バーキットリンパ腫とDLBCLの中間型と思われたB細胞リンパ腫の1症例

591
373
バーキットリンパ腫とDLBCLの中間型と思われたB細胞リンパ腫の1症例
バーキットリンパ腫とDLBCLの中間型と思われたB細胞リンパ腫の1症例
○山口 直子,宮原 由美,谷口 恵理,米田 さおり,吉田 崇,森分 和也,山崎 正晴
さおり,吉田 崇,森分 和也,山崎 正晴,岡本 康幸(奈良県立医科大学附属病院)
○山口 直子,宮原 由美,谷口 恵理,米田
岡本 康幸(奈良県立医科大学附属病院)
【はじめに】
パ腫の可能性が疑われた。その後、化学療法の予定であっ
バーキットリンパ腫とDLBCLの中間型(i-DLBCL/BL)は
たが、入院10病日に腹痛の訴えの後容体が悪化、同日永眠
新WHO分類4版からの新しい項目として設けられたが、この
された。
カテゴリーに含まれる症例は多様であり、典型例として示
【考察】
されたものは少ない。今回我々は、他疾患治療中に発症し
i-DLBCL/BLは、形態的な組織像や免疫マーカー、遺伝子転
急性の転帰を取った症例でi-DLBCL/BLと思われる症例を経
座によってさまざまなタイプが見られる。本症例では染色
験したので報告する。
体ではt(3;14)(q27;q32)とt(8;14)(q24;q32)を含む
【症例】
複雑な染色体異常が見られ、組織でのFISH検査でc-mycと
69歳女性。2007年糖尿病性腎症を有する息子に対する生体
Bcl-6のsplit signalが見られ、新WHO分類2008年の
腎移植のドナーとして当院泌尿器科にて腎摘出術を施行さ
Double hit lymphomasとして分類されると考えられた。今
れ、その後定期通院されていた。2012年10月に全身倦怠感
回の症例は全身性,多発性に発症しており、腫瘤等の固型
と右手の麻痺,疼痛を主訴に当院整形外科を受診。CT検査
癌を疑う所見があっても、悪性リンパ腫も念頭においた初
にて腹部腫瘤と肺にすりガラス状影が認められた。その
期検査が重要かと思われた。
後、血液検査にてWBC23200/μL,LD2695U/L,sIL-2Rが
(連絡先 0744-22-3051 内線4204)
2440U/mLで、末血中に6%の病的リンパ球を認めたため、
骨髄検査でFCMを施行。約60%が病的リンパ球であり、
CD19,CD20,κが陽性を示した。これらの細胞は大型で、細
胞質が好塩基性、空胞を持っていたため、バーキットリン