バイオマスは熱利用がカギ地域循環型モデルで町を元気に:

ビジネス最前線
バイオマスは熱利用がカギ地域循環型モデルで町を元気に
:
●●●●大学曖大学 「●力 奎エネルギープロツェクト■■Jよ り■●
“
エネルギーの地産地消をめざし、地域に豊富にある森林資源を活かしたバイオマス発電事業に注目が集まる。バイ
オマス産業を軸にした地方創生を狙うバイオマス産業部市には、2015年 10月 現在で34地 域が選定されている。
地方創生におけるパイオマス発電事業の可能性、課題、問題点を探る。
「バイオマス発電 は燃 料次第ですJと
かし 平成以降、木材建築が大幅に減少
と考えた人は多く、日本中でバイオマス
話すのは、林業を手がけるBloフ ォレス
したことも合わせて考えると、今後、廃
発電所計画がたり出した。しかし 実際
テーション (神 奈川県相模原市 )の 近藤
.
材の発生は間違 いなく減るはずです」
に発電所を稼働させてみると 言
+画 壼の
市原グリーン
2割 程度の燃料しか集まってこないとい
るパイオマス発電所 市原グリーン電力
電力との燃料供給 に基づき、今後 13年
へ燃料チップを供給する。
間、発電所 に供給する義務がある。そ
う発電所が大半だ。
「日本の林業において、間伐材を外に
市 原 グ リーン電 力 は FIT以 前 の
こで 近藤代 表が■日したのが、森林
出すことはされていないのが現状で九
2006年 、三井造船、鹿島建設、三井
物産が出資し、当時のRPS法 (電 気事
系のパイオマス燃料だ。同社では 1年 半
山に木は転がつていても搬出されなtヽ
前、神奈川県芦ノ湖周辺の約 900haの
発電所ができても、本は山から出てこな
業者 による新エ ネルギー等の利用に関
山林を購入 自ら木を切ることで 不足
いのです」
.
する特 ,1措 置法 )に 基づいて建 設 され
分の燃料を補おうと、林業に着手 した。
亮 介代表。同社は、千葉県市原市にあ
たバイオマス発電所.
発電出力49 900kw、 バイオマスを
新エ ネルギー供給は
本が山から出てこない
日本の林彙は壊涎状目
昭和 40年 代、木材の不足で輸入材を
燃焼 じ廃熱をボイラーで回収 して蒸気
山林を手入れするには、悪い木を選木
解禁 したのをきつ力Чナに 当時はぼ 100
ター ビンで発 電するBTG方 式 の 発電
して切る間伐が必要だ。悪 い木をランダ
%だ つた木材自給率は、平成 17年 には
所で、規模 としては現時点で国内最大と
ムに切 つていくと 切 つた木を搬出する
182%ま で落ちた。現在の林業の状態
なる.
のは難 しい。そこで、一般的に行われて
は壊減的と言える。さらに追 │■「 ちをか
燃 料 は主 に建 廃 チ ッス 年 35万 t
いるのは切り捨て間伐。 この、切 つて山
けたのが、1997年 の京都議定書.森 林
900卜 ´/日 のチップカ必 要で、12t積
に捨てられている間伐材を発電に使 つ
にC02を 吸収させることをCO硝 1減 対
みのチップ車が 1日 75台 、1時 間に3台
ていこうというのが、バイオマス発電の
策の一つとしたため、山林を手入れする
が入れ替わり出入りする体制で燃料 供
本質だ。
「山の中に年間 2000万 1nほ どの本が
間伐 に補助金がついた.ニ ーズはない
日本の新設住宅着工戸数のピークは
転がつている。これは事実 でt′ ヽイオ
の本の価格が暴落。昭和 55年 代、l lll
約 40年 前の 1973年 .以 降停滞し バ
マス発電の資源となりうる貴重な木 材
8万 円だつた檜は、現在 14000円 だ。
ブル崩壊以降は下降の一 途をたとって
が山に捨てられていることになりますJ.
給を行 つている.
いる.
「40年 前に建てた住宅が更新時期に
のに木 は伐 り出される。結果、製材向け
平成 23年 に農林 水 産 省により行わ
FIT制 度のもと、未利用材を使 つた
れた「林 業 経営 に関する意 向 調査 Jで
32円 の高値
は、経営規模の拡大 拡充を図りたいと
バイオマス発電の電気は
入つているおかけで、東京周辺では現
で売ること力
きる. しかも山には、そ
いうポジティブな林家 は全体の約 5%と
在、十分な建築廃材が手に入りま三 し
の未利用材がゴロゴロ。これはチャンス
「バ イオマス発電が盛 り上
なっている。
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`で
発電所をつ くるのと口時に、これが必要
′ オマス
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イオマス
B材 とハ イオマスか半 々 ?
山
内に綸ててく
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山 内に檜 ててく●
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捨 てたくなる
にとんどAけ
●出する
│
●出する
ほとんどA材
がっていますが、実際に木を切ろうと思
A材 の 需 ■ を増 やせ
つている人は全体の 596し かいない。こ
れが、 ミスマッチのもとになっているの
まりにも木を使わなくなつたことにある。
林彙とは本来、木を切 つて再遣林 して
いくもの。正しく林葉が回ることで健康
で●l.
。最大の問題は、日本人があ
得ません」
9饉 13JIHOガ ス化が主露
同社の持 つ神奈川県の山林の木は終
な木力増 え、CO硝 1減 にもつながる。し
バ イオマス発電 所を作る上で│.1目 に
戦後に植えたものが最も多い。以降、手
かし、現在、山林を皆伐 して再造林する
なるのが規模だ。蒸 気タービンを使 つ
つかすのままほっておかれたのだ。日本
林彙はやつていなのが実情だ。
た BTCで 発電する場 合、5000kwを
パイオマス材として利用する木材とい
下回ると発電効率が種端 に落ちる。そ
現在の日本の林葉は、間伐材補助金
うのは、丸太を作 つた後の残 材や虫な
うした理由で、全国に5000kwの パイ
をあてにしたビジネスと言える。本来な
どが食つて使えないもの、技葉や端ころ
オマス発電所が乱立したが、燃料収集
ら収 穫するべ き木を間伐材として扱 う
だ。最 も多く使用する技葉や場ころなど
供給の観点で言えば、大規模施設が成
のは、資伐や皆伐 には補助金がつかな
は一般的な林彙では、山に捨ててくるの
立するような、涸沢なパ イオマス燃料が
いからだ。
が普通。
収集できる地点は限定 される。資源利
中にこうした山がたくさんある。
「パ イオマス事 業を行 う時にポイント
BIoフ ォレステーションでは、バイオマ
となるのは、木を切る量を識が決めてい
ス燃料として最も利用すべ き枝葉や端こ
るのかで九 当社の量は、森林組合でも
ろまで含め木を山から搬出するべく、特
パイオマス先進国の ドイツでは、大規
私でもなく、県の林務担当者が決めてい
別な機械を設備 している。間伐も、通常
模施設については BTC、 中規模施設は
るので●」。
の切り捨て間伐ではなく、列状伐採で2
ボイラーで加熱 したサーマルオイルを熱
割 り当てられた間伐補 lll金 が 2600
列切 つて4列 残すといつた搬出を主眼 に
交換 しタービンで発電するORC、 小規
用の観点で言えば、中小規模の施設を
各地 に作るのが望ましい。
例え4600"切 りたくて
置いた間伐を行 つている。 しかし、本来
模 施設はガス化と、規模 に応 して技術
も、2600“ にととめる。つまり、県の
間伐は思 い木を切ることで良い木 に日が
を選択 している。
林務担 当者が決めた補助金分 しか、山
より当たるようにするために行うものだ。
から木は出てこないということだ。
列状で木を切つても良い木が生えるとは
今年 3月 、FlT制 度で2000kw未 満
の月ヽ
型パイオマス発電については40円
限らない。
という単価がついたこともあり、今後、
1nで あれ
`ム
「ならば、パ イオマス発電の燃料計画
は、初めから県の林務担 当者が決 めれ
「バイオマス材 1に 対して、2の AttB
ばいい、ということに、誰も気づいてい
材需要がなけれ│ム 林業のためにならな
えてくることが考えられる。
ないので例 。
い。本来、A材 を収積するから、ついで
にバイオマス材が出てくるんで九 バイ
「小型バイオマスで利益を追求してい
くなら、熱利用をうまくしていく必要が
オマスが主語になったような林彙はあり
あります」
。 ドイツ製の優秀な機械で、
日本でも小型のパ イオマス発電所が増
―
-2010 WI
ビジネス■前線
180kw発 電で250kwの お湯力取 れる
という。250kwの お湯を使 いきるのは
「今後は小型の
熱と電気を作つていく。
ンス生産などが進むことで、小型バイオ
ガス化が主流となっていくでしょう」。た
マス発電を利用 した、健 全な地域循環
もっと月ヽ
型
だ、ガス化には 15%ま で乾燻させた形
型のモデルが実現 してくるだろう。
100kwの
状の整 った切肖1チ ップが必要だ。欧州
お湯。 この程 度であればコジェネで使
では、そうしたチップの規格も全て整つ
いきることがで きる。
ている。
なかなか難 しい。 となれ
`ま
化が必 要だ。発電 50kwで
地 域 で 1万 t∼ 2万 tの 燃 料 を使 つて、
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今後、欧州産発電機 の輸入やライセ
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わ如
…
国内でバイオマス発電に成功 してい
る│● 例では、国産材を国内で最も使用
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IIt,
91万 戸
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山綽口 n
・●2,3千 ヽ
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今後の林菫糧営につもて の日向
■饉,,■ の菫大 ●力を口りたい
■ 彙饉●●や0た い
“
■■状の■■,■ を饉持したい
■饉會彙●t● 小したい
■山 は■■するJ.● 彙饉●は荷うつもりはない ■
書
"口
“
保有山林面積規颯別
500ha以 上
100ha以 上
500ha未 ■
50h3以
100ha未 ■
20ha以 上
511haホ n
lha以 上
︲ ︲
21ha^瀾
∞
1∞
(%)
L
■● │● ll水 は■r絆 8饉 菫に口すもな向口壼J{早 曖23=│
4
5
2016 WI―
―
F:T■ 行機の口内バイオマス発電の状況
■ リサイクルホ● (中 ●中 。
相餞中)
■ ―般ホ■ (中 ●中・拍餞中
■未利用木● (中 ■中・相●中)
● リサイクルホ材 (8定 書
■―螢ホ● (口 定着)
●未利用沐● (口 定済)
)
)
50
45
40
05
00
25
21
15
10
5
0
101K∼ 5000
5000∼ 10000
10000∼ 25000
2∞ 00∼ ∞000
由力 (kW)
しているトーセン (栃 木県矢板市 )の 那
Turbodenの
町村を越えるような集材は原則的に考
プ会社となったイタリア
ヽイオマス発電所や銘建工業が中
えてはlⅢ ナないと思いま九 林案から出
ORC技 術を使 つた発電 機を使 用 した
心 "レ
となつた真鷹バ イオマス発電所 (岡 山
てくる木は例外なく補助金をもらつて切
事 業モデルを考えて いる。 この機械を
県真雇市)が ある。
「バ イオマス発電で成功 している事例
っている木ですから、それを市のために
使えというのは、制度的にできるはずで
使用 し、電気と一緒 に大量のお湯を作
り、そのお湯を使つて乾爆ペ レットを作
に共通 しているのが、製材工場が関わつ
す」。
る。それをガス化の小型ペ レットに供給
珂
.
ていることです」
本来なら製材として使 えるものまでバ
イオマス材として持ち運ばれる。これが
今の現実だ。 トーセンでは、バイオマス
材を製材工場 に集 め、そこで仕分けす
る。集成材にも合板にも使えない、本当
に屑のような木 材だけをバ イオマス燃
発電 だけで毒えないことが
威助 のカギ
バイオマスでの地域創生を考える時、
「発電だけで考えないことが成功のカ
判 だと。
バ イオマスは太隔光や風力とは違い、
するという、地域熱供給会社を作 ってい
こうという構想 だ。
新 ビジネスの発想 には、世の中の困り
ごとに対する解決策を考えるのが一番
だ。
「世の中のパ イオマス発電所が困 つて
いるのは燃料で九 事業計画としては熱
料として使用するのだ。これこそ、バイ
人間相手の事業だ。バ イオマス発電で
オマス発電のあるべき姿と言える。
電 気と一 緒に得た熱をIT中 で使いまく
大 量 に発 生 してくる85∼ 90度 のお
り、マンゴーを我培 したり、ウナギを養
湯をしっかりと使 い切り、燃料も製造 し
気をいかに作るかですね。林業 者も巻
殖 した結果、全国から見学者が訪れて、
ていく。電気ではなく熱 に、発電所では
き込 んで、わが町の発電 所のために俺
町全体が元 気 になるといつた事例 もあ
なくその周辺にスポットを当てることで、
たちが木を切るという雰 囲気が重要 で
る.
新たなパ イオマス産業、地域循環 型の
す」
.真 窟 パ イオマス発電所はその典型
「電気はおまけで、熱をいかに利用す
るかが重要で九 熱を制する人ル ヽ
イオ
持続 可能な活性化モデルを生み出 して
「あとは、わが町の発電所という雰囲
的な姿だ。
市町村から出る木をいかに市場から
「市
切 り離すかも重要なポイントとなる。
。
利用先がないことで苦 しんでいます」
やヽ
く。
マスを制すると言つてもいいでしょう」。
近藤代表は現在、三菱重工のグルー
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