2009-1

授業料不徴収協定に基づく派遣交換留学終了報告書
所
属
氏
名 ―
総合理工学研究科
報告書提出時の学年
留 学 先 国 ドイツ
留 学 期 間
環境理工学創造専攻
2009 年
学部・修士・博士
2年
留学先大学 シュツッツガルト大学
10 月
19 日 ~
2010 年
7月
24 日
① 留学先大学についての概略
Stuttgart 大学は、Baden-Württemberg 州の主に理工学系の大学である。キャンパスは、Vaihingen キャン
パスと Stadtmitte キャンパスの二つがあり、学生数は 18.837 人(2010 年 5 月 17 日現在)となっている。
Vaihingen キャンパスには、Civil- and Environmental Engineering、Chemistry、Energy Technology, Process
Engineering and Biological Engineering 、 Computer Science, Electrical Engineering and Information
Technology、Aerospace Engineering and Geodesy 、Engineering Design, Production Engineering and
Automotive Engineering、Mathematics and Physics が、Stadtmitte キャンパスには、Architecture and
Urban Planning 、Humanities、Management, Economics and Social Science がある。Vaihingen キャンパス
は、市の南西部に位置しており、キャンパス内には雑木林が存在している。また学内にスポーツ施設、学
生寮もあり、昼夜学生であふれている。それに対し、Stadtmitte キャンパスは、メインステーションから徒
歩約 10 分の市の中心に位置する。両キャンパスに図書館があり、会員であれば本の取り寄せや予約サ
ービスを利用することができる。留学生サービスセンターは、Vaihingen キャンパスの International
Zentrum にあり、何か問題があればそこに相談をする。食事をする場所は、メンザ、カフェテリア、ÖZ が挙
げられる。
② 留学前の準備
・学部:研究室配属、学士論文研究、就職活動または大学院入試と留学との兼ね合いを含め、卒業ま
での計画
・大学院:就職活動、修士・博士論文などとの兼ね合い、修了までの計画。その他、派遣交換留学情
報の入手方法、専門分野・語学の準備方法、留学先の研究室に所属した場合、留学先大学の指導
教員との準備、ビザ取得方法、住居の探し方など
語学に関しては、修士 1 年からゲーテ・インスティテュートに週一回通ったり、大学の授業を受けたりしな
がら、長期的に準備をした。
研究に関しては、修士論文終了後の半年間を利用し、本格的に準備を行った。まず研究内容に関して
は、指導教員と博士論文全体の内容に関して相談し、ドイツでどのようなことを研究してくるのかを決定し
た。また、ドイツに関する研究を行っている研究者とコンタクトをとり、実際に話を聞きに行った。この際、
(私の研究分野の場合、インタビューを行うことが多いのだが)ドイツでのインタビューを行う際、ドイツ語で
のインタビューをするべきであると、アドバイスを受けた。このため、最初のセメスターはドイツ語の習得も
兼ねて、研究というよりも授業取得を中心とすることに決めた。ドイツでの指導教員に関しては、名古屋大
学の知り合いの先生に紹介していただき、自分で連絡を取った。ドイツでの指導教授が、出発前に日本で
行われるコンフェレンスに出席するとのことだったため、挨拶や研究内容の話をするために京都に出向い
た。
派遣交換留学に関する情報に関しては、留学生交流課の方からこまめにご連絡いただいた。住居は学生
寮を申し込んだため、自分から探す必要はなかったが、学生寮が男女共同か別かということに関して問い
合わせ、何度かやり取りした。結局、男女共同であるということだったが、自分でアパートを探すのは困難
であるとアドバイスを受け、しばらくは学生寮を利用することに決めた。
③ 留学中の勉学・研究
授業登録の有無、授業や研究方法についての感想
冬学期は、5 つ(専門 3 つ、語学 2 つ)の授業を受けた。社会学系の場合、授業はほとんどドイツ語で行わ
れることが多いようである。課題のペーパーは英語であることが多い。発表等は個人で行う場合、英語で
行うことも許される。こちらの学生は、日本の学生と異なり、授業で発言することが多く、教授の話の途中
でも疑問点があれば、手を挙げて待っている。授業内でディスカッションも多い。研究内容に関しては、指
導教授から紹介していただいたチューターと相談をしながら、具体的な計画を立てた。チューターの関わ
るプロジェクトに参加させてもらったりした。
夏学期は、授業は語学のみ(2 つ)とし、その他の時間を研究に利用した。研究を行った単位として、ドイツ
での指導教授から 6 単位をいただくことを、あらかじめ決めておいた。研究内容に関しては、チューターが
自身のプロジェクトで忙しくなってしまったこともあり、指導教授とのミーティングを月に一回行うことで対応
することになった。一ヶ月間の成果を報告し、アドバイスをいただくという一対一の形式で行った。
こちらの社会学系の研究は、特にグループで研究を行うことがなく、期待していたような学生同士のディス
カッションができず、残念であった。また、研究室もなく、研究は主に図書館を利用して行った。
④ 留学中に行った勉学・研究以外の活動
ボランティア、インターン、旅行、スポーツなど、幅広く体験を教えてください。
授業が始まる前に行われたウェルカムパーティーの主催者である、AEGEE という学生グループの主催す
るイベントに多く参加した。留学生のためのイベントであるため、イベントに参加することで様々な学生に
会うことができた。
本格的なインターンは行っていないが、研究で知り合った方のお子さんが通う幼稚園を一日だけ手伝っ
た。運営方法が面白く、主に両親によって経営されている幼稚園である。毎日交代で、親が先生とともに
子供の世話をすることになっていた。私は、そこで折り紙を教えたり、絵本を読んだりした。
また、半年間 Stuttgart 市内のスポーツクラブに加入し、友人と一緒に通った。保険会社に届を出すと、50
ユーロ/1 セメスターの奨学金がもらえるようになっている。
旅行は、ドイツの都市、スペインのマラガ、バルセロナ、イタリアのローマに友人と行った。その他、研究者
を訪ねるために、イギリスのロンドン、オランダのナイミンゲンに行った。研究旅行に関しては、自分でコン
タクトをとり、日程を決めて訪問した。飛行機を利用する際は、Ryanair という航空会社を利用した。空港ま
での交通の便は良くないが、格安で飛行機を利用することができた。
⑤ 留学費用について
渡航費、生活費、住居費、保険料、奨学金の有無など。
航空券は父の知り合いの旅行会社で購入した。12 月に一時帰国する予定だったため、往復を 2 度購入
し、合計額約 45 万円であった。(2 度目が旅行シーズンだったため、旅券が高額だった。)生活費(食事代
等)は、月 300 ユーロ程度必要であった。住居費は、学生寮だった際、インターネット、電気代等込みで月
300 ユーロであった。アパートに引っ越してからは、家賃が月 310 ユーロ、電気代月 70 ユーロであった。
電気代に関しては、賃貸終了後、使用額との差額をいただくことになっていた。その他、インターネット回
線で月 25 ユーロかかった。保険料は、毎月約 65 ユーロ支払った。病院へかかる際、3 か月ごとに 10 ユー
ロ支払うことになっているが、その他の医療費を支払う必要はない(歯科医に関しては、実費を支払う)。
日本で留学用の保険にあらかじめ加入しておいたが、留学中はドイツの保険に必ず入ることになっていた
ため、日本の保険を利用する機会はなかった。奨学金は、Baden-Württemberg 州から月 560 ユーロ×10
カ月いただいた。ドイツに到着したら、銀行口座を作ることになるため、奨学金はその銀行口座に振り込ま
れた。留学前にみずほ銀行の国際キャッシュカードの申し込みをし、日本の口座からお金を引き出せるよ
うにしておいた。
⑥ 留学先での住居について
寮の有無、申し込み方法、ルームメイト、その他
先述したとおり、寮に関しては、大学から学生寮申請用紙が送られてきたため、その際に申し込んだ。ドイ
ツでは、男女混合された学生寮となっている。私の場合、男性 3 人、女性 1 人という状況になってしまった
ため、International Zentrum の留学性担当の方に相談し、留学直後、寮を変更してもらった。女性のみの
寮は探すことが不可能に近いようで、結局男性 2 人、女性 2 人の寮で暮らすことになった。しかし、ルーム
メートが留学期間を終え、入れ替わり、再び女性 1 人となってしまったため、自分でアパートを探し、移るこ
とになった。この際、契約等行わなければならなかったが、ドイツ人の友人に手伝ってもらった。
⑦ 留学先での語学状況
例えば、授業、研究には○○語が必須だが、生活は○○語を利用。留学前のTOEFL等語学試験は、
○○だったが、十分であった(2,3ヶ月は苦労した)など。
ドイツでは基本的に英語が通じるが、当然であるがドイツ語で話せた方が良い。私は、留学前にドイツ語
の準備を行ったが、あまり話すことはできずに留学を迎えた。留学後もなかなかドイツ語で話すことができ
ず、いつも英語になってしまった。しかし、本格的に研究をはじめ、本当にドイツ語が必要となり、集中して
勉強してから急にドイツ語が上達した。それからは、ドイツ人の友人ともドイツ語で会話をするようになり、
ぐんぐん上達し、ドイツ語でインタビューもできるようになった。日本では話す機会は少ないと思うが、英語
でもドイツ語でも、留学前に話す練習をしておくことが重要である。
⑧ 単位認定、在学期間について
留学中に取得した単位の認定を東工大で行ったか(行う予定か)?在学期間の延長を行ったか?
奨学金申請において単位が必要であったため取得したが、東工大での単位認定は予定していない。在学
期間は、2009 年冬学期、2010 年夏学期で、延長は行っていない。
⑨ 就職活動について
留学先で行ったこと、また帰国後どのように活動する(予定)など。
就職活動は未だ行っていない。
⑩ 留学先で困ったこと(もしあれば)
1.
セメスターチケット
セメスターチケットは 10 月~3 月、4 月~9 月まで有効なチケットで、留学中に購入することになる。持って
いない場合に電車に乗り、チェックを受けると、罰金を支払うことになる。私の場合、最初の 1 か月チケット
の有効期限が一日切れてしまっていた際にチェックを受け、罰金を支払うことになった。正規金額は 40 ユ
ーロだが、交渉して 10 ユーロ支払った。
2.
保険
保険のカードが届く前に風邪をひき病院へ行ったが、カードがなかったため、診察を受けることができなか
った。留学生が一斉に登録をするので、カードの到着はかなり遅くなるようである。私の場合、学内にある
保険会社に直接行き、至急必要である旨を伝えたところ、その次の日に届いた。
⑪ 派遣交換留学を希望する後輩へアドバイス
留学は大変なことも多い半面、楽しいこともたくさんあります。自分の価値観をしっかり持って、様々な文
化に触れることで、人生を豊かにするような経験ができると思います。研究に専念する時間ももちろん大
切ですが、イベント等に参加し、様々な学生に触れ合う機会も大切にした方がいいと思います。