化したが、これは10月以降の規制強化によって所有権の移転ん
完了までの時間が前年よりも5日観程度長くなった影響であり、一時的な動きと考えられる。取り巻く環境を見ても
雇用・所得が改善傾向をたどっていること、銀行の住宅ローン向け融資基準が慎重なペースながら緩和されているこ
と、金利が低位で推移していることなどを背景に、家計の住宅購入意欲は強く、住宅販売は緩やかな回復基調を維持
していると判断される。販売価格(前年同月比)について、11月の中古ではコンドミニアム・コープ住宅が、中央
値+4.7%(平均値+3.4%)、一戸建てが中央値+6.6%(平均値+4.1%)と上昇し、中古住宅全体の価格も中央
値+6.3%(平均値+4.0%)と上昇した。今後も、需給バランスの改善を背景に販売価格の上昇が続くと予想され
る。一方、価格の高い新築住宅販売価格は中央値+0.8%(前月非▲4.2%)平均値+4.5%(前月比▲6.7%)とプ
ラスに転じた。
11月の在庫率を見ると、中古では販売が減少したため5.1カ月(前月は4.8カ月)と上昇した。一方新築では販売が
きゅおう急の増加ペースを上回ったことから5.7カ月(前月は5.8カ月)に低下した。あい孤立は新築、中古ともに低
い水準にとどまっており、住宅建設需要は引き続き強く、16年初もGDP成長率押し上げに貢献すると見込まれる。
<第一生命経済研究所12月30日 U.S..Indicatiorsより>
耐久消費財受注
百万ドル
耐久財新規受注
320,000
300,000
280,000
260,000
240,000
220,000
10月
200,000
9月 238,619238,593
232,015
180,000
11月
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 5 5 5 5 5 5
年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年
5 7 9 1 1 3 5 7 9 1 1 3 5 7 9 1
月 月 月 1 月 月 月 月 月 1 月 月 月 月 月 1
月
月
月
出所:米商務省
2015年11月の米国の耐久財受注は前月非+0.0%と
市場予想の▲0.6%を上回ったが、鈍化した。一次金属、
一般機械が減少したほか、輸送機器、コンピューター関連
が鈍化した。一方、変動の大きい輸送機器を除いた耐久財
受注は、▲0.1%と市場予想の+0.0%を下回り減少し
た。電子機器関連、加工金属が増加したものの、一次金
属、一般機械、電子機器関連が減少した。3ヶ月移動平
均・3ヶ月前対比比率でモメンタムを見ると、価格、数量
の両面から押し下げ圧力を受け11月の耐久財受注が
▲1.2%、輸送機器を除く耐久財受注が▲1.2%とともに
マイナス幅を拡大、耐久財受注は失速している。自動車、
コンピューター関連が拡大を続けているが、ドル高や資源
価格下落、世界的な需要鈍化の影響を受け、一般機械、一
次金属、加工金属、電子機器、民間輸送機器が低迷してい
る。<12月30日第一生命経済研究所 U.S.Indicatorsよ
り>
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雇用統計
1月9日Wall Street Journal
2015年最後の四半期に雇用が力強く増加したことで、
米連邦準備制度理事会(FRB)幹部らは今年追加利上げを進め
られるとの安心感を得るはずだ。金利は早ければ3月にも引き
上げられる可能性がある。
米労働省が8日発表した15年12月の非農業部門就業者数は
前月比29万2000人増。10~12月期の月平均は28万4000人
の増加で、前年同期の月平均26万人増を上回った。15年12月
の失業率は5.0%で横ばい。一方、賃金は単月で伸び悩んだが、
前年同月比では2.5%上昇と、今回の景気拡大局面の大半で見ら
れた2%近い伸びから加速し、賃金が上向いている兆候を示した。
雇用拡大は、米国が海外経済の減速とドル高による製造業と
輸出の押し下げ効果という逆風に耐えて成長していることを示唆
するものだ。月々の就業者数は変動が大きく、近年は季節性に
よって異例の動きをすることもあるため、FRB幹部らは最新の
統計に過剰反応したくないと考えている公算が大きい。
14年は11月と12月の非農業部門就業者数がそれぞれ42万
3000人と32万9000人の大幅増加を記録したが、15年序盤
には伸びが急激に落ち込んだ。
FRBの次回政策会合は1月26・27日に予定されている。
小売売上高は今週発表
今週は、米商務省が発表する2015年12月の小売売上高
から昨年末の個人消費動向と、不振とみられた年末商戦の
様子が明らかになる。このほか、雇用動態調査(JOLTS)
や中小企業景況指数、鉱工業生産などの発表も予定されて
いる。
年末商戦がどれほど低調だったかは小売売上高が東部時間
15日午前8時30分(日本時間午後10時30分)に発表される
まで分からないが、最近の指標では小売業者が先月恐れていた
ほどの落ち込みではなかった可能性が示唆されている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコ
ノミスト調査では前月比横ばい、自動車を除くベースでは前月
比0.2%増が予想されている。昨年は高額商品の購入が盛ん
だったが、消費全般は不安定に推移した。
米労働省が東部時間12日午前10時(日本時間13日午前0時)に発表する11月のJOLTSは、12月の雇用統計で
示された労働市場の健全性をより詳しく表すことになる。前月の調査では解雇者数が増加しなかった一方で採用ペー
スは加速し、自発的な離職者の比率が高まるなど、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が望む水準に近
かった。
中小企業の経営者は11月、前月よりも経済見通しへの楽観を弱めた。これが一時的なものだったか、不安が高
まっている様子を示唆するものかは、全米独立企業連盟(NFIB)が東部時間12日午前6時(日本時間午後8時)に発
表する中小企業景況指数で明らかになる。11月の調査では、賃金の引き上げを計画している中小企業が増えたとい
う明るい材料もあった。
11月の鉱工業生産指数では製造業の生産が横ばいで、米サプライ管理協会(ISM)が発表した製造業景況指数も
2009年以来の低水準となった。FRBが東部時間15日午前9時15分(日本時間午後11時15分)に発表する12月の
鉱工業生産指数では、ドル高と海外経済の軟調が米国の製造業生産に引き続き重しとなっているかが示される。
昨年12月に最初の利上げを実施したFRB幹部らは現在、将来的に金利をどの程度のペースで引き上げるかを検討
する上でインフレ動向に注目している。今週は東部時間14日午前8時30分(日本時間午後10時30分)に12月の輸
入物価、同15日午前8時30分(日本時間午後10時30分)に12月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービ
ス)が発表される。いずれも原油価格の下落で押し下げられており、変動性も高い状態となっている。FRBがインフ
レ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数が次に発表されるのは2月1日だ。
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2016年以降の米経済、著名経済学者はこうみる
by
1月5日
Wall Street Journal
マーティン・フェルドシュタイン氏(ハーバード大学経済学教授、レーガン政権で大統領経済諮問委員会=CEA委
員長)
「米経済は現在、非常に良好だ。実質的に完全雇用の状態にあり、全体の失業率は5%で、大卒の失業率は2.5%と
いう驚異的な低さだ。(中略)先行きについては、経済における需要不足よりもむしろ余剰生産能力の欠如が災いし、
2016年の国内総生産(GDP)成長率は抑えられるだろう。(中略)今年の米経済にとって最大のリスクはおそらく、
資産価格の適正水準からの乖離(かいり)と高リスク融資の提供だ。どちらも、ここ数年のように全年限の金利が超低
水準にある中で投資家と貸し手が利回りを過度に追求することから生まれるものだ」
ジョセフ・スティグリッツ氏(コロンビア大学経済学教授、クリントン政権でCEA委員長)
「根本的な総需要の問題があるし、全体的な失業率からは見えてこないものの、大量の失業者が存在していると思う。
大卒については基本的に最大雇用に達しているという非常に良い面もあるが、米雇用市場には不完全雇用の労働者や失
業者がひしめいているはずだ。そして、これはインフレやインフレ圧力に反映されており、賃金がこれほど低迷してい
る一因でもある」
ベッツィー・スティーブンソン氏(ミシガン大学経済学教授、オバマ政権の元CEA委員)
「労働参加率が低下する中で3%超の持続的な経済成長を達成することはいっそう困難になっている。(中略)現在、
働き盛りの世代の約20%が働く意思を持たず、労働力人口に含まれていない。(中略)足元の失業率は5%で、リ
セッション(景気後退)からの回復という点では素晴らしい勝利を収めたに等しいものの、労働参加率の低さを考えれ
ば、経済に存在する人材は十分活用されておらず、失業率はその小さな一部分を象徴するものでしかないと言えるだろ
う」
ロレッタ・メスター氏(クリーブランド地区連銀総裁)
「最大雇用と物価安定というFRBの二つの目標に向けて米経済は大きく前進している。だからこそ連邦公開市場委員
会(FOMC)は12月の会合で、7年間に及ぶゼロ金利政策を脱し、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25%
引き上げることができた。利上げを開始したとはいえ、当面は緩和的な金融政策が維持され、景気拡大を支え続ける見
通しだ。より正常な政策へ向かう緩やかな道のりに第一歩を踏み出したことは、歓迎すべきニュースと捉えるべきだと
思う。ここ数年の経済発展が今後も続くという金融政策担当者らの自信の表れだ」
今後の予想
米国の景気は可もなく不可もない状況であろう。12月の雇用統計は非農業就労者数が+29万2千人と予想以上に増
加したが、賃金は伸びておらず、直近の景況指数は上記6つのうち4つは下を向いており、昨年末の小売商戦は不調
だったと言われている。住宅販売は中古住宅販売が落ち込み、順調だった伸びが少し停滞している。リセッションか
らは脱出したが、その後の経済回復は力強いものとは言えず、利上げは異常事態からの脱却を意味するだけで、依然
金融緩和政策を採り続けないと失速する恐れがあるという緩やかな経済回復段階にあるといえよう。今後原油価格の
低下が長引けばエネルギー関連産業から破たんが出る可能性があり、それが金融界にも緊縮的な動きをもたらす可能
性が無いとはいえない。世界的に新たな需要分野が少なくかつ小さいため、経済回復は緩やかなものとならざるを得
ず、えてして日本が20年続いたデフレ環境が世界に蔓延する可能性も残されている。
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