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平成 2 7年 1 2月25日
新潟地方気象台
2015年の北陸地方の天候経過(速報)
−北陸地方の天候の特徴と気象トピックス−
(冬型の気圧配置が長続きせず少雪、春は高気圧に覆われることが多く高温・多照)
◆ 冬(2014年12月∼2015年2月)は、12月はたびたび強い寒気が南下したため所々で大雪となっ
たが、1月、2月は寒気の南下は一時的で冬型の気圧配置は長続きせず、低気圧の影響を受け
ることが多かった。
◆ 春(3∼5月)は、天気は概ね数日の周期で変化したが、5月を中心に高気圧に覆われて晴れた
日が多かった。寒気の影響が弱いことに加えて、低気圧が日本の北を通過することが多かっ
たため、日本付近には南西からの暖かい空気が流れ込みやすく、また日射の影響もあって気
温が上昇した。
◆ 夏(6∼8月)は、6月から7月上旬にかけては、梅雨前線が本州南岸に停滞することが多く、北
陸地方では前線や低気圧の影響を受けにくかった。7月中旬からは太平洋高気圧の本州付近
への張り出しが一時的に強まったが、8月中旬からは弱まり、前線や低気圧の影響で曇りや
雨の日が多かった。
◆ 秋(9∼11月)は、9月のはじめは秋雨前線の影響で曇りや雨の日が多く、台風第18号が接近し
て大雨となった日もあったが、その後は天気は概ね数日の周期で変化した。10月は高気圧に
覆われて晴れた日が多かった。11月は低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多かった。
◆ 12月(12月1日∼12月20日)は、低気圧の通過や冬型の気圧配置の影響で曇りや雨の日が多く
なったが、高気圧に覆われて晴れた日もあった。
◆ 北陸地方平均の年平均気温の平年差は+0.6℃で平年より高かった(1月1日∼12月20日、速報
値)。
◆ 台風の発生数は平年並の27個 (平年の年間発生数は25.6個)だった。日本への上陸数は昨年
と同様、平年(2.7個)を上回る4個だった。北陸地方への接近数は2個だった(平年の北陸地
方への接近数は2.5個)。(12月20日現在、速報値)
※北陸地方平均とは、北陸地方にある気象官署及び特別地域気象観測所(9地点)ごとの平年差
(比)を平均したものです。
☆冬(2014年12月∼2015年2月)
−5年連続の寒冬で、1947年に次ぐ寡照−
12月から1月はじめにかけては、たびたび強い寒気が南下して冬型の気圧配置が強まり所々で
大雪となった。その後は寒気の影響は小さく、1月上旬と2月上旬に冬型の気圧配置が強まったも
のの一時的で長続きしなかったが、低気圧の影響を受けることが多く、期間を通して曇りや雪ま
たは雨の日が多かった。12月の平均気温がかなり低く、北陸地方では5年連続の寒冬となった。
また、1947年の統計開始以来、1947年冬に次ぐ寡照となった。降雪量は、1月、2月に少なかった
ため冬としては少なくなった。
気温は、12月はかなり低く、1月は平年並、2月は高かった。3か月平均気温は低かった。
降水量は、12月はかなり多く、1月と2月はともに平年並だった。3か月合計の降水量はかなり
多かった。
日照時間は、12月と1月ともにかなり少なく、2月は少なかった。3か月合計の日照時間はかな
り少なかった。
降雪量は、12月は多く、1月、2月はともには少なかった。3か月合計の降雪量は少なかった。
3か月平均(合計)と月別の平均気温・降水量・日照時間・降雪量の平年差(比)と階級
北陸地方平均
12∼2月
12月
1月
2月
平均気温平年差:
階級
降水量平年比 :
階級
日照時間平年比:
階級
降雪量平年比 :
階級
☆春(3月∼5月)
-0.3℃:低い
-2.1℃:かなり低い
+0.2℃:平年並
+0.8℃:高い
145%:かなり多い
222%:かなり多い
96%:平年並
93%:平年並
73%:かなり少ない
52%:かなり少ない
76%:かなり少ない
88%:少ない
71%:少ない
198%:多い
47%:かなり少ない
51%:少ない
−高気圧に覆われ晴れた日多く、かなりの高温、かなりの多照−
3月の前半は低気圧や気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多く、冬型の気圧配置が強まって平野
部でも積雪となった日もあったが一時的で、その後は高気圧に覆われて晴れた日が多くなった。
4月上・中旬は低気圧や前線の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多かった。4月下旬から5月に
かけては、高気圧に覆われて晴れた日が多く暖かい空気に覆われることも多かったため、気温は
かなり高く経過した。春としては、統計を開始した1946年以降、1998年に次ぐ高温となった。ま
た、2014年に次ぐ多照となった。
気温は、3月と4月は高く、5月はかなり高かった。3か月平均気温はかなり高かった。
降水量は、3月と4月は多く、5月は少なかった。3か月合計の降水量は平年並だった。
日照時間は、3月は多く、4月は平年並、5月はかなり多かった。3か月合計の日照時間はかなり
多かった。
北陸地方平均
3か月平均(合計)と月別の平均気温・降水量・日照時間の平年差(比)と階級
3∼5月
3月
4月
平均気温平年差:
階級
降水量平年比 :
階級
日照時間平年比:
階級
☆夏(6月∼8月)
5月
+1.3℃:かなり高い
+0.8℃:高い
+0.9℃:高い
+2.1℃:かなり高い
107%:平年並
116%:多い
145%:多い
65%:少ない
116%:かなり多い
109%:多い
96%:平年並
139%:かなり多い
−梅雨前線の影響を受けにくく、かなりの少雨−
6月から7月上旬にかけては、梅雨前線が本州南岸に停滞することが多く、天気は概ね数日の周
期で変化することが多かった。7月中旬から8月上旬にかけては、太平洋高気圧の張り出しが強
まったため、晴れて気温の高い日が多く、7月13日は台風第9号から変わった低気圧が沿海州付近
を北東に進んだ影響で南から暖かい空気が流れ込み、フェーン現象が発生した所もあり、所々で
7月の日最高気温の高いほうからの極値を更新した。8月中旬以降は、太平洋高気圧の本州付近へ
の張り出しが弱まり、前線や低気圧、湿った気流の影響を受けて曇りや雨の日が多かった。
気温は、6月と7月は高く、8月は平年並だった。3か月平均気温は平年並だった。
降水量は、6月は少なく、7月と8月は平年並だった。各月とも平年の値より少なかったため、3
か月合計の降水量はかなり少なかった。
日照時間は、6月は多く、7月と8月は平年並だった。3か月合計の日照時間は平年並だった。
北陸地方平均
平均気温平年差:
階級
降水量平年比 :
階級
日照時間平年比:
階級
3か月平均(合計)と月別の平均気温・降水量・日照時間の平年差(比)と階級
6∼8月
6月
7月
8月
+0.3℃:平年並
+0.5℃:高い
+0.8℃:高い
-0.3℃:平年並
72%:かなり少ない
61%:少ない
74%:平年並
80%:平年並
106%:平年並
112%:多い
118%:平年並
93%:平年並
☆秋(9月∼11月)
−10月に晴れた日が多く少雨。前半は低温で後半は高温。−
9月の上旬は太平洋高気圧の張り出しが弱かったため秋雨前線の影響で曇りや雨の日が多く、9
日は台風第18号が愛知県知多半島に上陸・北上した影響で、大雨となった所があった。その後、
天気は概ね数日の周期で変化したが、10月にかけて大陸からの冷涼で乾いた高気圧に覆われて晴
れた日が多かった。11月は低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多く、日本海や本州付近を進ん
だ低気圧に向かって南から暖かい空気が流れ込んだ影響で、気温は高く経過した。
気温は、9月と10月は低く、11月はかなり高かった。3か月平均気温は平年並だった。
降水量は、9月は平年並で、10月はかなり少なく、11月は平年並だった。3か月合計の降水量は
少なかった。
日照時間は、9月は少なく、10月はかなり多く、11月は少なかった。3か月合計の日照時間は平
年並だった。
北陸地方平均
3か月平均(合計)と月別の平均気温・降水量・日照時間の平年差(比)と階級
9∼11月
9月
10月
平均気温平年差:
階級
降水量平年比 :
階級
日照時間平年比:
階級
11月
0.0℃:平年並
-1.2℃:低い
-0.4℃:低い
+1.8℃:かなり高い
88%:少ない
98%:平年並
69%:かなり少ない
93%:平年並
102%:平年並
88%:少ない
129%:かなり多い
82%:少ない
☆12月(1日∼20日)
低気圧の通過や冬型の気圧配置の影響で曇りや雨の日が多くなったが、寒気の影響は弱かった。
上旬は移動性の高気圧に覆われて晴れた日もあり、高温、多照、かなりの少雪となった。中旬は
南から暖かい空気が流れ込んだ影響でかなりの高温、多雨、少雪となった。
☆年(1月1日∼12月20日)
2015年の北陸地方の平均気温の平年差は+0.6℃で平年より高かった(速報値)。各気象官署の値
は表1のとおりで、北陸地方の年平均気温の経年変化は長期的には上昇傾向である(図1)。月別で
は「高い」階級となった月は、2月、3月、4月、6月、7月で、「かなり高い」階級となった月は、
5月、11月だった。「低い」階級となった月は、9月、10月で、「かなり 低い」階級となった月
はなかった。
年降水量の平年比は91%で平年より少なかった(速報値)。月別では「多い」階級となった月は、
3月、4月で、「かなり多い」階級となった月はなかった。「少ない」階級となった月は、5月、6
月で、「かなり少ない」階級となった月は、10月だった。
年日照時間の平年比は105%で平年より多かった(速報値)。月別では「多い」階級となった月
は、3月、6月で、「かなり多い」階級となった月は、5月、10月だった。「少ない」階級となっ
た月は、2月、9月、11月で、「かなり少ない」階級となった月は、1月だった。なお、気象官署
と特別地域観測所の季節別の極値更新は表2、月別の極値更新は表3のとおりである(年の極値更
新については平成28年1月4日に発表します)。
表1 2015 年の北陸地方の年統計値(12 月 20 日までの速報値)
年平均気温
年降水量
新潟
相川
高田
富山
伏木
金沢
輪島
福井
敦賀
北陸
平均
年間日照時間
実況(℃)
平年差(℃)
実況(mm)
平年比(%)
実況(時間)
平年比(%)
14.7
14.7
14.6
15.2
14.9
15.7
14.4
15.5
16.2
+0.5
+0.5
+0.6
+0.8
+0.6
+0.7
+0.6
+0.6
+0.6
1439.5
1211.0
2169.5
2048.5
1986.0
2083.0
1618.0
2203.0
2252.5
82
83
84
93
93
91
80
103
112
1643.9
1715.5
1662.6
1697.5
1707.7
1781.3
1714.5
1667.3
1578.6
102
106
106
107
107
108
111
104
103
+0.6
91
105
図1
北陸地方の年平均気温経年変化
図2
北陸地方の月別平均気温平年差(℃)
図3
北陸地方の月別降水量平年比(%)
図4
北陸地方の月別日照時間平年比(%)
注1:平年値としては、1981∼2010年の30年平均値を使用している。
注2:本文中の平年差・比は、北陸地方の気象官署・特別地域観測所平均(9地点)の値である。なお、北陸平
均の統計開始は1946年。
注3:表1で、値の横に)がある場合、統計を行う対象資料が許容範囲で欠けていますが、正常値(資料が欠け
ていない)と同等に扱います(準正常値)。
注4:図1∼図4の12月の値は12月20日までの速報値。
表2 2015年の季節(3か月)別で順位を更新した記録(3位以内)
◎3か月降水量の多い方からの順位更新
月
順位
官署
実況値
平年比 これまでの最小(西暦年)
mm
%
12∼
1048.5
151
3
伏木
2
◎3か月平均気温の高い方からの順位更新
月
順位
官署
実況値
平年差
3∼5
2
3
開始年
mm
平年値
mm
1074.6 (1968)
1884
695.6
これまでの最大(西暦年)
開始年
平年値
℃
℃
℃
℃
新潟
12.6=
+1.3
12.9 (1998)
1886
11.3
高田
12.5=
+1.4
12.9 (1998)
1922
11.1
富山
13.3=
+1.5
13.4 (1998)
1939
11.8
伏木
12.8=
+1.4
13.1 (1998)
1884
11.4
輪島
12.0
+1.2
12.3 (1998)
1930
10.8
福井
13.7
+1.3
14.2 (1998)
1897
12.4
敦賀
14.3
+1.4
14.6 (1998)
1898
12.9
金沢
13.5
+1.3
13.8 (1998)
1882
12.2
開始年
平年値
h
196.1
185.0
196.3
191.1
195.0
201.9
140.1
151.8
注1)=はタイ記録を示す。
表3 2015年の月別で順位を更新した記録(3位以内)
◎月間日照時間多い方からの順位更新
月
順位
官署
実況値
平年比 これまでの最大(西暦年)
h
%
h
伏木
274.6
140
269.0 (1940)
1
福井
263.9
143
255.6 (1940)
高田
273.6
139
281.0 (1940)
5
2
富山
266.8
140
273.9 (1940)
相川
272.2
140
278.0 (1911)
3
輪島
281.4
139
289.2 (1940)
新潟
194.2
139
200.6 (1977)
10
3
福井
201.0
132
215.9 (1977)
1893
1898
1922
1939
1911
1929
1926
1898
◎月平均気温の高い方からの順位更新
月
順位
官署
実況値
平年差
℃
℃
新潟
18.6
+2.1
高田
18.7
+2.1
相川
17.1=
+1.6
富山
19.6
+2.6
5
1
伏木
18.8
+2.4
金沢
19.5
+2.4
輪島
17.7
+2.0
福井
19.7
+2.0
敦賀
19.6
+1.8
富山
12.7 =
+1.9
2
福井
13.1
+2.1
11
新潟
12.1 =
+1.6
3
伏木
12.9 =
+2.0
輪島
12.4 =
+1.9
これまでの最大(西暦年)
℃
18.3 (2001)
18.4 (1998)
17.1 (2001)
18.9 (2001)
18.1 (2001)
19.1 (1998)
17.3 (2001)
19.3 (1998)
19.5 (1998)
13.1 (2004)
13.2 (2003)
13.0 (2004)
13.0 (2003)
12.7 (2004)
開始年
1886
1922
1911
1939
1884
1882
1929
1897
1898
1939
1897
1886
1884
1929
平年値
℃
16.5
16.6
15.5
17.0
16.4
17.1
15.7
17.7
17.8
10.8
11.0
10.5
10.9
10.5
この資料は北陸地方の9地点(気象台・特別地域気象観測所)における12月20日までの観測値を
もとに、速報としてまとめたものですので、平成28年1月4日に確定した年の値と12月の値を追加
し、改めて発表します。