立教大学観光学部観光学科3年 大竹 亜季 本日はお忙しいなかお集まりいただきましてありがとうございます。改めまして立教大学観光学部観光学科 3年の大竹亜季と申します。これから平成23年度桐生市地域づくりインターン事業の報告会の発表をさせてい ただきます。お聞き苦しい点もあるかと思いますが、30分程度お付き合いよろしくお願いいたします。では、本 日の発表ではお手元のレジュメにあるように、まず大学で勉強している内容、桐生市を選んだ理由を述べさせ ていただきまして、桐生市の第一印象、そして良いことも悪いことも含めまして滞在中に感じたこと考えたことを 答えさせていただきます。次に、私が考える「住んでみたい」と思うようなまちづくりの提案をいたしまして、そち らのレジュメには載っていないですけれども、残りのインターン期間でしたいこと、そして最後に改めて桐生の 魅力についてという順序で発表を進めさせていただきたいと思います。 それでは早速発表を始めさせていただきます。 まず、観光学部で私は何を勉強しているのかということから説明させていただきます。桐生に来てからも多くの 方に観光って何を勉強するの?という風に聞かれることが多々あったんですけれど、こちらにこう書いてあるん ですけれど、これは立教大学の学部の案内から引用させていただいたんですけれど、ちょっとむずかしいこと が色々書いてあるので…。授業とかはほとんど講義形式の授業がほとんどなんですけど、一応内容としては、 観光が成り立ってきた歴史とか概念から始まって、最近はですね、新しい観光振興の事例やまちづくりの例な どを勉強しています。またゼミという少人数クラスのようなものがありまして、昨年一年間私は、都市観光に照 準を絞って勉強させていただきました。その中で「まちあるき観光」というものに興味を持ち、それが今回のイン ターンで桐生を選んだ理由につながってきます。では桐生市を選んだ理由という感じで、お話をさせていただ きたいと思います。桐生市は、近代化遺産や歴史的町なみがまちなかに存在しており、まちあるき観光に適し た場所と考えました。実際にどのような観光施策がおこなわれているのかを、実際に自分の目で見て、歩いて、 体験して、勉強できることがたくさんあると期待して、今回インターン事業に参加させていただきました。さらに 担当の先生方に桐生市に行った先輩たちはすごく充実して帰ってくるよという風に聞いておりましたので、それ も決め手の一つになりました。 では、まず私が2日に桐生市に訪れた際に感じた第一印象についてお話したいと思います。事前に桐生市 は地域の約7割が山間部であるということを聞いていたので、駅に降り立った時には思ったよりも発達している という印象にありました。JR両毛線で私は高崎から桐生市まで来たんですけれども、桐生駅はほかの駅よりも 大きくて、また駅前にはコンビニ施設やカラオケ・居酒屋などが営業していて、道路もきれいに整備されている という点からそう感じたんだと思います。一応これが最初に降り立った桐生駅南口の印象なんですけど、ただ 一歩外に出てみると、辺りは山に囲まれておりまして、自然との近さも感じることができました。この後車で移動 する際にも商店やスーパーがわりと多く見られて、生活するのには困らないかなという印象を受けました。こち らが私の桐生の第一印象ですね。 それでは、2日から本日までという短い期間の中ではありますが、私が桐生市で感じたこと・考えたことをお 話させていただきたいと思います。まずまち全体を見て感じたことなんですけれども、市内とか特に市の中心 である本町通りの付近や駅前に若者があまりいないかなというのを感じました。市内には、小中高はもちろんな んですけど、群馬大学工学部のキャンパスもあることから、まちなかは学生でにぎわっていてもおかしくないは ずなんですけれども、まちなかを移動していてもなかなか若い世代の人を見かけませんでした。その理由とし て、市内に若者が出かける場所があまりないということが言えると思います。8月の9日に群馬大学工学部の学 生さんと交流する機会をいただきまして、お話をする中で、本町通りはシャッター通りだとか、どこに学生がいる のかわからないというお話も出てきました。平常時の本町通りの商店街を見る機会があまりなかったので、実 際にどのような状態かというのはわからないんですけれども、商店街のような場所は学生にはちょっと行きにく い部分があるような気がします。若者は新しいものや開かれた空間を好む傾向にあると思うので、昔からある 商店街よりも、新しくできた大型のショッピングモールとかに移動しがちかなと思います。また、買い物や映画 のためとかに近場ならこちらでも高崎ですとかあとはまあ都内にも出ていきやすいと思うので都内に出ていくこ とも多いかと思います。学生の居場所をつくるということを考えると、ただ単に新しく商業施設とかファミレスとか ファストフード店などの飲食店を増やしたりすると、ほかの地域と同化してしまって桐生らしさがなくなってしまう ので、ほかの方法で若者の居場所をつくれたらいいなと感じました。例えば、本町通りの商店街で学生と連携し てイベントを行なうですとか、飲食店なんかでは学生用のメニューを作成したりとかですね。もしかしたらもう実 行されているかもしれないんですけど、このように一つでも学生とかの拠点をつくることで若者たちは寄ってくる と思います。若者の活気が増すことでまちなかも一層活気あふれると思います。特にお祭り期間中は多くの若 者を見かけたので、その期間だけではなく、まちなかに若者が出てくるようなきっかけができたらと思いました。 続いて桐生にきた、という印象づけということなんですけれども、観光的な点から見て、桐生のまちなかでの見 1 どころっていうのは、本町一・二丁目の古いまちなみですとかその周辺のノコギリ屋根工場とかだと思います。 しかし、そこまでは少し駅から離れているので初めて桐生市に来た人にとっては、駅に降り立った際に桐生に 来たっていう、感じる要素が少ないのではないかと思います。特に、私の第一印象でも述べさせていただいた んですが、駅から出てぱっと目につくものが、カラオケですとか居酒屋ですとか、言ってしまえば、どこにでもあ るものであって、なかなかファーストインプレッションとして「桐生にきた」という感動が生まれない点があります。 その点で、駅の構内に桐生市の名産品が展示してあったり…こちらにちょっと見にくいんですけど、この写真な んですけど、あと桐生とか群馬デスティネーションキャンペーンなどアピールする数種類ののぼりですね、ゆい の前に立っているんですけれども。あと、桐生観光物産館わたらせとかがあることは、ぱっと桐生を印象付ける 要素となると思いました。駅前の風景についてはまだいろいろと考える余地があると思いますが、駅自体もせっ かく広い構内ですので、構内も桐生の印象づくりの方も、今後も継続して力を入れていってほしいと思いまし た。 では続いて、電動アシスト自転車無料貸し出しサービスということで、駅の構内に市民活動推進センターゆ いさんが設置されておりますけれども、こちらで無料貸し出しをしている自転車、電動アシスト自転車のサービ スは、市民にとっても観光客にとってもうれしいサービスであると思います。レンタサイクル自体は珍しいことで はないんですけれども、桐生ではチャレンジ25地域づくり事業によって、小水力発電で充電した電気を電動ア シスト自転車に補給しているということで、桐生でしか行っていない取り組みと聞いております。貸出場所はゆ いのほかにも今は一か所ありますが、ゆいは駅の構内にある点からも、観光に来た方も利用しやすく、また構 内にそれらの自転車がこう、ちょっと小さいのですが、ずらっと並んでいる様子を見ても、すごく貸し出しをして いるということがわかりやすいと感じました。8月8日に私はお休みをいただいたので大学の友人が二人桐生に 遊びに来てくれたんですが、その際もこちらで電動アシスト自転車を利用させていただきました。先ほども申し ましたが、本町一・二丁目の方に行くにはちょっと駅からも遠いのと、暑い中歩くのは大変だったのでこちらを借 りることでとても快適に市内観光ができました。また友人も私も電動アシスト自転車に乗ったことがなかったの で、その経験自体も楽しい思い出として残りました。では続いて「ガイドツアーの重要性」ということで、8月5日 にNPO法人桐生再生の清水さんにノコギリ屋根めぐりの案内をしていただきましたが、お伺いしたところ、ガイ ドツアーは一年間を通してやっており予約なしでも、直接桐生に来て事務局に行って申し込めば、案内してい ただけるということでした。「まちあるき観光」において、地元の方のボランティアガイドっていうのは、すごく重要 となってくる要素です。ただ見て回るだけではなくてその地域のことを知る人のお話を聞きながら、歴史とか文 化ですとか触れてまわることが「まちあるき観光」の醍醐味であると考えます。このような点から、桐生再生の 皆さんは素晴らしい取り組みをしていらっしゃると思うんですけれども、この取り組みをもっと強くアピールしても いいんじゃないかなということを感じました。桐生再生の事務局が観光物産館わたらせの中に設けられている とのことでしたが、外から見るとあまり分かりやすいとは言えないのかなというのが私の印象でした。また先ほど の話にも通じてしまうんですけど、このようなボランティアのガイドを地元の若い世代の方にも積極的にやって いただくことで今後の観光にもつながってくるんじゃないかなと思います。 続いて「桐生のPRの仕方」ということですけれども、市民の方に対しても外部の人間、観光客とかに対しても それぞれPRを工夫していくべきだと思います。まず、対市民のPRと言いますと、市民に対する声かけなんで すけど、そういうのでどのようなイベントを行っているかという情報やどのようなまちにしていきたいかという方 向性などを伝えていくことは大切なことなんですけど、発信することはできても理解してもらえるか、という問題 になってくると難しくなってきます。現在は群馬デスティネーションキャンペーンの期間中でもあることから、広 報などを使って市民にお客様へのおもてなしをお願いしているということをお聞きしたんですけど、必ずしもそ の広報を読んでいるかわからないうえに、読んでいても浸透しないこともあります。またホームページとかによ る発信も興味がある方はけっこうするかもしれないですけど、インターネットを利用しない人や興味がない人に は伝達することが難しくなってきます。また、観光客に対するPRですね、観光客に対するPRとしては、まず桐 生という地域を知ってもらうことから始めなければなりません。PRの問題というのはなかなか難しい課題では あると思うんですけれども、時期やターゲットの年代に合わせたPRの方法を変えてみていく必要があります。 現在桐生で撮影した「アド街っく天国」とか「ちい散歩」などの放映を控えておりますが、テレビはもちろん影響 力がすごく強いメディアになりますし、また私から一つの提案としてなんですけれども、若い世代にはツイッター などを使った発信するのも一つの手かなと思います。観光は時代の動きに非常に流されやすいのでこのような 流行にのっとったPR方法を取り入れていくといいかなと思います。 続いて「桐生八木節まつりについて」ですね。今年は5日、6日、7日に行われまして、私たちもいろいろな形 でお祭りに参加させていただいたんですが、とにかく多くの方がメインの本町通りに集まってきまして、すごく驚 きました。もちろん他の地域からも来る人は多いとは思うんですけれども、桐生にはこんなに人がいたのかと思 わずにはいられないくらいでした。全国各地で様々なお祭りがありますけれども、お祭りというのも地域ごとの文 2 化であり、立派な観光資源であると言えます。八木節まつりを観光資源として今後も内部にも外部にもアピー ルしていくと共に、このお祭りを若者たちの活躍の場にもしてもらいたいなということを思います。八木節踊りを 教えていただいた際に私たちの他に若者が踊っていないということが私は気になりまして、確かに自分は地元 にいたら参加したくても何となく気恥かしくて踊れないかもしれないなというのも思ったんですけれども、その場 に若い人がいたらもっと盛り上がるような気がしました。それだけでなくとも、清掃ボランティアに参加するなど 積極的な若者の参加の姿勢が見られたらさらにお祭りが活気づくと思います。またゆいの業務をお手伝いして いた際なんですけど、遠方から訪れたという方から「お祭りが昼間何にもやっていないんじゃ遠くから来た人は 楽しめないよ」ということを言われました。私は一日一日のプログラムを知らなかったので、もしかしたら昼間何 かやっていたのかもしれないんですけど、遠方から来た日帰り観光客の方も楽しめるように昼間の催しも工夫 するべきかなと思いました。 次にお伝えすることはすごく私の個人的な意見となってしまうんですけど、私にとって桐生は「子供のころに 住んでみたかったまち」だなと感じました。子供のころといえば一番感受性も豊かでいろいろなことに興味のあ る時期だったと思います。このような時期にこの桐生市で過ごすことは幸せなことだと感じました。「まちいな か」という特徴のとおり市街地では生活しやすい環境も整い、またそこからの自然との距離も近くて、山の中で 遊ぶこともできますし、また活気のあるお祭りもあって昔ながらの古い町並みも残っています。大人になっても 思い出すことのできる特徴がたくさんあって、実際に桐生で見かける子供たちが、とても生き生きしていて、見 ていてとてもうらやましくなってしまいました。遊びに来た友人とも話したんですけれども、友達と自転車で坂を 下ったり、趣ある通りを走ったり、家族でお祭りに参加するっていうことが、すごく日本の夏休みを象徴するよう などこか懐かしいイメージを連想させてくれました。またこちらのスライドの写真なんですけれども、こちらが市 民活動推進センターゆいに飾ってあった地元の小学生が作った観光マップなんですけど、これが桐生の有名 な建物ですとか、お店の絵と紹介文を書いて地図上にあらわした観光マップとなっています。小さいころにこの ような取り組みをすることで、地元の良さを感じてもらえるならすごく素晴らしいなと思いました。 それでは、ここから私が思う「住んでみたいとおもうまちづくり」についてお話させていただきます。まずです ね、一つ目に住民主体でまちづくりを進めることがとても重要だと思います。ここ数年はまちづくりのために観 光を取り入れているところも増えておりまして、観光自体が地域密着型のものが主流となってきておりまして、 旅行先においてその地域の人々が地域の見どころを伝えていく必要性が出てきました。住民主体でまちづくり を進めるためには、まず一人ひとりの意識付けをしっかりとやらなければいけません。先ほど感じたことの中で PRのお話をしたんですけれども、やっぱり100パーセントの人に意識を持たせることは非常に難しいことで、1 00パーセントではなくてもいいのでできるだけ多くの方が、自分がまちづくりの一員であるという自覚ができる ようにPRの工夫をすることが大事だと思います。また住民自身が、地元の良さを知らなければなかなかうまく いきません。桐生市では昨年の9月から観光ボランティアスクールというものを始めたということを聞いておりま して、地元の人が地元について勉強する機会が設けられています。このように今後市民が実践をもって動くこと ができるように、行政がそのような場を提供することが求められてくるかなと思います。またもう一つしてほしい ことが、「桐生市のテーマを決める」ということです。現在多くの魅力や特徴を有している桐生市なんですけれど も、何を一番に押し出していきたいかが明確に見えてこない気がします。私たちも最初に様々なパンフレットや マップとかをいただいて、そういうものがたくさん作られていると思うんですけれども、種類がたくさんあってどれ を参考にしようか迷うことがあります。魅力や観光資源が多いのは良いことだと思うんですけれども、たくさんあ りすぎて良さが埋もれてしまうのではもったいないと思うので、何を一番にプッシュしていきたいのか住民主体 ということに絡めて住民が共通の意識を持つためにも桐生市のテーマを決めるのが大事だと感じました。また 桐生は織物で栄えたまちとして、有名ではありますがその過去にこだわり続けるだけでは先には進めません。 桐生が成長し続け、未来を見据えたまちになっていくことを期待しています。 ここまでいろいろなことをお話させていただいたんですけれども、報告会が終わってからもいろいろな体験プ ログラムを組んでいただいているので、そちらのレジュメにはないんですけれども、ここで残りの6日間で私がし たいことを述べたいと思います。 まず一番最初にある「一日一発見一解決」を続けるということなんですけど、私が今回の滞在期間に掲げた目 標がこれなんですけど、一日の体験の中で最低でも何か一つでもいいので、良い点・悪い点・疑問でも何でも いいから見つけてそれに対して自分なりに考えるという、割と簡単なことなんですけど、それを記録としてノート にまとめているんですけど、今までは達成できているので、それはこのまま続けていきたいなと考えています。 二つ目の「地域住民の話を聞く」という点では、なかなか今まで自分から積極的に住民の声を聞いていくことが できなかったので、生の声を聞いていきたいと思っております。次の「新里地区を知る」というのはそのままなん ですけど、旧桐生市と黒保根地区には足を踏み入れているんですけど、新里はこれから、今日明日なんです けど初めていく場所なので、そちらについても良く知りたいなと考えております。そして、この報告会でまとめた 3 こと以外にも改めて桐生の長所・短所・課題などを見つけたいと思います。そして残りの日数も気付いたらすご くわずかになってしまったんですけれども、今まで以上に人との交流を大事にしてもっと交流を増やしていけた らなと思っております。 では、最後に改めて桐生の魅力とは何だろうと考えて私なりに桐生の魅力はこのようなことだと思ったので、 紹介させていただきます。まず、古くからの歴史あるまちなみと文化・雄大な自然に囲まれた土地・まちと田舎 の両方の側面を持つという特徴・桐生八木節まつりのにぎわい・美味しい食べ物と一応ここに、これが私が桐 生に来てフリーだった時に、清水屋さんというおうどん屋さんで食べたうどんなんですけど、すごくおいしかった です。あと、さまざまな人との交流ですね。最後にまちを良くしようとする気持ちということで、桐生はこの最後 のまちを良くしようとする気持ちを持った方がたくさんいると感じました。これからもこの気持ちを大切により良 い町づくりをしていってほしいなと願っております。今回このインターン事業を通してまちづくりに対する様々な 考え方やとらえ方を知ることができ、自分にとって大変勉強になることばかりでした。まだ実習期間は終わりで はないんですけれどもお集まりいただいたせっかくの機会ですので、この場を借りてこのインターン事業にかか わってくださった皆様に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。そして至らぬ点もまだまだ多いと は思いますが、17日までの残りの期間もよろしくお願いいたします。ではこれで私の発表を終わらせて頂きま す。 ご清聴ありがとうございました。 4
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