614 208 術中モニタリング検査における波形変化で回復経過を観察し得た1症例 術中モニタリング検査における波形変化で回復経過を観察し得た1症例 ○高谷 恒範,前川 彩香,下村 志帆,山本 さよみ,今井 竜子,内池 敬男,水野 麗子 下村 志帆,山本 さよみ,今井 竜子,内池 敬男,水野 麗子,岡本 康幸(奈良県立医科大学附属病院) ○高谷 恒範,前川 彩香, 岡本 康幸(奈良県立医科大学附属病院) 【はじめに】術中運動誘発電位:MEP(motor evoked 【症例1】7歳 女性 主訴:頸椎硬膜内髄外腫瘍(脊髄ダン potential)モニタリングは大脳運動野を経頭蓋または直 ベル型腫瘍)歩行障害(Rt.U4/5 L4+/5,Lt. U5-/5 L5- 接刺激し脊髄硬膜外や四肢筋で記録しモニターすること /5)右手指は動かず,左手チョキはできるが物は持てませ で、内包、中脳大脳脚、脊髄下降索路、脊髄前角細胞、α ん。 運動神経、筋肉へと至る下行性の経路での障害を未然に防 【結果および考察】術前神経症状が重篤な症例で腫瘍摘出 ぐものです。近年の運動野刺激装置の改良や麻酔法の変化 操作直後からMEPならびにSEPの振幅増大を認め術後神経症 により全身麻酔下でも運動機能モニタリングが可能とな 状が著明に改善した。通常、術中MEPモニタリングの殆ど り、技師が携わる機会が増えてきました。今回、当院にて は合併症による術後麻痺を回避する為に有用であると考え 行われた脳外科手術で手術中にMEPモニタリング検査に られているが今回の症例は、術中MEP波形の回復と麻痺改 おける波形変化で回復経過を観察し得た1症例について報 善が認められた症例で術中に波形の著明回復が現れること 告します。 は珍しい。術中脊髄モニタリング法は、術中脊髄機能の評 【方法】誘発電位・筋電図検査装置(日本光電製 価および予後の推定に有効な検査方法と考えられる。今 NeuropackMEB-2208)経頭蓋的高電圧刺激装置(Digitimer 後、さらに検討を加えていきたい。謝辞:今回の発表にご 社製)を用い、記録部位は四肢筋を選択し、記録電極とし 指導と助言を賜りました麻酔科教授 川口昌彦先生,脳神経 てはディスポ電極であるNCS電極NM−31を使用しました。 外科 本山靖先生,に謝辞申し上げます。 皿電極(日本光電製)にてC3−C4を、500Hz、5連の高頻度 奈良県立医科大学付属病院 中央臨床検査部 トレインパルスの刺激条件下で経頭蓋的にMEPモニタリン 連絡先 0744-22-3051 内線(4240) グを行いました。
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