MR拡散強調画像による脳循環障害の評価に関する研究

MR 拡散強調画像による脳循環障害の評価に
関する研究
西
放射線科研修医の二者で読影実験を行い、梗塞
の検出率を調べた。
村
恒
彦
京都府立医科大学大学院医学研究科
放射線診断治療学
結
果
病変の rCNR=1.47±0.63 であり一般に thinslice DWI での病変の見え方が優れていること
がわかった。この傾向はテント上脳にてより明
緒
言
脳梗塞の診断における拡散強調画像
瞭であった(rCNR=1.51±0.63)。神経放射線
科医の読影では通常の DWI では 78%の検出率
(diffusion-weighted imaging; DWI)の重要性
であったのが thin-slice DWI により 100%の検
はすでに確立されているが、この撮像法の最適
出率まで向上した。また放射線科研修医の読影
化や標準化は未だなされていない。もともと空
では通常の DWI では 71%の検出率であったの
間分解能的には限界のある撮像法であり、面内
が thin-slice DWI により 94%の検出率まで向
での分解能の向上はうたわれている。しかし実
上した。
際には面内の分解能よりもスライス厚による対
軸方向の空間分解能の方が低いため、本質的な
結
論
画像の空間分解能の改善のためにはスライス厚
Thin-slice DWI によって、梗塞のより確実
を低減させることがより根本的な解決に近い。
な病変検出が可能であり、これが正確な病型判
我々はこれを通常の 5mm スライス・1mm ギャ
定につながることが示唆された。
ップの撮像法(z-軸方向の空間分解能は
6mm)から 3mm スライス・0mm ギャップ(z-
研究協力者
軸方向の空間分解能は 3mm)を取り入れて、
山田惠、木津修
この撮像法の有用性を検討した。
京都府立医科大学大学院医学研究科
放射線診断治療学
方
法
49 例の連続する発症から 8 日以内の脳梗塞
患者に対して通常の DWI と thin-slice DWI の
参考文献
Yamada K et al. Brain fiber tracking with
両者を行い、それぞれの方法で検出される脳梗
clinically feasible diffusion-tensor MR
塞 の contrast-to-noise ratio ( CNR ) を 調 べ た 。
imaging: initial experience. Radiology.
両撮像法での CNR の比率をとって relative
CNR(rCNR)を算出した。また両者を別の機
会に分けて専門医資格をもつ神経放射線科医と