第11回 全日本学生 フォーミュラ大会 参戦報告書 北海道大学フォーミュラチーム 私たち北海道大学フォーミュラチーム (FHT)は、9月3~7日にかけて静岡県小 笠山総合運動公園(エコパ)にて行われた 第11回全日本学生フォーミュラ大会へ参 加致しました。今大会には、国内外を含む 78チームがエントリーしました。 審査種目 順位 得点 / 配点 デザイン審査 43位 55.00 / 150点 コスト審査 20位 40.4 / 100点 23位 45.00 / 75点 37位 31.78 / 75点 37位 2.50 / 50点 39位 84.55 / 150点 (耐久走行) 20位 172.90 / 300点 燃費 33位 21.98 / 100点 総合 26位 434.11 / 1000点 FHTとしては7回目の大会となり、総合 プレゼンテーション審査 成績は26位でした。昨年度の大会からの 順位を向上させ、トップ10位以内の入賞 アクセラレーション (直線加速) を目標に活動して参りましたが、その目標 は達成できませんでした。この悔しさをバ スキッドパッド ネに、また来年度に向けて活動して参りた (定常円旋回) いと思います。今大会に参加できたのも、 オートクロス ご支援頂いたスポンサー様、FAの先生方、 (タイムアタック) 応援して頂いた全ての皆様のおかげです。 エンデュランス ご協力誠にありがとうございました。 <チームリーダーとしての 1 年を振り返って>黒田啓介 今年度第 11 回全日本学生フォーミュラ大会に出場するにあたり、お世話になりました FA の先生、スポンサー企業様、大学の先生方、チーム OB の皆様、私達北海道大学フォーミ ュラチームをご支援・ご指導いただき、誠にありがとうございました。 この 1 年間の活動を通して最も感じたことは、成績を狙いに行く上でのチームマネジメ ントの重要性です。 今年度成績が伸ばせなかった大きな原因の 1 つに、車両製作の遅れが挙げられます。な ぜ車両の製作が遅れてしまったのか、ということを分析しますと、人数不足・技術不足・ 能動的に動けるメンバーが足りないなどの問題点が浮上してきました。このように大会に 向けて活動してきた 1 年間を振り返り原因を分析していくと、以下 3 点の大きな反省点が 浮かび上がってきました。 ・後輩、新入生の育成の体制が整っていない ・リーダー陣によるチェック体制が不十分 ・目標、日程等の明確化、可視化が足りない この 3 点をクリアすることができれば、もっと競争力のあるチームになることができると 考えられます。特に第 1 項目「後輩、新入生の育成」は毎年問題点として浮上していなが ら実現できていない課題です。 次年度はこれらの目標を達成できるよう次のリーダーに引き継ぎをし、自分自身もチー ムの一員として勝てるチームになれるよう活動して参ります。 <TD としての 1 年を振り返って>宮下修一 まず、今年度達成すべき目標として「理由のない設計をなくす」ということを掲げまし た。当然のことのように思われる方もおられると思いますが、自分がこのチームに加入し たばかりの頃は、はっきりとした理由なく製作された部品が車両のところどころに見受け られる状態でした。今年度はそれを完全になくし、コンセプトに沿って一貫した考えのも と製作された車両であることを誰が見てもわかるようにすることを目指し、設計、製作を 行って参りました。結果、今年度の大会には自信を持って臨むことができたと思っており ます。ただ、実際の審査においてそれはやはり当然の条件であり、さらにその上の次元で 様々な考察を行うことが必要であるとの指摘を受けるなど、課題が山積していることを痛 感しました。 また、もう一つの目標として「自分たちの立てた設計方針が正しいかどうか、実走行を もってこれを検証する時間を増やす」ということを掲げておりましたが、車両製作の遅れ、 さらにはテスト走行中に起きた駆動系部品の破損などがあり、目標としていたメニューを 完全に消化することができないまま、大会に臨むこととなってしまいました。今年度はド ライバーの練習量を増やすことも必須となっていただけに、大きな痛手となってしまいま した。さらに、ドライバーだけでなくクルー全員の動きについても経験の不足を感じさせ るところがあり、事前の訓練の必要性を感じました。 もう、2014 年度の活動は始まっています。今年度の反省を生かすため、個人的ではあり ますが来年度に向けて以下の目標を設定したいと思います。 ・車両設計において、コンセプトを実現しうるアプローチ方法の考察を増やす ・車両完成を前倒しし、実走行による検証時間を増やす ・他チームとの合同テスト等に積極的に参加し、チーム全体で大会と同じ環境下における 経験を積む 最後になりましたが、FA の先生方、スポンサー企業の皆様方のご協力があってこそ、こ の活動が成り立っております。今年度の大会にも無事参加することができたのも、皆様の おかげです。この場をお借りして改めて厚く御礼申し上げます。また、来年度もご指導、 ご協力の程、何卒よろしくお願い致します。 <マネジメントとしての 1 年を振り返って>渡辺 祥太 こんにちは、マネジメント担当の渡辺です。今年度のチームの収支の状況は、当初の予 定よりも大幅に増えてしまいましたが、多くのスポンサー様・大学や自動車技術会様、ま た FHT OB の皆様のおかげで、メンバーの負担を最小限にすることが出来ました。この場 をお借りして、改めて御礼申し上げます。誠にありがとうございました。スポンサー活動 をしている中で、今年度は多くの新規スポンサー様から私達の活動へご理解を頂き、多大 なご支援を頂きました。私達の活動をより広く知って頂けることができ、本当に有り難く 思います。今年で 7 年目になるこの活動ですが、年々車両製作に関する技術やチームマネ ジメント力を高めつつ、今後もこの活動を継続していきたいと考えておりますので、何卒 よろしくお願い致します。 大会中の振り返り <大会 1 日目> 大会1日目は、ピット設営、大会エントリーを行い、事前車検を受けました。私たちの チームは昨年度 14 位であったため、事前車検を受けることができました。出発前の北海道 で事前対策を行いましたが、ブレーキのセーフティワイヤ、ブレーキラインの保護、へド レスの強度不足、ブローバイ用のキャッチタンクの固定などに関して指摘をされました。3 日目の動的試験を全てこなすためにも、2 日目で車検を全て合格する必要ができました。 1 日目の車検終了後にその日のうちにできるブレーキラインの保護に関しては対策を行い、 追加工が必要な部品に関しては翌日の朝行うことを決定し、1 日目を終えました。 <大会 2 日目> 大会 2 日目はコスト審査・デザイン審査・プレゼンテーション審査といった全ての静的 審査と、クイック車検及び動的車検を受ける日程となりました。午前中はコスト審査を受 け、車検対策を行い、車検に関しては合格をもらうことができ、動的車検に臨むことがで きるようになりました。コスト審査では、事前に提出したレポートと、実際の車両が一致 していない部分が多く、正確性の面で厳しい評価となり 20 位という結果になりました。 午後はデザイン審査、プレゼンテーション審査の静的審査を受け、デザイン審査では 43 位、プレゼンテーション審査では 23 位という結果になりました。車検通過後に受けること となるドライバーの着座姿勢のテストでは、ヘッドレストの厚さが足りないドライバーが いることを指摘され、ヘッドレストの修正が必要となりました。その後のブレーキ検査・ 排気音検査・チルト検査・車重測定ではヘッドレストを修正しなくても問題ないドライバ ーが担当し受けることができました。 排気音検査・チルト検査・車重測定は無事クリアすることができましたが、ブレーキ検 査では 4 輪がロックすることを確認できず不合格となってしまい、再度受ける際にバッテ リーがあがってしまうトラブルが発生しました。チームではヘッドレストの修正及びバッ テリーの充電を早急に行い、3 日目の朝一番にドライバー全員の合格、ブレーキテストの合 格をし、アクセラレーション・スキッドパッドイベントに参加する方針を決定し 2 日目を 終えました。 <大会 3 日目> 大会 3 日目からは動的審査が始まり、この日の朝は雨が降っておりコース上には水たま りもできている状態でした。動的審査に参加するためにドライバーテスト、ブレーキ検査 を受け無事合格すると、天候も回復し競技に参加することができました。 最初の走行ではシフトがうまく上のギアに上がらず、アクセラレーション及びスキッド パッドのスコアはタイムを出すことができませんでした。その後シフターの調整を行い、 アクセラレーションでは 1 走目のタイムを更新することができました。しかし、スキッド パッドで走行を開始しようとした際にチェーンが切れるトラブルが発生し、走行すること ができず1走目のタイムしか残らず、アクセラレーション、スキッドパッドで共に 37 位と いう結果になりました。 午前の動的審査で切れたチェーンの修理を行い、午後のオートクロスに臨みました。オ ートクロスはタイムアタック競技であり、このタイムによってエンデュランスの走行順が 決定します。結果、種目別 39 位という結果に終わり、エンデュランスの走行順は翌日の午 前走行チームの最後となりました。この日は最終確認を行い、3 日目を終えました。 <大会 4 日目> 大会 4 日目にはエンデュランスに出走しました。午前の最後に出走予定でしたが、スケ ジュールに遅れが生じ、午後の最初に出走することになりました。ドライバーはオートク ロス競技を担当した黒田・宮下が走行を行いました。先に宮下が走行し、無事 10 周を走り 終え、次の黒田とドライバー交代しました。昨年度課題となった交代でのタイムロスをな くすことができ、ドライバーを素早く送り出すことができました。黒田も無事 10 周走りき ることができ、エンデュランスを完走することができました。種目別順位は 23 位でした。 しかし、その後の騒音試験で既定の騒音 dB を超えてしまったため、ペナルティを受けトー タルのスコアから 20 点の減点を受けてしまいました。 <大会 5 日目> 大会 4 日目までにすでに全競技を終えていたので、大会 5 日目は上位チームのエンデュ ランスを見学し、他チームとの交流などを行いました。夕方に表彰式が行われ、私たちの チームは全 77 チーム中 26 位という結果になりました。 2013 年度スポンサー様紹介 (敬称略・順不同) 企業・団体スポンサー様 株式会社 IDAJ 太平洋フェリー株式会社 本田技研工業株式会社 新千歳モーターランド 有限会社ホクアイ・ベッツ 株式会社日本ヴイアイグレイド 株式会社榛葉鉄工所 ゼット・エフ・ジャパン株式会社 NTN株式会社 株式会社ミスミ ソリッドワークスジャパン株式会社 日本軽金属株式会社 株式会社 ISS 北海道 株式会社ゲイナー 有限会社荒川ラジエーター 株式会社東京アールアンドデー ミネベア株式会社 杉本金属工業株式会社 株式会社トヨタレンタリース札幌 株式会社アスペクト 株式会社天然生活 有限会社インターセプター フジオーゼックス株式会社 株式会社エフ・シー・シー 株式会社ビー・ユー・ジー森精機 北海道シャーリング株式会社 JX 日鉱日石エネルギー株式会社 株式会社富士精密 大豊工業株式会社 協和工業株式会社 テクノイル・ジャポン K.K. 株式会社丸中洋行 ソーダファクトリー 日信工業株式会社 ダウ化工株式会社 株式会社深井製作所 スクーテックジャパン株式会社 前田金属工業株式会社 白老カーランド タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 株式会社インギング APP 事業部 有限会社アシスト エム・キュービック 株式会社ユタカ技研 株式会社イーエスケーオート 株式会社レーシングサービスワタナベ 株式会社タジマモーターコーポレーション Special Thanks ホンダマイスタークラブ 北工会 北海道大学工学部機械知能工学科 FHT OB 会 工学系技術センター工学系ワークショップ 自動車技術会北海道支部 多大なるご協力を頂き、誠にありがとうございました 第11回大会参戦車両 FH-07 紹介 Concept “Synchronize” 操作系統の ドライバビリティの改善 低速トルクの向上 ストレスの軽減 シャシーの高剛性化 FH-07 諸元 1135mm 1280mm 1230mm Frame Body-work Front suspension 1700mm 2960mm Steel space frame GFRP Double unequal length A-Arm with Pull rod actuated horizontally oriented spring and damper Rear suspension Double unequal length A-Arm with Pull rod actuated horizontally oriented spring and damper Overall length 2960 mm Overall height 1135 mm Wheel base 1700 mm Front track 1280 mm Rear track 1230 mm Gross Vehicle Mass 230 kg Fr.Rr. Weight Dist. 47:53 Ground clearance 45 mm Wheels & Tires 10 inch RS Watanabe 18.0/6.0-10 Hoosier Bias Engine HONDA PC40E CBR600RR 2007 Displacement 599 cc Maximum power 85 PS / 11000 rpm Maximum torque 6.0 kgf / 8000 rpm Induction type Naturally Aspirated Fuel tank 5.5 L Shifter Manual Final drive & 520 Chain Differential F.C.C. Limited Slip Differential Brakes Front / 2 outboard / 2 outboard Rear Nissin calipers
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