人・未来・環境をつなぐ 「やさしいエネルギーLPガス」 炎もお湯も発電も 2014年12月2日 目 次 第1章 日本のエネルギーとLPガス 第2章 エネルギー政策の総括 第3章 調達の多様化 第4章 LPガスが担う強靭な国土 第5章 事業基盤の再構築に応えて 第6章 まとめ 2 第1章 日本のエネルギーとLPガス 3 第1章 <1> わが国のエネルギー業界の規模 国内エネルギー市場(47兆円) 事業規制 電力(市場規模:18兆円) 一般電気事業者(10) 卸電気事業者(2) PPS(364) 特定電気事業者(5) 事業規制と自由化 自由化 ガス(市場規模:7兆円) 一般ガス事業者(207) ガス導管事業者(18) LPG元売事業者(14) 簡易ガス事業者(1,452) LPガス小売事業者(21,052) 石油(市場規模:22兆円) 元売事業(6) 揮発油販売事業者(17,203) 家電/61兆円 自動車/52兆円 通信/25兆円 鉄鋼/14兆円 化学/24兆円 建設/14兆円 4 第1章 <2> 「わが国の資源調達(各化石燃料)の現状<2013年> エネルギー政策の⾒直しのポイントは、地政学リスク(原油とLPガス)と偏 在リスク(天然ガスと⽯炭)からのエネルギーセキュリティの確保。 ■ 資源の国別輸入量比率 オーストラ リア 5% ■ 中東依存度 東ティモー ル 5% アメリカ 7% クウェート 12% オマーン 5% その他 4% カタール 29% LPガス サウジアラ ビア 13% ロシア 7% クウェー ト 7% カタール 13% ロシア 10% 中国 1% サウジア ラビア 30% イラン 5% ブルネイ 6% UAE 6% インドネ シア 7% UAE 25% インドネ オマーン シア 2% その他 3% 10% UAE 23% オースト ラリア 20% 天然ガス カタール 18% マレーシ ア 17% アメリカ カナダ 4% 5% ロシア 6% インドネシア 19% 原油 その他 11% LPガス 78.6% 天然ガス 29.0% 原油 83.1% 石炭 0% その他 1% 出典: 〔LPガス〕 日本LPガス協会 〔天然ガス・石炭〕 財務省 貿易統計 〔原油〕 石油連盟「石油資料月報」 石炭 オースト ラリア 64% 5 第1章 <3> 都市ガスとLPガスの違い 1)都市ガス、天然ガス、LNGの違いは? ○ 「都市ガス」の主な原料が、「天然ガス」。 ○ 天然ガスは、炭素が1つの「メタン」(CH4)が主成分。 ○ 天然ガスは、常態では気体。欧米ではパイプラインで 移送されるが、日本では液化(-162℃)された「LNG」 (Liquefied Natural Gas)として輸入される。 2)LPガス(Liquefied Petroleum Gas)は? ○ 「LPガス」は、炭素数が3つの「プロパン」 (C3H8)と4つの「ブタン」(C4H10) ○ プロパンは -42℃、ブタンは-0.5℃で気化。 ○ 空気より重く、ガス漏れすると床面に滞留。 3)供給形態が違う 個別供給 配管による集団供給 6 第1章 <4>LPガスの用途 LPガスは、日本の最終エネルギー消費の約5%を占め、家庭・業務用、工業用、化学原料 用、自動車用などを中心に年間約1,540万トン(H25年度実勢)が使用されている。 エコジョーズ 貨物車 トリジェネレーション (熱・電気・CO2) 電力用4% 化学原料用 18% タクシー 自動車用7% 都市ガス用 7% 家庭 ・業務用 43% ボイラー 家庭用燃料電池 「エネファーム」 工業用 21% 発電機 鉄鋼(圧延) 窯業(乾燥用) カセットコンロ ■ H25年度 LPガス国内需要の用途別内訳 合計:1,540万トン(H25年度) (産業用コジェネ) GHP (業務用コジェネ) 新型GHP 業務用給湯器 「XAIR(エグゼア)」 耕運機 出典:日本LPガス協会 7 第1章 <5>国内需要の推移 LPガス需要は、1996年度のピーク後微減 2013年度は、電力用需要減等により前年度と比べ減少 19,703千トン 単位:千トン 15,390千トン 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 電力用 6,000 化学原料用 4,000 都市ガス用 2,000 産業用 自動車用 家庭業務用 0 92 93 94 95 96 97 98 99 FY2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 FY2010 11 12 13 出典:日本LPガス協会 8 出典:経済産業省・石油製品需要想定委員会液化石油ガスWG「LPガス需要見通し」 第1章 <6>供給フローと国別輸入数量 供給フロー図 産油国 国別輸入数量 単位:千トン 産ガス 原油 製油所 出 荷 構成比 247.8% アラブ首長国連邦 3,428 24.3% 2,903 25.4% 84.7% サウジアラビア 5,405 38.4% 1,387 12.2% 25.7% その他 1,873 13.3% 1,303 11.4% 69.6% 11,968 85.0% 8,720 76.4% 72.9% 33 0.2% オーストラリア その他 中東以外計 80% 数量 構成比 3,127 27.4% 東ティモール 20% 数量 13/05年 比 1,262 9.0% 米国 輸入基地 2013年度 カタール 中東計 LPガス 2005年度 総 計 1,084 7.7% 24 0.2% 1,022 9.0% 3097.0% 532 4.7% 49.1% 485 4.3% 2020.8% 974 6.9% 649 5.7% 66.6% 2,115 15.0% 2,688 23.6% 127.1% 14,083 11,408 81.0% 出典:日本LPガス協会 9 第1章 <7>LPガスの国内流通フロー 1,500ヶ所 元売会社:15社 卸売業者:約1,100社 約3,100台 小売業者:約21,000社 (民生用バルク除く) 2,100ヶ所 民生用バルク 輸入基地:35ケ所 輸入会社:16社 二次基地:40ケ所 約2,100台 (累計出荷) 石油製油所:28ケ所 石油化学工場:6社 天然ガス工場:1社 LPガス世帯数: 約2,500万 都市ガス世帯数: 約2,700万 (LPガスの国内流通フロー) 日本LPガス協会調べ ※H26年11月現在 10 第2章 エネルギー政策の総括 11 第2章 <8>エネルギー基本計画の概要 ➣ 6月24日 閣議決定 □石油・LPガス災害時機能の強 化を2016年までに完了 □需要家側への燃料備蓄(自衛 的備蓄)の推進 □市町村の計画等に、石油・LP ガスの安定供給確保等を新た に位置付け □石油・LPガスサプライチェーン 等の維持・強化 ➣ 6月3日 閣議決定 □各省庁に横断的な効力を発し、 エネルギー基本計画に上位する。 □石油・LPガスサプライチェーン の機能確保(訓練、備蓄から末 端供給までの一連対策) □地域計画は、基本計画と調和 が取れたものであることとして、 今後、各自治体にて、アクショ ンプランに従い、順次策定 ➣ 4月11日 閣議決定 □LPガスの位置付けが 明確に □調達の多様化と低廉化 □供給構造の強靭化 □事業基盤の再構築 □運用に当たっての制度設 計は、「資源燃料分科会」 と「石油・天然ガス小委員 会」にて報告書を策定 12 第2章 <9>エネルギー政策 日本のエネルギー政策 電力システム改革専門委員会 <総合資源エネルギー調査会/基本政策分科会> ガスシステム改革小委員会 ➣広域系統運用(2015)→2013臨時国会 ➣電力同様の自由化へ向 ➣小売・発電の自由化(2016)→2014通常国会 け論議を開始 ➣発送電分離(2018-2020)→2015通常国会 →年内に報告書 ➣簡易ガス事業は液石へ 原子力関連委員会 資源燃料分科会 石油・天然ガス小委員会 ➣調達の多様化と低廉化 ➣供給構造の強靭化 ➣事業基盤の再構築 ⇒7月末 中間報告書 ➣再稼動、新設問題 ➣バックエンド問題他 13 第2章 <10>エネルギー基本計画におけるLPガスの位置づけ(Ⅰ) 【総括~東日本大震災の振り返り】 供給障害に陥った電力や都市ガスを補完したのが、石油とLPガスであった。 【LPガスの位置付け 】 中東依存度が高く脆弱な供給構造であったが、北米シェール随伴の安価 なLPガスの購入などがすすんでおり、地政学リスクが小さくなる方向にある。 化石燃料の中で温室効果ガスの排出が比較的低く、発電においては、ミド ル電源として活用可能であり、また最終需要者への供給体制及び備蓄制度 が整備され、可搬性、貯蔵の容易性に利点があることから、平時の国民生 活、産業活動を支えるとともに、緊急時にも貢献できる分散型のクリーンな ガス体のエネルギー源である。 14 第2章 <11>エネルギー基本計画におけるLPガスの位置づけ(Ⅱ) 【LPガスの政策の方向性】 災害時には、エネルギー供給の「最後の砦」となるため、備蓄の着実な実 施や中核充填所の設備強化などの供給体制の強靭化を進めるとともにLP ガスの料金透明化のための国の小売価格調査・情報提供や事業者の供給 構造の改善を通じてコストを抑制することで、利用形態の多様化を促進する とともに、LPガス自動車など運輸部門においてさらに役割を果たしていく。 【LPガス産業の事業基盤の再構築】 LPガスについては、熱電供給により高い省エネルギーを実現するエネ ファーム等のLPガスコージェネレーション、ガスヒートポンプ(GHP)等の利 用拡大、都市ガス事業や水素燃料供給事業への進出や、アジアへのLPガ ス安全機器の輸出などに取り組むことが求められる。 また、現在でもタクシーなどの自動車はLPガスを主燃料としており、運輸部 門における燃料の多様化を担うことも期待される。 15 第2章 <12>資源燃料分科会/石油・天然ガス小委員会 中間報告書の概要 【課 題】 【対応の方向性】 海外からの エネルギー 資源供給の 不確実性 ①適切な分散の実現 ②リスクの低減 ③価格の低廉化 ④供給途絶時の対応 災害時の供 給体制の脆 弱性 エネルギー供 給を担う企業 の経営基盤 の弱体化 ①供給設備の耐震強化 ②災害供給オペレーショ ンの円滑化 ③需要家サイドの強化 ④地域のサプライチェー ンの強化 ①精製・元売業の事業基 盤の再構築 ②販売業の事業基盤の 再構築 ③取引の公正・透明化 【検討項目】 【業界としての課題】 ・中東危機時に備えた 供給確保対策 ・調達リスクや産油ガ ス国、アジア諸国と の協力を念頭におい た備蓄の考え方 ・中東域外での調達の多 様化 ・輸入価格の低廉化 ・民間備蓄の有効活用 ・備蓄政策の方向性 ・災害時の石油供給体 制(各省連携含む) ・中核SS、充填所の機 能強化 ・国・民備義務量の見直し ・基地の耐震強化 ・中核充填所の機能強化 と地方自治体と連携した 防災活動 ・公共施設等へのLPガス 常備使用設置 ・石油元売の事業再編と 構造改革~エネルギー 供給高度化法の改定 ・持続可能な販売業の事 業展開 ・公正かつ透明な石油製 品取引構造の確立 ・元売の再編と総合エネ ルギー事業化 ・卸と小売の新たな事業 展開 ・小売の透明化、低廉化 16 第2章 <13>資源燃料分科会/石油・天然ガス小委員会 中間報告書のポイント (1)海外からのエネルギー資源供給の不確実性への対応 ①調達リスクの低減 →中東産ガス国との良好な関係維持しつつ、北米シェール随伴LPガスの調達を拡大する。さらに、アフリ カ・南米からの調達を検討する。 ②調達価格の低減 →北米からの調達をさらに進め、調達価格の低減につなげる。 →今後さらなるLPガス元売会社の共同調達や再編に期待。 ③備蓄に関する考え方 →国家備蓄は、「約40日分」150万トンまで積上げを図る。 →民間備蓄は、「50日分」地政学リスクの低い国からの新たな調達が行われることで、基準備蓄量の見し を検討する余地が生まれる可能性あり。 ④緊急時の優先供給・需要抑制に関する考え方 →石油需給適正化法に基づく優先供給についての解釈・執行について、体制を整える必要あり。 (2)災害時に備えたエネルギー需給体制の確保 ①災害時石油ガス供給連携計画の実効性確保 →LPガス中核充填所を中心に、災害時におけるLPガス元売会社からの優先的な燃料供給を担保する必 要あり。 →LPガス中核充填所の整備数が少ない地域においては、同等の設備を有する充填所に対し、“災害時石 油ガス供給連携計画”への参画を働きかける。 →都道府県LPガス協会と自治体との災害協定の更なる充実や国土強靭化地域計画に明確に位置付け る。 ②需要家側の自衛的備蓄の推進 →社会的重要インフラである政府庁舎や自治体庁舎・通信・放送・金融・拠点病院・学校等の施設や災害 時に避難所となる施設に、LPガスを貯蔵する災害対応型LPガスバルク等の導入を促進する。 →石油が供給途絶に陥った際の輸送機能維持のため、LPガス自動車の普及促進する。 →家庭で電力が途絶した場合、持続的エネルギー供給可能となるよう、自立型エネファームの導入支援を 進める。 17 第2章 <14>資源燃料分科会/石油・天然ガス小委員会 中間報告書のポイント (3)エネルギー供給を担う産業の事業基盤の再構築 ①LPガス供給網の活用 →「地域コミュニティーインフラ」として地域のニーズに応じた事業展開 →販売事業者と自治体との連携を進める(例:高齢者見守りサービス等) ②LPガスの流通合理化 →充填所の集約を通じた配送の合理化など供給構造の改善を促進する。 ③価格の透明化の促進 →小売価格や標準価格のHPへの公表・LPガス販売事業者の情報のデータベース化と公表を全国的に広 げる。 →LPガス顧客獲得での不適切な実態に、関係省庁と協力し早急に適切な対処を行う。 18 第2章 <15>国土強靭化基本計画と地域計画 国土強靭化政策大綱の概要 各省庁に横断的な効力を発し、エネルギー基本計画の上 位する、国家戦略法案 ○災害時でも、機能不全に陥らない社会システムを 平時から確保 ○推進方針の例として、石油・LPガスサプライチェー ンの機能確保 (訓練・備蓄から供給までの一連対策) 内閣官房:国土強靭化 推進室 周知ポスター スケジュール <政策大綱> H25.12月 <国土強靭化基本計画> H26.6.3 閣議決定 エネルギーに関連する表記内容 <地域計画> 都道府県・市町村で策定 →第一次実施団体(19) ・PJ、有識者懇談会、 対策本部を立上げ ○強靭なエネルギーサプライチェーンの構築 ○LPガス充填所の災害対応能力を強化 ○避難所でのLPガスバルクユニット等を常時備蓄として設置し、円滑なエネルギー 使用を可能にする ○地域の重要拠点に対し、地域住民の安全・安心を確保するため、再生可能エネル ギーやガスコジェネ、省エネ設備等導入を進める 19 第3章 調達の多様化 20 第3章 <16>LPガスの生産方法と動向 ① 採掘された原油の中にあるガスを分離・抽出 <原油随伴> ② 石油精製過程等で生成されるものを分離・抽出 <石油精製> ③ 採掘された天然ガスの中にある主留分(メタン) 以外のガスを分離・抽出/中東 → 中東域外へ <LNG随伴> ④ 非在来型シェールガス・オイルからの随伴とNGL からの分離・抽出 <非在来型随伴・精製> 世界のLPガスの生産割合 LPガスは、近年LNG PJと非在来型シェール 随伴LPガスの生産増が顕著。 (陸上原油開発:パキスタン) (洋上ガス開発:ロシア・サハリン) (洋上:アンゴラ) 21 第3章 <17>LPガス大増産による調達先の多様化 世界のLPG供給 2013年 66.4百万t(日本輸入12百万t) 米国シェールLPガス等の大増産により 2015年 80.8百万t(米国+6.5百万t他) 2020年 91.9百万t(米国+11.5百万t他) 出典:パナマ運河庁 22 第3章 <18>主要産ガス国のLPガス輸出量の予想 世界LPG海上輸出量推移 海上LPG輸出上位国 (単位:トン) 14,000,000 12,000,000 10,000,000 8,000,000 6,000,000 4,000,000 2,000,000 ‐ 2008 2009 2010 2011 2012 2013 主要産ガス国LPガス輸出量予想 ナイジェリア アルジェリア 北海 アメリカ カタール UAE サウジアラビア 米国エンタープライズ社 シェールLPG 生産設備 ※IHSLPGセミナー(シンガポール /2014.06)資料より 23 第3章 <19>LPガスの海上輸入量推移 単位:トン、出典:Waterborne 2013年LPG輸入上位国(万MT) 1206 1 日本 590 2 インド 546 3 韓国 369 4 中国 260 5 インドネシア 247 6 オランダ 234 7 フランス 197 8 ベネズエラ 188 9 ブラジル 181 10 タイ ・LPGの需要は北米を除く全世界で増加しており、 特にアジアにおける需要伸長が大きい。 ・2013年のLPG輸入国上位10カ国のうち アジア諸国は6ケ国が占めており、この6カ国 で世界海上輸入量の約半分を占めている 24 第3章 <20>日本のLPガス業界の多様化の取り組み ■ 国別輸入数量の推移 東ティモール 0% 中東その 他 3% 2005年度 2013年度 東ティ モール 4% アメリカ 0% オース トラリア 8% カタール 9% UAE 24% その他 7% サウジア ラビア 38% クウェー ト 11% オースト ラリア 5% 中 東 そ の 他 0% その他 アメリカ 6% サウジア ラビア 9% 12% カタール 27% 2014年度上期 東ティモー ル 4% クウェート 11% UAE 26% アメリカ 12% その他 3% オーストラ リア 5% 中東そ の他 0% カタール 29% サウジア ラビア 12% クウェート 11% UAE 24% ■ 米国からのLPガス調達見通し 拡張工事中のパナマ運河 出典:総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 石油・天然ガス小委員会(第3回)‐配布資料 ※パナマ運河庁提供 25 第3章 <21>変わりつつある原油熱量等価LPガスとLNGとの価格比較 原油比% 原油対比割高 2013年平均 99.2% 原油100% 原油対比割安 2013年平均 85.6% 26 第3章 <22>産消対話 ~第20回LPガス国際セミナー2015~ 成長するLPガス市場 ~その過去・現在・未来を考える~ 日 時 2015年3月5日(木)~6日(金) 主 催 一般財団法人 エルピーガス振興センター 場 所 東京プリンスホテル 芝 詳細案内 出席者 2015年1月上旬(参加者募集) 産ガス国・消費国・船会社他 (昨年度:約630名 このうち海外173名) 2014年LPガス国際セミナー風景 27 第4章 LPガスが担う強靭な国土 28 第4章 <23>供給サイドの強靭化 基地出荷機能強化・中核充填所の整備により、災害時にも安定供給を確保 川崎・七尾・四⽇市・福島に 電源⾞を配備 野内 新潟 七尾 千葉 川崎 福島 四日市 29 第4章 <24>供給連携計画の策定と自主的な防災訓練の実施 ⽯油備蓄法に基づき各地域ごとに「供給連携計画」の策定し訓練を実施。各輸⼊基地、⼆次 基地、中核充填所、都道府県協会でも⾃主的に防災訓練を実施。 ■ 供給連携計画の概要 災害時に各事業者間での情報共有、設備の共同利用、 輸送に係る協力を行うことにより、LPガス供給の途絶防 止、また、被災地や避難所等へのLPガス供給を迅速か つ確実に実施する。 参画事業者には訓練の実施も義務付けられている。 ■ 各種訓練の様子 輸入基地における移動式電源車の 接続訓練 北海道LPガス協会による災害対応訓練 愛知県西三河地区の総合防災訓練に 愛知県LPガス協会が参加し、炊き出し 訓練を実施 30 第4章 <25>都道府県別の防災協定締結状況 ※平成26年7⽉31⽇現在 都道府県 自治体計 総締結数 締結率 都道府県 自治体計 総締結数 締結率 都道府県 自治体計 総締結数 締結率 北 海 道 180 180 100% 山 梨 県 28 4 14% 島 根 県 20 15 75% 青 森 県 41 13 32% 静 岡 県 36 24 67% 広 島 県 24 8 33% 秋 田 県 26 13 50% 愛 知 県 55 17 31% 山 口 県 20 2 10% 岩 手 県 34 32 94% 三 重 県 30 17 57% 徳 島 県 25 25 100% 宮 城 県 36 7 19% 岐 阜 県 43 43 100% 香 川 県 18 7 39% 山 形 県 36 6 17% 富 山 県 16 16 100% 高 知 県 35 31 89% 福 島 県 60 21 35% 石 川 県 20 20 100% 愛 媛 県 21 17 81% 栃 木 県 27 4 15% 福 井 県 18 18 100% 福 岡 県 61 61 100% 茨 城 県 45 14 31% 滋 賀 県 20 20 100% 佐 賀 県 21 13 62% 千 葉 県 55 55 100% 京 都 府 27 27 100% 長 崎 県 22 17 77% 埼 玉 県 64 35 55% 奈 良 県 40 13 33% 大 分 県 19 19 100% 群 馬 県 36 16 44% 和歌山県 31 15 48% 熊 本 県 46 46 100% 東 京 都 63 23 37% 大 阪 府 44 19 43% 宮 崎 県 27 14 52% 神奈川県 34 34 100% 兵 庫 県 42 25 60% 鹿児島県 44 44 100% 新 潟 県 31 30 97% 鳥 取 県 20 20 100% 沖 縄 県 42 2 5% 長 野 県 78 78 100% 岡 山 県 28 5 18% 1,789 1,185 66% 合計 出所:全国LPガス協会調査による 31 第4章 <26>需要家側における『自衛的備蓄』の推進 被災地におけるLPガス活用事例 宮城県 仙台市 LPガス容器は、地震による揺れで倒れたが、 4日目にLPガス事業者の点検があり、5日目 お風呂に入ることが出来ました。 岩手県 山田市 発災より3日目に自衛隊が来るまで、地域婦人会 が中心となり、地区防災センターでLPガスの調 理設備で炊き出しを実施しました。 宮城県 南三陸町 岩手県 一関市 津波から生き延びた地域住民が、山を越えて 隣の地域活性化センターに避難した。同セン ターのLPガス調理設備が無傷だったため、被 災直後から炊き出しを行ないました。町役場 の要請を受け、1200食のおにぎりを4日 間にわたり提供しました。 停電が続く中、被災直後より地区婦人消防協力隊 の女性たちが集会所でLPガスを用い、3日間炊 き出しを実施し、高齢者を中心に地域の40世帯 を支援しました。 出典:資源エネルギー庁「東日本大震災を踏まえた今後のLPガス安定 供給のあり方に関する検討会」 中間とりまとめより 32 第4章 <27>LPガス災害対応バルクの普及促進 ■災害対応バルク補助金制度の概要 名称 災害対応型石油製品貯槽型供給設備整備促進事業 設置場所 病院、老人ホーム、公的避難所、一時避難所等 補助対象 バルク貯槽、供給設備、発電機、燃焼機器、給湯器 条件 補助金額 予算額 貯槽内のLPガスを常時使用すること 補助対象経費(設備費・設置工事費)の2/3(中小企業)又は1/2(その他大企業及び地 方公共団体等) 2億円(交付決定件数:64件)※7/16時点 ■導入事例 社会福祉法人 大和福壽園 様 平成27年度概算要求 4.5億円 LPガス災害対応バルク (宮城県塩釜市) (ユーザー様の声) 震災直後、電気、都市ガス、水道がストップしたが、 LPガスが使用可能であった ため、入居者・職員200名以上分の食事とGHPによる避難者の暖房の確保、風呂に入 れない地域住民への風呂の提供をすることができ、LPガスの災害対応力の高さを改 めて実感。またLPガス販売事業者による迅速な復旧作業と安定的なLPガス供給も心 強かった。 200人以上の命をつないだ LPガス厨房設備 平均気温3.8℃の寒さから 避難者を守ったGHP 1日1回LPガスを供給し続けた バルクローリー ・非常時の電源を確保するため、今年度新たに災害対応バルクと 発電機を設置。 ・自治体に依存しない機動的な被災者支援が可能な防災拠点に。 33 第4章 <28>LPガス供給拠点マップ LPガスによる国⼟強靭化のソフト⾯からの⽀援として、国家備蓄基地や中核充填所等のLP ガスサプライチェーンの重要な拠点⾃由に表⽰可能なデジタルマップを制作。WEBサイト上 で⼀般公開することにより、ユーザーの⽬的に合わせて活⽤することが可能。 マップのベースデータに国土交通省国土地理院の地理院タイルを 使用し、災害時に必要な情報である各施設の距離や位置、地形 等の情報を精確に再現。画像は京浜地区の輸入基地と中核充填 所を表示 日本全国を1/500万~1/2500の縮尺で表示。目的に合わせて背景 地図の切り替えが可能(画面は波方国家石油ガス備蓄基地の衛星 写真を1/2500で表示) ■ LPガス供給拠点マップの概要 概要 LPガスサプライチェーンの重要な拠点であるLPガス国家備蓄基地(5ヶ所)、輸入基地(35ヵ所)、二次基地 (47ヶ所)、中核充填所(344ヶ所)、さらに避難所に指定されている施設を自由に表示可能なデジタルマップ システム 用途 LPガスの強靭な供給体制のPR、防災訓練や災害対応シミュレーション等 適用 日本LPガス協会WEBサイト上に一般公開中(インターネット・エクスプローラ9以上で作動) URL:http://www.j‐lpgas.gr.jp/feature/supply.html 34 第5章 事業基盤の再構築に応えて 35 第5章 <29>石油製品の需要見通し(液化石油ガス) 液化石油ガス(年度平均伸び率+0.6%) 燃料油(▲1.7%) 36 第5章 <30>新たなエネルギー政策に応えて~国内需要の創出~ 中長期展望の取り進め方について 「取組方針」を基に、「20年間のロードマップ」と「2011~2015年の活動方針」を策定し、 活動方針に基づいて、各年の「事業計画」を策定して事業を展開。 ◆中長期展望の見直し実施(2012年3月)(今回の震災及び国のエネルギー政策の見直しを受けて) 部門 家庭 主な取組 LPガス高効率給 湯器 家庭用燃料電池 ・LPガス給湯器世帯: LPガス世帯の70% 150万台 ・LPガス世帯の7.5%に普及 (150万kW相当) - 180万kW相当 (冷房能力) コージェネレーショ ン 350万kW相当 ・定置用燃料電池を含む 燃料転換 50~350万㌧ ・LPガス:現在産業用エネルギーの12% 260万台 ・削減代替化される石油系自動車需要量 の1割をLPガス車化 ・大半は自家用車 GHP 運輸 1,400万台 備考 ・電気とガスの棲み分け促進、災害対応力 向上 ・ビル用エアコンの約15%をLPガスのGHP 化等 FRP容器 業務・産業 目標 先進型 LPガス車 CO2削減量 1,400万t~1,600万t LPガス総需要量2,000万t~2,300万t 37 第5章 <31>家庭用燃料電池(エネファーム)10万台突破 エネファーム10万台突破 記者発表会開催 ・主催:エネファームパートナーズ ・日時:平成26年9月29日 ※エネファームパートナーズ 住宅関連業界・エネファーム製造業界 エネルギー業界 38 第5章 <32>改正省エネ法におけるコジェネ・GHP等の位置づけ ■ 電気需要平準化評価原単位(平成26年3月「省エネ法改正」において策定) 電気需要平準化時間帯(夏季・冬季の昼間)における電気使⽤量を削減した場合、これ以外の時間帯における 削減よりも原単位の改善率への寄与が⼤きくなるよう、電気需要平準化時間帯の電気使⽤量を1.3倍して 算出する制度。これにより、GHPやコジェネレーションの導⼊によるピーク時の電⼒使⽤量削減を促進。 ■ GHP導入による削減効果イメージ 削減量を1.3倍 にして算出 出典:資源エネルギー庁「省エネ法の改正について」平成26年4月1日を基に作成 39 第5章 <33>FRP容器実用化 《欧米》 海外では既に普及 現在、欧米では1,000万本使用 (軽量・美観・液面確認・耐腐食性 等のメリットから普及) 《日本》 特認7.5kgFRP容器 輸入・販売予定 10kg以下のFRP容器 技術基準を年度内に整備予定 ・F:Fiber=繊維 ・R:Reinforce=強化 ・P:Plastic=プラスティック ・小型 ・軽量 ・コンパクト 鋼性容器 FRP容器 40 第5章 <34>「火育」「食育」「見守り活動」を通じた地域貢献 都道府県協会では、各地域で⽕育、⾷育活動を展開。⼩学校での料理教室、⽕起 こし訓練等の出前事業や、⾼齢者宅への⾒守り活動を実施。 火育 高知県LPガス協会 滋賀県LPガス協会 見守り隊 兵庫県LPガス協会 「マッチ擦り体験」 「火育出前授業」 「火おこし体験」 高齢者あんしん見守り隊 丹波市とヤマト運輸・佐川 急便とともに協定結ぶ 食育 青年委員会活動 新潟県LPガス協会 熊本県LPガス協会 『ぼんべぇくん』 静岡県LPガス協会 「収穫祭~みんなでカレー パーティ」(畑から収穫した じゃがいもを使ったカレー 瓦斯屋凡兵衛 (愛称『ぼんべー』君) 火の大切さ、便利さ を認識してもらう 「いただきます! 応援宣言 for kids」 「いただきます、ごちそうさま」の 意味や、「お箸の持ち方練習」 41 第6章 まとめ 42 第6章 <35>LPガス産業の今後の取組み 産ガス国 輸入ソース多角化 輸入フローの変化 輸入基地・二次基地 国内流通の 強靭化 充填所 高効率・省エ ネ機器の促進 避難所・病院等公共施設 一般家庭 新規天然ガスPJ由来が増産 ・北米シェールガス・オイル由来が増産 ・パナマ運河拡幅完了(2016年1月) ・連携計画による実地訓練 ・輸入基地の耐震性強化 ・中核充填所の更なる整備とBCP ・国土強靭化地域計画への参画 ・防災協定の100%締結と公共施 設等への防災バルクの設置 ・家庭用燃料電池、GHP、燃料 転換の促進、FRP容器の推進 ・「火育」「食育」「高齢者見守り」等 の社会貢献と総合生活サービス ・エネルギーを核に「地域創生」へ お客さまに選ばれるエネルギーへ 43 ご清聴ありがとうございました 日本LPガス協会 http://www.j-lpgas.gr.jp/ 日本LPガス団体協議会 http://www.nichidankyo.gr.jp/ 一般社団法人 http://www.japanlpg.gr.jp/ 全国LPガス協会 一般財団法人 エルピーガス振興センター http://www.lpgc.gr.jp/ 44
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