2014 年 12 月 PODi ニュースレター 一般社団法人 PODi 東京都千代田

2014 年 12 月
PODi ニュースレター
一般社団法人 PODi
東京都千代田区神田神保町 1-23
代表理事 亀井雅彦
http://www.podi.jp
ミヤコシオープンハウス 2014
株式会社ミヤコシ、本社:千葉県船橋市、宮腰亨社長 http://www.miyakoshi.co.jp/ は10
月28日から3日間、同社 POD 事業本部においてミヤコシオープンハウス2014を開催
した。3日間で1300人の来場者で賑わい、同社の提案する最新のソリューションを堪能
できるイベントであった。
再来年創業70周年を迎える株式会社ミヤコシは、元来はフォーム印刷業界に印刷機、後加
工機を提供しており、業界トップシェアと最高の技術を誇っている。
同社の搬送機にインクジェットのヘッドを搭載することにより、インクジェット印刷機と
してミヤコシブランドでの販売に加えて、多くの OEM パートナーに供給することによっ
て、従来のオフセット中心のアナログ印刷機ビジネスから、デジタル印刷機メーカーへと大
きく飛躍し、フォーム印刷業界がデータ処理とデータ印刷に変革する一翼を担った。
ミヤコシはこのオープンハウス2014において、10機種以上の新製品の展示、デモンス
トレーションを行い、新たな領域に新たな技術をもって臨もうとしている姿勢を明確に打
ち出している。
本レポートにおいて、この驚くべきオープンハウスで紹介された技術、商品、及びミヤコシ
の戦略をご紹介していきたい。3本のシリーズでまず I.において同時に5台の展示を行っ
たミヤコシのラベル市場への取り組みを紹介、II においては新しい印刷技術である液体ト
ナーを用いた輪転機による紙とフィルムへの印刷と枚葉機による紙への印刷、最後に III に
おいて商業印刷向け、データ印刷向け、次世代加工機、ならびにテキスタイル向け機種をご
紹介申し上げたい。
I. ラベル印刷機5機種
今回ミヤコシはラベル印刷機を5機種展示している。2機種はオフセットで3機種はデジ
タルであった。まずはオフセット機から始めたい。2機種のオフセットのうち1機種は水有
りの通常のオフセットでもう一機種は水無しである。
ミヤコシの間欠型ラベル用オフセット機 MLP13(=Miyakoshi Label Press 13 インチ幅)
は既に導入されて10年の歴史をもつ機械である。主に日本と欧州市場で設置されている。
この機械はオフセット印刷技術により高い品質と高い見当精度により、通常よりも高品質
を要求されるラベル用途に活用されてきたが、ラベル印刷機としては価格帯が高く、導入先
は限定されていた。
新機種である MLP13C は従来の MLP13 と同等の品質と見当精度を実現しながら、他ラベ
ル印刷機と競争的な価格で導入可能とした。フレキソと異なり、オフセットの版は交換が容
易で、製作コストも安い。オフセットの製版設備を既に有している商業印刷会社が、ラベル
印刷市場への参入するのも見込んでいる。
本体のスペックは下記となる。
2 機種目のオフセット機は MWL13A(=Miyakoshi Water Less 13 インチ) で水無しのプ
レートを利用することにより、より環境への適合を可能としている。
スペックは下記となる。
なお MWL13A は、オープンハウスの後欧州向けに出荷され欧州で予定されているオープ
ンハウスで出展予定である。
いよいよデジタル機のご紹介を行いたい。3機種あるデジタル機のうち2機種はインクジ
ェットでそのうち一機種は水性顔料インク、もう一機種は UV インクを使用している。
ミヤコシによると、大半のラベル用素材は紙ベースであるが、フィルム向けの印刷も30%
内外はあり、大半のラベル印刷会社はデジタル投資を紙ベースとフィルムベースに分けて
二重に行うことは避けたがる。これが故に現在のインクジェットラベル印刷機の大半は UV
インクを利用して、紙もフィルムも印刷可能としている。しかし UV インクを使用するこ
とによって、生産性は下がり、インクコストは上がり、ヘッドの寿命は短くなる等デメリッ
トも大きい。また匂い、マイグレーションの問題も特に食品分野では発生する。
紙ベース向けの専用デジタル機に投資可能な大手ラベル会社にとって、水性顔料を使用す
るラベル印刷機は、高速、低コスト、長ヘッド寿命に環境性を兼ね備えた投資となる。
MJP13LX-2000 こそがそれである。
1台のデジタル機で、紙、フィルム印刷を実現するのは UV インクを使用した MJP13LXUV である。UV でありながら 1200dpi の解像度で、低臭気の UV インクを使用することに
より、適合性を向上させてている。
最後のラベル印刷機は粉体トナーを使用している。コニカミノルタとの共同開発機と位置
づけられたこの商品は、コニカミノルタ製枚葉カラーオンデマンド機を輪転用に改造し、ミ
ヤコシの給紙、巻き取り、さらにレーザー抜機を装着することにより、極めて競争的な価格
で市場に投入できるデジタルラベル機となった。
スペックは下記となる。
ご覧頂いたように5機種はオフセットとデジタルで市場の小ロットニーズに的確に応える
ことを戦略としているが、それぞれ異なったコンセプトであらゆるラベルニーズに対応可
能な商品となっている。
次回: II. 液体現像トナー3機種
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