石狩導水樋門・モエレ沼の見学 6/28(木)に社会人博士後期課程の杉原

石狩導水樋門・モエレ沼の見学
6/28(木)に社会人博士後期課程の杉原君(福田水文センター在職)と一緒に茨戸川,モエレ沼
を見学しました.茨戸川の水質浄化を目的に石狩川から導水するための樋門が建設されましたが,
それを見てきました.茨戸川の水質浄化対策の評価については杉原君の学位論文のネタともなって
いるもので,その結果が実際の導水事業へと結実したともいえます.導水は徐々に効果をあげ,水
質も改善してきているとのことですが,導水量自体は目標(約 1m3/s)を下回っているとのことで
す.導水は石狩川と茨戸川の水位差によって自然流入させる仕組みであるため,水位設定に問題が
あったのかもしれません.なお,現在石狩川の直下流で橋梁工事が行われており,濁水流入防止の
ためか導水は止めているようでした.今後適切なモニタリングをおこない,導水効果の評価を行っ
ていく必要があると考えます.
また,茨戸川での研究をさらに発展させることを目指し,類似ケースであるモエレ沼を見学しま
した.流入河川である雁来新川は水が少なく,沼の水も停滞しているようでした.水面にはヒシが
繁茂し,ホテイアオイなども見られます.底泥は嫌気化してどす黒くなっており,それが巻き上が
ると時折魚が斃死するようです.ただし,モエレ沼の場合,水面利用はヘラブナ釣りなどレジャー
フィッシィング以外なく,市民からの強力な働きかけでもない限り茨戸のような水質改善事業はで
きないかもしれません.近年は環境がらみの公共事業予算も減っていることも逆風です.ただし,
沼の水深が浅くなり生態系のレジームシフトが起きれば景観も大きく変わるかもしれません.写真
のような視点場に立てば「ピラミッドとナイル川」という風に見えなくはないでしょうか?この水
面が湿地へと変わっていくようなことがあれば,公共財としての公園の価値からみて何らかの対策
が必要となるかもしれません.また,レジームシフトといえば貴重種のトンボがいる「トンネウス
沼」(茨戸川の流入河川のひとつ)も沼から湿原へと急激に変貌を遂げているような気がします.
報告;中津川
石狩導水樋門(石狩川側から撮影)
誠
モエレ沼とモエレ山 → ナイル川とピラミッドに見えませんか?
湿地化?しつつあるトンネウス沼