盛土工事について

11月土地区画整理事業説明会資料
盛土工事について
平成24年11月
UR都市機構
1.盛土について
2.斜面の安定について
よ う へ き
3.擁壁の安定について
<1 盛土について>
かんげき
地盤は、土粒子とすき間(間隙)で構成されています。すき間の中には、水と空気
し
かた
が存在しています。盛土の締め固めは、この間隙をなるべく少なくすることが重要で
す。
(すき間)
(すき間)
地盤がもっとも締め固まった時の密度を、試験によって調べます(下図)
。工事をす
る際には、盛土した地盤の密度が最大密度に対して一定の範囲内に締め固まっている
かどうか、確認しながら施工をします。
(専用の機械で確認中)
1
盛土をする場合には、地盤の緩み等が
起こらないように、おおむね 30cm 以下の
し
な ら
厚さの層に分けて土を敷き均し、かつ、
適切な機械を用いて締め固めます。
(ブルドーザでの敷き均し)
(締め固め)
2
盛土の締固め施工の品質管理は、特に重要です。
1層ごとに管理基準を満足しているか、また、適切な締め固め回数となっているかど
うかについて、日々検証しながら施工します。
そくい
その方法として、GPS(全地球測位システム)とRI計器(密度を測る機械)を使いま
す。GPSの位置情報をもとに、運転手が締め固め回数をリアルタイムで確認します。
GPS 衛星
ブルドーザ等の
アンテナで受信
GPSを用いた施工管理 模式図
締め固め機械
走行回数管理
模式図(イメージ)
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<2 斜面の安定について>
盛土造成地の地盤災害の代表的なものに、大雨や地震による「斜面の崩壊」があり
ます。
斜面は土の塊が「滑り落ちようとする力」と「滑りに抵抗しようとする力」のバラ
ンスにより安定しており、
「滑り落ちようとする力」が「滑りに抵抗しようとする力」
を上回ったときに斜面が崩れます。
雨が降ると雨水が地盤に染み込んで、染み込んだ水の分だけ地盤が重くなります。
このため、
「滑り落ちようとする力」が大きくなり、斜面を支えきれなくなって崩れる
ことがあります。地下水の浸透でも同様です。
地震でも「斜面の崩壊」は起こります。地震の場合は、揺れによる力が土に加わり、
「滑り落ちようとする力」が大きくなって力のバランスが崩れて崩壊しやすくなりま
す。
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このような斜面の崩壊が起こらないように、宅地の安全を確保します。特に、水の
処理が重要となりますので、次のような対策をとります。
①
がけ
盛土によって崖面(斜面)ができる場合は、地表面に降った雨水が崖面に落ち
こうばい
ないように逆方向に勾配をつけます。
②
傾斜している土地に盛土する場合には、盛土をする前の地盤と盛土とが接する
だん ぎ
面が滑り面とならないように、段切りをおこないます。
ゆうすい
あんきょ
盛土と元の地盤の間に湧水(わき水)が生じる場合は、暗渠(地面の下に埋め
る管)を用いて排水します。
(勾配が1:4以上の傾斜地の場合)
(段切り)
(暗渠の設置)
5
6
ようへき
<3 擁壁の安定について>
どあつ
擁壁は背面の地盤が崩れようとする力を支えており、この力(土圧)により、前に
傾いたり、押し出されたり、沈下したりします。その原因としては、支持地盤が軟弱
であったり、水抜きが不足して背面に水圧がかかったり、重量が不足していたり、と
いった点があげられます。
擁壁の傾き
擁壁の移動
擁壁の不等沈下
① 擁壁については、良好な支持地盤上に設置することで、沈下や傾き等が起こらな
いようにします。地盤がやわらかい場合には、セメント系の改良材で地盤改良を
行ったり、良質土で置換えたりします。
(擁壁)
(地盤改良の例)
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② 擁壁には水抜き穴を設け、背面の水圧が発生しないようにします。
(水抜き穴)
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