2014 年 12 月 PODi ニュースレター 一般社団法人 PODi 東京都千代田区神田神保町 1-23 代表理事 亀井雅彦 http://www.podi.jp ミヤコシオープンハウス III. 商業印刷向け、データ印刷向け、次世代加工機、ならびにテキスタイル向け機種 この III においては、ミヤコシの本命であるデータプリント向け、それを多色化した商業印 刷向け、そして従来は特注でしか生産されなかったミヤコシの後加工機技術を標準化、ユニ ット化することで可能となる後加工機群を紹介する。更にはテキスタイル印刷機を紹介し て最終としたい。 MJP20J(Miyakoshi Jet Press 20インチ)は、折々の紙を対象としたモノクロインクジ ェットプリンターである。コンピューター帳票を中心に根強い需要はまだ残っており、既存 機の置き換えとしてミヤコシとしては大量ロットの生産に期待がかかる。 従来の粉体トナー方式に比べて、インクジェット方式によって、高速、低コスト。さらにバ ックフィード方式の採用で、ジョブ間のヤレ紙をゼロにしている。 MJP20MX-7000 は、ミヤコシの本流である20インチ幅のインクジェット機である。日本 国内での自社ブランドでの販売に加えて、OEM でミヤコシの屋台骨を支える次世代機であ る。1200dpi の解像度で商業印刷アプリケーションに必要な品質を確保し、データプリント の世界から商業印刷、出版印刷への進出を果たす「本命」である。 次世代加工機 ミヤコシは長年にわたって印刷機のみならず、後加工機をフォーム印刷会社から受注し、そ れをほとんどの場合単品で設計、製造を行い納品してきている。今までに納品してきた台数 はかなりに上り、それぞれの機能も極めて豊富である。 今回はその蓄えた図面と経験実績を標準化し、後加工機をユニット化することで顧客のニ ーズに合わせて組み合わせることにより、複雑な後加工機能をより早くより競争力のある 価格で提供できるコンセプトを「次世代加工機」として発表している。 これはミヤコシの印刷機は当然ながら、あらゆるメーカーの印刷機をターゲットとしてい る。多くのデジタル印刷機メーカーが、後加工機の技術、商品をもっていないことを考える と OEM ビジネスを含めて大いに可能性があると言えよう。合わせてインクジェット輪転 機で印刷された書籍データをプラウ折にて製本する、文庫本製本機の動画でのデモンスト レーションを行っている。 動画はこちらから ↓ http://www.podi.or.jp/webinar_free/20141118/20141118jp/ 最後にテキスタイルのインクジェット印刷機を展示している。テキスタイルは巨大な市場 でありながら参入障壁が高く、現在に至るもインクジェットで印刷されているのは総市場 の1%にも満たない。ここに果敢に挑戦していくのはいかにもミヤコシらしい。 総評 紙への印刷が縮小していく中、積極的にラベル、軟包装、そして布へと領域を広げていく積 極性と、これらの機種を同時に開発する技術力は見事である。 マーケティングもあらゆる分野において、小ロット化、バリアブル化を目指して、オフセッ トとデジタルの技術を駆使しているのも頼もしい。 これらの市場の既存の印刷会社、コンバーターへの提案としては勿論有効であるし、ミヤコ シが元来地盤のあるフォーム印刷会社、商業印刷会社のようにオフセット技術に馴染みが ありすでに製版設備を持っている、あるいはデジタル技術にも慣れがあるという異業界か らの参入という目的でも大いに貢献すると思われる。いずこの市場も、前工程のデジタル化 は完了しており、参入障壁としては低い。ミヤコシの印刷機と後加工機の強力な組み合わせ は、業界の壁を壊していくかも知れない。 これらの野心的な商品が早期に市場に投入され、印刷業界に活況をもたらすことを祈念し てやまない。 一般社団法人 PODi 東京都千代田区神田神保町 1-23 代表理事 亀井雅彦 http://www.podi.jp [email protected]
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