ダイバーシティ - 中外製薬

 医薬品業界をはじめ、企業をとりまく環境の変化は速く、
t o p
私たちは必然的にその変化に柔軟に対応することが求めら
m e s s a g e
れています。その中で、中外製薬はトップ製薬企業像の実
ダイバーシティ
現に向けて、これまで以上に企業活動の質的向上を図っ
人財の多様さこそが
企業の力—
—
ていかなければなりません。
変化への対応は、従来の仕事のやり方、考え方で物事を
判断し進めていくだけでは不十分であり、大胆な意識改革
を行っていかなければ、結果的に種々のビジネスチャンスを
逃してしまうことになります。
私たちにとって大切なことは、さまざまな考え方やアイ
デアを結集し、そこからさらに新しい価値やサービスを
創 造し、顧客へ提供し続けていくこと。そのためには、
多様な人財の能力を十分に確保し、その力を最大限に発揮
していく必要があります。
中外製薬のミッションは、
「革新的な医薬品とサービス
の提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の
健康に貢献」することです。性別や年齢、国籍も含め、多様
代表取締役社長
永山 治
な価値観をもった人々が活き活きと働き、そこから新しい
価値を生み出すための「ダイバーシティの推進」を経営の
Osamu Nagayama
重要課題と位置づけ、取り組んでいきます。
中外製薬グループにおける
ダイバーシティの目指す姿
「多様な人財を活用し、企業活動に結びつけること」
それがダイバーシティの取り組みです。
一人ひとりの個性を活かし、
より質の高い製品・サービスにつなげること、
そして一人ひとりが働きがいを実感できること、
この 2 つを実現することが
「ダイバーシティ」の目指す姿です。
社会・顧客
■ 健康への貢献
■ 革新的な新薬の提供
考え方・仕事のイノベーション
ダイバーシティの推進
雇用形態
個人
会社
■ 能力の発揮・可能性の拡大
■ 社員の個人の能力を最大限に活用
■ 退職によるキャリアロスを防ぐ
■ 多様な価値を顧客へ提供できる
■ 仕事と生活のバランス
障がい
■ 挑戦できる、働きがいの実感
外国人
シニア
女性
■ 退職による労働力の損失を防ぐ
■ 企業価値の向上
■ 魅力的な人財をひきつける
まずジェンダー・ダイバーシティ
から取り組みます
中外製薬では、まず最も身近な「性別による多様性」に注目しました。性別によるものの
見方、価値感の違いが企業活動に十分反映されているかについて考え、これを “ ジェンダー・
ダイバーシティ” とし、経営戦略課題として取り組みを進めています。
例えば、女性の視点がビジネスに反映されることは、顧客である患者さんとその家族、
医療従事者の半分にあたる女性への新しい製品・サービスにつながります。しかしながら、
女性は結婚や育児といったライフイベントで退職するケースも多くあります。また、男性も
ワーク(仕事)だけでなく、ライフ(家庭)とのバランスをうまくとっている人もいます。
誰もがライフとワークを両立することができること、そして、一人ひとりがキャリアを
積んでいくことで、そこから多様な考え・アイデアが生まれ、それが企業活動に反映される
ようになること。“ ジェンダー・ダイバーシティ ” はライフイベントを抱える人や女性だけの
取り組みではありません。一人ひとりの視点や発想が拡がる機会でもあるのです。
● ジェンダー・ダイバーシティ推進の目的
● ジェンダー・ダイバーシティの
目指す姿
トップ製薬企業像の実現
多様性を受け入れる
意識が職場に根付き、
男女ともに仕事のや
りがいが高まり、生活
が充実している
多様な発想・視点のビジネスへの活用
一人ひとりが持つ多様なキャリアから生み
出される多様な考え・アイデアをビジネスに
反映することで、顧客ニーズに応える製品・
サービスを提供する
ライフイベントで退職
することなく、女性
も男性も働き続けて
いる
意思決定の場面で活
躍している女性、指導
的立場の女性が増え
ている
多様な人財の確保
多様な人財を確保するために、ライフイベ
ントにより退職することなく働き続け、能力
を発揮していく環境・仕組み整える
目指す姿
● 推進スケジュール
実現・浸透の年
各自・各組織で実践し
相乗効果を生む
答申
意識調査
2010年10月〜 2011年6月
ジェンダー・ダイバーシティ
マネジメントワーキングチーム活動
検討・意識醸成の年
多様性、働き方について
各自・各組織で検討
導入・正しい理解の年
経営課題と して
認識を浸透
ダイバーシティを
考えるための取り組み
ジェンダー・ダイバーシティマネジメントワーキングチーム
2 0 10 年10月より「ジェンダー・ダイバーシティ」についての現状課題、目指す姿、施策を検討するため、
社長をオーナーとしたワーキングチームが結成され、進むべき方向について議論を重ねました。ワーキ
ングチームの検討内容をもとに、今後一層の取り組みが推進されます。
女性自身がキャリアや働き方を考えるための取り組み
● CHARMフォーラム
● 製薬本部フォーラム/分科会
約 300名の女性MR が参加し、
「CHARM
フォーラム」
( Chugai Attractive MRs
Forum for Women)を開催し、女性の
キャリアについての講演や M R同士の
グループワークなどが行われました。こ
のフォーラムをキックオフとして、支店
別での活動が展開されています。
普段は仕事や職場が異なる女性が
集まり、同じテーマについてディ
スカッションしながら、女性のキャ
リアについて考えました。現在は
テーマ別の検討会が進んでいます。
推
進
者
の 声
遠矢まゆみ
Mayumi Tohya
中外製薬工業株式会社
経営管理部長
男女を問わず「働きやす
い環境」
「能力をフルに発揮
できる環境」を整えるには
制度面の整備で終わるので
はなく、どう活用していく
かが重要です。職場でのコ
ミュニケーションを大事に、
そして、積極的な若手・女
性の登用等を通じて、一人
ひとりの意識改革に結びつ
くよう働きかけて行きたい
と思います。
さまざまな考え方、感じ方をフランクに話し合えるように
田村 澄江
Sumie Tamura
プライマリー学術情報部長
患者さんとその家族、医療従
事者の半分は女性です。看護や
介護には女性の果たす役割が大
きく、女性の発想や視点をもっ
とビジネスに活かすことで、今
まで気付かなかったニーズに
応える製品・サービスを提供す
ることができると考えています。
例えば、患者さんへの説明用
資料をわかりやすくする、医薬
品の色、形、包装などを識別し
やすく、使いやすくするなどの
提案ができるのではないでしょ
うか。女性の活躍の幅が拡がる
と、会社のビジネスの幅も拡が
っていくと思います。女性のマ
ネジャーも増えており、今後の
活躍に期待しています。
して業務にも必ず良い影響を及
私自身、出産、育児、単身赴
ぼすと確信しています。
任などを経験し、周りの方から
の温かなアドバイスやサポート
に 支 え ら れ て き ま し た。 そ の
女性管理職数の推移
経験を踏まえた上で、男性
と女性、様々な年齢、ライ
140
12
女性管理職数
フステージの方が、考え方、 120 女性管理職比率
10
感じ方の違いについてフラ
100
8
ンクに話し合える企業風土
80
6
になることが理想的だと感
60
じています。
4
40
ライフとワークのバランス
2
20
は男女問わずに大事なこと。
0
0
育児や看護、介護と仕事の
(人) 2005
2007
2009
2011 (%)
両立の経験が、生命関連企
女性管理職は現在120人、女性における
管理職比率は 9.85%です。
業である中外製薬の社員と
2
ダイバーシティを実現するための
社内制度と仕組み
中外製薬では、社員一人ひとりの能力が最大限に発揮されるよう、
キャリアやライフイベントを支援する社内制度・仕組みを整えています。
キ ャ リ ア を 支 援 す る 制 度・仕 組 み
*
キャリア申告制度
*
社内公募制度
*
キャリアデザイン研修
社員が仕事に関する希望や将来の
キャリアなどについて会社に申告す
ることができます。
自身のキャリアを拡げるために、会
社が募集する職務に応募することが
できます。
*
キャリア相談室の設置
*
キャリア開発研修・面接
これからのキャリア人生について考
え、今後もいきいきと働き続けるた
めに、54 歳時点においてキャリアデ
ザイン研修を実施し、55 歳以降の働
き方の選択をサポートしています。
カウンセリングトレーニングを受け
た社内相談員や外部のキャリアカウ
ンセリングセンターの専門家が、社
員のさまざまなキャリアに関する相
談に応じ、キャリアや能力開発のヒ
ントとなる情報を提供しています。
一定のキャリアの節目において、研
修や面接を通して自身のキャリアに
ついて考え、期待される役割につい
て確認しながらキャリアの方向性に
ついて理解を深めていきます。
*
シニア社員制度
55 歳以降の働き方の選択肢の 1 つと
して、55歳時点で最長 65 歳までの勤
務を選択することができます。
*
転採用制度
一定の要件を満たした契約社員が応
募して、試験を受け、その合格者は
正社員へ転換することができます。
*
自己啓発支援プログラム「SIP」
自分自身による能力開発を目的とし、
通信教育コースの紹介や外部プログ
ラムの受講支援を行っています。
一人ひとりが自分らしいキャリアを
実現するために
森本 修
Osamu Morimoto
キャリア相談室
カウンセラー
3
これまで多くの方々が相談室に来られましたが、年
代や性別、職種が同じでも相談の内容は本当にさまざ
まで、カウンセリングを通じてまさに「ダイバーシティ」
を実感しています。「ダイバーシティ」が進むことによ
って、キャリアの選択肢が広がり、会社の中で多様な
キャリアを描くことが可能になります。この実現のた
めには、一人ひとりが自分のキャリアを考え、行動す
ることが求められると考えており、これからも社員の
皆さんのキャリア開発を積極的に支援したいと思って
います。
ラ イ フ イ ベ ン ト を 支 援 す る 制 度・仕 組 み
*
MR結婚時同居サポートプラン
MR が結婚時に配偶者と同居できる
よう、同居可能な勤務地への異動を
支援します。
*
配偶者出産休暇
*
育児休職者職場復帰支援
プログラム「wiwiw」
*
結婚、配偶者の転勤、
介護による新幹線通勤
育児休職期間中、インターネットを
通じて社内情報やオンライン講座の
サービスを提供し、育児休職からの
職場復帰を支援しています。
結婚による転居、配偶者の転勤、介
護する家族がある場合、一定の条件
を満たせば、新幹線での通勤が可能
です。
*
介護休暇
男性が利用できます。出産日当日か
ら 2 週間以内に 2 日の休暇を取るこ
とができます(有給として取り扱わ
れます)。
家族の介護、病院の付き添い、介護
サービスの提供を受けるために必要
な手続きの代行や、必要な世話を行
う場合、年に 10 日までの休暇を取る
ことができます。
*
育児休職制度
出産後、子どもが 1 歳 2 ヵ月に達す
るまでの間、1 子につき 1 回、育児
休職を取得できます。父親は一定の
条件を満たせば、2 回まで育児休職
を取ることができます。
*
育児短時間勤務
子どもが小学校 3 年生の 3月末日まで
の間、勤務時間を短縮して勤務する
ことができます。
*
コンソーシアム型保育所
「キッズスクウェア日本橋室町」
中外製薬グループに勤務する社員、
常 勤 の 契 約 社 員 は、 日 本 橋 地 区 に
ある参加企業によるコンソーシアム
型保育所の利用が可能です。
*
子の看護休暇
*
介護短時間勤務
要介護状態にある家族一人につき、
介護休職と合わせ、最長 3 年間、勤
務時間を短縮して勤務することがで
きます。
結婚・出産・育児・介護・配偶者の
転勤の理由により退職する場合、希
望者が登録することで、採用募集を
優先的に案内します。男女ともに利
用可能です。
*
育児ゆっくり出社・育児早帰り
*
次世代育成支援ホームページ
「すくすくスクウェア」
要介護状態にある家族一人につき、
通算で1年間休職することができます。
*
退職者再雇用登録制度
小学校就学前の子どもの病気・怪我・
予防接種・健康診断の際に 1 年に 10
日まで休むことができます。
子どもの発熱で病院に連れて行くな
ど、育児に関する突然の事情により
遅刻・早退する場合に配慮し、「育
児ゆっくり出社」および「育児早帰り」
として出退勤へ登録できます。
(小学
校就学前の子を持つ固定時間勤務者が
対象)
*
介護休職
■ 育児休職、育児短時間勤務者の実績
・育児休職 51名( 2010年実績)
・育児短時間勤務 86 名( 2010 年実績)
■ 次世代支援施策の取り組み
出産・育児に関する社内外の制度や
情報を提供する支援サイトです。
中外製薬では 2005 年より次世代育成支援施
策を推進し、出産・育児に関する社内外の制
度や情報を提供する支援サイト『 すくすくスク
ウェア』を開設、また出産、育児にたずさわ
る部下を持つ上司が制度や職場環境づくりへ
の理解を深めるためのハンドブック作成など
を行ってきました。育児をしながら働きやす
い環境づくりに取り組んでいます。
▲マネジャーハンドブック
▲
くるみんマーク
4
子育てをしている社員より
井上 裕美
Yumi Inoue
オンコロジーユニット
九州営業部
福岡がん専門三室
2001年入社
育児休職を 1 年間取得し、今は育児短時間勤
務制度を利用し 1日2時間短縮で MRとして働い
ています。子どもを保育園に預けてから出勤し、
医療機関を訪問してがん製品を中心とした情報
提供活動を行っています。
子供が生まれる前は帰りが遅くなることも頻
繁にありましたが、今はほぼ決まった時間に帰
ることができるので家事や育児に専念できてい
ます。担当先も限定的になり、市場も小さくな
りましたが仕事の内容自体は変わっていません。
上司や同僚とは連絡を密に取り、同じ施設を担
当する M Rとはこまめに情報を共有するなど、
小さなコミュニケーションをたくさんとるよう
に心がけています。結婚しても仕事を続けられ
る環境にあれば、育児をしながらも働けると思
いますし、それをサポートする社内制度もあり
ます。子供が自立したときに、自分も自立してい
られるよう、仕事を続ける決断をして良かったと
思っています。
m e s s a g e
「ダイバーシティ」は皆さん、一人ひと
りが推進者となることで実現されます。
個 々 人 の 考 え や 価 値 感 は そ れ ぞ れ異
なります。それを単に主張し、相手に
押し付けるのではなく、自分と異なる
考 え・価 値 感 を お 互 い に 理 解 し 合 い、
新しい気づきにつなげていきましょう。
自 分 に と っ て 、 職 場 に と っ て の「 ダ
イ バ ー シ ティ」の 実 現 に 一 緒 に 取 り
西村 信一
組んでいきましょう。
Shinichi Nishimura
臨床業務推進部
2001年入社
次女が生まれたときに 2 ヵ月間、育児休職を
取 得しました。この間、妻は復職し、育児と
仕事の両立にもスムーズに移行できたようです。
料理、洗濯、掃除、保育園の送迎など、家事・
育児は妻と分担しています。家庭での役割があ
るので、仕事は優先順位をきちんと付け、効率
よくするように気をつけています。また子供の
事情で急に休むこともあるので、上司や同僚と
の情報共有は欠かせません。男性は収入や評価
の面などを考えてしまい、育児休職の取得をた
めらう方がいると思いますが、子どもが小さい
時期は本当にわずかです。しかも、歩き始めたり、
しゃべり始めたりと大きく成長します。私の場
合2ヵ月という短い期間でしたが、この貴重な
時間を子どもと一緒に過ごせたことは親として
何事にも代え難い幸福だったと思います。男性
の方にも制度を利用して、積極的に育児に参加
することをお勧めしたいです。
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することを禁止します。
本冊子に掲載されている社員の所属などは、発行年月時点のものです。
2011年 9月発行