事業概要 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

平成28年度新規研究開発プロジェクト(案)概要
作成:平成27年12月
プロジェクト名: 革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発
研究開発の目的
研究開発の内容
 自動車の燃費・排ガス規制強化の世界的な動きと我が国の環境・
エネルギー制約に対応するには、エネルギー効率の向上やCO2排
出量削減につながる電気自動車(EV)の普及拡大が必須。その普及
に向けては、リチウムイオン電池の性能を凌駕する新原理の革新型
蓄電池の実用化(車載化)によって、ガソリン車並みの航続距離を有
したEVを実現する必要がある。
 現在、世界各国において革新型蓄電池の研究開発が展開されてい
るが、実用化に向けて解決すべき技術課題は多く、またそのハード
ルも高い。そのため、本事業において、先端的な材料科学や高度な
解析技術を得意とする大学・研究機関、車載用蓄電池の開発・実用
化で豊富な実績を有する蓄電池メーカー、エンドユーザーとなる自動
車メーカー等による産学官連携の体制を構築し、革新型蓄電池の実
用化を促進する共通基盤技術を開発する。
プロジェクトの規模
 NEDO予算総額: 150~180億円(予定)、委託
 実施期間: 平成28 ~32年度(5年間)
 「研究開発項目① 高度解析技術開発」
産業界における革新型蓄電池の実用化開発への進展を見据え、その場測定法、高度分析手
法及び計算科学の融合により、蓄電池の高性能化や高耐久化等に向けた実設計及び製造に
展開可能な新規の解析技術を確立する。
<ポイント>
・その場測定法の開発:蓄電池の作動条件下の反応・現象の解析が可能な測定法を開発。
・高度分析手法の開発:放射光/中性子等を活用した電池専用の測定分析手法を開発。
・計算科学による解析手法の開発:反応・劣化原理のシミュレーション・モデリング技術を開発。
・革新型蓄電池の反応・劣化メカニズム解明:LIB等で技術検証した後、革新型蓄電池の原理
の本質的な解明及び性能・特性に資する知見やデータ等を提示。
 「研究開発項目② 革新型蓄電池開発」
LIBの限界を超えたエネルギー密度(500Wh/kg)が得られる見通しのある革新型蓄電池タイプ
を対象として、(1)高度解析技術開発で開発する新技術を用いて課題解決を図りながら、電極・
電解質及びセル化技術等の共通基盤技術を開発する。また、開発した技術を基に単電池(容
量5Ah級)の試作・評価を行い、技術検証を行う。
<ポイント>
・エネルギー密度の向上のみを追求するのではなく、信頼性、耐久性、安全性の確保を同時
に検討し、車載用蓄電池としての性能・特性の向上に努める。
成果適用のイメージ
革新型蓄電池の共通基盤技術の確立
リチウムイオン電池(LIB)から革新型蓄電池への飛躍
電極・電解質及びセル化技術等
平成42年
革新型蓄電池
航続距離 500㎞程度
エネルギー密度
産業界におけ
エネルギー密度:500Wh/kg
る実用化開発
に適用
平成32年頃
先進LIB
航続距離 250~350㎞
エネルギー密度:250Wh/kg
LIBの性能を凌
駕する革新型
蓄電池で実現
257,726台
入出力特性
現行LIB
耐久性
コスト
安全性
In-Operando 解析
PHEV
蓄電池反応解析
先進的解析技術
累計257,726台
世界最先端・オンリーワンの解析プラットフォームの構築
シミュレーション・モデリング
理論材料科学
材料科学
核磁気共鳴
電気化学
界面化学反応
結晶構造・欠陥
航続距離120~200㎞
エネルギー密度:60~100Wh/kg
実セル(容量5Ah級)で技術検証
PHEV累計
革新型蓄電池の車載化により、EVの航続距離をガソリン車並みに
中性子
拡散速度
固体物理反応
無機化学反応
EV
物性物理学
累計371,681台
PHEV累計
36,715台
固体化学反応
反応速度
放射光X線
EV累計
65,652台
詳細は「基本計画(案)」をご参照ください