メカニック の多走行車選び - セントラルオート

俺 なら こう 選 ぶ !
多走行車はコンディションの見極めが重要。そこで整備のプロであるメカニックに「自分で多走行車を選ぶ
なら?」というテーマで話を聞いてみた。メカニックならではの視点は、多走行車を選ぶ手助けになるはずだ。
メカニック の多走行車 選び
●文= GERMAN CARS ●撮影 =G.C.E ●協力=セントラルオート / アウトハーフェン
基本的な消耗品は
購入後に交換する前提
ていて、オイルなどを使ってピカピ
「エンジンルームがキレイに清掃され
す。確かに見た目はキレイで良いの
カのクルマを見かけることがありま
ですが、やはり素の状態のエンジン
や水漏れの痕跡までキレイにされて
ルームを見たいですね。オイル漏れ
しまうと現状を把握することができ
ないかって思うくらいです(笑)
。知
ませんから、汚いくらいがいいんじゃ
り合いの中古車販売店では、全く清
重視しているそうです。
例えば、タペットカバーパッキンから
掃しないで現状を見てもらうことを
●インテリアのコンディション
●エアコンとAT の状態
素のエンジンルームとはクリーニングされる前の状態のことだそ
うで、オイル漏れなど現状が把握できないクルマは選ばないと
いう。また、機関面のコンディションが良さそうでも、内装の状
態が悪いクルマは避けるそうだ。
は避けますね。
CクラスやEクラスのようにはいか
で車種を選ぶということですね。維
ているかどうかと、構造を知った上
があることを考えて、モデル選びを
ないですから。新車価格に大きな差
することが大事だと思います」
んですけど、内外装をキレイにして
すが、仕 事以外で面倒な修理はあ
お客さんに自分で直せるからいい
よね、って言われることもあるんで
すから。
しても内装は高価なパーツが多いで
ダメなクルマは買いません。直すに
ディションが良さそうでも、内装が
すね。だから、たとえ機関面のコン
経験でもあるので自信を持っていま
ぞれだと思いますが、これは自分の
良い傾向があります。基準は人それ
いるクルマは総じてコンディションが
持においてSクラスやSLクラスは、
修理に入ってくるクルマでもそうな
あと、よく言われることですが内
装のコンディションは重視します。
て触媒がやばそうだなというクルマ
まりしたくないんですよね(笑)
。例
壊れているクルマは選びません。誰
えば、エアコンの修理は大変なので
●素の状態のエンジンルームを確認
ユーザーさんにアドバイスすると
したら、これまでの整備履歴が残っ
ただし、修理する時に費用がかか
る部分ってありますよね。例えば、
多 走 行 車 を 選 ぶ なら コ コ を 見 る!
下回りからカラカラという異音がし
オイル漏れがあってもあまり気にし
分で直せるメカニックらしいポイントだと言えるが、消耗品
は交換する前提というところが参考になると思う。多走行
車は一般的な中古車よりも安く買えるし、ある程度のメンテナン
スはされているはず。そう考えると、購入後の追加メンテで多少
の費用がかかったとしても間違いなくコンディションは良くなる。
かがやってくれるならいいですけど、
自
抜けてそうだったり、エアコンの調
ヘッドライトレンズ→理由:黄ばみは嫌だが、ケミカルなどで対処
オイル漏れでもヘッドガスケットが
ボディ→理由:多走行車なので多少のキズは仕方がない
ません。ベルト回りもそうかな。そ
僕らはプロなので、エンジン回り
を見ればどこに手が入っているかは
ベルト回り→理由:購入後に交換するから
れにセンサー類の状態は見るだけで
分かります。でも多走行車であれば、
センサー類→理由:見た目では判断できないから
ないですから。
オイル漏れ→理由:重篤なオイル漏れ以外は気にしない
それをスタッフに頼むわけにはいか
●児玉メカニックの多走行車選び
劣化が見られても気にしないポイントとその理由
子が悪かったり、試乗が可能ならA
は分からないですからね。
エンジンルームがキレイに清掃されたクルマだと、水漏れなどの痕
跡も確認できなくなってしまう。どこから漏れているかが重要なのだ。
Tの変速が明らかにおかしかったり、
ある程度の消耗品は交換する前提。
児玉 善一郎氏
メルセデス専門修理工場
「 セ ン ト ラ ル オ ー ト 」 セ ン ト ラ ル オ ート の 代 表 で あ る 児 玉
氏は、ATのオーバーホールな どの
重整備が得意。プライベートでも多
く のメルセ デス・ベンツを 乗 り 継い
でいる。今回はその経験から多 走行
車選びのキモを教わった。
エアコンのガス漏れなども確
認。費用がかかる部分なので重
視しているそうだ。
試 乗が 可能なら AT の変 速 状
態を確認。違和感があるクルマ
は避ける。
内装パーツは高価。例えばシートの台座部分
が割れていることもあり、これを直すとなると
けっこうな費用がかかるという。
内装のコンディ
ションが良いクルマは、前オーナーが大切に
扱ってきた証。児玉氏がこれまで見てきたクル
マでも、内外装がキレイなクルマは機関部も
好調だったという。
機関面のコンディションが良さそうでも
インテリアがダメなクルマは選ばない
メカニック視点の多走行車選び 0 1
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