平成24年度厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)分担研究報告書 分担研究課題:効率的な体制、 臨床的効果に関する研究 フェニルケトン尿症患者のためのレシピ開発 研 究 要 旨 平成23年度同班研究の課題であった古典的フェニルケトン尿症(PKU)患児の治療用剤で あるフェニルアラニン除去ミルク配合散(雪印 薬価収載品 以下Phe除去ミルク)、PKU 治療食のたんばく補助剤であるフェニルアラニン無添加総合アミノ酸粉末(A-1、雪印)およ び低フェニルアラニンぺプチド粉末 (MP-11、森永) (いずれも登録品 以下たんぱく補助剤) の摂取量別の食事・栄養摂取状況調査の結果を受け、 低フェニルアラニン食であっても食事 を楽しめ、また可能な限り学童期・思春期におけるビタミン・ミネラルの摂取量の増加を目 指 し た レ シ ピ を 考 案 し た 。 研 究 小 協 力 松 祥 (大手前栄養学院 新 . 子 講師) の摂取量は、それぞれ食事摂取基準(2005年版) の目標量、推奨量を超えているが、ビ夕ミンで 宅 (大阪市立大学大学院医学研究科 治 夫 発達小児医学 A 充 た し て い る 6) 。 ミ ネ ラ ル の う ち カ ル シ ウ ム 、 鉄 者 研 究 目 はビ夕ミンB,の摂取量が低く、Phe除去ミルク への添加量が少ないことが理由と考えられると 教授) 的 している6)。また、アミノ酸スコアに関して40 古典的PKu患者は厳格な食事療法が必要であ 例を対象とした調査では、9例がアミノ酸スコア るが、 成長に伴い二つの問題点が挙げられる。 90%未満であり、 うち8例はたんぱく補助剤を つ目は、栄養素摂取量である。これまでの 使用していなかったと報告している7)。平成23 ー 研究では、Modan-Mosesらが成人期に達した 年度の本研究班における古典的PKU患児に対す PKU患者ではpeak bone massが健常人に比べて 低く')、 また、A1lenらは成人期PKU患者の骨 るPhe除去治療乳およびたんぱく補助剤の摂取 量別食事・栄養摂取状況調査では、学童・思春 密度が低いこと2)を明らかにしている。この理 期期の患者が、 乳幼児期に比べて増加する成長 由として、長期に亘るたんぱく質、カルシウム、 のためのたんばく必要量を補う目的で使用する、 ビ夕ミンD、または微量元素の摂取不足、ある フェニルアラニン無添加総合アミノ酸粉末(A-1、 いは疾患に由来する骨代謝異常が考えられてい 雪印) ぉょび低フェニルアラニンぺプチド粉末 る2)。 Hvasら3)やWiersingaら4)は、PKU患者 (MP 11、森永)のたんばく補助剤にはビ夕ミン・ においてビタミンB6、B,2、葉酸、鉄の摂取が不 ミネラルが含まれなぃために、 一日の総摂取量 足し得るとしている。 Robinsonら5)はとくに青 も推奨量を下回るケースが多いことが明らかと 年期に食事療法が緩められ、 たんばく補助剤の なった。 二つ目は、毎日の食事メニューが偏る ことである。 PKU患者は成長障害、精神障害出 - 摂取量が減り、 体たんぱく食品の摂取量が増え , 現の予防を目的に血中Phe濃度を一定に保つ必 ると、 ビ夕ミンB2の摂取不足の頻度が高くなる としている。日本においては、三戸らが3~ 2 7 とミネラル、ビ夕ミンの摂取量を調査している。 要があり、 このため生涯に日_って低Phe食の摂 取が推奨される。 しかし、患者が入手するPhe 含量が低い食品の種類が限定的であることが多 全16例の患者のたんぱく源はPhe除去ミルクや い。 これは、食品の栄養成分表示にはPhe量が たんぱく補助剤のアミノ酸であり、食事摂取基 示されていないために、 摂取が可能かどうかを 準(2005年度版)の推定平均必要量(EAR) を 判断することが煩雑になり、食品選択の範囲が 年間治療継続中のPKu患者のたんぱく質摂取量 - 4 5 - 広 が ら な ぃ こ と が 理 由 と 考 え ら れ る 。 そのため、 毎食のメニュ ー に使用する食材の種類が単一的 になりゃすく、栄養素ごとの摂取量にも偏りが 生じやすぃ。 これらのことから、低フェニルアラニン食で あって可能な限りビ夕ミン ・ ミネラルを補給し、 なおかっ 食 事 を 楽 し む こ と が で き る よ う な レ シ ピの開発を目的とした。 , れ て い な ぃ ビ タ ミ ン 類 ( B, 、 B 2、 葉 酸 ) の 総 摂 取量は少なく、Phe除去ミルクを摂取していない 場合には摂取量減少は顕著である 8) 。 また、PKU患者は、主に腎臓病患者向けに開 発されている低たんばくの穀類製品を利用する 。 この理由は、 自 然 食 品 全 体 か ら の P h e 摂 取 量 を 減 ら す た め で あ る 。 厳 格 な 食 事 制 限 を 行 う P Ku 患児の場合、食事は低たんばく穀類の主食、野 菜中心の主副菜、Phe除去ミルクおよびたんぱ B. 研 究 方 法 P Ku 患者の食事療法において、 自然食品のみ を使用した食事の摂取により、身体機能を維持 するためのたんぱく源の摂取は確保しっつかっ 低Phe食とすることは困難である。このため、 PKU患者は、乳児期ではPhe除去ミルクに母乳 ま た は 乳 児 用 調 整 粉 乳 を 加 え た も の を 、 幼児期 く 補 助 剤 と ぃ う 内 容 で あ る 。 肉 、 角、、 鶏 肉 、 大 豆 ・ 大 豆 製 品 は ほ と ん ど 食 卓 iこ 並 ぶ こ と は な く 、 PKU患者には栄養素摂取面に加えて、 食事内容 が他の児や家族と異なることによる心理社会的 な影響もある。 このようなことから、今回は以下の①、②を 使用してレシピを開発することとした。 ではPhe除去ミルクを摂取しながら低たんばく の食材を使用した食事を摂る。 中学生から成人 にかけては、Phe除去ミルクのみでは一日の必要 1 . 重点的に使用する食材の選定 たんぱく量にみあったアミノ酸の摂取量が不足 ①Phe除去ミルク 出生後から成人まで使用できるPKU用の治療 するため、2種類あるたんぱく補助剤の使用割合 用剤(剤名:フェニルアラニン除去ミルク配合 が增加する。たんぱく補助剤のうち、フェニル 散「 雪 印 」) で 、 1 1 種 の ビ タ ミ ン 、 1 0 種 の ミ ネ ラ ア ラ ニ ン 無 添 加 総 合 ア ミ ノ 酸 粉 末 ( A- 1 ) は P h e ルを含み、 栄 養 素 を 総 合 的 に 配 合 し た ミ ル ク で に比べアミノ酸含量は約6倍(窒素量から換算し ある。 たたんばく質93.7g/粉末100g)であるが、ビ夕 ミンは配合されておらず、 ミ ネ ラ ル は ナ ト リ ウ ムと塩素のみの配合である。また、低フェニル 前述のように、たんばく補助剤は、学童期 ・ 思春期以降のたんぱく摂取必要量を確保するた ア ラ ニ ン ぺ プ チ ド 粉 末 ( M P-1 1 ) は P h e に 比 べ ア めに開発されており、粉末100gあたりのたんば く換算量はPhe除去ミルクの約5、6倍である。 ミ ノ 酸 含 量 は 約 5 倍 (窒素量から換算したたんば しかし、 ビ 夕 ミ ン の 配 合 は な ぃ 。 ま た 、 低 フ ェ く質75.0g/粉末100g)であり、 ビ 夕 ミ ン は 配 合しておらず、ミネラル10種を配合する。この ニルアラニンぺプチド粉末(MP 1 1 ) は 、 た ん ば ミネラル10種のうち、カルシウム、マグネシウ ム、ナトリウム、カリウム、リン、鉄、銅、亜鉛、 - く換算量1gあたりのミネラルはPhe除去ミルク と比べて同量程度であるが、 Pheを含む ( た ん ぱ ヨウ素は、Phe除去ミルクの約3 ~ 1 0 倍 を 含 み 、 く1g当たり3mg)ため、 ミネラル補給の目的の みの増量はPhe摂取量の増加を招く。 Phe除去ミルクと異なりセレン、マンガンを含有 このため、 たんぱく補助剤の摂取は確保しっ する。 つ、Phe除去ミルクを添加または増量することを PKU患者の食事内容は、穀類、野案類、いも 類などの低たんばくの植物性食品が中心となる。 前提とし、Phe除去ミルクを料理に使用した 。 ②低たんぱくミー ト そのため、動物性食品が供給源であるビ夕ミン ハウス食品㈱より発売されているセルロ ー スや B, 2 は 、 P h e 除 去 ミ ル ク か ら の 補 給 と な る 。学童期 ・ 思春期にかけてPhe除去ミルクの使用割合を減 グルコマンナンで肉の風味や食感をだした、 た ん ら し 、 たんぱく補助剤の使用割合を增やす中で、 ば く 質 og の 商 品 で あ る 。 糖 質 、 脂 質 、 食 物 繊 維 のほか、カリウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛 前回の食事 を含む。ミンチ夕イプとミ ・ 栄養摂取状況調査においてはたん ぱく源の摂取量は食事摂取基準の推奨量 (RDA) に近かった。しかし、たんぱく補助剤に配合さ ー ト ボ ー ル夕イプがあ る 。 動物性食品が自由に使用できなぃPKU患者 にとっては献立の幅を広げることができる。 - 4 6 - キーマカレ ー II の中央付近のである2000kcalを採用した。 た ③低たんぱく食品 低フェニルアラニンとするために有効なたん んぱく質も同様に推奨量(RDA)の中央付近の ぱく調整ご飯やでんぶん小麦粉も適宜使用した。 値である50~60gを採用した。このうち、80% は P h e 除 去 ミ ル ク 、 た ん ぱ く 補 助 剤 か ら の 摂 取 6)8) 2 . 栄養価の設定 と な る た め 、 1 日 の 食 事 か ら の ;模取量は10g程度 と考えた。 カ ル シ ウ ム 、 マ グ ネ シ ウ ム 、 鉄 、 亜 1 日 あ た り の ェ ネ ル ギー および主要な栄養素 の摂取目標量を、 必要量の高まる学童期後半か 鉛、 レチノ ら思春期に焦点を当て、 10歳 ~ 1 7 歳 の 食 事 摂 取 と 同 様 に 、 推奨量からそれぞれ800mg、 300mg、 をもとに設定した。エネル ギー は、推定エネルギ一必要量のうち、上記の 年齢範囲の中で男女の身体活動レベルIおよび 10mg、9mg、750µ g と し た 。 こ の 他 、 ビ 夕 ミ ン B l 、 B2 、 B6 に っ い て も 、 目 標 とする量は設定しないが、含まれるよう考慮した。 基準(2010年版) 9) ー ル当量は、 エ ネ ル ギ ー の設定条件 表1. 各料理のレシピ レシビ名 タコライス . ①玉ねき、にんに<はみじん切りにする レタスは千切り、ミニトマトは4 冷1東低たんば<ミー ト(ミンチ)60g、玉ねぎ40g、サラダ油10g、 等分にする,②西味料を混合する,③フライパンにサラダ油をひき、玉 ミニトマト40g、レタス30g、ゆめごはん1/25(キッセイ薬品 エ ねぎを十分に妙める ④冷 表 低たんば<ミ ート(ミンチ)を③に加え、火 業)180g、プロセスチー ズ5g、田味料:ケチャップ30g、ウス が通れば四味料を加えて意結める,⑤温めたゆめごはん1/25の上に、 ターソ ー ス18g、カレ一粉1g、にんにく 3g、塩少々、コショウ少々 レタス、④、ミニトマトを盛り付ける, . (1人分) 夏野菜の エ夫 点 作り方 材 料 (1人分) 冷1東低たんば<ミート(ミンチ)80g、なす80g、資パプリカ15g、 ミートマト75g、サラダ油13g、しょうが3g、にんに<2g、カレ一粉 3g、、ゆめごはん1/25(キッセイ薬品エ 集)180g、関味料A:塩 0.5g、固形 コンソメ2g、水40g、調味料B:オレンジマ ーマレ ー ド 3g、ヨーグルト7g . 冷1l l低たんば<ミ ートおよび低た んば<ごはんを使用した。またPhe 含量の低い野菜を使用しつつ、カ ルシウム、ビタミンB1、B6 の結源と してチー ズを使用した . ①しょうが、にんにくはみじん切り、なすは半分の長さに切り、義8等分 ;lに に<し切りにする 資パプリカは乱切り、ミニトマトは半分に切る, (21 i低たんば<ミートおよび低た サラダ油、にんにく、しょうがを弱火で熟し、書りが出たら、なす、冷1東低 冷1 たんば<ミート、資パプリカ、ミニトマト、カレ一粉の順に加え、炒める,③ んば<ごはんを使用してPhe量を しんなりしてきたら、合わせておいたl日味料Aを加え、5分ほど意る,④ l印えた 四味料Bを加え、さらに5分ほど意る,⑤温めたゆめごはん1/25の上 に、④を盛る e . . . ①なすは皮つきのまま組4枚に切り、水さらししてアクを技< ② 白 ね ぎ 、 しょうがはそれそ'れみじん切りにする,③千しひじきを水戻しする ④ポ (1人分) 1集低たんば<ミート(ミンチ)と②③を入れ、手でよく練り混ぜ ウルに冷 、 なすのひき内 冷1東低たんば<ミート(ミンチ)60g、なす100g、白ねぎ10g、千 る。⑤べー パータオルで①の水気を取り、半身2枚1組にし、1枚ずつ片 はさみ播げ しひじき2g、しょうが2g、片栗粉2g、サラダ油適量、l日味料:;選 面に片果粉をまぶす,④の半量ずつを片案粉の付いた面で換む,⑥フ 口しょうゆ3g、出十5g ライパンにサラダ油を適量入れ、⑤を入れて軽<焦げ目が付<まで申火 で両面を炒める,⑦⑥を盛り付け、混合した四味料をかける, 低たんば<ミートを使用し主菜とし た, Phe量が多<ならない程度に、マ グネシウム、鉄などミネラルの結 源である千しひじきを加えた ①しいたけは石づきを切り落としてスライスする,玉ねぎは<し型に切つ たものをさらに積半分に切る。にんじんは色紙切りにする,チンゲン菜 ・ は4cm長さに切る,赤パプリカ、資パプリカは一口大に切る。②組にオ 肉だんごと野菜 50g、にんじん20g、チンゲン菜20g、赤パプリカ5g、資パプリカ リープ油を熟し、冷1東低たんば<ミート ( ポー ル)を転がしながら強火で炒 のコンソメ意 5g、オリ ープ油5g、水t50cc、粉末コンソメ1g、塩0.5g、コショウ め、肉に火が通つたら①の野菜を加えて一炒めする Ci)②に分量の水 少々、ロ ー リエ1枚 と粉末コンソメ、口一リ ェを加えて中火で意る,野菜が柔らかくなれば 口一リエを取りだし、塩をコショウで味付けし、火を止める 低たんばくミー トを使用した レチ ノ ー ル当量チンゲン菜は野菜の 中ではたんば<含量が低く、カル シウム、マグネシウム、鉄、城の 含量が比較的高めである。 . (1人分) 冷 集 低たんば<ミ ート ( ポ ール)30g、しいたけ20g、玉ねぎ . . . (1人分) a スープ キャベツ30g、玉ねぎ30g、じゃがいも25g、にんじん20g、固形 コンソメ2.7g、水150oc、冷1東低たんば<ミ ト ( ポ ル)30g、 ボトフ ー ー 塩少々、 コショウ少々 ミルク組 (1人分) 大根40g、にんじん40g、チンゲン菜40g、白ねぎ40g、しめじ 20g、冷1東低たんば<ミート(ポール)30g 社 3 粒 ( 5 4 g ) 、 有 tパタ一13g、グンプンのT・T小表粉(グンプン)7g、Phe除去 ミルク(粉)30g(水を加えて200ccに預l整)、塩少々 、コショウ . a 少々 グラタン . a a . . 低たんばくミー トを使用した, 低たんばく小表およびPhe除去ミ ルクを使用した Phe除去ミルクは 加熱の影響が少なくなるよう分割 使用する,動物性食品の中で最 もPhe含有量の低<、ビタミン・ミネ ラルの結源である社●を加えた, . . (1人分) 簡単かぼちゃ ①キャベツ、じゃがいも、にんじんを食べやすい大きさに切り、玉ねぎは 薄切りにする,②組に水、コンソメ、玉ねぎ、じゃがいも、にんじんを入れ てi1lらか<なるまで 1●lる,③冷1東低たんば<ミート ( ポー ル)、キャベツを 加えて塩、コショウで味を西える ① にスライスした大根、にんじん、白ねき 、さく切りにしたチン1アン菜、 ほ<したしめじ、冷東低たんばくミ ート 、 社 を順に並べ、表をして中火 でしんなりするまで蒸す,②フライパンを弱火にかけ、有塩バターとグン プンのT・T小表粉をなめらかになるまで炒め、200ccにll整したPhe除 去ミルクの一部を少しずっ 加えてル ーをのばし、塩・コショウで味付けす る (3)〇がしんなりしたら②のルーと残りのPhe除去ミルクを加え、畫を して3~4分中火で炊<, ①かぼちゃを一口大に切つて電子レンジで5分ほど加熟する,玉ねぎは 薄切りにする ②フライパンにバターをひき、玉ねぎを炒める,③玉ねぎ に火力t通つたら、グンプンのT・T小表粉を少しずっ入れ、混ぜる,④次 にPhe除去ミルクを少しずつ加え、だまを作らないように混ぜる,⑤塩、 コショウ、固形 コンソメ、かぼちゃを入れとろとろになるまで意込む,⑥ it 熟容器に⑤を入れてパン粉を散らし、焼き色が付くまでオープンで焼 . かぼちゃ200g、玉ねぎ50g、有塩バタ一10g、グンプンのT・T 小表粉(グンプン)20g、Phe除去ミルク(粉)30g(水を加えて 200ocに調整)、塩少々、コショウ少々 、固形コンソメ2 7 g 、 パ ン粉3g . 低たんばく小表およびPhe除去ミ ルクを使用した, <, (6個分) スイートポテト サツマイモ300g、砂糖30g、有塩パタ一8g、Phe除去ミルク (粉)15g(水を加えて100coに関整) ①サツマイモの皮を割き、ー ロ大に切り、水にさらしてお<,②サツマイ Phe除去ミルクの加熟時間が短結 モがll1lらか<なるまで電子レンジに掛ける,③②を裹ごしして砂糖、有 されるよう、サツマイモを要ごしし 塩バター、田整したPhe除去ミルクを加え混ぜる ④好きな形に成形し、 た後に加えることとした, 焼き色が付くまでオ ープンまたはト ースターで燒< . . (1人分) イチゴジャム ホットケーキ 洋ナシの パンナコ ツタa ①ポウルにグンプンのT・T小実粉と塩、Phe除去ミルク(粉6g)、上白 糖、サラダ油を入れ、西整したPhe除去ミルクでよ<混ぜる,②フライパ ホットケーキの材料として低たん ク(粉)6g、上白糖9g、サラダ油12g、除去ミルク(粉)7g(水を ンに有塩パターをひき、①を小さめに丸く4枚燒く ③燒きあがったら少 ば<小表とPhe除去ミルクを使用し 加えて45ccに田整)、有9バタ一8g、ホイップクリーム ( 乳 脂 し冷まし、ホイップクリームとイチゴジャムを換む ④上段面にはホイップ た , 肪)、イチゴジャム(高糖度)30g、さ<らんぼ(缶結)15g、ミント業 クリームと、4等分したサクランポを裁せ、ミントの薬を節る, グンプンのT・T小表粉(グンプン)20g、塩少々、Phe除去ミル (6人分) Phe除去ミルク(粉)90g(水を加えて600ccに調整)、はちみつ 80g、粉泰天4g、レモン汁2.5g、パニラェッ セ ン ス 、 洋 製 ( 缶 結 ) 110g、ミントの業数牧、ソ ー ス:グラニュ一精70g、水適量、 Phe除去ミルク(粉)6g(水を加えて40ccに四整)、有塩パター 12g . . ①関整したPhe除去ミルクとはちみつを組で混ぜ中火にかける,②流隆 直前で火を止め、粉基天を混ぜ、溶かす,③組熱を取り、レモン汁、バ ゼラチンの代わりに寒天を使用し ニラェッセンスを加え、水で1潘らした型に流し、冷lf li で冷やし固める, た Phe除去ミルクを含めてPhe含 ④ソ ース用のグラニュ一糖を に入れ.グラニュ一糖が溶ける程度の水 量の少ない食材を使用したデ を加え、;港かしながら申火にかける ⑤カラメル色になりだしたら火から ザートとした なしは果物の中で 離し、明整したPhe除去ミルクを混ぜ、有塩バターを加えて混ゼ'る ⑥③ は、Phe含量が低い が固まったら、型から外し、スライスした洋製を飾り、ソー スをかけ、ミン トの業を館る a . - 47 - . . . . . - 48 - 最 も 重 要 な フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン 量 は 、 3歳以降の ①低たんぱく、 高 ビ 夕 ミ ン ・ ミ ネ ラ ル の 食 材 を フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン 摂 取 量 の 目 安 3 5 ~ 1 5 m g/kg/ 日 をもとに、なるべく多くの幅広い年代に適応で 利用する、 ②保険収載のフェニルアラニン除去 き る 値 と し て 、 2 0 m g/kg/ 日 以 下 を 基 準 と 設 定 し た。この値を用いて、体重50kgの人を基準とし、 l日1000mg、l日3食では1食当たり330mg以下 をPheの摂取目標量に設定した 。 その他の栄養 素 は 、 料 理 1 品 に っき、 1 種 以 上 が で き る 限 り 上 記の量に近づくことを目標とした。 C.研究結果 10品の料理を作成した。各料理のレシピおよ び調理上の工夫点を表1に、栄養価は表2に示す。 P h e 除 去 ミ ル ク に っ いては、従来牛乳を材料の一 つとする料理でPhe除去ミルクに置き換えるこ ととし、加熱調理によるビタミンの損失を少な くできるよう調理段階の後方に加えることとし た。液体として使用する場合の調整濃度は、推 奨されている濃度範囲の下限であるl5w/v%とし た 。 低 た ん ぱ く ミ ー トは、固有の味がするため、 味付けに香辛料、香味野菜などを使用すること と し た。また、炒め調理では、動物肉よりも焦 げ付きゃすぃ点に留意が必要であった。 ミルクの摂取を続けるなどの工夫が必要である。 今回のレシピは、これらに着日し、自然食品か らも可能な限りビタミン・ミネラルを摂取し、 なおかっ 食 事 に 対 す る 意 欲 が 湧 く こ と を 目 的 に 作成したものである。生涯に亘つて食事療法に よる血中Phe濃度の維持が必要であるPKU患者 の QoLの維持 ・ 向 上 を 日 指 し て 、 今 後 も こ の よ うなレシピの開発 ・普及が望まれる。 なお、今回作成したレシピは、冊子にまとめ、 PKu 親の会連絡協議会を通じてPKu 患者 へ 配布 した。 E.結論 低フェニルアラニンであって、 ビ 夕 ミ ン ・ ミ ネラルの增量を日指してレシピを開発した。 F . 健康危険情報 なし G.研究発表 1.論文発表 1)新宅治夫:新生児マス ・ ス ク リ ー ニング、大 阪小児科医会会報161:37 40, 2012 2)新宅治夫:フェニルケトン尿症の新しい治療 法 食事療法から薬物療法 へ , 大阪小児科 医 会 会 報 l 5 8 : 9 l 3 , 2011 - D.考察 たんばく含量の低い自然食品を選ぶことに加 えて、市販の低たんぱく食品を利用し低フェニ ル ア ラ ニ ン 食 を 作 る こ と は 容 易 で あ る 。 しかし、 - 食事全体の低フェニルアラニン量を前提に、 ビ 夕ミン・ミネラルを増量することは容易ではな 2 . 学会発表 い。 学 童 期 ・ 思 春 期 以 降 の 患 者 が P K U 以 外 の 1)Shintaku H.Role oftetrahydrobiopterin(BH4) therapy in PKU, 第12回国際小児神経学会・ 栄養不足による栄養障害や疾患を予防するには、 表2.各料理の栄養価 レシピ名 時ルキ'◆kacl) たんば<買(g) ・ マク' ネシウム(m0 鉄(mi0 亜船(mg) l チノール当量(µ g) ヒ'矢、、力1(m0 t'タミ光2(mg) t' 美 力 6 ( m g ) Plh e(mg) 1ll ルシウム(mg) タコライス(チーズ意) 575 2.2 60 24 1.2 0.4 56 0 0g 0.05 0.20 80 タコライス(チーズ有) 592 3.4 92 25 1.3 0.6 69 0.09 0.07 0.20 140 107 . l 野集のキーマカレ ー 616 3.0 74 34 1.6 0.6 72 0 l2 0.10 0.22 なすのひきlllllはさみ場げ 133 1.6 61 33 1.6 0.3 14 0.06 0.08 0.07 59 内だんごと野基のコンソメ意 131 1.7 46 14 0.5 0.4 192 0.06 0.07 0.18 57 56 a スー プ . ポトフ 99 1.6 34 14 0.4 0.3 153 0.05 0.03 0.16 ミルク (社 348 6.8 193 31 2.7 1.4 574 0 20 0.28 0 27 91 380 10.4 240 71 3.7 85 . 586 0.22 0.36 0.32 210 135 a a 集し) ミルクa(社l■3つ) lf単かばちゃグラタン a) スイートポテト(2 イチゴジャムホットケーキ 洋ナシのパンナコ ツタ風 . . 254 5.5 78 34 l.5 0.7 437 0.13 0.1g 0 33 191 1.2 40 25 0.7 0.2 23 0.11 0.03 0.28 67 631 5.5 70 8 0.g 0.5 165 0.06 0.10 0.06 172 188 2.6 59 6 1.1 0.5 82 0.06 0.10 0.07 4 ※赤字 一 比較的、 栄表価の高いものを示す, - , : ルアラニン値が算出されていない食材は、たんば<資量の5%として算出した。 ※フi . 第11回アジア環太平洋小児神経学会 (IcNc/ Lam WK,Walter JH.Increased risk of vitamin AOCCN2012) , 2012. 5. 26 6. 1 ブ リ ス べ ン B 1 2 d eficiency in patients with phenylketonuria on an unrestricted or relaxed diet. J Pediatr. - - 3. そ の 他 2002;136:545 7 6) 三戸節子 , 他 : 平 成 2 1 年 度 特 殊 ミ ル ク 改 良 1)小松祥子 , 他:管理栄養士の卵が考えたPKU の患者さんのための楽しぃレシピ . ア デ ィ ス 部会 第二部会共同研究報告 先天性アミ ノ酸代謝異常症の食事療法におけるたんぱ H . 知的財産権の出願・登録状況 なし く質代替物の役割 , 特 殊 ミ ル ク 情 報 , 第 4 4 号 , 60 - 63 7) 三戸節子 , 他 : 平 成 2 1 年 度 特 殊 ミ ル ク 改 良 1 . 参考文献 部会 1 ) M o d a n Moses D , V e r e d I , Schwartz G, 酸代謝異常症における体たんばく食治療の質 - 第二部会共同研究報告 先天性アミノ フェニルケトン尿症 et a l . P e a k bone mass i n patients with 的評価に関する研究 phenylketonuria. J l n h e r i t Metab Dis. 2 0 0 7 ; 30:202 8 治 療 に お け る ア ミ ノ 酸 ス コ ア の 検 討 一 , 特殊 2)A11en JR,Humphries IRJ,Waters D L , e t al. 8) 小松祥子 , 他 : 古 典 的 フ ェ ニ ル ケ ト ン 尿 症 - ー ミ ル ク 情 報, 第45号 , 55 -62 Decreased bone mineraldensity in children (PKU)患児のタンパク代替物別の食事 with phenylketonuria. A m J Clin Nutr.1994; 5 9 : 4 l 9 - 22 養摂取状況調査、 平成23年度厚生労働省科 学研究 (子ども家庭総合研究事業) ・ 栄 「タンデ ム マ ス 等 の 新 技 術 を 導 入 し た 新 し ぃ 新生児 マ ス ス ク リ 一 ング体制の確立に関する研 3 ) H v a s A M , N e x o E,Nielsen J B . V i t a m i n B 1 2 = and vitamin B 6 supplementation is needed 究 」 分担研究:「効率的な体制 , 臨床的効果 among adults with phenylketonuria. J Inherit Metab Dis. 2 0 0 6 ; 2 9 : 4 7 - 53 に 関 す る 研 究」 ( 分 担 : 山 口 清 次 ) 平 成 2 3 年度 4 ) Wiersinga W J , d e Rooij S E J A , H u i j m a n s JGM,Fischer JC,Hoekstra JBL.Diagnosis of vitamin B 1 2 d eficiency revised.Ned Tijdschr Geneeskd. 2 0 0 5 ; 1 4 9 : 2 7 8 9 94 総括 ・ 分担研究報告書 , 3 1 ~ 33頁 , 2012年3月 9) 日本人の食事摂取基準 <2010年版 > , 厚生労 働 省 , 健康局 , 2005 - 5)Robinson M,White F , C l e a r y M A , W r a i t h E, 49
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