生 体 機 能 管 理 学 分 野 臓 器 機 能 制 御 医 学 講 座 医 学 専 攻 高

愛媛大学医学部全景
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教室のあゆみ
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愛媛大学医学部は昭和48年 9 月に設置され,同年11月
に開学式と第 1 期生の入学式が挙行されるという変則的
な形でスタートしました.麻酔学教室は昭和51年 4 月に
開講し,初代教授として岡山大学より横田晃和教授が就
任しました.昭和51年10月に附属病院が開院し,麻酔科
の診療も開始されました.昭和54年より卒業生が輩出さ
れ,毎年少しずつ入局者が増え,教室としての基礎が固
まりました.昭和63年10月には新井達潤先生が第 2 代教
授に就任し,平成 4 年 4 月には麻酔・蘇生学教室と改称
しました.また,この頃から他大学卒業で愛媛県出身の
入局者も増え始め,手術麻酔,集中治療,ペインクリニッ
クなどの臨床業務が活発となり,研究面でも多くの成果
を上げることができるようになってきました.平成17年
には新井教授が日本麻酔科学会第52回学術集会の会長
をされ,開催に関わることができました.地方大学の小
さな教室が,このような大きな学会の運営準備と臨床業
務を両立させることはかなりの苦労がありましたが,今
ではよい思い出であり,開催できたことを誇りに思って
います.平成18年 4 月から医学部の大学院重点化実施に
伴い,表題のような長い講座名となりました.新井教授
が平成18年 7 月に退職され,同年10月に後任の第 3 代教
授に長櫓巧先生が就任し,現在に至っています.
教室の現状
教 授 長櫓 巧
准 教 授 渡辺 敏光
土手 健太郎(集中治療部)
講 師 萬家 俊博,惣谷 昌夫
助 教 坪田 信三,本多 亮子
藤井 園子,原田 佳実
武智 健一,中西 和雄(手術部)
矢野 雅起(集中治療部)
医 局 員 22名
研 修 医
愛媛県内の主要な基幹病院の麻酔科に,ほぼ全て当教
室と関連のある医師が所属しています.ただ,地方の医
師不足,麻酔科医不足は愛媛県でも例外ではなく,定員
を満たせていない病院や常勤医が 1 人という病院もあり,
疲弊した麻酔科医が「立ち去っていく」のではないかと
心配しているのが現状です.幸いにも新研修制度のもと
初期研修を終えた 5 人の 1 期生を平成18年に新入局者と
して迎え入れることができ,さらに平成19年には 7 人の
新入局者があり,厳しい中にも将来に希望を持つことが
できる状況となっています.
4名
専攻生・研究生 1名
大学院生
3名
(2008年5月1日現在)
朝のカンファレンス風景
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(1916) Front Line
臨床業務
1. 手術麻酔
手術部は10室で運営され,年間手術件数は約4,000件
で,そのうち麻酔科管理症例は約3,100 件です.各種内
視鏡下手術を多く手がけているのが特徴で,その他,心
臓血管外科,
生体肝移植など幅広い麻酔研修が可能です.
平成20年 4 月より循環器病センターが設置され,小児心
臓血管外科症例や小児先天性心疾患のインターベンショ
ンに対する麻酔管理が増加することが見込まれます.
2. ペインクリニックと緩和ケア
長櫓教授の指導の下,多くの医師がペインクリニック
の研鑽を積んでいます.平成17年に痛み治療センターが
設置され,他の診療科の医師と協力して,難治の痛みの
治療を行っています.また,平成19年に緩和ケアセンタ
ーが設立され,各診療科と連携してがんの痛みの治療の
中心的役割を担っています.
3. 集中治療
現在 6 床,平成20年 4 月から 8 床の集中治療部を当教
室の 3 名の医師が専従で,また麻酔科医がサポートする
体制で運営しています.主に外科手術後の患者を対象に
人工呼吸や血液浄化などの集中治療を行っていますが,
内科疾患の重症例の治療にも関わっており,病院内の信
頼を得ています.
教育
学生教育は 4 年生に対する講義とOSCEでのBLS実習
を担当しています.また,5 年生への 2 週間の臨床実習
と 6 年生へのクリニカルクラークシップ(選択制)におい
ては,きめ細やかなプログラムを設定し,指導にあたっ
ており,学生から好評を得ています.
初期研修では,1 年目 1 ∼ 2 カ月の必須研修と 2 年目
の選択研修の研修医に対し,熱心な指導が行われていま
す.これが功を奏したのか,麻酔科学のおもしろさを実
感して,入局を考える研修医が増えています.
主な研究内容
1. 脳虚血障害に関連した薬理学的研究
脳虚血後に投与したヒスチジンが,脳内ヒスタミン
H 2 受容体を介して,脳梗塞抑制効果を示すことを明ら
かにしています.現在では,この研究を発展させて,肝
臓や腎臓における虚血再灌流傷害に及ぼすヒスタミン関
連薬物の効果も検討中です.
教室スタッフ
神経ブロック
2. 心筋に対する吸入麻酔薬のプレコンディショニング
作用に関連した研究
ラットの心筋虚血再灌流モデルを用いて,吸入麻酔薬
のプレコンディショニング作用と虚血プレコンディショニ
ング作用の類似点と差異を解明する研究を行っています.
教室の行事
毎朝 7 時45分より集中治療部回診,麻酔症例検討会,
抄読会を行っています.毎年秋に同門会を開催し,学術
成果発表と宴会で世代を超えた交流を行っています.毎
年夏に行っていた医局旅行は,新研修制度開始後からの
あまりの忙しさに日程調整ができず,中断していますが,
再開を計画しています.
将来の展望
当教室は開設後 30 年あまりが経過し,今や大学在籍
医師22名,関連病院勤務医師46名,同門会会員数153名
(平成20年 5 月現在)と成長し,愛媛県の医療を支える
人材が着実に育っています.さらに当教室を発展させ,
少なくとも県内の病院の麻酔業務に支障が生じないよう
にしたいと考えています.
今後,麻酔科診療の柱である手術麻酔,ペインクリ
ニック,集中治療をまんべんなく研修し,幅広い知識と
着実なスキルを身につけたバランスのとれた麻酔科医を
育成できるような教育システムを再構築し,また,それ
ぞれの部門での臨床研究,臨床的課題の解決を目指す基
礎研究を推進し,医療,医学の発展に貢献できる人材を
育成したいと考えています.
忘年会で研修医と談笑
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