再議書 - 八千代市

総 第 2 9 1
号
平成25年10月10日
八千代市議会議長 松 井
秀 雄 様
八千代市長
再
議
秋 葉 就
一
書
平成25年八千代市議会第3回定例会において,平成25年9月27日に修正議決され
た「議案第1号 平成25年度八千代市一般会計補正予算(第4号)
」については,次の理
由により異議があるため,地方自治法第176条第1項の規定により,再議に付する。
理
由
議案第1号 平成25年度八千代市一般会計補正予算(第4号)には,ふれあいの農業の
郷整備のうち,やちよ農業交流センターと八千代ふるさとステーションを結ぶ歩道橋建設
事業(総額3億3,870万円。以下「歩道橋建設事業」という。
)に係わる歳出経費及び財
源である国庫補助金・市債・一般財源を減額し,並びに関連する継続費や起債を廃止するこ
とによって同建設事業を中止し,合わせて,新たに橋を建設しなくても両施設間の往来を可
能とするとともに,他の様々な地域から両施設を徒歩または自転車で訪れる市民のアクセ
スを改善するための歩行者等用通路(国道16号八千代橋の歩道から両施設へ歩行者・車椅
子利用者等が最短距離で行けるアクセス通路及びスロープ。以下「歩行者等用通路」という。
)
設置のための実施設計委託料600万円が計上されている。
ところが,当該修正議決では,上記歩道橋建設事業の中止に係わる部分を削除し,歩行者
等用通路の設置に係わる実施設計委託料も削除する内容である。
歩道橋建設事業の中止は,平成25年5月26日執行の八千代市長選挙において,主権者
である市民が当該建設事業の中止を掲げた候補者を当選者とさせたことから,民意として
認識すべきである。
また,やちよふれあいの農業の郷事業にもとづくやちよ農業交流センターは,平成15年
度以降合計約10億円の予算が執行され,駐車場や国道16号からの進入路の整備も終わ
り,既に平成25年4月にオープンしている。従って,総事業費の約7割が執行済みで既に
オープンしているということであり,それ相当の事業効果が既に発揮されていてもおかし
くはない。
本市財政に目を転じると,平成24年度決算では,本市の主な財政指標は,健全化判断比
率の将来負担比率がわずかに改善したことを除くと,経常収支比率,公債費負担比率,実質
公債費比率,将来債務残高,財政調整基金残高を含む積立金現在高といった指標において全
て悪化するなど,財政の硬直化は深まるばかりである。
さらに,ここ2年半の本市の人口は停滞し,第4次総合計画に掲げた人口見通しを既に7
千人以上下回っているため,市税を中心とする歳入見込み通りの歳入が期待できない現状
にある。
また,本市の既存の公共施設の多くが,高度経済成長時代の人口急増期に建設されたこと
から,築40年以上経過した施設が40以上もあって老朽化対策や耐震化が急務となって
いる。
このような厳しい財政事情・人口停滞・既存施設の老朽化状況等を考慮すると,既に約1
0億円の事業費が執行されて施設や駐車場,主要道路からの進入路が完成してオープンし
ているにもかかわらず,その事業効果を見極めもせずに,追加的な効果を求める歩道橋建設
を行うことは極めて問題が多い。例を挙げれば,小中学校15校や市民体育館での雨漏り,
小中学校における洋式トイレの少なさ,市役所本庁舎や少年自然の家の耐震化未達成等,他
に優先すべき課題が山積している。
他方で,歩道橋建設事業の中止で発生する新たな財源の一部を用いて八千代橋から両施
設に最短距離でアクセス可能な歩行者等用通路を整備することは喫緊の課題である。この
歩行者等用通路は,例えば,米本団地から両施設のどちらかに徒歩もしくは自転車等でアク
セスする場合,歩道橋ルートよりも時間・距離が短縮されることになるので,歩道橋を建設
するしないにかかわらず必要な通路である。どこを出発点と捉えるかによって,歩道橋ルー
トの方が遠回りになるケースもある。
また,同歩道橋建設工事を中止すれば,国からの交付金の減額分を差し引いてもなお約2
億円と起債2億5,040万円にかかる利息分が節約されるのであり,八千代橋を活用した
歩行者等用通路の整備費用を差し引いてもなお残る約1億6千万円については,公共施設
の老朽化対策・耐震化や他の緊急課題等に充てることが可能となる。
上記のような厳しい財政事情・人口停滞・既存施設の老朽化状況等を考慮すると,第3回
定例会において修正議決された議案第1号一般会計補正予算(第4号)は,本市全体として
の市民福祉の維持・向上を目指す観点から適切でないと判断し,再議に付すものである。