小林 実織

最優秀賞
田んぼのおじさん
み
おり
うたんになり、わたしは見とれていました。やっぱりおじさんも
やって来て、見回りをしています。ときどき話しかけるようにな
えに手を当てています。わたしたちとあそぶときと同じやさしい
しょう。だから、子どもをそだてるように、毎日田んぼのステー
ばやし
じょせつ車が作った大きな雪の山が、やっときえる四月のおわ
ジに来ていたのですね。なえがうれしそうにゆれています。
こ
りごろ、わたしは、近じょの人たちといっしょに、おじさんの田
おじさんの作ったお米は、まっ白でいいにおいがします。一つ
林 実 織
んぼの石やごみをひろいます。やっときれいになり、ステージの
ぶ一つぶに、おじさんのちえとやさしさがいっぱいつまっていま
小
できあ が り で す 。
す。おじさんのお米から元気とえいようをいただき、わたしはこ
横手市立旭小学校 二年
いよいよ主やくのとうじょうです。青いトラックと青い作ぎょ
れからも大きくそだちます。
顔です。おじさんは、なえが自分の子どものようにかわいいので
うふくのおじさん。ステージの田んぼを一回りすると、
白いひりょ
夏休みになり、いねはほを出して、一メートルにせがのびまし
た。ほについた白いつぶは花だそうです。秋はもうすぐ。ステー
ていきました。かたかった土も、いつのまにかフワフワになって
ジも黄色になります。コンバインにのったかっこいいおじさんが
うをまきはじめました。それからは、ステージがどんどんかわっ
います 。
にゆれて、おじさんを早く早くとよんでいるようです。
とうじょうします。いねはきのうよりもほをたれ、カサカサと風
わたしが二年生の生活になれた五月、学校から帰ると、田んぼ
はみどりになっていました。細いなえが、水の中で風にたおれな
いようにふんばっています。そのころからおじさんは、ステージ
ある日、二かいから見下ろすステージは、きれいなみどりのじゅ
に毎日 あ ら わ れ ま す 。