同心円環状電極の静電容量にりいて く第二報)

同心円環状電極の靜電容量について(第二報)
押山保常
相川孝作
佐野辰雄
On the Capacity of Concentric Ring Electrodes. (2nd Beport)
YasutsuneOshiyama KosakuAikawa TatsuoSano
Synopsis: Ricently, concentric ring 61ectrodes have been practically used to determine
moisture contents by measuring dielectric constantg but there is no formula which gives their
capacity. This paper presents empirical formula induced by converting the resistance between
two electrodes measured in water by A. C bridge method into capacity. The capacity is proporti_
…1・・R2(・+ぴ・莞)1・癒畏wh・・e R・i・th・inner radiu・・f th・・uter e1・・t・・d・, R・th・
radius of inner electrode.
1.緒 言
2.同心円環状電極
誘電率を測定することにより含漁量を測定ずる場合
同心円環状電極はFig.1に示す様なもので、之を
同心円環状電極が実用に供せられているが、その静電
誘電体、例えば木材等の表面に圧着して静電容量を測
容量を與える式がないので、その都度実験的に求めら
定するものである。
れている()。筆者等は先にこの種の電極につき静電容
3.実験装置および実験方法
量計を使用して静電容量を測定した結果より近似的な
実験式を求めたが(2)、この場合に測定値より導線間の
Fig.1に示すニッケル電鍍銅板製電極において、
漂游容量を正確に除去ずることが出来なく、又その他
R2を一定とし、 R3は第一報②で示した如く測定値に
の誤差も含まれる。そこでこの影響を除くために電極
ほとんど影響を及ぼさないのでR3=2R2とし、 k=R1!
間の抵抗を交流プリツヂにより測定し、これを静電容
R2を変えてi抵抗を測定した。電極の寸法はTable.1
量に換算して実験式を得た。
に示す。筒電極の厚さは0.15mmである。
Table.1
N・・}8:m)
R3
icm)
R1(cm)
4・1似・1ω
1・51 1
・1… ・「
・∋…}1・・
L5:2.。1 [ 1
∋・・
6∋・51ω
1 |
1 2.O I
k512・0125
之等の電極を20cm平方の硝子板にポリエテル樹脂
により接着し、これをFig.2に示すように水表面に
支持し交流ブリッヂ法により抵抗を測定した。
一般に電極間の抵抗Rとその静電容量Cとの間には
1
その電極構造に関係なく吹の*うな式が成立する。
c一昔(ε:誘電率、ρ:固有抵抗)
従つてε.ρが既知なる液体中で抵抗を測定すれば上
式より電極間の真室中での静電容量が得られる。
Fig. 1
測定はFig.2の如き回路で行い、電源には交流
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昭和31年7月
山梨大学工学部研究報告
第 7 号
(1)水と電極との接触嘆が影響する
fOOO c/s
こと。
(2)両電極の中心軸が一致しないこ
と。
(3)両電極が完蚕に同一平面にない
こと。
Rs
Chss pth。ε(4)R・・R2円が完主円でないこ
と。
(5)漂游容量が完全に分離出来ない
こと。等
Fig.2
之等の中(1)及び(5)の影響に
1000サイクルを用い、各素子はすべて静電遮蔽を行い
より測定値が真の値より大きくなつたもo)と考えられ
搬器には増巾購を付した.献槽の大きさは疏
る。今度の実験に於ては、電極を硝子板に接着するこ
30cm,深さは15cmで之に水を満してある。
とにより(1),(2),(3)等による誤差を除き、叉
4.実験結果
抵抗測定により(5)による誤差を除くことが出来
Table・]のNo・1,2,3に対する実験結果をそ
れぞれFig.3,4,5に示す。これ等の結果より実
た。
c
験式を求めると次式が得られる。
R2=2.5 c/nt
(PF)
C−・・9R・(・+…k)1・勘畏(PF)
R8=5伽
?.O
c
R2=2伽
(PF)
Rヨ=4伽
1り
呼、
0 α2 0,4 0.6 0.8 1.0
菟「驚
0
o.2 0.4 0.G o.8
Fig.4
閲
Fig.6に示す如く求めた実験式の形が第一報o)実
是書
験式の形と異なるのは、今度の測定値には漂游容量の
影響が全然ないためと考えられる。第一報の実験式に
Fig. 3
kが1に近づいた時測定値との間の誤差が大きくな
5.考察および結言
る。
以上の実験結果を静電容量計により求めた実験結果
今度の実験式は
に比較すると、静電容量計で測定した値の方が最大約
10%大きいが、静電容量計で測定した値には吹に挙げ
k→0に於て c−>O
k→1に於て c→。。
るような誤差の影響があつたためと考えられる。
となり、より合理的なものと考えられる。
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同心円環状電極の静電容量について(第二報)
c
(?F)
c
凡= 50nt
PF)
Rs= cotrn.
鳥F25帆
CkO,』875kk(臼0β5)一一N
C−O.9R・(ユ+…k)1・g1・芸1
一a2 a4 0ぶ α9 to
欄
0 α2 0.4 U.6 0.8’ 1.0
轟一晋
Fig.5
この研究は東大生研星合教授指導のドにある含漁量
Fig.6
測定委員会研究費の一部で行われたもので、同委員会
文
に謝意を表する吹第である。
献
(1)野村:含漁量測定委員会資料No・20
(2)押山・相川・佐野・中谷:山梨大学工学部研究
報告第6号p.135
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