英虞湾自然再生協議会 第 1 回勉強会 「英虞湾ってどんな海?」概要資料 Ⅰ.英虞湾の地形と海水の動き 水深 0m N 鵜方浦 20m 神明浦 浜島浦 40m 立神浦 目戸埼 N 34˚18΄ M 湾口ブイ C 24 m C G 御座埼 船越浦 40 m N 34˚15΄́ 水深 > 40 m E 136˚42΄́ 1 0 E 136˚48΄́ E 136˚45΄́ 2 3 4km E 136˚51΄́ 流動観測局 水質観測局 英虞湾の地形 : 西向きに開いた湾口と、細長く入り組んだリアス式の海岸。 湾の入り口が浅く、湾の中央部が深い。 英虞湾の流れ : ①潮汐による流れ 地球と月と太陽の位置関係で潮の満ち引きが起こる。 ②季節風による海水の動き 冬の西風の影響で、英虞湾の表層に外海の海水が流れ込む。 ③外海からの海水の侵入 北西風が吹くと外海の海水が底層から英虞湾に流れ込む。 ④夏と冬の流れの違い 夏は英虞湾の表層の海水が外洋へ出て行き、底層から入り込む。 冬は逆に表層から流れ込み、底層から出て行く。 北西風 吹走流 湾奥 湾奥 表層水の南方移動 相対的に高水温 ・高塩分 高塩分水の浸入 湾口 密度極大 湾口 相対的に低水温 ・低塩分 湧昇 英虞湾の鉛直断面(模式図) 英虞湾の鉛直断面(模式図) 高塩分水 湾外 季節風による海水の動き 外海水が底層から進入する Ⅱ.英虞湾の水質と海底の泥の状況 英虞湾の水質 : ①海水に含まれる有機物の量 昭和 50 年以降の調査では、ほぼ横ばい状態。 ②窒素やリンはどこから来るのか? 英虞湾に入ってくる約半分は陸上から流れ込む。 ③英虞湾の生き物を支える植物プランクトン 魚や貝類の餌になる植物プランクトンは窒素やリンが栄養源。 ④英虞湾で生まれる有機物 英虞湾で増える植物プランクトンの量は、陸から流れ込む有機物 の 20 倍以上になる。 COD(mgO2/L) 6 4 2 0 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005年 英虞湾の海水に含まれる有機物の濃度の変化 英虞湾の泥 : ①湾内20地点での調査結果 英虞湾の入り口付近を除いて、ほとんどが「汚れている」。 ②泥の状況に変化はあるのか? 海底表面の泥に含まれる有機物は増える傾向からやや横ばいへ? ③泥の溜まり方に変化はあるのか? 昭和 40 年頃を境に、湾奥部(立神浦)では溜まるスピードが遅くなり、 湾央部(タコノボリ)では加速した。 ④海底に泥が溜まるようになった主な原因は? 陸から流れ込む汚れの量が増えたことと、干潟や藻場での浄化能 力が低下したこと。また真珠養殖により、汚れが筏の下に集中して 溜まるようになったことなど。 英虞湾の海底のようす 正常 汚れ始めている Ⅲ.英虞湾の生き物と浅場の環境 汚れている 昔の英虞湾 : ハマボウの生える陸から続くアシ原、干潟、アマモ場にたくさんの生き物 が住み、人々に利用されていた。 干潟や藻場 : ①さまざまな生き物が育つ「海のゆりかご」。 ②干潟には、陸から流れ込む有機物や、植物プランクトンを食べる生き 物が育つ。 ③藻場では窒素やリンが吸収され、生き物のすみかとなる。 ④269ヘクタールの干潟の7割が埋め立てられた。 英虞湾の漁業 : 昭和 35 年までは貝類やナマコなどが水揚げされていたが、昭和 40 年 以降はほとんど水揚げがない。 海底の生き物 : 海底の酸素が不足し、限られた生物しか生きられない。 【現存する干潟】 ■河口干潟 3ha ■前浜干潟 81ha 【昔干潟であった場所】 ■消失した干潟 185ha 1% 30% 69% 英虞湾の干潟の変化 漁獲量 (t) 800 その他 ナマコ クルマエビ・ガザミ 海藻 貝類 600 400 200 0 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 英虞湾の漁獲量の変化 FAX番号 0599-53-2678 英虞湾自然再生協議会 第 1 回勉強会 質問用紙 今回の勉強会では、これまでの調査から得られた、英虞湾の海水の動きや水質・底質の状 況、英虞湾の生き物の変化などに関する概要となっています。 資料の内容についてのご質問や、日頃から疑問に思っているような事項がありましたら どのような内容でも結構ですので、下欄にご記入いただき、事務局までお送り下さい。 委員名:
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