平成26年11月分

揖斐農林事務所の普及活動状況
平成26年11月30日現在
今月の重点活動
■かき 揖斐峡レディース 大野町産富有柿「柿じゃむ」販売!
農業普及課では、地元産の柿加工品を開発するため柿加工品プロジェクトチームを立ち上げ、関係
機関と加工品開発に関する意見交換を行っている。チーム会議の中で、JAいび川から大野町産富有
柿を使ったジャムを販売したい意向があり、商品開発に向けた検討を重ねてきた。今回、揖斐川町で
活躍されている農業婦人クラブ「揖斐峡レディース」が商品開発に協力いただけることになり、大野
町産富有柿を使用した「柿じゃむ」の製造を試験的
に行うことができた。
農業普及課では、レシピの提供、加工指導、地元
ファーマーズマーケットとの調整を行った。今回す
べてが初めての試みのため、
大野町内の JA いび川フ
ァーマーズマーケットで 11 月 29 日(土)から試験販
売(限定 100 個)を行い、今後の商品開発に向けた
検討を進めていく。
【ジャム加工研修会と完成した「柿じゃむ」
】
売れる農畜産物づくり
■土地利用型作物 水田フル活用!麦類播種開始、そば収穫
揖斐地域で約 60ha 栽培されている麦茶用大麦「さやかぜ」の播種が 10 月下旬に終了した。本年度
産は栽培暦の見直しと重点指導により良質麦を収穫できたことから、基本技術を着実に実施するよう
営農組合を指導した。また、本種は全域栽培開始からまだ 3 年目であるため、肥料実証ほを設置し、
さらなる高品質麦の栽培技術を開発していく。
中山間地域の特産品として生産振興を進めている
「そば」は、11 月中旬から収穫が始まった。今年は
8 月の雨により適期播種ができず、その影響で作柄
は今一つ。しかしながら、中山間地域の気候にあっ
た風味の良い「西美濃そば」として地産地消され生
産拡大も進んでいることから、農業普及課としても
【麦の播種】
【そばの収穫】
安定生産と経営体の育成を継続していく。
多様な担い手の育成・確保
■揖斐郡農業後継者クラブ O・MO・TE・NA・SIー「 具だくさん うどん」
揖斐郡農業後継者クラブは 11 月 9 日、毎年恒例「いびがわマラソン物産展」への出展を行い「具
だくさんうどん」
「けんちん汁」の提供と農産物販売を行った。食材はク
ラブによる共同管理ほ場や会員の生産物で賄い「よぉがんばりんさっ
た!」の労いの言葉とともに、あいにくの雨で体の芯まで冷えきったラ
ンナー達を暖めた。提供数は 500 杯、好評のうちに完売した。
農業普及課は計画段階から携わり、出展計画、料理の試作、許可申請、
設営まで会員が主体となった取り組みを支援した。会員達は、農産物を
自らで売る難しさと喜び、みんなで成し遂げた達成感を感じていた。
【ランナーさん 大盛り!】
■新規就農者&就農希望者等 「農業の基礎を見直す講座」を開催
農業普及課は、農業後継者クラブ会員及び新規就農者等を対象とした研修会を計画し 11 月
19 日から開催している。12 月 11 日までの全 4 回を予定。
近年の就農者は、親元就農の他、Iターン、Uターンなど経歴が様々で、研修歴も多様とな
っている。こうした状況の中、経営部門や栽培品目の違いはあ
っても、土壌肥料・病害虫防除・農業経営等、共通的な基礎技
術を見直すことは誰にも必要なことから、経営能力の向上と農
業者同士の連携を図ることを目的として開催することとした。
参加者は 25~30 名程度で、昼間の仕事を終え、疲れた体なが
らも講義に聞き入る真剣な姿がみられる。講義には「鳥獣害対
策」や「地域づくり」といった農政課題も取り入れられ、各分
野に携わる専門家や普及指導員が講義を行っている。
【熱心に聞き入る参加者】
魅力ある農村づくり
■鳥獣害対策 集落ぐるりを猪鹿無猿柵で囲む~揖斐川町春日上ケ流地区~
揖斐川町春日上ケ流(かみがれ)地区は、「天空の里」「日本
のマチュピチュ」と称される高原状の農地に茶畑が拓けた中山
間地域であり、近年、猪による茶畑等の掘り起し被害が深刻化
している。
地区では鳥獣被害を防止するため、10 月 30 日から 11 月 12 日に
かけて、集落全体を囲む約 3.2km の猪鹿無猿柵を設置した。地区住
民参加の下、設置ルート上の樹木伐採、支柱立て、ネット張り作業
が手際よく行われ、被害防止効果に期待が高まっている。農業普及
課は関係機関と連携し、柵の設置支援を行った。
【山の中での設置作業】
県民みんなで育む農業・農村
■茶 春日地区 在来茶を活用した紅茶・包種茶づくり
11 月 16 日、揖斐川町春日地区の新事業開発検討事業委員会によ
る食の活用勉強会において、手揉み茶を用いた紅茶・包種茶(烏龍
茶の一種)づくり講習を行った。原料は前日に上ヶ流地区の在来茶
園において手摘みを行い、室内で萎凋させたものを使用した。発酵
茶の製造においては、生葉を揉むことによって葉に含まれる酵素を
活発化させ、酸化させることを「発酵」と呼ぶ。参加者は完全に発
【在来茶の手摘み風景】
酵させた紅茶及び熱によって途中で発酵を止めた包種茶製造の工
程と実際を体感した。
同地区は在来茶の価格が安く、「やぶきた」も二番茶以降の茶葉
は加工されていない。これを活用して特産品にしたい考えであるが、
体験プログラムとして「春日をまるごと売る」取り組みに発展させ
たいと話し合われており、農業普及課は引き続き支援を行う。
【初冬の手揉み風景】