2015 年度最終活動報告書

京都大学フォーミュラプロジェクト KART
2015 年度最終活動報告書
~目次~
はじめに
車両スペック
各班最終活動報告
会計報告
大会報告
学生フォーミュラ大会に参加して
2015 年度「学生フォーミュラ活動」総括
来年度活動に向けて
謝辞
スポンサー,サポーター様一覧
1
はじめに
2015 年度プロジェクトリーダー 薗和希
新秋快適の候,皆様におかれましてはますますご活躍のこととお喜び申し上げます.
平素は格別のご高配を賜り,誠にありがとうございます.
さて,私達京都大学フォーミュラプロジェクト KART は 9 月 1 日~5 日の 5 日間にわたり静岡県
小笠山総合運動公園で開催された,第 13 回全日本学生フォーミュラ大会に参戦してまいりました.
今年はチーム発足から 12 年目にあたり,12 回目の大会出場となります.一昨年総合優勝を果たし
強豪校に名を連ねるようになった KART は,僅差で 1 位を逃した昨年の苦い経験を経て,優勝の
座の奪還という明確な目標をチームで共有して,活動してまいりました.決して人数の多くない小さ
なチームながら,フットワークの軽さを活かして積極的に新技術に挑戦し,貪欲に勝利を追求して
まいりました.しかし,掲げた大きな目標に比して結果は振るわず,エンデュランス競技において無
念のリタイアを喫し,総合 23 位に終わりました.
悔いの残る敗退となった一方で,多くの賞を獲得し,車両が高い評価を得たこともここに申し添
えさせていただきます.あらゆるモータースポーツ界を見渡しても稀なツインシャシ機構に挑戦し,
一定以上の成功を収めることができました.また,大会本番での搭載には至らなかったものの,自
作の電動アシストスーパーチャージャーは多くの方から好意的な評価をいただくことができました.
これらは私達 KART が,守りの態勢にはいることなく常に勝利を目指して攻め続けた姿勢が,間違
っていなかったことを示していると考えております.
この最終報告書では,この 1 年間の私達の活動の軌跡をご報告いたしますとともに,私たちに足
りなかったものは何か,また今後に向けてどうすべきかを熟考させていただきます.車両のご紹介
や会計報告,チームメンバーの感想も掲載しておりますので,最後までご覧いただけましたら幸い
です.
2
KZ-RR13 車両スペック
■車両スペック表
Body-Color
Pearl White & Navy Blue & Red
Frame
Aluminum space frame
Body-work
CFRP
Suspension(Front & Rear)
Front : Double unequal length A-arm Push rod
Rear : Double unequal length A-arm Push rod
Overall Length
3230mm
Overall Height
1190 mm
Wheelbase
1730 mm
Front Track
1300 mm
Rear Track
1300 mm
Gross Vehicle mass
185 kg
Fr.Rr Weight Dist.
43 : 57
Ground Clearance
20 mm
10 inch
Wheel & Tires
Douglass
18 x 6.0 -10 Hoosier LC0
Engine
WR450F
Displacement
449 cc
Max power
45 PS / 9000 rpm
Max torque
4.1 kgf / 7200 rpm
Induction type
Electric Assisted Supercharger?
Fuel tank Volume
3.2 L
Shifter
Semi-Automatic
Final Drive & Differential
Hypoid Gear & ATS LSD
Brakes
Unique Features & Notes
Front : 2 outboard Frando calipers
Rear : 2 outboard Wilwood calipers
Twin Chassis, Electric Assisted Supercharger
3
KZ-RR13 車両コンセプト~Breakthrough~
バネ下マウント
前後ウイング
CFRP 製 自作ステアリングホイール
A7075 アルミハブ
カーボン+ノーメックスハニカム
コンポジット製サイドスカート
電動アシスト
スーパーチャージャー
YAMAHA/WR450F
単気筒エンジン
Douglass 製
10inch.ホイール
スパイラルベベルギア & ATS 製 LSD
4
Hoosier 製 タイ
ヤ
シャシ班 2015 年度最終活動報告
シャシ班リーダー 井澤純一
今年度のシャシ班の活動について記します.昨年度,シャシ班ではフレーム及び足回り構造の
抜本的な見直しを行い,エアロデバイスの入力や過渡応答性能の向上などを意識した,新たなパ
ッケージレイアウトを確立しました.改革 1 年目にして各動的審査で好成績を収めたことから,今年
度もこのパッケージングを引き継ぎ,ブラッシュアップを図ることとなりました.昨年度の課題であっ
た,各部品の軽量化や設計・製作スケジュールの管理を徹底したほか,サスペンションジオメトリに,
よりタイヤの動特性を踏まえた検討を加える,フレーム内のねじり剛性配分を均一化するといった
取り組みにより,今年度車両 KZ-RR13 は総合優勝を掴みうる車両となりました.大会本番でもスキ
ッドパッド 3 位を獲得し,オートクロスやエンデュランスも,タイム自体は十分総合優勝を狙えるもの
であったことから,これらの取り組みは一定の成功を収めたものと考えております.
しかし,動的審査において首位であった海外の大学とはまだ歴然としたタイム差があり,シャシに
も改善の余地があることを思い知らされることとなりました.来年度は新たなアプローチも検討に加
えながら,伸び代がどこにあるのかを見極め,各動的審査にてトップタイムを狙ってまいります.
以下,各パーツについて記していきます.
・サスペンション
今年度はエアロデバイスがバネ下にマウントされることから,ダウンフォース発生量はバネ上シャ
シの姿勢に依存しなくなりました.よって今年度はホイールレート・ロールレートを下げ,足回りの動
作自由度を上げて,よりタイヤを理想的な角度で接地させることを目標としました.同時に,フレー
ムに加わるねじりの力も減少するため,フレーム変形がサスペンションに及ぼす影響を抑える効果
もあります.自作の車両運動シミュレーションプログラムの導入などの取り組みも新たに行い,大会
ではスキッドパッド 3 位,およびベストサスペンション賞を獲得しました.一方で,上位の海外大学と
比較するとまだ定常性能・過渡性能共に改善が見込めること,これまでの車両とは設計の前提から
異なるため,セッティングに大幅な時間を費やすこととなってしまった点が次年度への課題として挙
げられます.
・フレーム
昨年度は目標値重量よりも大幅に重いフレームとなっ
ていたため,ねじれ剛性はそのままに軽量化することを
主眼に置きました.前後ダンパースプリングの取り付け点
の距離を縮める,場所によっては t1 のパイプも用いると
いった取り組みにより,過去最高となる 2200N/mm のねじ
り剛性を達成すると共に,昨年比でマイナス 1.3kg の軽
5
量化を実現しました.
・ステアリング
昨年度,大会本番での搭載を見送ったテレスコピック
機構およびチルト機構を実装しました.これにより,体格
の異なるドライバーそれぞれに対し,適切なドライビング
ポジションを設定することが可能となりました.また,ステ
アリングホイールをカーボンで自作し,軽量化と高剛性
化を図りました.
・ハブ・アーム
KART 史上初となる,アルミ製のハブを製作しました.
A7075 の削り出しで,剛性は従来通りのまま,昨年比 4 輪
で 1640g もの軽量化を達成しました.加えて,リアハブの
等速ジョイント摺動面にショットピーニング加工を行い,
駆動ロスを低減しました.
また,アームのスフェリカルベアリングの固定方法を,従
来の C 型止め輪からボディステーキング(スフェリカルベ
アリングケースの周囲を内側に変形させて固定する方
法)へと変更し,従来頻繁に発生していた圧入抜けに対する不安を一掃しました.
・ドライブトレイン
最終減速比を下げ,エンジンの 2~4 速を主に使用することによってギア比のクロス化を狙うと共
に,リングギアの小径化によるファイナルギアユニットの小型軽量化を目指しました.また昨年度は
軽自動車用の LSD を使用していたため,車格に対して大きく重量も嵩んでいました.今年度は一
回り小さな ATS 製のカーボン LSD を採用させていただき,ケース・リングギアを再設計した結果,ド
ライブユニット全体で 2.2kg の軽量化に成功しました.ただ車両に搭載されたのが 7 月下旬であっ
たため,実走行を踏まえたイニシャルトルクやロック率の細かな調整は次年度への課題となりまし
た.
シャシ班リーダー:井澤純一
[email protected]
メンバー : 薗和希 鈴木雅史 玉置将吾 早川健太郎
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エンジン班 2015 年度最終活動報告
エンジン班リーダー 松本太斗
エンジン班の今年度の活動について記します.私たちは2011年度より軽量,低燃費が実現可能
な単気筒450ccエンジン(YAMAHA WR450F)を使用させていただいており,2015年度も引き続き
このエンジンにて臨みました.今年度の車両パッケージングにおいては,エアロダイナミクスの搭載
による車重増加およびドラッグの増加が見込まれ,加速性能の低下を最小限にすることが課題とな
っていたため,より一層の正味出力の向上をコンセプトとしました.出力向上のための取り組みとし
て,吸気系では電動アシストスーパーチャージャーの設計・搭載を目指したほか,排気系では排気
スロットルの搭載を,冷却・燃料系は軽量化を主眼に置きました.
電動アシストスーパーチャージャーについては,実際に車両に搭載し運転試験を行うところまで
いきましたが,信頼性の確保が問題となり,最終的に大会本番における搭載を見送りました.また,
耐久走行では冷却水とエンジンオイルの漏れからリタイアという結果に繋がりました.原因について
は後述させていただきます.
・吸気
一層の正味出力の向上を目指し,昨年度より設計・製作をしていたハイブリッドターボ(モーター
による過給)を昇華した電動アシストスーパーチャージャーの搭載を目指しました.これは,低回転
域(~7500rpm)は,モーターにより,高回転域(7500~10500rpm)はクランク軸より出力を得ることで
過給器を回すという機構となっております.増速ギアボックスユニットはOXISO様に依頼して製作し
ていただき,車両に搭載して実走行試験を行いました.過給圧は想定よりも大きな値が得られまし
たが,ギアボックス内オイル圧力の上昇,温度上昇といった問題も発生してまいりました.前者につ
きましては,オイル経路をエンジンの潤滑ラインと共通としていたため,ブローバイを設けるだけの
解決策はエア噛みを起こす恐れがありました.後
者につきましては,使用オイルがエンジンオイルで
あったため過給器の仕様に対し,粘度が高いこと,
オイル流量が少ないこと,また比熱や熱伝達率が
小さいことから温度上昇を招いたと考えました.こ
れらの問題の解決のためオイル経路をスーパーチ
ャージャー用に独立させるという対策を行いました.
これにより使用オイルについても自由に選択できる
ようになります.結果として短時間の走行には耐え
うるようになりましたが,耐久走行における信頼性
の確保が困難なため,大会本番での搭載は断念
いたしました.
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過給圧実測値
・排気
アウトオブコーナーでの立ち上がり時(6500rpm)での
出力向上を目指し,排気圧力を実測し,バルブオーバー
ラップ時に負圧が発生する排気管長を選択しました.ま
た高回転域では正圧の吹き返しを防ぐために排気スロッ
トルを設けました.しかし製作を進めていく中で,レギュレ
ーションにより厳しくなった騒音レベルを満たすことがで
きない(アイドリング,7000rpmで規定レベルより10dBCオ
ーバー)ことが分かりました.そこで設計を変更し,多室構造のサイレンサーやチャンバーの搭載,
及び排気出口をΦ22まで絞るという対策を行いました.大会では,アイドリング7000rpmで規定レベ
ルを3dBC下回り,余裕をもって騒音テストを通過することができました.
・燃料,冷却
各パーツの性能の見直しを行い,軽量化を目指しました.まず,燃料系は軽量なインタンク式の
ポンプを採用し,燃料ラインも短縮しました.冷却系は,昨年度は80L/minのポンプを使用しており
ましたが,ポンプのデューティー比を変更し,ウォーターポンプの必要流量を実走行試験から測定
したところ,今年度は15L/minのポンプで十分であることがわかり,こちらを採用いたしました.これ
らの取り組みの結果,燃料系では700g,冷却系では600gの軽量化に成功しました.
・エンジンオイル漏出の原因について
大会エンデュランス競技でのドライバー交代の際,エンジンオイルの漏出が見つかり,再出走が
できなくなりました.大会終了後にプライマリシャシを外し,エンジン周辺を調査したところ,クランク
ケース下部のオイルラインのニップルの圧入が抜けており,ここからオイル漏れが発生していたこと
が判明いたしました.ニップルが抜けた原因としては,エンジン本体がアルミ製,ニップルが鉄製で
あるため,線膨張係数の違いから高温時に抜けやすくなってしまっていることが考えられます.また
この部品は純正ではありますが,構造上車両の全体チェック時に状態を確認するべきパーツでも
あったと考えられます.今年度走行会において,シリンダヘッドカバー部の同様の構造のニップル
にも一度だけ圧入抜けが発生しました.これについてもヘッドカバーがマグネシウム製で,ニップル
が鉄製のため同様の理由が考えられます.エアロデバイスによって覆われているため熱の滞留が
起こり,エンジンルームの雰囲気温度がかなり高かったことが予想されます.今後詳細な周辺温度
の測定,またニップル材料の再検討などを行っていきたいと考えております.
エンジン班リーダー:松本太斗
[email protected]
メンバー :岸上稜 井上槙平
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エアロダイナミクス班 2015年度最終活動報告
エアロダイナミクス班リーダー 井上槙平
2015 年度のエアロダイナミクス班の活動について記します.
今年度は,昨年度のエアロパッケージをさらに進化さ
せるために,すべてのエアロパーツをバネ下マウントする
ツインシャシ構造を導入することを大きな柱として設計を
行いました.製作の際には,剛性の最適化によって軽量
化を進めました.軽量・ハイダウンフォースなパッケージ
ングを実現したことによって,車両の限界性能の向上を
達成できたと考えております.
以下,各パーツに関して記述いたします.
・フロントカウル
空気流の車両への入り口となるパーツです.後方に控えるすべてのパーツに影響を与えるため,
ノーズの長さ・高さ・太さなど丁寧に比較検討いたしました.
・フロントウイング
フロントカウルと同様に空気流の車両への入り口となる
パーツです.サイドウイングへの影響を考慮しつつ,グラン
ドエフェクトを最大限活用することを狙って設計いたしまし
た.大型のメインプレーンと小型のフラップ2枚の3エレメン
ト構成を採用いたしました.
・サイドウイング
レギュレーションによる拘束が最も少ないのがこのサイドウイングです.このことを踏まえて今年度
はより大型化し強力なダウンフォースが発生するように設計いたしました.ウイング全体を3分割して,
気流の剥離を抑えつつ,排気系と冷却系を内蔵しております.
・アップスイープ
タイヤ周辺でのドラッグ発生を抑えるために搭載したパー
ツです.気流をタイヤ上方と側方へ振り分けることによってド
ラッグを抑えつつダウンフォースの獲得にも貢献していま
す.
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・サイドスカート
昨年度はサイドウイング下面の負圧を守るために搭載されていましたが,今年度は,リアウイング
のマウントという役割も与えました.t10のアラミドハニカムの使用や,後方に折り返しを追加すること
によって剛性の確保に努めました.
・ディフューザー
車両下面を通過する気流の出口に当たるパーツです.剥離させることなく気流を引き抜くことで
ダウンフォースを獲得しています.またブレーキランプのマウントも担いました.
・リアウイング
車両上方の乱れの少なくきれいな気流が当たるパー
ツです.ダウンフォース発生量も大きく,全体の三分の一
を占めます.L/Dが3以上という条件の中で,最大のダウ
ンフォースが獲得できるように,翼弦長と迎角を検討し2
エレメント構成を採用いたしました.
エアロダイナミクス班リーダー:井上槙平
[email protected]
メンバー :中村葵
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2015年度会計報告
文責:大橋一輝
京都大学フォーミュラプロジェクトKARTの2015年度会計報告をいたします.
今年度も数多くのスポンサー様,サポーター様からご支援を頂き,誠にありがとうございました.
深く御礼申し上げます.
各支部の合同走行会に積極的に参加したことによりレンタカー代,燃料費,交通費は昨年度より
増加しました.ツインシャシーエアロデバイスを新たに開発したにもかかわらず材料費を大きく抑え
ることができたのは,加工のご支援をいただいた新規スポンサー様の皆様のおかげでございます.
有難うございました.トータルの支出は昨年度に比べ大幅に抑えることができました.
無駄な出費を抑えつつ,車両開発に必要な資金を充てることが学生フォーミュラにおいて非常
に重要です.新規部品の開発設計に挑戦し続けるためには多くの材料費,部品購入費が必要と
なります.また,大会でしっかりと走りきるためには,試験走行やドライバーの練習が重要であり,そ
のための遠征費用が不可欠となります.
今後とも多くの活動資金を獲得し,競争力のある車両を開発できるように努力して参ります.
2015年度収支内訳
¥343,006
¥1,078,926
スポンサー
個人サポーター
¥702,560
¥2,239,833
合計
11
学生
その他
¥4,364,325
2015年度支出内訳
¥65,125
材料費
¥383,778
部品購入費
¥39,937
備品・消耗品購入費
¥604,483
¥336,072
レンタカー代
燃料費
¥92,217
交通費
保険代
¥227,590
¥1,338,196
¥276,392
大会関連費
広告費
交際費
¥399,692
諸経費
¥600,843
合計
12
¥4,364,325
2015 年度大会報告
文責:薗和希
<第 1 日目>
9 月 1 日,第 13 回全日本学生フォーミュラ大会が
幕をあけました.私たち京都大学フォーミュラプロジ
ェクト KART も,昨年僅かな差で逃した優勝を奪還
することを目標に据え,大会に臨みました.
カーナンバー2 である私たちは車検優先校として
1 日目に技術車検を受けることができます.今年は
準備万端の態勢で余裕をもって車検に臨むことは
かなわず,出発直前まで大会準備に追われてしまったこと,大会レイアウトの変更の詳細を把握し
きれていなかったことが原因で,非常に慌ただしい雰囲気の中,会場のエコパに到着しました.何
とかドライバーの装備品のチェックを済ませ,時間ギリギリに車検を開始することができました.
これまでの試走会等で何度か車検を受けていたことが幸いして,根本的な問題はありませんでし
たが,細かな箇所を何点か指摘されました.いずれの指摘箇所もその場で対応できるものでしたの
で,すぐに修正し再車検を受けました.結局 1 番目に車検を通過することができたものの,余裕をも
った理想的な進行には程遠く,運よくスムーズに通過したと重くとらえるべき車検でした.
続いてドライバー脱出とフラッグテストを行い,騒音試験,チルト試験,重量計測と合格していき
ました.今年は騒音試験の合格基準が非常に厳しくなっており,通過が危ぶまれていましたが,事
前に十分な対策を行っており,余裕をもって通過することができました.ブレーキテストを除く全車
検項目を 1 番に通過し,結果的には順調なスタートを切ることができました.
今年は大会レイアウトに大きな変更が加えられ,さらに
大会中は天気が不安定であることが予想されていました.
臨機応変な対応が求められる今大会では,このような慌た
だしい状態は,致命的なミスにつながります.2 日目以降,
より余裕を持った行動を心がけるよう肝に銘じ,1 日目は
終了しました.
<第 2 日目>
大会 2 日目の朝はブレーキテストから始まりました.テストは 1 回目のチャレンジで合格し,これを
以って全ての車検に通過いたしました.明日から始まる動的競技に出場する資格を得たことになり
ます.
また,本日は 3 つの静的審査(コスト,デザイン,プレゼ
ンテーション)の当日審査がメインとなります.
13
ブレーキテストの通過後,すぐにコスト審査に向かいました.コスト審査では,部品の製造方法や
製作工程を想定し,その実現性・正確性を競います.今年は大量生産を想定した製造方法により
コスト低下を狙い,さらにエアロデバイスの増加によるコスト増を抑える指針でレポートを作成してお
りました.しかし,当日の審査では細かな疑問点を複数個所指摘されてしまい,時間不足によって
十分な説明を行うことができませんでした.一方で,より詳しい製造工程を想定するリアルケースシ
ナリオでは,準備してきた内容を十分に発揮できました.
続くデザイン審査では,車両を前に審査員へ設計方法や,車両の性能について説明します.今
年は説明用のパネルだけではなく,試作に終わった自作電動アシストスーパーチャージャーも持
ち込み,説明を行いました.エアロデバイスのツインシャシ機構や電動アシストスーパーチャージャ
ーなどの新たな取り組みやサスペンションレイアウトの堅実な設計に対して好評価をいただくことが
できました.
最後の,プレゼンテーション審査では,審査員を企業の役員と見立て,審査員へ車両を売り込
むプレゼンテーションを行います.プレゼンテーション資料こそ十分な準備を行うことができたもの
の,当日の発表で躓き,質疑応答も完璧とはいえず高得点を狙うことができない結果となりました.
波乱はあったものの全ての静的審査を無事終えること
ができました.これらの審査結果は 3 日目の夜に発表さ
れます.
また,ベスト三面図賞の結果が発表され,KART が 1 位
を獲得いたしました.昨年に続き 2 年連続 1 位の獲得で
す.メンバー一同,士気を高め,車両のチェックを行って
明日から始まる動的競技に備えました.
<第 3 日目>
午前中はスキッドパッド(旋回性能を競う),アクセラレーション(加速性能を競う),午後にオートク
ロス(コース走行のタイムを競う)と,本日は動的審査 3 競技を行いました.
今年は大会レイアウトの変更に伴い,全ての競技時間
が二分され,前半・後半のどちらかの時間帯のみ出走で
きるという運営となっております.私達 KART は不安定な
天候を危惧し,前半の出走枠を選び競技に臨みました.
前半組を選択した KART は午前中のまだ路面温度の
低い状況で,スキッドパッド,アクセラレーションを行いま
す.しかしスキッドパッドでは新人 2 回生ドライバーが好タ
イムを記録し,3 位を獲得しました.アクセラレーションでも出力的に不利な単気筒 450 ㏄エンジン
ながら 11 位を獲得するなど健闘しました.
午後からのオートクロスは,作戦通り競技開始後すぐに出走することができました.読み通り雨の
降り始める前に記録を残すことができ 2 位の位置につけることができました.しかしその後,悪天候
14
のため競技がいったん中止となりました.そのまま時間だけが過ぎ競技再開のめどは立たず,出走
できない車両が多いとの理由から結果的にはオートクロスの競技自体がなかったことになる,異例
の措置がとられました.私達 KART としては惜しい結果となりましたが,気持ちを切り替え,明日か
らの競技に備えます.
また静的審査ではプレゼン 14 位,コスト 15 位,デザイン
4 位以内と発表されました.コスト,プレゼンの結果は振る
いませんでしたが,デザインでは 2 年ぶりにデザインファイ
ナルへの切符を得ることができました.
さらにオートクロスが中止となった今年は,スキッドパッドと
アクセラレーションの結果からエンデュランスの最後を走る
ファイナル 6 が決定されました.私達 KART もファイナル 6
として最終組で出走することとなりました.
<第 4 日目>
大会 4 日目,エンデュランスの競技が始まりました.エンデュランスでは約 20 ㎞を走行し,そのタ
イムと燃料消費量で競います.速く走る性能はもちろんのこと,長距離を走り切れるかという車両の
信頼性が問われる競技です.私達 KART のエンデュランス出走日は 5 日ですので,本日はマシン
の最終チェックを行い明日に備えました.
また本日最後のイベント,デザイン審査上位4校で行わ
れるデザインファイナルに出場しました.デザインファイナ
ル出場校は,多くの審査員や観客の前で,審査員と対話
しながら車両の設計や評価について説明します.今年は
ホイールベースやトレッド,前後重量配分などの基本的な
車両緒元の決定方法から,エアロデバイスのツインシャシ
機構や,電動アシストスーパーチャージャーの話題が主
なものとなりました.ひとつひとつ丁寧に答え,今年の車
両をアピールすることができました.審査員の方々との会話も盛り上がり,多くの審査員から好評を
得る結果となりました.
またエアロデバイスのツインシャシ機構が高く評価され,ベストエアロ賞を私達 KART が獲得いた
しました.この受賞により,デザイン審査の最終結果と,明日の走行への期待が一層高まりました.
<第 5 日目>
最終日,エンデュランスの最終組として出走します.午前中のうちに競技場所横の待機場所へ
移動し,プラクティス走行を行った後,車両の最終チェックを行いました.
15
13 時 25 分,ついに京都大学の出走順となりました.
1st ドライバーは今大会が初めてとなる新人ドライバー.
入りのラップは 1 分 6 秒でしたが 2 周目から 9 周目まで 1
分 3 秒台でコンスタントにラップを重ねていきます.最終
ラップにタイムロスがあったものの,初出走としてはまたと
ない好記録をた
たき出しました.
このままいけば念願の優勝かと思われた矢先,ドライバー
交代時にオイル漏れが発覚してしまいました.そのまま出
走不可との判定を受け,無念のエンデュランスリタイアとな
りました.
動的審査
種目
順位
得点
スキッドパッド
3位
44.46 / 50
アクセラレーション
11 位
62.6 / 75
オートクロス
中止
90.95 / 150
エンデュランス
42 位
10 / 400
燃費
DNF
0 / 100
コスト
15 位
50.39 / 100
デザイン
2位
145 / 150
プレゼンテーション
14 位
55.26 / 75
23 位
458.67 / 1000
静的審査
総合
総合成績は,23 位となりました.ただ 1 位を目指して奮闘してまいりましたが,このような結果に終
わり本当に残念な思いでおります.来年こそはこの雪辱を果たすことを心に決め,今年の大会は終
了しました.
獲得した賞
デザイン賞 2 位
スキッドパッド賞 3 位
ベストサスペンション賞 2 位
CAE 特別賞 1 位
ベストエアロ賞
ベスト三面図賞
16
学生フォーミュラ大会に参加して
~メンバーの感想~
薗和希 (修士 1 回生) プロジェクトリーダー
終わってみれば本当にあっけないもので,どうしようもなく遣る瀬無い気持ちで
おります.チームを勝利に導けず,支えてくださった多くの方に対して,またチ
ームメンバーに対しても申し訳なく感じております.私はこの大会で第一線から
退くことになりますが,これからは雑用としてチームを支えていきたいと思ってい
ます.続く後輩たちが,彼らの勝利をつかみ取ってくれると信じています.
松岡 敦生 (修士 2 回生) テクニカルディレクター
テクニカルディレクターとして,この学生フォーミュラ会においてはまだ誰も試行し
たことのないチャレンジングな車両を設計することは非常に心躍る楽しいものでし
た.少なくとも試走においては想定に近い良い結果をだし,自分の知る限り過去
最速の車両であったとは思います.大会ではまだまだ海外チームとの差は感じ
たものの,それは今後十分縮めることが可能な程度のものだとも考えており,自
分のいた 5 年間での車両の進化を感じられるものでした.しかしながら様々なメリットと裏腹に非常
に多くの問題を抱えた車両でもあり,チーム内でもお姫様と揶揄された信頼性,整備性の低さが最
終的にこの結果につながったものと考えています.すべての問題をつぶしきれず,大会中のエン
デュランス出走前に至るまでノートラブルといかなかったことが大きな課題であり,これらの最終的
な責任はテクニカルディレクターである自分にあると考えております.自分は今年度が最後の大会
であったため,来年度以降に続く後輩たちに,自分の得たものをよいこともわるいことも伝えきり,私
の無念と悔しさを何としてでも果たしてほしいと考えています
井澤 純一 (学部 4 回生) シャシ班リーダー・ドライバー
私のエンデュランス出走を目前にリタイアを喫し,KART 入隊以来最も悔しい大
会となりました.自分が設計したサスペンションを,自分のドライビングで評価・セ
ッティングしていただけに,完走できなかったことが大変心残りです.私は今年度
をもって引退となりますが,自分が持っているノウハウや反省点を少しでも多くチ
ームに継承し,後輩たちが来年雪辱を果たしてくれることを切に願っています.
17
松本太斗 (学部 3 回生) エンジン班リーダー・ドライバー
今回で3回目の大会出場になります.今年1年間先輩の手を借りながらエンジン
班リーダーとしてがむしゃらに頑張ってきました.今年はステアリングに新たに搭
載した電装系のトラブルへの対処,エンジンの問題が走行会のたびに付きまと
い,対策しては,問題が起きるという連続でした.それは,最後の走行会,そして
大会でも起こってしまいました.起こる問題に対策するのが手いっぱいで,どん
な問題が起こりうるだろうという考えることができなかったことが今年一年の反省です.来年は相談
ができる先輩もいなくなります.自分で考え行動する.こんなに怖いことはないですが,勇気を振り
絞り,優勝を目標に精進してまいりたいと思います.
井上 槙平 (学部 2 回生) エアロダイナミクス班リーダー・ドライバー
この一年の間,エアロダイナミクス班リーダーとドライバーを担当してきました.自
分が責任をもって設計したエアロパッケージがベストエアロ賞を獲得しうれしく思
っています.しかし,チームの目標であった総合優勝を達成することができなか
ったことがとても悔しいです.今年度の反省をきちんと行い,設計者としてもドライ
バーとしても成長して来年度こそ総合優勝できるように努力します.
岸上 稜 (学部 2 回生) エンジン担当・ドライバー
エンジン班そしてドライバーとして総合優勝を目指して大会に臨み,総合 23 位と
いう結果に終わってしまい,本当に悔しい思いをしました.
今年度は,自分の担当パーツが車両に搭載されることのうれしさを感じた一方で,
そのパーツに対する責任の重さを痛感させられた一年でした.
設計,製作だけでなくトラブルの解決に時間がかかってしまったことが今年度の
課題だと考えています.起こりうるトラブルの予測,そしてトラブルの原因究明の大切さを学びまし
た.
ドライバーとしては,雑な運転が目立ってしまい自分としては満足のいく結果は残せませんでした.
丁寧な運転を心がけて走行技術の向上に努めていきたいと思います.
鈴木 雅史 (学部 2 回生) フレーム担当
今大会ではあともう少しのところで総合優勝という目標を達成できずとても残念
です.昨年度はフレーム班として活動してきましたが今年度は自分の裾野を広
げてよりたくさんこの活動に携わっていけたらと思います.
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早川 健太郎 (学部 2 回生) ステアリング担当
今回は,車両設計からこの活動に関わった最初の大会でしたので,前回以上
に思い入れの強いものとなりましたが,優勝も見えていた中でのエンデュランスリ
タイアによる総合23位という結果に終わり,非常に残念であり,悔しい思いをし
ております.リタイアの直接の原因ではなかったかもしれませんが,「あの時もっ
とこうしていれば」という思いが込み上げてきております.この思いを,思いのまま
で終わらせることなく,次年度への反省として生かせるようにしなければと考えております.また,今
大会では実現することができなかった構想を来年度こそは実現したいという思いを強くしておりま
す.
12回大会よりもチームの力となれるようにと臨んだ今大会でありましたが,まだまだ力不足である
と感じました.特に知識の面では多くの足りない部分があることを痛感させられました.今後も忙し
い日々が続くとは思いますが,学生フォーミュラ活動の勉強にも力を入れて参りたいと思います.
最後になりましたが,ここまで私を支えてくれた家族やチームメイトに感謝を申し上げたいと思い
ます.ありがとうございました.
中村 葵 (学部 1 回生) エアロダイナミクス担当
今回の大会だけでなく,大会に至るまでのこの半年間,先輩方から多くのこと
を学びながらこの学生フォーミュラ活動を続けて参りました.大会を通して,自分
が少しでも手を加えた部品が車両の一部となって実際に走行するということに対
して,自分自身でも非常に深い感銘を受けました.そして,ものづくりを基礎から
学んでいく上でその苦労と楽しさの両方を感じ取ることができ,自分にとって非
常に有意義な時間を過ごすことができたと思います.今大会はたくさんの賞をいただきながら,結
果として優勝することができず悔しい思いをしましたが,この悔しさをバネにして来年度の総合優勝
に向けて日々精進して参りたいと思います.自分がこうして学生フォーミュラ大会における優勝を目
指して日々の活動を行うことができるのは,多くのスポンサーの方々の支援や,OB の方々,先生方
からの支援があるからに他なりません.この活動を支えてくれている全ての人に感謝しつつ,その
期待に応えられるよう,来年度の活動をより良いものにしていきたいと思います.
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2015 年度「学生フォーミュラ活動」総括
2015 年度プロジェクトリーダー 薗和希
私たちは「総合優勝」という目標を明確に持って,1 年間活動してまいりました.この大きな目標を
外にも内にも明言していくことで,メンバーひとりひとりが KART は勝つためのチームであることを意
識し,優勝への思いをチーム全体で共有できていたと感じております.しかし,大会を終え,蓋を開
けてみますと総合 23 位という厳しい現実と向かい合うことになりました.志こそ高く,口では勝つと
言ってきましたものの,実際には目標を達成するための思慮が足りず段取りが不十分であったこと
を,結果が如実に示しています.私たちに足りていなかったものは何か明らかにし,今回の惨敗を
次の糧とできるよう,ここで今年 1 年を振り返りたいと思います.
今年度私たちが勝利を掴むことが出来なかったのは,チームのマネジメントが機能していなかっ
たことが根本的な原因だったと考えております.本来であれば,メンバーの少ない私達 KART は,
余計なものに労力や時間,資金を割くことを一層慎重に避けなければならないはずです.むしろそ
のフットワークの軽さを活かし,本当に必要なものを見極めて臨機応変に対応していく必要がありま
した.リーダーである私が広い視野からその判断を下すべきでしたが,考えの至らなさと各パーツ
への勉強不足・理解不足によって,チームの強みをないがしろにしてしまい,あと一歩のところで勝
利を逃す結果につながったのだと深く反省しております.チームの,特に私自身の恥部をさらすこ
とで,お見苦しい文章となり恐縮でございますが,KART が今後同じ轍を踏まぬようここに記させて
いただきます.
マネジメントの観点から特に問題であったのは次の 4 点だと考えております.
① 車両に搭載するパーツの見極め
② メンバー
③ 走行会の管理
④ 購入品の管理
①車両の設計にあたっては,これまでにない速い車両とするべく,多くの新しい機構や技術を盛
り込みました.今年度マシンの最も大きな特徴であるツインシャシ機構やエアーシフトなどが挙げら
れます.これらの取り組みはたくさんの方に高く評価され,デザイン審査でも 2 位を獲得することが
できました.加えてベストエアロ賞や CAE 特別賞の受賞も,新技術への挑戦的な姿勢が功を奏し
たと言えます.車両の設計方針としては正しい方向を向いていたと捉えています.
一方で,設計段階では搭載を予定していたものの,最終的に車両に搭載されなかったものも多
くあります.電動アシストスーパーチャージャーに始まり,エアークラッチや DRS,中空ドライブシャ
フト,排気スロットルなどです.各担当者の段取りが不十分であったものもありますが,それも含め
全体の中での優先順位の共有や日程管理が行えていなかったことが,これだけ多くの部品が搭載
に至らなかった原因でした.各パーツについて製作期限を決めて,それを達成するために優先順
位を明確に共有する,期限を過ぎたものははっきりと非搭載を選ぶ.この判断が行えていなかった
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ため,後から振り返ると余分にリソースを消費していたと思われる状況がありました.
②KART の少人数チームという性質上,個人の担当分野が大きくなります.これは,パーツ横断
的な設計が比較的容易になることや,各個人が多くの経験を積むことで人材の育成につながると
いう面ではメリットであるととらえています.しかし同時に,それぞれの負担が大きくなるとともに,メン
バーひとりが欠けることがチームの運営に大きな支障が出る結果につながります.今年も途中でチ
ームを離れたメンバーや疎遠になるメンバーがおり,担当者がおらず進行が止まってしまうタスクが
生じてしまいました.この宙に浮いたタスクに対して素早く対処できなかった場面もありました.この
タスクが止まるのを防ぐこと,またそもそもメンバーが流出する問題に真剣に取り組むことが今後の
課題だと考えています.
③マネジメント上のミスの最たる例が走行会の管理であったと考えています.今年は早期シェイ
クダウンの達成も相まって,例年と比較しても十分な回数である 13 回の走行会を行いました.しか
しこのうちノントラブルで快調に走行を行えた走行会はたった 2,3 回であり,ほとんどの走行会では
不具合への対処に多くの時間を費やすことになりました.そのため,走行会の回数自体は多かった
のにも関わらず,実質の走行距離は例年と比較しても決して多くはありませんでした.
今年は多くの新技術の採用もあり,それに伴う初期トラブル解決のために走行距離をかせぐ必
要がありました.この初期トラブルは一概には悪いことではなく,ある程度走らないと見えてこない不
具合もあります.しかし根本的な原因究明の期限を決めておくべき問題であったと考えています.
また,シェイクダウン後からエコパや関西合同の走行会への参加が続き,自分たちの都合の良い
日程に,自分たちのタイミングで走行や修理が行える身近な走行会を行わなかったことが,上記の
問題に拍車をかけていました.移動や準備に多くのリソースが割かれる合同走行会に無理をして
参加してしまい,一番重要な車両の問題の解決に十分な時間をかけることができておりませんでし
た.本番と同じ場所で走行可能なことからドライバーの練習のためにエコパ走行会へ毎月参加して
おりましたが,結果的に走行練習が十分行えず,本末転倒な結果となっておりました.チームの状
況を冷静に判断し,その都度最も必要な走行会を見極めることが重要でした.
④活動資金を使い過たことも大きな問題であると考えております.現状の資金管理方法では,ど
の担当がどのパーツにどれだけのコストをかけたかを全体で管理できておりません.部品購入は各
自の判断のみで行ってしまったこともあり,一括して把握できておりませんでした.そのため,パー
ツの優先順位と消費が対応しておらず,重要な予備品が準備されていないといった問題が生じま
した.消耗品に関しても,見通しが甘く,追加で購入するといった事態が発生しておりました.全て
必要な経費ではありましたが,スポンサーの皆様,サポーターの皆様からいただいた貴重なご支援
金をより節制できるよう管理していくべきと思われます.
以上,大変長くなりましたが,今年の大きな反省点として挙げさせていただきました.
しかしながら,すでに述べました通り,反省すべき点ばかりであったわけではありません.車両は
確かに進歩し,KART の技術は向上している確かな手応えは感じられました.KART の進むべき方
向は間違っていなかったと考えております.来年の KART は今年をステップとし躍進すると信じて
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おります.
末筆にて大変恐縮ではございますが,最後まで私達にご期待下さり,応援してくださったスポン
サーの皆様,サポーターの皆様,先生方,工場の職員方,OB・OG の皆様に,心から感謝申し上
げます.本当に有難うございました.そして,どうかこれからも京都大学フォーミュラプロジェクト
KART に変わらぬ温かいご支援ご声援をいただきますよう,お願い申し上げます.
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来年度活動に向けて
2016 年度プロジェクトリーダー 松本太斗
来年度プロジェクトリーダーを務めます松本太斗と申します.今年 1 年を振り返り,来年度への決
意を表明させていただきます.
昨年度大会では2位という結果でしたが,動的競技に参加できる間際までブレーキテストが通らな
いという悲惨な状況を呈し,今年度は,作業場を綺麗に使う,報告・連絡・相談を徹底する,スポン
サー,サポーターの皆様への報告を確実に行うという基本的なことから努力していこうと決めました.
その結果,予定よりも2週間ほど遅れはしましたが,4月半ばでシェイクダウンを達成しました.しかし
ながら,エアロパーツやそのほか今年度の新規試みに対してはスケジュールの管理が徹底できな
かった,さらに車両トラブルが多発し,スケジュールが後手に回ってしまいました.結果,余裕がなく
なりただ一時しのぎの対策をとる,また問題が起きる,それにより2度手間,3度手間となるという負の
スパイラルが何度も発生し,そのたびに時間を取り戻すため徹夜を繰り返しました.その中でメンバ
ーの精神は疲労し,一緒に活動できなくなってしまうメンバーも出てきました.その状況の中で優勝
をがむしゃらに目指しましたが,スパイラルから抜け出すことができず,大会でもエンデュランスを完
走することができませんでした.
今まで KART を育ててきた OB・OG の方々と,私たちにご期待くださり,ご協力して下さったスポ
ンサー,サポーターの皆様のお力添えに対して,結果で報いることができなかったこと,万全のチ
ーム体制と最大限ブラッシュアップされた車で大会に臨むことができなかったことを非常に心苦しく
思っております.
来年度は,KARTの車両設計・製作の主要メンバーであった3名が卒業され,再び技術伝承の問
題が起きます.また,現時点で来年度活動メンバーは6名と大きく減ります.この状況で優勝を目指
すには,何が必要なのか,何が必要ないのかを見極め,思考することが大事であると思います.そ
の取捨選択の中でベストな車両づくりを目指したいです.でなければ,今年度と同じように負のス
パイラルにとらわれ,2度手間,3度手間を繰り返し,車両の完成すらできないという可能性もありま
す.しかし,それはKARTの車両設計の持ち味である挑戦する姿勢を放棄するということではありま
せん.スケジュールを綿密に組み,今年できなかった各設計に対してタイムリミットをきちんと設ける
ことを徹底します.また,問題に対しては,メンバー一人一人が考え意見を出して根本的な解決を
目指せるよう,一年間を通して定期的なミーティングを行い,チームがうまく回り,よりよい車両が設
計・製作できる環境を整えることを目標として活動してまいりたいと思います.
最後になりましたが,ここまで KART の活動を支えお見守り下さいましたスポンサー・サポーター
の皆様に心より御礼を申し上げます.新年度の KART の活動に対しても,変わらぬ温かいご支援・
ご声援の程を宜しくお願い申し上げます.
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謝辞
2015 年度プロジェクトリーダー
薗和希
2016 年度プロジェクトリーダー 松本太斗
今年度,私達京都大学フォーミュラプロジェクト KART に多大なご支援,ご協力を賜りまして,誠
にありがとうございました.私達が不自由なく全力で邁進できましたのも,ひとえに支えてくださった
スポンサー,サポーター,先生,工場職員の皆様の御助力があってこそだと深く感謝しております.
それだけに,何とか良い結果をご報告したい思いでおりましたが,それが出来なかったことが悔や
まれてなりません.ご期待下さった皆様には,本当に申し訳ございませんでした.
この悔しさを胸の奥に留め,KART は挑戦し続けます.新たに始まる KART の挑戦に,変わらぬ
温かいご支援・ご声援を心よりお願い申し上げるばかりです.
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お世話になった先生・技術職員の方
(順不同 敬称略)
石山 拓二
齋藤 元浩
野中 鉄也
泉井 一浩
佐藤 祐司
波多野 直也
市川 和秀
澤田 勝利
平岡 敏洋
井手 亜里
塩路 昌宏
福島 宏明
茨木 創一
玉木 良尚
北條 正樹
木下 定
段 智子
松原 厚
久保 愛三
富田 直秀
松久 寛
河野 大輔
西脇 眞二
吉田 英生
小森 雅晴
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ご協力頂いたサポーター様
(順不同 敬称略)
赤松 映明
奥西 重良
小浜 弘幸
瀧本 正民
朝倉 涼次
奥村 和雅
小林 聡
武田 智行
池田 泰祐
鍛治本 昌孝
小南 哲也
田中 直樹
石井 洋
片岡 晃
小山 俊彦
田中 秀幸
石橋 基弘
門林 義幸
近藤 功一
谷口 尚正
伊勢 清貴
金森 伽野
坂戸 瑞根
田丸 正毅
伊藤 和則
鎌居 健一郎
佐々木 忍
丹下 翔太
稲益 拓也
河内 浩康
佐々木 美樹
千々木 亨
稲本 信秀
川村 誠
定金 伸治
塚本 翔太
井上 高助
木内 誠司
佐藤 直樹
辻 堯文
今荘 和也
來田 浩毅
佐藤 誠
土永 将慶
岩崎 秀保
北浦 久義
柴 晴彦
寺本 勝行
岩淵 修
北川 昌志
城下 荘平
戸枝 稔
岩本 理彦
北野 智哉
新谷 拓宙
徳良 具巳
上岡 晋
鯨岡 絵理
杉目 真樹
豊島 聡
上原 一浩
久瀬 善治
杉原 基之
中川 哲
宇津野 秀夫
久野 充史
鈴木 宙見
長崎 啓
海平 和
久保 智彰
大徳 修
中澤 知哉
遠藤 照男
河野 恵介
高木 隆史
中島 政明
岡 毅遥
小池 雄介
高橋 忠将
中谷 征司
岡田 公二郎
小谷 重遠
高橋 祐城
中村 研
小川 貴臣
小畠 敬良
高家 理気
中村 定
26
中村 弘毅
蛭川 昌
本田 博
森井 剛
並木 宏徳
弘 栄介
前野 幹彦
山雄 剛俊
成瀬 忠司
福壽 竜一
増本 雄治
山下 真司
名和 亮輔
福田 博明
俣木 文弥
山本 謙
西田 光男
福原 哲一
松岡 和幸
吉川 肇
西村 章広
福山 大典
松永 有仁
吉田 和希
野上 健一
藤 智範
光行 恵司
四柳 繁
能勢 幸嗣
藤井 拓磨
三原 豊
余田 拓矢
浜下 浩一
藤川 卓爾
宮地 利和
米田 真規
濱田 曉
藤原 健嗣
三輪 邦彦
若園 修
原薗 泰信
堀田 義弘
村上 弘記
渡部 哲也
日高 啓子
堀内 亮
元古 武志
和仁 正文
平尾 隆
堀家 弘
森 寛樹
27
ご協力頂いたスポンサー様
テクノイルジャポン株式会社
FUKUDA
28
有限会社
エンタープライズワイ
マツダ 葵会
KART OB・OG 会
京機会
株式会社コンテック・ラボ
マツダ葵会
有限会社 CAST
有限会社岩井木型製作所
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京都大学機械系工作室
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