広報紙 - 茶道裏千家淡交会青年部北陸信越ブロック

(社)
茶道裏千家淡交会石川支部金沢青年部広報誌 第 49 号 平成 23 年 12 月 20 日発行
教養講座/ 9 月 17 日(土) 金沢市文化ホール(会員参加 37 名)
財団法人裏千家今日庵業躰、奈良宗久先生をお招きし、「金沢 茶と工芸」を演題にご講演いただきました。加
賀藩初代藩主前田利家から始まる金沢の茶の湯の歴史、歴代藩主の保護のもと発展した数々の工芸、京都と金
沢をつないだ出来事など、さまざまなお話から茶の湯の歴史、工芸の歴史への理解を深めました。
金沢の文化を支える一助に
広報委員 戸出大輔
9 月 17 日に奈良先生の講演会に参加しました。
特に金沢は工芸も盛んなので、茶道具とその作り
講演では歴史をたどりながら茶道と金沢の関わり
手や施された技法・工程にも思いを巡らせて茶席に
をわかりやすく講演していただき、江戸の武家文化
臨み、工芸を自らの目で捉えて後世に伝える気持ち
と京都の公家文化が融合した金沢の文化に茶道が与
で臨んでくれればとのお言葉をいただきました。講
えた影響について理解が深まりました。
演を聴き終えて、茶道を続けることが自分のためだ
また、業躰部・講師として全国を巡った体験から、
けではなく僅かでも金沢の文化を支える一助となる
仙叟宗室の時代から裏千家と縁が深く、工芸や食文
ことに気づかされ、金沢青年部の一員として稽古と
化が生活に根づいた金沢でお茶を学べることのあり
勉強に一層励むよう背中を押された気持ちで身が引
がたさを私たちに述べられました。
き締まりました。
親子ふれあい行事/10 月1 日(土)、2 日(日) 和倉温泉加賀屋
総務委員 木本加世子
趣向を凝らした充実の 2 日間
去る 10 月 1 日、2 日に和倉温泉加賀屋にて行われた
交わすことができましたし、加賀屋の従業員の教育
北陸信越ブロック親子ふれあい行事に参加させていた
係、長子さんの講演では、お客様をおもてなしする
だきました。
心構えをうかがうことができました。
濃茶席ではきれいな藁灰に感心し、薄茶席ではい
趣向を凝らし充実した内容で楽しい 2 日間を過ご
ろいろなテーマに分かれたお席で、ブロック各県か
すことができましたこと、ご準備いただいたブロッ
らのお菓子に迷いながら皆で和気藹々とお互いにお
ク役員の方々、ご同席いただいた親支部の先生方に
茶を点てていただきました。懇親会ではゲームが行
感謝いたします。
われ、同じテーブルの親支部の方と和やかに会話を
教養講座/親子ふれあい行事
1
秋彩茶会/10 月30 日(日) 山宇亭、松涛庵(会員参加 41 名)
茶会委員会が金沢青年部の会員を招いて行う会員茶会。10 月は風炉の終わりの月でもあり、本席では中置き、
破れ鉄風炉、藁灰という名残の趣向を考え、副席では千歳盆の点前としました。待合にはすすきや松ぼっくり
などを飾り、秋の彩りを表現。議論を重ね、力を合わせて、皆で喜びを分かち合う茶会となりました。
一碗に込めて伝えたい
茶会委員長 吉田和美
今回の会員茶会は「名残り」をテーマに「秋彩(あ
きもの、目に見えぬものを慈しむ。そして出会えた喜
きいろ)茶会∼わたしからあなたへ∼」と題して開催
びと感謝・・・この気持ちを一碗のお茶に込めて伝えた
いたしました。今、心を痛めるさまざまな出来事が私
い、という一心で皆さまをお迎えいたしました。ご出
たちを取り巻いています。同じ時代を生きる者同士、
席くださいました会員の皆さま、茶会委員をはじめス
移りゆく季を惜しむ。命を惜しむ。身近なもの、小さ
タッフの皆さま、本当にありがとうございました。
本席
経験できた喜びに感謝
副席
「ありがとう」と言い合える絆
茶会委員 夷藤由美
茶会委員 室田律子
10 月 30 日、会員茶会「秋彩茶会∼わたしから
ひと雨ごとに秋の色が深まる 10 月 30 日に、本席は
あなたへ∼」が山宇亭・松涛庵にて開催されまし
山宇亭、副席は松涛庵にて「秋彩茶会」を開かせてい
た。
ただきました。青年部会員の皆さまに私達の感謝の気
今回、山宇亭にて本席を担当させていただくこと
持ちを茶会を通して伝えたいという思いから、歌をヒ
になりました。10 月、名残月ということで、本席は
ントに、今回のテーマは∼わたしからあなたへ∼とな
破れ鉄風炉を用いての中置濃茶点前でした。風炉に
りました。打ち合わせで一番印象深かったことは、吉
は、10 月初旬に半日がかりで皆で力を合わせて作っ
田委員長の「みんながどういう反応をしてくれるか想
た藁灰を使用しました。長さを調節し切ったもの
像しただけで嬉しくなってしまう!」と、輝く笑顔で
を、1 本ずつピンセットで灰形の上に綺麗に揃えて
茶会の案を熱く語ってくださったことでした。
置いていく。数時間、神経を集中させての作業、初
当日は茶会委員もお客様に交じり、茶会に参加さ
めての経験に大変苦労しましたが、できあがった時
せていただきました。本席にて美しく並べられた藁
はほっと一安心。稲藁が人の手を介し、色や形を変
灰を拝見した時に、私は感動のあまり鳥肌が立ちま
化させ、最終的に風炉に収まった姿を目にした時は、
した。そこには茶会委員の思いがしっかり込められ
感慨深いものがありました。濃茶は、お茶、お湯の量、
ていました。また、
副席では「ありがとう」のメッセー
練り具合が大変難しく、自分の未熟さ勉強不足を痛
ジカード入りのプチギフトをお贈りしました。その
感しました。
メッセージを読まれた会員の方々に「こちらこそあ
副席で使用した結界は、何度となく話し合い、試
りがとうございました」とお言葉をかけていただい
行錯誤の上にできあがったもの。また、秋彩にちな
た時、大変頑張っていらっしゃった吉田委員長のお
んだカラフルなテトラ型の手作りプチギフトは、茶
顔がふっと浮かび、私は涙が出そうになりました。
会委員から感謝の気持ちを込め、会員の皆さまへ。
「何を伝えたいか」その気持ちをしっかり持てば
それぞれの考え、思い、パワーがひとつの茶会を作
必ず相手の心に届くということを、そしてお互いが
り上げていく。その中に参加し、多くのことを学び、
「ありがとう」と言い合える金沢青年部の絆の素晴
経験できた喜びに、大変感謝しております。ありが
らしさを、この茶会を通して改めて学ばせていただ
とうございました。
きました。吉田委員長をはじめ、皆さまにこの場を
かりて私から「ありがとう」を贈らせてください。
2 秋彩茶会
卒業茶会/11 月26 日(土) 金沢市文化ホール閑清庵(会員参加 28 名)
卒業される橘さんが中心となり、スタッフと力を合わせて、卒業茶会を開催しました。
お茶の繋がりを感じて
茶会委員 橘 藤尾
昨日までの嵐のような雨も上がり、爽やかな秋晴
れのなか卒業茶会は行われました。
この茶会では、笑顔で皆さんをおもてなししたい
と思い、お菓子のテーマも“ほほえみ”で誂え、また、
お茶もお茶銘の始まりとなった“祖母昔”にこだわ
りました。
お点前は、私の在籍中、茶会委員長をされた山口
さんと矢口さん。私は亭主をつとめました。お茶席
では、お正客の楽しいエピソードや吟楓棚の由来を
うかがいながら、楽しくお話させていただきました。
全てが終わって襖を閉めたとき、充実感とともに
一抹の寂しさを感じました。でも、お茶を続けてい
るかぎり、皆さんとの縁は繋がっています。
これからも変わることなくよろしくお願いします。
秋彩茶会/卒業茶会
3
卒業会員の紹介
茶会委員の橘さんが卒業されます。これからもお茶を通しての交流と OB として金沢青年部を支えてくださるこ
とを期待しております。ありがとうございました。
平成 18 年に青年部に入会し、茶会委員会に在籍し
ました。青年部の魅力は、茶会のテーマにあわせた
お道具をもちより、ないものは、自ら創りあげると
いう発想の柔軟さと行動力にあると思います。
イベントも盛り沢山で、端午茶会。北陸信越ブロッ
ク会員大会や研修旅行。茶杓や茶碗造り。等々。忘
れられない思い出がいっぱいです。
皆さんも楽しくお過ごしください。
本当にお世話になりました。
茶会委員 橘 藤尾
お知らせ
2月
総会、懇親会
3月1∼5日
金沢市工芸展
2011 年を振り返って
皆さまと共により前へ
部長 木本 太
前 部 長 の 大 村 さ ん よ り 部 長 の 大 役 を 引 き 継 ぎ、
会員茶会、準備万端で臨んだ卒業茶会、発行日を厳
1年が経とうとしています。会員の皆さまや先生方
守したティープレスまで、スタッフの皆さんにも初
に支えられ、ヨチヨチ歩きの私でしたが、スタッフ
めての役職にもかかわらず大変苦労させたことと思
の皆さんと共に無事ハーフタイムを迎えることがで
います。
きることを大変嬉しく思います。
平成 24 年度は金沢青年部が生まれて 20 年目の節
ありがとうございます。
目であり、大切なターニングポイントです。金沢市
2月の総会から始まり、金沢市工芸展呈茶、吹き
工芸展呈茶は金沢青年部が主管を務め、春には宗家
ガラスの茶碗作り、端午茶会、ブロック会員大会、
研修を予定しております。会員の皆さまの理解と協
月刊淡交の 10 月号に掲載された子どもお茶を楽しむ
力を賜り、皆さまと共により前へ進んで行きたいと
集い、汗だくで沢山歩いた奈良研修旅行、奈良業躰
考えております。スタッフ共々どうぞこれからもよ
先生の講演と懇親会、煙い思いをして藁灰を作った
ろしくお願いいたします。感謝
編集後記
発行責任者
この忙しい時期に PC が壊れた。データは無事でホッ。
でも年賀状の表書きが…(市)/寒暖の差に身体がつい
て行かない。年のせい?いや、こんなときこそ異常気象
のせいにしよう。(と)/本を読みながらの半身浴が今、
楽しくて、未読本が見る間に減っていく。(宮)/嬉しい
ことも辛いこともどれも大切な1日だと実感する毎日。
(社)茶道裏千家淡交会石川支部金沢青年部
(山)/我が長男、四年間続けた野球も無事卒団。私もお
稽古頑張んなきゃぁ(やま)/批評する側に立ってはい
けないと誰かのお言葉。ようやく、ぼんやりと。(川)
部長 木本 太
〒 920-3104 金沢市八田町東 1629-2
編集
金沢青年部広報委員会
川端千鶴、市川芳枝、竹内里沙、戸出大輔、
宮崎 匠、山下啓子、山田啓子
(社)茶道裏千家淡交会青年部北陸信越ブロックホームページ URL http://www.hokurikushinetsu-seinenbu.org/
4 卒業会員の紹介/お知らせ/ 2011 年を振り返って