イネ苗立枯細菌病の発生実態と防除対策

イネ苗立枯細菌病の発生実態 と防除対策
(農試 環境部)
1.背 景とねらい
県内で育首期に発生するイネの細薗病としては、もみ枯細菌病による首腐敗症及び苗立
枯細菌病の 2種 類が確認されている。特に近年は、苗立枯細菌病の発生割合が増加傾向に
あることから、本病の発生実態と防除対策を検討したので、指導上の参考に供する。
2.技 術の内容
― (1)発
生実態
平成 3年 度は首立枯細菌病の発生が3/4を占めている。発生分布はほぼ全県におよんで
いる。
(2)苗立枯細聞病の発生生態と多発要因
ア.症 状はもみ枯細菌病による苗腐敗症と酷似しており、症状からだけでは区別は難しい。
イ。本病は種子伝染 し、浸種、催芽時にも健全種子に伝染する。
ウ。浸種、出芽時間が長いと発生を助長する。また、播種12日後頃までに伝染すると発病
するので、その時期に高温に遭通することによって発痛が助長される。
I.出 芽期が30°
C 以上f緑 化 ・硬化期が25°
C 以上になると、発病程度が高くなる。
(3)防
除対策
もみ枯細菌病の防除薬剤が ある程度効果があるカギ
、効果は不安定なので、以下の育苗
法を厳守 し、耕極的防除に努める。特に、種子予措に必要以上に温度、時間をかけな い
こと、播極後から高温多湿にならないことに注意する。
ア.浸 種、催芽、出芽は、品種の特性にあった温度、時間で処理を行う。浸種は、10∼
15°
C、 7∼ 10(100日度 )と し、長期間の浸種はしない。ただし、ひとめばれは浸種 日
数を長期間 (120日度 )必 要とするので、他品種との同時浸種はしない。
イ.所 定播種量を守 り、厚播 きはしない。
Cを 越えないようにし長時間の加温は絶対に行わない。
ウ。出芽温度は30°
ェ.線 化期以降は、25°
C以 上に高めないようにする。このため、育宙ハウス、ト ンネル等
の開閉はこまめに管理する。
オ.糖 水量は多すぎないように注意する。
3.指 導上の留意事項
(1)もみ枯細薗病は題子の保薗状況調査で、次年度の苗腐敗症の発生を予測することが可
能であった力f、苗立枯細薗病は、現在の検出方法の検出限界以下の画濃度でも発病する
ため、現 在のところ発病を予測することは困難であるので、常時耕極的な防除対策に努
める。
-36-
コ内は%)
ッ
表 1 細 菌痛の糧奴別検出点数(ル
エー
ヨ車ロ
rし
ダ
ヤロ
度
0
0
0
3
5
9
7
7
処 理 方 法
供 試 藁 剤
苗 立 枯 細 薗 病 も み祐 細 面 病
発病度 防除価 発痛度 防除価
ー
に
済
問
ナ列
スタ
汗日
200倍液24時間浸漬節購乞あり)
49.0
Rυ
20倍液10分間浸演
0こ
0,5χ
(乾概重)湿紛衣
0
7.5倍液3χ
(乾綱重)吹付
26.8
15倍液3X(乾糊重)吹付
48.4
土堰混和 30g/箱
ン粒剤
カスミ
98
散粒 15g/箱
RJ
rロ
フ"ヽ ン粉剤
覆土混fr1 3g/覆± 1豊
83
RU
無 処 理
離
混入率
1計
0
0
8
2
0
0
2 . 5 1 . 5
0
0
17.5
86.5
7 1 . 43 7 . 0
8
0
0
9
2
2
理
1亜
1
9
9
1
無 処
0
0
2
0.5%湿
紛衣
/′
24 hi長
2001き
,貫
30g/用上5豊混
カスミン粒剤
ヘ ルシー ド水前剤 0.5%湿紛衣
2
0
2
スター ナ水和剤
nU O● nu Oo 00
8
0
2
1%
発病苗率 (%)
7
8
8
9
4 一
4
0
0
1 0 . 9
18.0
1 . 4
46.9
84.5
9
7
7 4
9
8
0
1 9 . 21 . 3
3 . 1
29,9
2 . 7 0
4 . 3
85.1
3 1 , 06 9 . 0
2
_37-
195
192
201
188
195
3
3
a)前年度開花期接題籾
0.5%湿紛衣
24hヤ員,寅
2001告
30g/用上5豊混
0.5%湿紛衣
5
0
2
日
剤
刑ポ理
沈ギ処
スター ナ水和剤
〃ヽ
ミシ
ス ル無
カ ヘ
5%
除
防 価
姻 里力 去
醍 剤
供言
聯 度
子 D
係画裡
維 撒
表 4 苗 立枯細薗病菌保菌種子の混入率と防除効果(1990)
d
0
0
0
9
6
2
表 3 苗 立枯細薗痛ともみ枯細画病に対する防除効果の比較 (1991)
100
a
69,6 b
44.8 C
C
44.9
C
34.5
C
36.2
0 , 9
0
d
2
1
0
7
1
7
6
4
0
3
6
8
6
0
9
8
6
5
8
4
2
︲
8
3
8
6
2
7
7
5
4
2
7
9
2
1
5
5
2
2
2
′
2
0
2
′
fり告期
極 5 日後
7 日子
発
10日子
発
12日fゑ
15日f麦
無接種
0
1 1(73)
4(27)
3
︲
2
8 (36)
5
2
2
1 4(64)
8
0
2
2年
苗数 葉鞘褐変
0
0
2
2
5
0
7
︲
︲
1
′
′
′
翻
搬
髄′
平成元年
3年
寺1明
重田
1安
千
3(50)
節
発病苗率 (%)
調査
苗立枯細菌病 もみ枯細菌病
3(50)
時期と発減 (1989)
2 苗 立描和閣病画接i重
表