R&D戦略 魅力ある新商品の創出 アイシンは技術開発を通し、新たな価値を提供する 魅力ある商品を創出していくことが、社会の発展に 寄与し、ひいては事業の拡大につながるとの認識の もと、R&Dに積極的に取り組んでいます。 インテリジェント パーキング アシスト グループ各社が得意分野を活かした 応用商品の開発にも取り組んでいます。 独創的な技術開発体制 アイシンの開発体制は、グループ各社がそれぞれ開発 リソーセスを保有し、得意分野において専門性の高い技 ユーザーニーズを的確にとらえた新商品を 相次いで投入 術開発に取り組んでいます。技術開発においてはリソーセ 地球環境保護や安全性の確保、さらに安心・快適な スを集約して効率化をはかることが重要である一方、より カーライフの実現など、近年のユーザーニーズは多様化 独創的な開発が必要な領域では、各社が互いに切磋琢 し、求めるレベルも従来に増して一段と高くなっていま 磨し合うことも重要です。このようにアイシングループで す。ユーザーニーズに的確に応え、ユーザーからの信頼 は協調と競争を重視した独自の開発体制をとっています。 を獲得するには、絶え間ない先進技術の開発とそれに アイシン精機はボディ関連、エンジン関連を中心にす 伴う信頼性の確保が不可欠といえます。このためアイ べての商品セグメントに関与しています。アイシン・エィ・ シンでは、ユニークな技術開発力の強化と、魅力ある新 ダブリュはドライブトレイン関連と情報関連、アイシン・ 商品の創出を最重要課題ととらえ、積極的に取り組んで エーアイはドライブトレイン関連、アドヴィックスはブレー います。 キ及びシャシー関連において、それぞれ技術開発の中心 2004年3月期、アイシンは、ユーザーニーズを先取りし 的な役割を担っています。また、アイシン高丘やアイシン た将来性のある新商品を相次いで市場に投入しました。 化工などにおいては、鋳造や塑性加工、樹脂成形など 「6速オートマチックトランスミッション (AT) 」は、アイ の要素技術開発を担うとともに、独自の工法を活かした シンが世界に先駆けて量産化した商品です。環境性能 前輪駆動車用6速AT 10 経営戦略編 家庭用燃料電池 コージェネレーションシステム 豊頃試験場 先端技術開発は国内外に4拠点 アイシンは国内外に先端技術の研究・開発法人を4拠 点持ち、自動車をはじめさまざまな分野における最先端 技術の研究を行っています。なかでも、イムラ・アメリカ 〔米国ミシガン州〕 では光分野、イムラ・ヨーロッパ〔フラン ス〕では情報やエネルギー分野で現地の大学および研究 機関と連携し最先端技術開発を行っています。 に優れ、さまざまなエンジン・車両に適合できるようラ イムラ・アメリカでは光分野の研究成果として「フェム インナップの充実に努め、国内外のユーザーから高い ト秒ファイバーレーザー*」を発表し、高い評価をいただ 評価をいただいています。 いています。これは光通信をはじめ、微細加工、先端計 トヨタ自動車と共同開発した「インテリジェント パー キング アシスト」は、エレクトロニクス技術を駆使した 世界初の商品です。これはカーナビのディスプレイ上で 測、理化学、医療などの分野での利用が期待できます。 * 断続的に光を出すパルスレーザーの中で、パルスの時間幅がフェムト秒 (1フェムトは10-15)領域のパルスを出すレーザー 駐車位置を指定することにより、後退時のステアリング 操作を自動で行うシステムで、その利便性と先進性で好 評を博しています。 製品の信頼性を高めるために不可欠な評価施設 アイシンは、部品単体から車両全体としての評価まで また、自動車関連事業以外の領域においても、高効率 行うことができる世界トップクラスの評価施設を保有し でクリーンなエネルギーシステムとして期待されている ています。さらに、北米、欧州など現地でのフィールド 「家庭用燃料電池 コージェネレーションシステム」の開 評価も積極的に行い、さまざまな条件下での製品性能、 発に取り組んでいます。 耐久性評価を行っています。こうした評価施設は、製品 このように、アイシンはこれまで培ってきた幅広い商 の信頼性を高める上で欠かすことのできない重要な要 品分野と技術ノウハウを最大限に活かし、他に真似の 素と考えており、今後とも評価施設・体制の充実をはかっ できない技術領域の確立と、市場での競争力の保持に ていきます。 努めています。 エネルギーラボ フェムト秒ファイバーレーザー イムラ・アメリカ AISIN ANNUAL REPORT 2004 11
© Copyright 2024 ExpyDoc