終業式 講話 (12月24日) - 新潟県立長岡高等学校

平成25年度第2学期終業式「訓話」(平成25年12月24日)
新潟県立長岡高等学校長
轡 田 勝 祐
本日で、2学期が終わります。
まず、2学期に起きた普通教室棟の屋上の庇の落下事故に係る工事について、
お話しします。2ヶ月半余り続いた工事がようやく終わり、足場の撤去、機材の
搬出の作業も、先週までで終了いたしました。皆さんはこの間、普通教室棟全体
に足場が設置され、作業音等が発生するという、不自由で、窮屈な学校生活を過
ごすこととなりました。申し訳ありませんでした。屋上の庇のはつり工事を行い、
落下した箇所と同様な部分すべてを削り落としました。続いて、1階、2階、3
階の庇についてもはつり工事とピン打ち補強工事を実施することになり、工期が
当初予定したものより延長することになりました。大きな工事音が発生するはつ
り工事およびピン打ち補強工事については、普通教室棟の近隣にお住まいの皆様
のご理解をいただき、土・日曜日等の休日に実施するという対応をとることがで
きました。平日授業中には、作業音が発生しましたが、はつり工事等の大きな工
事音が発生することなく、工事を進めることができました。工事のため臨時休校
するという対応はせずに済みました。厳密な審査も行われ、校舎の安全は完全に
保証されました。生徒の皆さんに、深く感謝を申したいと思います。本当に有難
うございました。思い返しますと、事故直後、事故が再発する可能性を配慮し、
一階の5つの教室の窓にベニヤ板をすみやかにはりました。ベニヤ板は先週よう
やくはずすことができました。普通教室棟の南側の自転車小屋周辺を立ち入り禁
止にしました。当初、約1ヶ月にわたり生徒玄関を移動して対応しました。先週
も少し同じ対応しました。そして、土日曜日の模擬試験や土曜講習を、特別教室
棟の教室、和同会館、栖風会館、長岡大手高校校舎の教室に移して実施してもら
いました。部活動等にも窮屈な思いをさせました。数々の厳しい環境の中で、皆
さんは落ち着いて過ごしてくれました。長高生の底力を感じたところです。難局
のときこそ、逆境のときこそ、その真価が発揮されるものだなと感じました。今
日発行の「親師会だより」にも掲載させていただきし、保護者の皆様にお伝えし
たところです。重ねて御礼申します。そして、我が長岡高校の校舎にいたわりの
気持ちをもちながら、今後とも、大切に綺麗に使っていきたいということも申し
ておきたいと存じます。
次に、スーパーサイエンスハイスクールの取組についてもお話をしておきます。
SSH実施校は今年、県内5校、全国で201校となっています。「科学技術人
材の育成」を目指すことに加え、「グローバル人材の育成」も大きな柱として、
対象を理数科のみでなく、普通科にも広げ全校態勢で取り組んでいます。また、
大学、国内外の高校はもちろん、小学校・中学校、教育機関などとも相互交流を
図りながら、人材育成の実践研究を進めます。化学部の生徒が長岡市立表町小学
校に出前理科実験を行ってくれました。
「米百俵『長岡』に科学技術・グローバル人材育成の中核拠点を形成する」
これを研究開発課題としています。理数科での数学・理科の課題研究等の実践
に加え、普通科・理数科とも1年生全員が、理数特別実験、課題研究基礎、表現
力トレーニング、科学英語、サイエンスイマージョンプログラムなどを取り組む、
スーパーサイエンス・SS・Ⅰ、SS・Aの授業が始まりました。すでに行った
7月の浅島誠先生のSSH講演会、県内SSH校の生徒が集まって実施された8
月の「第1回新潟県SSH生徒研究発表会 in Echigo-NAGAOKA」に続いて、1年
生は2学期から、理数特別実験、表現力トレーニング、科学英語などに時数を増
やして取り組んでいます。また新潟大学教育学部に海外から留学してきている数
学教員による英語の数学授業も実施しました。また他校SSH高校の課題研究等
の成果発表会などに出席しています。課題研究基礎の取組が本格的に始まりまし
た。ALTによる英語の理科授業を行うサイエンスイマージョンプログラム、普
通科生徒の長岡科学技術大学での高大連携講座などを実施する予定です。グロー
バルな視野と国際感覚をもち、世界を舞台に活躍できる、科学技術の発展を牽引
できるような人材の育成を図ることができる取組を進めていきます。レベルは高
いと思いますが、一つ一つの取組を楽しんでほしいと思います。
ところで、2学期、振り返ってみてどんな期間を過ごすことできましたか。
1学期の終業式には、私は皆さんに、次のことを申しておきました。「志を掲
げる」ということで、中国・明代の陽明学の創始者である王陽明先生の言葉、
「志
立たざるは、舵なきの舟、銜(くつわ)なきの馬の如し。」を紹介しておきまし
た。学問を修めて自分を磨くためには、何よりもまず志を立てることが大切であ
り、明確な志を掲げてほしい。その上で、その達成のため、自分を高める努力を
続けてほしい、と申しておきました。
1年生の皆さんは、長岡高校での生活にも慣れ、しっかり長高生になったと思
います。今年の1年生から、先程も申した、スーパーサイエンスハイスクールの
授業や活動などに取り組んでくれています。他校では経験できない取組ばかりだ
と思います。その中で、改めて自身の志について考えてくれているものと存じま
す。
2年生の皆さんは、自分たちが長岡高校の部活動や学校行事を主導していくの
だという自覚をもって学校生活を送っているはずです。それぞれの夢や志に向け
た歩みを着実に始めてくれているものと思います。
そして、3年生の皆さん、大学入試センター試験まで残り4週間足らずとなり
ました。すでに来年度からの進路が決まった人もいると思いますが、多くの3年
生がこれから難所を迎えると言っていいでしょう。大願成就に向けた重要な時期
を迎えています。最後まで諦めずに、頑張ってほしいと思います。ただし、体調
を崩すことがないよう、生活のペースを調整してほしいと存じます。3年生は、
それぞれの人生にとって、独り立ちを果たす、とても大切な期間とも言えます。
自身の人生に向け、舵、くつわという指針、志を明確にもって長高から巣立つこ
とができるよう、準備してほしいと存じます。
さて、本日も、王陽明先生の言葉を紹介させていただきます。王陽明先生の言
行録である、『伝習録』にある言葉です。
「樹を種うる者は、必ず其の根を培い、徳を種うる者は、必ず其の心を養う」
その意味は、木を植えて育てようとする者は、必ず木の根に土をかけ、養分を
ほどこす。同じように、自分の徳を大きく育てたいと考える者も、その心の修養
に努めなければならない。
樹を植える人は、その根っこに養分や水分が行き渡るように、丹精込めて、思
いやりの心をもって育てる。人徳のある人を目指すなら、思いやりや謙虚な心で
人に接し人として向上を図るべきだ、という教えである、と思います。王陽明先
生は私たちに、徳を培うことがもとより大事で、その徳の力が、確実な夢や志を
芽生えさせ、その夢や志がやがて自分自身の大成を約束してくれることを示して
くれているのではないかと、私は解釈しています。希望を実現するには、確かな
行動規範がいることを教えてくれています。
困っていたり、悩んでいる者がいたら、思いやりの気持ちをもって接すること
も大事だということです。2学期始業式に申した、「陰徳有る者は必ず陽報あり。
陰行有る者は必ず昭名あり」に通じるものもあると存じます。
そして、校長としていくつかお礼を申しておきたいことがあります。
和同会がこのたび、
「フィリッピン台風被害」に係る募金活動を行いました。
また、バスの中で、お年寄りに座席を自然に譲ってくれた長高生がいましたとい
う、外部から連絡が私のところに入っています。
また、歩道で過呼吸になって具合が悪くなっている中学生にため、適切に対応し
てくれた、紛失物を長高生が届けてくれた などお礼の電話も入っています。
こうして、陰徳や陰行を自然に行ってくれている長高生の皆さんがいることをう
れしく思っています。「徳を種うる者は必ず其の心を養う」も心に留めておいてく
ださい。
それでは、約2週間の冬休みは、皆さんにとって何かと慌ただしい期間となる
と思いますが、長高生としてプライドを感じながら、ここまで学んできたこと、
先生方から指導を受けたことを落ち着いて振り返り、新しい年、平成26年に備
えてほしいと思います。
私の話はこれで終わります。よい年をお迎えください。