平成 19 年度保健所事業概要(抜粋) 参考資料3 第4章 食 品 衛 生 食品の製造・加工技術や保存技術が急速に発達し、また、生活の変化や輸入食品の増加により、 多種多様な食品が広域に流通している。 また、近年全国的に表示偽装問題や輸入食品への薬物混入事件など消費者の信頼を裏切る事件 が相次いでいる。 このため、食品の安全・安心に対する市民の関心は非常に高まっており、遺伝子組換え食品、 アレルギー物質の表示など、食品を選択するための適切な情報提供についても重要視されてきて いる。 このような状況の中、本市では食品衛生法第 24 条及び「食品衛生に関する監視指導の実施に関 する指針」 (厚生労働省告示)に基づき、平成 16 年度から毎年度、本市の実情等を考慮した監視 指導の実施計画を策定し、食品関係施設の監視指導等を実施するとともに、食品等事業者による 自主的な衛生管理の推進や市民への最新の食に関する情報提供等を行い、市民の健康の保護を図 っている。 平成 19 年度においても、 「平成 19 年度札幌市食品衛生監視指導計画」 (以下、 「監視指導計画」 という。 )を策定し、これに基づき施設の立入検査や食品の収去検査などを行い、施設の衛生水準 の維持向上や違反食品の流通防止を図っている。 また、食品の安全性を確保するうえで、営業者による自主衛生管理の徹底が不可欠であること から、食品衛生講習会を開催し、食品等の自主検査、調理従事者の健康管理の徹底等を指導して いる。 さらに、食品衛生法に基づき、国の「総合衛生管理製造過程」の承認を取得している乳・乳製 品、食肉製品などの製造施設に対して助言・指導を行うとともに、承認制度の対象とならない食 品製造施設等に対しても、HACCPによる衛生管理手法の導入を積極的に推進している。 平成 19 年、本市ではノロウイルス、サルモネラ菌、カンピロバクター等を病因物質とする食中 毒事件が 15 件発生したが、これらの原因施設に対して、必要な措置を講ずるとともに、関係施設 に対する衛生管理の徹底を指導するなど、食中毒の発生防止対策を実施している。 市民に対しては、 「くらしの衛生展」 、 「きのこ展」等を実施するとともに、食品衛生情報誌「キ ッチンメール」及び各種広報印刷物などにより、食品衛生知識の普及啓発を図り、食品の安全性 に対する不安の解消と理解の増進に努めている。 1 施設数及び立入検査件数 食品関係施設については、食品指導課、広域食品監視センター及び各区の衛生担当課が、そ れぞれ所管する施設の立入検査、衛生指導を行っている。 食品指導課では、各種製造施設を所管し、専門的、集中的な立入検査を行い、広域食品監視 センターでは、大型スーパー及び札幌市中央卸売市場等を所管し、広域に流通する食品に対す る一元的な監視を行っている。また、各区の衛生担当課では、飲食店、販売店、集団給食施設 等市民が身近に利用する施設を所管している。 営業施設は、表 1、3 のとおり食品衛生法の許可を要するものが 31,214 施設、許可を要しな いものが 5,450 施設、合計 36,664 施設であり、前年度に比べわずかに減少した。 立入検査は、監視指導計画において重点監視対象施設として位置付けているホテル・旅館、 各種製造業、札幌市中央卸売市場、デパート・大型スーパー及び社会福祉施設・学校などの集 - 71 - 団給食施設を中心に実施している。 平成 19 年度の立入検査結果は表 2、4 のとおりであり、札幌市食品衛生法施行条例に定める 「営業者が遵守すべき管理運営基準」の遵守を指導するとともに、食中毒の発生しやすい夏期 及び食品が大量に流通する年末には、重点監視対象施設の集中的な立入検査を行い、食中毒の 未然防止に努めるとともに、食品の表示に関する一斉点検等を実施した。 平成 19 年度末現在、市内には、牛乳・乳製品、食肉製品などの食品について、食品衛生法に 基づく「総合衛生管理製造過程」の承認を受けている施設が 6 施設あるほか、北海道が定めた 「HACCPに基づく衛生管理導入評価事業」の評価を受けている施設が 5 施設、平成 16 年 度からスタートした「札幌市食品衛生管理認定制度」の承認を受けた施設が 19 施設ある。 これらの施設に対しては、適切な衛生管理を指導するとともに、食品衛生法の承認制度の対 象とならない各種製造施設や大量調理施設についても、立入検査、講習会を通してHACCP による自主衛生管理の導入・推進について指導した。 また、市内の食品製造施設等からの消費期限の誤表示等による食品の自主回収報告について は、これらの営業者に対して、当該食品の回収等を適正かつ迅速に実施するよう指導するとと もに、他自治体などへ情報提供を行った。 本市の食品流通の拠点である札幌市中央卸売市場には、水産物や青果物などの生鮮食品等が 年間 43 万トン入荷している。これらの食品の安全確保のため、広域食品監視センターの食品 衛生監視員は中央卸売市場に常駐し、毎日の早朝監視により、毒魚、有毒野草、毒キノコ等の 違反、不良食品の排除に努めている。 平成 19 年度は、有毒魚介類 5 件、山菜類 13 件及びキノコ 8 件を上場指定品目外として排除 した。特に魚介類については、アブラボウズの入荷を認める等、取扱い品目を改正したため、 「有毒魚ハンドブック」を改訂し、市場関係者にも活用できるよう関係者に配布した。また、 新たに生かきのノロウイルスの検査に着手する等、検査内容の充実に努めた。 2 食品、器具等の検査 市内で製造、流通する食品について、食品衛生法で定める規格基準や本市独自に定めている 衛生基準(以下、「自主管理基準」という。)の遵守状況を確認するため、市衛生研究所及び広 域食品監視センター試験室において微生物検査及び理化学検査を行っている。 なお、検査にあたっては、精度管理(GLP)を実施し、信頼性の確保に努めている。 平成 19 年度の収去検査の結果は、表 5 のとおりであり、農産物の残留農薬、食肉や魚介類の 動物用医薬品、食品添加物、食中毒菌などの項目について 919 検体を収去し、検査を行った。 その結果、市内で製造されたアイスクリームの成分規格違反(大腸菌群)が 1 検体、市外で加 工された食品のうち、生かきの成分規格違反(E.coli 最確数)、玄米の成分規格違反(農薬プ ロシミドン)がそれぞれ 1 検体、輸入食品では調味料の成分規格違反(安息香酸)が 1 検体あ った。市内で製造された違反品については、廃棄を命令し、営業者に対し改善指導を行った。 また市外の違反品については、取扱のあった施設の営業者に対し、販売の停止等について指導 し、加工者、輸入者等を所管する自治体に通報した。 また、食品 315 検体について、自主管理基準に基づき微生物検査を行った。結果は表 6 のと おりであり、 弁当そうざい、生食用鮮魚介類など 41 検体が自主管理基準に適合しなかったため、 営業者に対し、調理器具や手指の洗浄消毒等、衛生管理についての改善指導を行った。 この他、表 7 のとおり、営業者に対する衛生指導や食中毒調査等のため、食品及び器具など 873 検体についても微生物検査等を行った。 - 72 - 表1 食品衛生法による許可を要する営業施設 (平成 19 年度末現在) 区 分 食 品 指 導 課 指導 広域 衛 生 担 当 課 市場 中央 飲食店営業 一般食堂・レストラン等 230 193 仕出し屋・弁当屋 429 153 5 旅 館 308 - - その他 390 496 658 196 1 72 乳処理業 6 - - 特別牛乳さく取処理業 - - 21 東 白石 厚別 豊平 営業施設数 清田 南 西 手稲 599 393 404 198 391 192 251 353 259 4,793 29 3 - - 2 - - - - - 621 - - - - - - - - - - 308 26 6,341 1,539 867 850 360 798 242 496 856 313 13,574 5 - - 5 - - - - - 937 - - - - - - - - - - 6 - - - - - - - - - - - 0 - - 2 - - - - - - - - - 23 - - - - - - - - - - - - - 0 111 245 110 242 147 135 124 52 106 50 77 127 56 1,582 - - 2 - - - - - - - - - - 2 魚肉ねり製品製造業 16 - 4 - - - - - - - - - - 20 食品の冷凍又は冷蔵業 79 2 13 - - - - - - - - - - 94 7 - - - - - - - - - - - - 7 113 95 37 1,092 364 412 417 239 251 131 143 355 133 3,782 6 - - - - - - - - - - - - 6 37 - - - - - - - - - - - - 37 乳類販売業 135 210 14 640 366 342 290 164 263 106 181 261 118 3,090 食肉処理業 123 7 1 - - - - - - - - - - 131 食肉販売業 61 197 51 281 192 178 170 67 149 57 92 135 70 1,700 食肉製品製造業 31 - - - - - - - - - - - - 31 乳酸菌飲料製造業 3 - - - - - - - - - - - - 3 食用油脂製造業 2 - - - - - - - - - - - - 2 マーガリン又はショートニング製造業 - - - - - - - - - - - - - 0 みそ製造業 4 - - - - - - - - - - - - 4 醤油製造業 1 - - - - - - - - - - - - 1 15 - - - - - - - - - - - - 15 酒類製造業 9 - - - - - - - - - - - - 9 豆腐製造業 31 2 - 1 - - - - - - - - - 34 納豆製造業 3 - - - - - - - - - - - - 3 68 - - 1 - - - - - - - - - 69 255 4 20 1 - - - - - - - - - 280 15 - 1 - - - - - - - - - - 16 - - - - - - - - - - - - - 0 26 - - - - - - - - - - - - 26 氷雪製造業 5 - 1 - - - - - - - - - - 6 氷雪販売業 - - - 2 - - - - - - - - - 2 778 1,240 2,087 949 31,214 菓子(パンを含む)製造業 乳製品製造業 集乳業 魚介類販売業 魚介類せり売営業 かん詰又はびん詰食品製造業 喫茶店営業 あん類製造業 アイスクリーム類製造業 ソース類製造業 めん類製造業 そうざい製造業 添加物製造業 食品の放射線照射業 清涼飲料水製造業 計 3,198 1,800 41 1,289 北 327 9,993 3,215 2,327 2,255 1,087 1,958 - 73 - 表2 食品衛生法による許可を要する営業施設に対する立入検査延施設数 (平成 19 年度) 区 分 食 品 指 導 課 総数 指導 飲食店営業 一般食堂・レストラン等 広域 衛 生 担 当 課 市場 中央 北 東 白石 厚別 豊平 清田 南 西 手稲 前年度 監視数 2,382 238 83 845 245 149 57 116 78 134 134 95 105 103 2,736 仕出し屋・弁当屋 584 243 270 33 33 5 - - - - - - - - 558 旅 館 188 188 - - - - - - - - - - - - 247 その他 8,029 119 948 121 3,267 580 592 600 321 407 113 287 524 150 7,876 1,096 510 332 8 104 47 - - 25 17 8 - 45 - 1,023 44 44 - - - - - - - - - - - - 56 0 - - - - - - - - - - - - - 0 53 51 - - 2 - - - - - - - - - 63 0 - - - - - - - - - - - - - 0 10,478 81 610 9,017 135 85 79 116 53 87 67 42 78 28 11,255 1,120 - - 1,120 - - - - - - - - - - 1,166 魚肉ねり製品製造業 45 27 - 18 - - - - - - - - - - 61 食品の冷凍又は冷蔵業 94 85 - 9 - - - - - - - - - - 90 6 6 - - - - - - - - - - - - 4 1,450 31 162 486 235 102 55 87 52 56 39 41 78 26 1,368 あん類製造業 15 15 - - - - - - - - - - - - 7 アイスクリーム類製造業 44 44 - - - - - - - - - - - - 47 乳類販売業 1,618 82 540 9 145 142 108 146 74 122 52 47 104 47 1,517 食肉処理業 328 307 13 2 - - - - - 2 - - 4 - 144 食肉販売業 4,432 48 551 3,067 123 96 89 124 52 98 38 39 71 36 4,882 食肉製品製造業 50 50 - - - - - - - - - - - - 71 乳酸菌飲料製造業 12 12 - - - - - - - - - - - - 24 食用油脂製造業 1 1 - - - - - - - - - - - - 0 マーガリン又はショートニング製造業 0 - - - - - - - - - - - - - 0 みそ製造業 4 4 - - - - - - - - - - - - 9 醤油製造業 3 3 - - - - - - - - - - - - 7 24 24 - - - - - - - - - - - - 29 酒類製造業 8 8 - - - - - - - - - - - - 18 豆腐製造業 82 76 2 - 4 - - - - - - - - - 86 納豆製造業 4 4 - - - - - - - - - - - - 9 47 45 - - 2 - - - - - - - - - 62 379 292 8 75 2 - - - - - - - 2 - 423 添加物製造業 8 8 - - - - - - - - - - - - 7 食品の放射線照射業 0 - - - - - - - - - - - - - 0 39 39 - - - - - - - - - - - - 53 氷雪製造業 482 2 - 480 - - - - - - - - - - 585 氷雪販売業 0 - - - - - - - - - - - - - 1 980 1,189 655 923 451 551 1,011 390 34,484 菓子(パンを含む)製造業 乳処理業 特別牛乳さく取処理業 乳製品製造業 集乳業 魚介類販売業 魚介類せり売営業 かん詰又はびん詰食品製造業 喫茶店営業 ソース類製造業 めん類製造業 そうざい製造業 清涼飲料水製造業 計 33,149 2,687 3,519 15,290 4,297 1,206 - 74 - 表3 食品衛生法による許可を要しない営業施設 (平成 19 年度末現在) 区 分 食 品 指 導 課 指導 集団給食 学 校 病院・診療所 事業所 その他 広域 衛 生 担 当 課 市場 中央 1 - - 316 - 30 - 北 東 白石 厚別 営業施設数 豊平 清田 南 西 手稲 13 16 10 8 5 12 6 12 6 10 99 - - - - - - - - - - - 316 2 24 2 2 1 3 7- 1 - 2 74 5 - - 48 54 67 38 22 37 22 38 52 19 402 乳さく取業 - - - - - - - - - - - - - 0 食品製造業 193 2 24 2 - - - - - - - - - 221 4 194 57 31 40 17 16 8 14 3 10 12 4 410 18 1 8 18 8 3 38 - 16 - - 3 4 117 野菜・果物販売業 そうざい販売業 菓子類販売業 51 69 2 41 19 11 32 6 10 1 8 7 3 260 233 254 110 646 376 312 238 153 277 110 194 253 124 3,280 添加物の製造業 - - - - - - - - - - - - - 0 添加物の販売業 4 - - 3 1 2 4 - 3 - - 3 1 21 食品販売業(上記以外) 氷雪採取業 - - - - - - - - - - - - - 0 器具・容器包装、おもちゃの製造業又は販売業 - 194 - 12 10 - - 6 - - - - - 222 特定卸売業 - 12 - - - - - - - - - - - 12 大型スーパー加工センター - 5 - - - - - - - - - - - 5 大型スーパー配送センター - 10 - - - - - - - - - - - 10 行商 1 - - - - - - - - - - - - 1 856 741 203 838 526 424 375 203 376 142 263 336 167 5,450 計 表4 食品衛生法による許可を要しない食品関係営業施設に対する立入検査延施設数 (平成 19 年度) 区 分 食 品 指 導 課 総数 指導 広域 集団給食 学 校 病院・診療所 衛 生 担 当 課 市場 中央 69 3 - - 北 東 8 18 白石 厚別 豊平 清田 14 8 南 前年度 手稲 監視数 西 - 1 5 5 5 2 69 169 169 - - - - - - - - - - - - 154 事業所 76 11 - 4 10 2 11 3 22 - - 1 12 - 45 その他 252 - - - 42 61 22 37 - 31 19 31 5 4 270 0 - - - - - - - - - - - - - 0 乳さく取業 食品製造業 野菜・果物販売業 そうざい販売業 菓子類販売業 173 128 2 40 2 - - - - - - - 1 - 241 1,868 2 507 1,174 42 - 12 1 - 54 49 24 3 - 1,750 418 21 49 46 100 8 22 9 - 122 34 - 5 2 651 420 37 49 66 88 36 3 5 6 81 34 3 11 1 336 10,668 96 538 8,768 273 140 119 174 113 144 57 86 99 61 11,528 添加物の製造業 0 - - - - - - - - - - - - - 1 添加物の販売業 1 - - - - - - - - - - - 1 - 1 氷雪採取業 0 - - - - - - - - - - - - - 0 食品販売業(上記以外) 539 - 516 - - - - - - 23 - - - - 474 特定卸売業 1 - 1 - - - - - - - - - - - 2 大型スーパー加工センター 8 - 8 - - - - - - - - - - - 5 大型スーパー配送センター 2 - 2 - - - - - - - - - - - 0 行商 0 - - - - - - - - - - - - - 0 467 1,672 10,098 565 265 203 237 141 456 198 150 142 70 15,527 器具・容器包装、おもちゃの製造業又は販売業 計 14,664 - 75 - 表5 食品の収去検査 (平成 19 年度) 検 食 品 収 去 検 査 違 反 検体数 検体数 検体数 (実数)(延数) 査 項 微生物 目 理化学 遺伝子 アレル 残 留 動物用 食品添 放射能 組換え ギ ー 農 薬 医薬品 加物等 違反数 検体数 違反数 食 品 物 質 検体数 総数 919 1,288 4 629 2 130 3 39 31 19 440 2 魚介類 236 336 1 192 1 - 3 6 - 1 134 - 魚介類加工品 (かん詰・びん詰を除く) 118 216 - 99 - - - - - - 117 - 肉卵類及びその加工品 (かん詰・びん詰を除く) 58 93 - 53 - - - 25 - - 15 - 冷凍食品 7 7 - 5 - - - 2 - - - - 穀物及びその加工品 (かん詰・びん詰を除く) 28 38 1 5 - 6 - - 18 6 3 1 185 209 - 34 - 124 - - 4 - 47 - 菓子類 59 65 - 30 - - - - 7 12 16 - 清涼飲料水 25 50 - 25 - - - - - - 25 - 酒精飲料 0 0 - - - - - - - - - - 氷雪 0 0 - - - - - - - - - - 水 0 0 - - - - - - - - - - かん詰・びん詰食品 2 2 - - - - - - 2 - - - 乳 12 24 - 12 - - - 3 - - 12 - 乳製品 22 32 - 22 - - - - - - 10 - アイスクリーム類・氷菓 19 28 1 19 1 - - - - - 9 - 器具・容器包装 4 4 - - - - - - - - 4 - おもちゃ 2 2 - - - - - - - - 2 - 142 182 1 133 - - - 3 - - 46 1 野菜類・果物及びその加工品 (かん詰・びん詰を除く) その他の食品 注) 「その他の食品」は、そうざい類・弁当類などをいう。 - 76 - 表6 食品の収去検査(自主管理基準)(再掲) (平成19年度) 食 品 収去検体数 不良検体数 総 数 315 41 115 8 16 3 洋生菓子 4 - 生食用鮮魚介類 83 20 イクラ・スジコ・タラコ 33 3 ゆでだこ 13 3 その他の水産加工品 32 4 生めん 2 - ゆでめん 3 - 豆腐 8 - 野菜漬物 6 - 弁当そうざい (加熱済食品) 弁当そうざい (非加熱食品) 表7 その他の検査状況 (平成 19 年度) 区 分 検体数 総 数 873 主な検査項目 調理器具、魚体表面、手指等 のふきとり検査 355 細菌数、大腸菌群、腸炎ビブリオ、 黄色ブドウ球菌、ATP 食中毒等関連検査 480 食中毒起因菌 苦情にかかる検査 4 その他(蓄養水等)の検査 34 - 77 - 細菌数、大腸菌群、腸炎ビブリオ、 黄色ブドウ球菌、農薬 腸炎ビブリオ、ナグビブリオ、 ビブリオフルビアリス、塩分 表8 食品衛生関係市民相談処理状況 (平成 19 年度) 内 相談内容 総数 対 腐敗 象 総 数 食 品 指 導 課 変質 カビ 異物 取り 扱い 訳 汚物 施設の 容器 衛生 包装 表示 添加 物 有症 苦情 鑑別 その他 相談 3,704 38 64 37 258 122 4 92 4 82 6 食品指導係 518 1 12 7 72 23 1 21 1 31 3 53 広域食品対策係 212 14 14 5 43 44 - 8 - 18 - 58 - 4 1 21 1 - - - 5 - 中央 213 6 6 4 18 12 2 22 1 6 2 34 75 25 北 406 2 3 4 22 11 - 10 1 4 1 28 297 23 東 398 4 1 2 27 7 - 12 1 5 - 33 279 27 白石 347 4 3 2 14 7 - 6 - 3 - 25 262 21 厚別 304 2 3 5 6 3 - 2 - 2 - 21 233 27 豊平 168 - 6 1 7 4 1 3 - 2 - 21 104 19 清田 186 2 1 1 3 1 - 1 - - - 16 156 5 南 499 1 3 1 6 6 - 2 - 1 - 8 456 15 西 213 - 7 3 15 2 - 3 - 2 - 24 133 24 11 市場検査係 衛 生 担 当 課 手稲 314 2,348 335 183 110 40 - 26 - 16 10 182 2 1 1 4 1 - 2 - 3 - 154 3 3,704 38 64 37 258 122 4 92 4 82 6 314 2,348 335 飲食店・喫茶店 433 9 8 1 75 34 3 64 1 7 1 161 1 68 製造業 270 2 12 16 80 15 1 5 1 32 1 33 1 71 業 種 別 総 数 販売業 その他(家庭を含む) 総 数 337 24 24 16 44 60 - 13 - 32 1 65 - 58 2,664 3 20 4 59 13 - 10 2 11 3 55 2,346 138 314 2,348 335 3,704 38 64 37 258 122 4 92 4 82 6 魚介類 68 1 6 - 10 13 - 3 - 6 - 20 - 9 魚介類加工品 *1 75 2 8 1 13 8 - - - 16 - 14 1 12 冷凍食品 64 - - - 7 2 - - - 1 - 28 - 26 132 9 9 1 24 13 - 1 - 7 2 39 - 27 19 - - - 8 1 - - - - - 6 - 4 3 - - - 1 - - - - - - 1 - 1 アイスクリーム類・氷菓 11 1 - - 1 1 - - - - - 3 - 5 穀類及びその加工品 *1 87 - 6 4 28 7 - 5 - 5 - 10 5 17 17 169 39 2 2,160 4 肉卵類及びその加工品 *1 乳及び乳製品 乳類加工品 *2 食 野菜類・果物及びその加工品 *1 品 等 293 8 11 4 30 7 - 3 - 3 2 きのこ 2,172 1 - 2 3 - - - - - - 菓子類 177 1 8 18 45 14 - - 1 25 1 20 - 25 - 5 - 5 4 - 1 1 1 - 5 - 3 氷雪 1 - - - - 1 - - - - - - - - 水 3 - - - - - - - - - - - - 3 かん詰・びん詰食品 9 - 1 - 3 1 - - - - - 1 - 3 清涼飲料水・酒類 44 の 別 レトルト食品 7 - - - - - - 1 - - - 3 - 3 その他の食品 414 14 10 7 80 40 - 23 - 18 1 144 8 69 94 6 1 4 14 9 - 4 - 6 - 32 - 18 弁当類 100 6 2 - 26 9 - 8 - 4 - 32 1 12 その他 220 2 7 3 40 22 - 11 - 8 1 80 7 39 添加物 0 - - - - - - - - - - - - - 器具及び容器包装 6 - - - - 1 - 2 2 - - - - 1 そうざい類 おもちゃ 0 - - - - - - - - - - - - - 上記以外 138 1 - - - 9 4 53 - - - 1 5 65 注)*1:かん詰、びん詰を除く。 *2:アイスクリーム類を除き、マーガリンを含む。 - 78 - 3 市民相談 平成 19 年度の市民相談件数は表 8 のとおり総数 3,704 件で、 前年度より 1,621 件増加した。 前年度と比較すると、きのこ等の鑑別相談は約 2 倍、鑑別相談を除いた市民相談件数につい ても約 1.7 倍と、いずれも大幅に増加している。 毎年の市民相談件数は、食品の安全性に対する市民の関心度を反映する傾向にあるが、19 年 度の相談件数の増加は、相次いで発生した表示偽装問題など食に関わる様々な事件の影響によ るものと考えられる。 相談内容別に見ると、前年度同様、鑑別相談が約 63%と最も多く、次いで有症苦情、異物混 入の順であった。 食品別では、きのこが最も多く、次いで弁当・そうざい類、野菜類・果物及びその加工品、 菓子類の順であった。 市民相談の内容に応じて関連施設の立入調査を実施し、衛生管理の徹底などについて指導し た。 4 衛生教育 営業施設における自主管理の強化の一環として、食中毒発生の未然防止、食品事故発生時の 管理体制の整備等を内容とする各業種別の調理従事者等を対象に講習会を実施した。 また、食中毒が多発する夏期を前に、学校、病院等の集団給食施設の調理従事者やホテル・ 旅館、仕出し・弁当製造施設等の食品衛生責任者等を対象に、HACCPによる衛生管理手法 の推進及び「大量調理施設衛生管理マニュアル」の遵守等について集中的に講習会を実施した。 一般消費者に対しても、食中毒予防講習会や札幌市が実施している出前講座「安全な食生活 に向けて」など計 100 回の講習会を実施し、述べ 4,201 名の市民が受講した。 表9 食品衛生講習会実施状況 (平成 19 年度) 総 回 数 数 受講者数 210 10,198 110 5,997 食中毒予防講習会 87 3,921 集団給食施設従事者講習会 3 336 20 1,740 100 4,201 食中毒予防講習会 64 2,751 出 座 22 820 他 14 630 営業従事者等に対する講習会 そ の 他 一般消費者等に対する講習会 そ 前 講 の - 79 - 5 市民啓発・情報提供 食品の安全性に対する市民の関心が年々高まっていることから、 的確な情報を提供するため、 様々な機会をとらえて積極的に市民への情報提供を行っている。 (1) 春の山菜展(4 月 25 日∼4 月 26 日) 山菜に関する正しい知識の普及を図り、毒草による食中毒の防止について市民の注意を喚 起するため、札幌市保健所において「春の山菜展」を開催した。 (2 日間の来場者数:約 160 名) (2) 食品衛生月間事業(8 月 1 日∼8 月 31 日) 市民を対象に食中毒予防の啓発を図るため、各区保健センター等で、食中毒予防パネルの 展示、食中毒予防ビデオの放映等を行った。 また、8 月 8 日∼9 日に地下街オーロラプラザで開催した「保健所くらしの衛生展」で食中 毒防止をテーマとした各種実演、標本・パネル展示等により啓発を行った。(来場者数:約 2,200 人) (3) きのこ展(9 月 8 日∼9 月 9 日) きのこによる食中毒予防月間(9 月 10 日∼10 月 10 日)事業の一環として、地下街オーロ ラプラザにおいて、野生きのこの実物や写真・パネルを展示するとともに、鑑別相談に応じ た。 (4) パンフレット等の作成配布 ア 食品衛生情報誌「キッチンメール」 市内に流通する食品の検査結果、食中毒の発生状況や市民の関心の高い食品衛生関連情 報を提供するため、食品衛生情報誌「キッチンメール」を平成 2 年度から毎年発行してい る。 平成 19 年度は 7 月と 12 月に、それぞれ 5 千部、1 万部を作成し、各区役所や各区保健 センター等において配布した。7 月は新「札幌市中央卸売市場」の紹介及び食中毒や表示 等の基礎知識、12 月はノロウイルス特集の記事を掲載した。 イ 「毒草ハンドブック」及び「きのこハンドブック」 山菜と間違いやすい毒草の見分け方、食用きのこと間違いやすい毒きのこの見分け方を 分かりやすく解説した「毒草ハンドブック」及び「きのこハンドブック」を保健センター やイベント等において配布して、正しい知識の普及啓発と誤食による食中毒防止について 注意を喚起した。 (5) ホームページによる情報提供 札幌市保健所ホームページ(http://www.city.sapporo.jp/hokenjo/)により、食中毒情報 はもとよりアレルギー物質を含む食品や遺伝子組換え食品の表示など食品保健に関する最新 情報の提供に努めている。また、 「キッチンメール」等の広報パンフレットも閲覧可能となっ ている。 - 80 - 6 食中毒 (1) 発生状況 札幌市の平成 19 年 1 月∼12 月における食中毒の発生件数は 15 件 (患者数 421 名) であり、 その発生状況は表 10 のとおりであった。 原因施設の内訳は、飲食店が 10 件、家庭が 3 件及び不明が 2 件であり、このうち、原因施 設となった飲食店 10 施設については、食品衛生法に基づき営業停止の行政処分を行い、食中 毒の原因究明及び衛生指導等を実施し、食中毒の再発防止を図った。 また、病因物質としては、ノロウイルスによるものが 9 件、サルモネラ菌によるものが 3 件、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、植物性自然毒によるものがそれぞれ 1 件であった。 このうち、1 月に飲食店が調理した食品により発生したノロウイルス食中毒では、100 名を超 える患者が発生した。 なお、札幌市の過去 10 年間の発生状況は図 1 のとおりである。 (2) 防止対策 食中毒の発生を防止するため、年間を通じて、学校・病院等の集団給食施設、ホテル・旅 館内の飲食店、仕出し・弁当施設及び各種食品製造施設等を対象に、監視指導計画に基づき 重点的な立入検査を実施するとともに、主に次の事業を行った。 ア ノロウイルス対策 冬期に多発するノロウイルスによる食中毒の発生を防止するため、生かきを取り扱う 営業施設に対して立入検査を行うとともに、文書等を配布し注意を喚起した。また、調 理従事者を介した調理器具類や食品の二次汚染を防止するため、仕出し・弁当施設など に対して立入検査を強化するとともに、講習会等において衛生管理の徹底を図った。 イ 食肉による食中毒防止対策 全国各地でレバー刺し、牛たたき、鶏の刺身等の食肉の生食を原因とする、カンピロ バクターや腸管出血性大腸菌O157 による食中毒事件が跡を絶たない。本市においても、 カンピロバクターによる食中毒では、加熱用の食肉が生あるいは十分に加熱せずに提供 されていた事例が多発していることから、食肉を提供している施設に対し、適正な食肉 の取扱いについて立入検査や文書指導を行った。 ウ 社会福祉施設における食中毒防止対策 高齢者や若齢者は食中毒で重症化する可能性が高いため、これらの人が利用する社会 福祉施設の給食施設に対して、講習会や立入検査を実施し、衛生管理の徹底を図った。 エ 腸炎ビブリオ対策 夏期に多発する魚介類を原因食品とした腸炎ビブリオによる食中毒の発生を防止する ため、鮮魚介類を取り扱う寿司店、ホテル・旅館、大型スーパー、中央卸売市場関係施 設等に対して講習会や立入検査等を実施し、衛生管理の徹底を図った。 オ 植物性自然毒による食中毒防止対策 毒草及び毒きのこの誤食による植物性食中毒を防止するため、販売店及び路上販売を 中心に立入検査を行うとともに、リーフレットの配布などにより市民に注意を喚起した。 カ ふぐによる食中毒防止対策 ふぐ毒による食中毒を防止するため、有毒部位の完全な除去を含めたふぐの適正な取 扱いについて、飲食店の立入検査時等に注意を喚起した。 - 81 - キ 食中毒警報の発令 例年夏期に多発する細菌性食中毒の発生を防止するため、最高気温が 28℃を超える等 の食中毒の発生しやすい気象条件が予想される日に食中毒警報を発令し、報道機関及び 関係機関を通じて、市民及び食品関係業者に注意を喚起した。なお、平成 19 年は 6 月か ら 8 月までの期間に 14 回(延べ 34 日間)の警報を発令した。 表 10 食中毒発生状況 (平成 19 年) 発生件数合計 15 件 № 発生月日 発生場所 患者数 1 1 月 2 日 北 区 2 2 1 月 21 日 中央区 8 3 1 月 26 日 北 区 136 4 2 月 20 日 白石区 56 5 3 月 6 日 中央区 16 6 3 月 24 日 中央区 38 7 5 月 30 日 南 区 1 8 8 月 6 日 北 区 5 9 8 月 15 日 豊平区 1 10 10 月 9 日 北 区 2 11 11 月 2 日 中央区 55 12 11 月 10 日 中央区 18 13 11 月 12 日 厚別区 29 14 12 月 2 日 中央区 17 15 12 月 16 日 西 区 37 患者数合計 原 因 食 品 家庭の食事 飲食店が提供した食品 飲食店が提供した食品 折り詰め弁当 飲食店が提供した食品 飲食店が提供した食品 シビレタケ属のキノコ チカの刺身(推定) 不明 不明 飲食店が提供した食品 飲食店が提供した食品 飲食店が提供した食品 飲食店が提供した食品 飲食店が提供した食品 421 名 病 因 物 質 サルモネラ・エンテリティディス ノロウイルス ノロウイルス サルモネラ・エンテリティディス ノロウイルス ノロウイルス 植物性自然毒 腸炎ビブリオ サルモネラ・エンテリティディス カンピロバクター・ジェジュニ ノロウイルス ノロウイルス ノロウイルス ノロウイルス ノロウイルス 図1 食中毒事件発生件数・患者数の年次推移 原因施設 家庭 飲食店 飲食店 飲食店 飲食店 飲食店 家庭 家庭 不明 不明 飲食店 飲食店 飲食店 飲食店 飲食店 事件数 ノロウイルスの事件数(内数) 患者数 450 400 350 300 250 人 200 150 100 50 0 30 25 20 件 15 10 5 0 10年 11年 12年 13年 14年 15年 - 82 - 16年 17年 18年 19年 7 表 彰 食品衛生関係施設のうち、特に衛生状態が優秀と認められる施設に対し、「札幌市環境衛生 及び食品衛生関係保健所長表彰要綱」に基づき、保健所長表彰を行った。 さらに、保健所長表彰を受賞してから 3 年以上を経過している施設であって、その間の衛生 状態が保健所長表彰の表彰基準を維持していると認められる施設及び食品衛生の普及向上等 に功績のあった個人に対して「札幌市環境衛生及び食品衛生関係市長表彰要綱」に基づき、市 長表彰を行った。 また、厚生労働大臣及び北海道知事表彰の候補者として推薦していた施設及び個人がそれぞ れ受賞した。 平成 19 年度における表彰数は表 11 のとおりである。 表 11 食品衛生関係表彰 (平成 19 年度) 名 称 厚生労働大臣表彰 北海道知事表彰 市 長 表 彰 保健所長表彰 対 象 表 彰 数 食品衛生優良施設 2 施設 食品衛生功労者 3 名 食品衛生優良施設 1 施設 食品衛生功労者 1 名 食品衛生優良施設 39 施設 食品衛生功労者 20 名 食品衛生優良施設 88 施設 - 83 - 8 調査研究 近年、 「食」を取り巻く環境が大きく変化し、食の安全・安心に対する市民の意識が高まって いるなか、食品衛生行政に携わる職員は、より斬新で幅広い知識・技術の習得が求められてお り、科学的かつ柔軟な視点を養う必要がある。 このため、日常業務の参考となるようなテーマについて、調査(事例)研究を行うとともに 業務研修会等を開催し、職員の資質向上に努めている。 平成 19 年度に実施した調査研究等のテーマは次の 11 題である。 ○ めん類製造施設及び食堂におけるゆで湯中のアレルギー物質の残存と加熱による消長につ いて(食品指導課食品指導係) ○ 札幌市中央卸売市場におけるマグロの衛生的な取扱いに向けた取り組み (食品指導課市場検査係) ○ セリ場床面からの飛沫は魚介類を汚染しているのか? (食品指導課市場検査係) ○ 札幌市中央卸売市場に入荷した魚介類及び青果物の苦情事例について(第3報) (食品指導課市場検査係) ○ 臨時営業の問題点と今後の方向 (中央区健康・子ども課) ○ 平成 18 年度北区食品衛生監視指導計画の実施結果について (北区健康・子ども課) ○ 学生の生肉の喫食に係る意識調査について (東区健康・子ども課) ○ 興行場における食品衛生の自主管理に向けた指導について (豊平区健康・子ども課) ○ 小学校における「手洗い教室」の開催について (中央区健康・子ども課) ○ バイキン ByeBye!手洗い教室∼保育園児への手洗い啓発∼ (東区健康・子ども課) ○ バイキン ByeBye!手洗い教室 パートⅡ∼使用した教材の紹介∼ (北区健康・子ども課) - 84 - 春の山菜展 食品衛生週間事業(くらしの衛生展) - 85 -
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