学校通信 第45号を発行しました

吉賀高校 めたせこいあ第 45 号
至
校
新学校通信
第45号
(通算 131 号)
訓
島根県立吉賀高校
電話
誠
〒699-5522
(0856)78-0029
HP アドレス
FAX
創
・
造
努
・
力
鹿足郡吉賀町七日市 937
(0856)78-0742
http://www.shimanet.ed.jp/yoshika/
吉賀高校は地域に支えられています
吉賀高等学校
校長 齋藤雅典
12月4日(水)、2年生の1年間のキャリア教育(アントレプレナーシップ教育)の集大成となる『吉
賀町活性化プラン発表会』が行われました。このプログラムは、吉賀高校が初めて行うものです。それ
だけに、1学期のはじめ頃は、「こんなことをする意味が分からない」といった様子の生徒も見かけま
した。しかし、その後、夏休みの職場体験や2学期の商品開発など、多くの時間をかけて取り組んできた
後のこの日の発表会では、全員が堂々と自分たちのアイディアを語っていました。私ではとても思いつ
かないような面白い発想のプランもあり、どの発表も面白く、時間があっという間に過ぎました。
「吉賀町の活性化のために自分にできることはたくさんあると思い、何かできることがあったらやりた
いと思います。
」(生徒の感想)
私達教員には実際にビジネスに携わった経験はほとんどありません。実際に事業を展開しておられ
る町内の皆様のご指導があって、はじめてできたプログラムでした。お世話いただいた皆さんに、心か
らお礼を申し上げます。
12月6日(金)は、東アジア13カ国から日本にやってきた40人の青少年を
お迎えしました。留学生の人数を考慮して、吉高からは1、2年生64人が交流会
に参加しました。右のインタビューシートを利用して、生徒一人ひとりが9人以
上の留学生と言葉を交わしました。中には腕相撲をした生徒もいたようで、留学
生にとっても吉高生にとってもとても楽しい時間だったようです。
「英語は苦手ですが、英語で質問したり答えることができたり、いっぱい触れ合う
ことができて楽しかったです。優しい人ばかりで、写真もたくさん撮れてよかっ
たです。もっと勉強して話せるようになったら、もっと楽しくなると思いました」
(生徒の感想)
感想文には「もっと英語を勉強したい」という言葉がたくさんあります。いい
授業は生徒の心に学習意欲の火をつけると言われます。授業ではありませんが、この交流会は、まさし
く、生徒の心に火をつけました。宿題があるから、テストがあるから、受験があるから、といった学習動
機とは次元の異なる心の高まりが、ここにはあります。参加した生徒たちは、この日のことを生涯覚え
ていることと思います。
この交流会は吉賀高校が計画したものではありません。吉賀町からお話をいただいて、初めて実現し
たものです。町からは様々な形で応援をいただいていますが、この交流会で、他のことには替えられな
い貴重な学習機会をいただいたと、心から感謝します。
また、12月14日(土)には吉賀町林業総合センターで、『吉賀高
校を応援したいシンポジウム』が開催されました。地域の有志の方
が計画、準備、実施されたものです。私も呼んでいただいて高校の現
状を説明しましたが、計画に関わってきたわけではありません。高校
ではなく地域の方が中心となってこういう機会ができたことに、大い
に元気づけられました。有志の皆さんに深く、深く感謝いたします。
ここ10日間のうちに、吉賀高校にとって大きな出来事が続きました。そして、それらがいずれも地
域の皆様のおかげで実施できたものです。ありがとうございました。
◎JENESYS~海外留学生と吉高生が交流~
外務省主催事業である「JENESYS吉賀
町交流事業」の一環として、12月6日(金)に
吉賀高校に東アジア諸国から40名の海外留
学生が訪れ、本校1,2年生との交流をしまし
た。音楽部の合唱に始まり、お互いの自己紹介
などの交流活動を全員で行いました。また、一
部の生徒と一緒に柔道、茶道の体験もしていた
だきました。
【生徒の感想】
○初めて外国の人と話をしたので不安でしたが、たくさんの人が親しく話してくれたり、楽しく
話してくれてとてもうれしかったです。写真を撮りましょうと声をかけてくれた人もいて、み
んな笑顔の人たちばかりで明るくて楽しかったです。
○短い時間でしたが一生に一度の貴重な体験ができました。国や言葉が違っても伝える気持ちさ
えあれば、大丈夫なんだと実感しました。機会があれば、もっとたくさんの人と交流したいと
思います。
○外国の人と英語で話をしてみて、自分の思いを英語で伝えるのはとても難しかった。自分がど
れだけ英語を話せるのかわかったのでこれからの英語の授業にもっと力が入るなと思いました。
○自分の同世代の外国の人と会話ができてとても貴重な経験になった。会話をしていて、自分の
発言に分かりやすい反応をしてくれてうれしかった。自分も会話がしやすいような反応ができ
るようにしたい。
心の扉 ~人権・同和教育コラム~
12月10日(火)7限に人権・同和教育ホームルームを実施しました。内容は次の通りです。
1年生「身のまわりの差別や偏見について考える」
2年生「部落問題から学ぶ」
3年生「結婚差別から学ぶ」
各学年ともグループメンバーと協力して意見を交換し合い
ながら、一生懸命作業をしている姿が印象的でした。
「なぜ人権学習をするのか?」― 家族に、親せきに、知人
に、友人に、生徒に、こう問われたらみなさんはどう答えま
すか?DVD「人権感覚を磨きませんか」の中で大湾昇(おお
わんのぼる)氏は、
「何が差別で何が偏見か、どんなことをし
たら人は傷つくかということを知るため」とおっしゃってい
ます。みなさんはどう考えますか?
◎2年生『アントレプレナーシップ教育』 ~吉賀町活性化プラン発表会~
1.『アントレプレナーシップ教育』
『サクラマス・ドリーム・プログラム(S.D.P)』の2年生のプログラムとして、今年から「起業家精神に学ぶ」とい
うことで『アントレプレナーシップ教育』に取り組んでいます。このプログラムでは、「吉賀町で何ができるか考
える」ということが大きなテーマとなっています。吉賀町は、町としては決して大きくはありませんが、自然資
源や素材はたくさんあります。生徒が吉賀町の良さを再認識して、いろいろなアイディアによって自分たちが
「吉賀町を元気にする!」。そんな気持ちで授業に取り組みました。
2.職業体験
「吉賀町で何ができるか」を考えるに当たっては、まず現在吉賀町
で事業を展開されている方々から、吉賀町での仕事についてお話を
聞くことから始めました。6名の方においでいただいて、吉賀町に
あってグッドデザインマークをとることの意味や、吉賀町にいなが
ら日本全国を対象にインターネット販売をすることなど、貴重なお
話をうかがうことができました。
夏休みには、前述のお話をうかがった方の事業所を中心に、職業体
験をさせていただきました。町内を回るトラックに同乗させていただ
いたり、クッキーを焼いて販売させていただいたりと、実際に吉賀町
でされていることを、肌で感じさせていただきました。
3.商品開発・観光開発
2学期になると、
それまでの体験の
中から「自分た ち
にも何かできる」と
いう意欲を持っ
て、実際に 『 商品
開発』『観光開発』に取り組みました。地域のトマトなどを素材として、生徒はグループになって自分たちのア
イディアを出し合いました。
11月には、実際に試作品づくりをしました。「柿ゼリー」「ジャガイモジュース」「トマトケチャップ」などを試
作しましたが、成功した作品もあったものの、実際には失敗も多く「商品開発」の難しさを痛感する機会となり
ました。また、「ヒメバイカモ」の保全活動に取り組んだグループも有り、地域の方と一緒に川の草抜きなどを
し、こちらもとてもいい体験をさせていただきました。
4.吉賀町活性化プラン発表会
そして12月4日(水)に、これまでご指導い
吉賀町活性化プラン発表会 プログラム
ただいた方や、吉賀町役場の方をお招きし、
順
チーム名
プラン名
「吉賀町活性化プラン発表会」を開催しまし
柿の旨味を最大限に活かしたデ
1 吉賀町戦隊柿レンジャー
た。発表会で生徒は、7グループに分かれて、
ザート
左表のような内容で、自分たちの考えたビジ
2 く・るーるー
トマトケチャップ
ネスプランをプレゼンテーションしました。緊
吉賀米SELLING ~安心・安全
張感のあるプレゼンの時間でしたが、それ以
3 よしか
なお米をお届け~
吉賀町民の吉賀町民による吉賀 上に出席されたゲストの皆様から、トマトの糖
4 TTOMRY
度の知識や、柿ジュースの作り方のアドバイ
町のための野菜ジュース
スと同時に、「高校生ならではの柔軟なプラ
5 海藻戦隊ワカメレンジャー 無農薬小麦パン
ンだった。」や、「ぜひ実現させてほしい。」と
いった評価をいただき、生徒にとってとても
6 コウヤマキ
吉賀町で大きくなる夏
有意義なプラン発表会となりました。
7
ヒメバイカモ
エコ・ツーリズムの提案
生徒の感想からは、「吉賀町の活性化のために、
自分ができることはたくさんあると思った」や、「商品
開発には、味や見た目などの様々な苦労があるとわ
かった」という感想や、「チームのみんなで協力する
ことも同時に学べたのでよかったです」といった感想
があり、吉賀町に対する思いや、自分で仕事をつくり出す起業への意欲な
どが、実際に取り組んだ生徒の心の中に確実に成果として残っているので
はないかと思います。
5.チーム・コウヤマキ 「ビジネスプラン・グランプリ」ベスト 100 に選出
今回発表を行ったグループの中で、授業に先行して夏休み前からプラン
づくりに取り組んできた「チーム・コウヤマキ」の『吉賀町で大きくなる夏』は、
日本政策金融公庫主催の「高校生ビジネスプラン・グランプリ」に応募して、
全国 1546 件の中から上位 100 の中に選ばれました。内容は、東京など都会
の子どもと親を吉賀町に招き、田んぼの生き物調査など自然に親しんでもら
い、学習もしてもらうという体験を格安で提供するもので、まさに吉賀町の良さ
を活かして、町も活性化させるというアイディアでした。このプランは、校内の今回の発表会でも投票で最
優秀賞に選ばれました。
6.終わりに
全くの手探りで取り組んだ『アントレプレナーシップ教育』でしたが、吉賀町の起業家・企業家の皆様の
ご協力により、生徒が素晴らしい体験をさせていただき、予想以上の成果を上げることができたと思いま
す。この紙面を借りまして、心よりお礼を申し上げます。誠に有り難うございました。
◎大学入試センター試験に向けて
来月 18、19 日に行われるセンター試験に向けて 3 年学年主任の西尾先生にコメントを頂きました。
「3年間の総仕上げ」
12月も終わりに近づき、センター試験まで一か月を切った。吉賀高校では11名の生徒が受験
する。彼らは、人生の岐路ともいえる大きな試験にこれから立ち向かっていくのである。
センター試験は、浪人生を含めて毎年50万人を超える志願者が受験する。国公立大学やセンタ
ー利用による私立大受験を予定している生徒にとって、とても大切な試験である。しかし、この試
験だけで合否が確定するわけではない。国公立大学ではセンター試験(1次試験)を経て、次に控
える個別学力試験(2次)を突破しなければならない。国公立大学では、2次試験として前期・中
期・後期と3回の受験機会が設けられている。(センター付推薦も含めると4回まで受験可能であ
る)前期試験は2月25日から始まり、合格発表は3月上旬。中期・後期試験は3月上・中旬に実
施され、発表は3月下旬である。また、大学独自の2次試験については、科目内容の本質的な理解
を問われる。マークのみの受験勉強では対応が難しく、ここでは3年間で培ってきた力が試される。
今、この時期に、高校生活について思い出に浸ったりするのはまだ早い。今までの蓄積のみで頑
張ろうと守りに入るのもまだ早い。まだまだ攻めの姿勢を貫こう。3月までのところで力を蓄える
ことは十分に可能である。今の自分の頑張りこそ、1・2か月後の成長した自分をつくる最も大切
な鍵なのである。吉賀高校の生徒たちなら必ずできる!我々教職員も3月の最後までしっかりとサ
ポートします。3年間の総仕上げとして、しっかり力を出し切ることができるように最後の最後ま
で諦めずにお互い頑張ろう!!保護者の皆様、お子さんの成長はここから更に加速していきます。
引き続きのご支援をよろしくお願いします!!
編集後記
今年も最後の『めたせこいあ』となりました。来年も吉賀高校生の活躍を地域の皆様にど
んどん伝えて行きたいと思いますので、来年もよろしくお願いします。
担当 総務部