三重県トマト生産者研修会の開催 三重県園芸振興協会(事務局=JA全農みえ営農対策部)は、平成 26 年1月 28 日(火) 、 長島町輪中の郷において、生産者・関係者計 72 名の参加のもと、三重県トマト生産者研修 会を開催しました。 研修会では、三重県農業研究所・三重県農林水産部より3名の講師を招き、以下のとお りご講演いただきました。 【講 演】 ① トマト灰色カビ病の生態と防除について」 三重県農業研究所 農産物安全安心研究課 主任研究員 鈴木 啓史 氏 灰色かび病の防除のポイントとして、「換気や送風、暖房・除湿機、過繁茂させ ないなど高湿度の時間帯を短くする」 「初発の確認および発病部位の除去で伝染源を 最少にする」 「殺菌剤での予防散布や丁寧な散布」を挙げた。また、灰色かび病に対 し治療は難しいことから、残効性の長い剤を発病前にリレー散布すること、耐性菌 の増加につながるため多発生時の散布および連用散布は避けることが有効な防除法 であるとした。 ②「トマト黄化葉巻病とタバココナジラミ防除の今後の展開」 三重県農業研究所 農産物安全安心研究課 主任研究員 西野 実 氏 トマト黄化葉巻病防除は伝染環を意識することが重要とし、 「入れない(感染トマ トを持ち込まない、タバココナジラミの侵入抑制) 」 「増やさない(発病トマトの抜き 取り、タバココナジラミを増やさない)」 「出さない(栽培終了後の施設密閉処理でタ バココナジラミを死滅させ、感染株を枯死させる) 」をポイントとした。 また、トマト黄化葉巻ウイルスは、タバココナジラミにより永続伝搬され、タバ ココナジラミには薬剤感受性の異なる多くのバイオタイプが存在し、特にバイオタイ プBとQが問題となっている。両種ともトマトの着色異常を引き起こすことが分かっ ている。殺虫剤にのみ頼った防除では、いずれ抵抗性が発達した時に防除できなくな るため、 「異なる系統の殺虫剤ローテーション散布」「殺虫剤の使用頻度の抑制」「T YLCV(トマト黄化葉巻ウイルス)耐病性品種や天敵利用技術の検討」が重要であ る。 ③「三重県におけるGAP推進の取り組みについて」 三重県農林水産部農産物安全課 環境農業班 班長 川端 俊夫 氏 三重県における農作業中の事故は年間約 400 件である。また、トマト栽培におい ては、農薬の散布回数や希釈倍数を間違える等の問題が発生している。今回は、 「G APとは」「GAPに取り組む意義とは」「GAPの実践」「GAPの効果」「三重県 のGAP推進の取り組み」の以上5点について説明いただいた。 講演の様子
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