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NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE
Title
'The Second Coming'管見
Author(s)
池田, 俊也
Citation
長崎大学教育学部人文科学研究報告. vol.57, p.41-51; 1998
Issue Date
1998-06
URL
http://hdl.handle.net/10069/5753
Right
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http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp
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7)で詳説 され る歴史観 を簡潔 に
源泉であ る詩学体系 ,『幻想録』 (
表現 した作品であ る。全作品の中で も短 い方の部類 に属 す るこの詩 はその名の示 す通 り壮
大 なアポ カ リプス的世界像 をわれわれ に提示す るが,全体 でわずか2
2行 とい う長 さに もか
かわ らず,豊 かなシンボル とメ タフ ァーに よって人知 を超 えた歴史の終末の凄 ま じいエネ
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sが SCの創 作 を始 めた
ルギ ーを一 つの凝縮 した イ メ ー ジ と して現 出 させ て い る。 Ye
1
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9
年 1月は,第 1次大戦 , ロシア革命 ,対英武装蜂起 (
イ ース ター革命)な ど国内外の
争擾 が一応終息 した時期 であ った。 だが,火種 は残 り,混乱 と粛正 ,憎悪 と復讐 の風 が新
た に吹 き始 めた こ とを詩 人 は敏感 に感 じとって いた。 同時期 の 「わが娘 のための祈 り」
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2) は SC に係わ る詩人 の こう した心情 を端 的 に表 してい るO が,
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彼 は 自 らの不安 と絶 望 を惹 き起 こす原 因で あ る歴 史的事 実 を文 脈 その ままに読 もう とせ
ず,「古 い神 の死 と新 しい神 の誕生 」 とい う神話的文脈 の中で捉 え よう とす る。換言 すれ
0
00
年 に渡 って ヨーロ ッパ¢)
文 明や文 化 を支配 して きたキ リス ト教 が終蔦期 を迎 え,
ば ,2
新 しい未知 の神 が生 まれ出 よう としてい る時代 とす る認識 であ る。革命 や暴動 ,戦争な ど
の擾乱 は従 って,やがて くる時代 を決定付 け る事件 であ り,新 しい世界が誕生 す る直前の
胎動 とい うこ とにな る。 Ye
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sは こう した新時代誕生 の予感 を SCで詣 い上 げ よう として
い るのだ。
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mannをは じめ と して 『マ タイ伝』 に記 されたキ
作品 については,NJe
リス ト自身 に よる再臨の預言 や 『ヨハ ネに よる黙示録』 に描 かれた反 キ リス トを表 す怪物
と SCのイメ ージを 自然 に結 び付 けて捉 え よう とす る批評家 が多 く,一般的な解釈 として
(
2
)
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oom は タイ トル と内容 の不整 合性 を指 摘 し, それ が W .
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定 着 して い るが H.
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長崎大学教育学部 人文科学 研究報告
第 57
号
敵 につ いては最近 にな って,ア イル ラン ド国立 図書館蔵 の草稿 が完 全 な形 で復刻 された
(
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)ため容易 に詩人の創作の軌跡 を追 うこ とが可能 にな った。
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m の分析の足掛 か りともな った J.
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hyの論考 と併 せて これ につ いて考察す る
必要 があ るだ ろ う. さ らに SC創 作時期 にすで に詩 人 の 中で固 ま りつつあ った A Vi
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の歴史観 との関係 も看過 で きない問題 であ る。以下 ,本稿 では こう した点 を踏 まえて作品
を見 ることにす る。
Ⅱ
作品は 1連 8行 , 2連 1
4
行 の 2部 に分 かれ,それぞれ現実の世界の不安定 な政情 の直感
的認識 と自身 が捉 えたアポカ リプス的幻影の描写 であ る。 冒頭詩人 は不可視の一本 の線 で
繋 が るべ き鷹 と鷹 匠の関係が張 り詰 め,切 り放 されたイメージで無秩序 な情況下 にあ る世
界 を暗示 す る。
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鷹 は鷹 匠の手 を離 れ次第 に速度 を増 しなが ら上昇す る。引 き戻 そ う と呼 び掛 け る鷹 匠の声
も届 かない。繰 り返 され る 〟
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'は共 に現在分詞 の形 を とるこ とで鷹 匠の
位置 を中心 に逆 円錐形 に漸次速度 を増幅 させなが ら外へ向か って拡張 してい く鷹 の飛淘運
(
4
)
動 を示 し,同時 に反復 され る同音語 "
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ng" と "
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n"は内 に向か う力 を示 してい るが,強
音で [
g] と発音 され る語 "
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e"は両方 向に引 き合 う均衡 した力の強 さを音声的 に倍 加
させている。
鷹 と鷹 匠が何 を象徴す るかは批評家の解釈 が分 かれ る ところで,それぞれ人間 とキ リス
トを指 す とす る J
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sの意見 か ら,逆 に鷹 匠 が人 間 を指 し,鷹 が 「人 間の 自然 支配」
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)を表 してお り,「支 え切れない中心」 は人間であ る とす る Bl
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の意見 まで様 々であ 震 鷹 を人間 と捉 えるか,人間の支配力 と捉 えるかの違 いは鷹 に意志
を認め るか どうかの問題 であ る。離 れ よう として上昇 してい るのか,唯上昇 し過 ぎて鷹 匠
の声 が聞 き取 れな くな ってい るのか とい うことだ。J
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sは聖書 にい うアポ カ リプス的
主題 に忠実 に従 うこ とで,反 キ リス トの出現 とい う預言 を この場面 に も重 ねてい るのだ。
だか ら,鷹 はキ リス トか ら意 図的 に逃 れ ようとす る反 キ リス トの集 団であ って,彼 らは世
界 の秩序 (
伝統的価値体系) を破壊 しよう とす る。 いわば,歴史 の転覆 を謀 る集 団 とい う
こ とにな る。一方 ,Bl
oo
m は鷹 匠 を人 間 とす る こ とで,人 間 の意志 では どうす るこ とも
で きな くな った世界秩序 の崩壊 (
人 間の支配 力を超越 した歴史の強力な力学)だけを見 よ
う としている。 そ もそ も,彼 は草稿時の主題 であ った ロシア革命後 の無政府状態 に対 す る
恐怖 (
それは同 じくフ ランス革命 やアメ リカ独立革命 を預言詩 で詣 った Bl
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keや She
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か らの語句やイメ ージの借用 か らも明 らかな ように)は最終稿で もキ リス トの再臨 と反 キ
リス トの 出現 , また両者 の最終 戦争 (
ハ ル マゲ ドン) とい う聖 書 の預言 を表 現 す るまで
には至 っていない とし,草稿 に記 された "
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" :キ リス トの再 臨 とは全 く無 関係 なスフ ィン クスの再生) こそ 内容 に相応 しい と
(
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)
考 えてい る。 いずれに して も, この ような意見の くいちがいは聖書 でい う再臨の預言 と作
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自体の明確 なイメージ とE
E倒的 なエネルギ -描写の魅力が減少す るわけではない。 ここで
の問題 は作 品の 中で直線的時間意識 に根 ざす聖書 q
)歴史認識 と円環 的時 間意識 に基 づ く
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sの歴史観が どの ように結び付け られ るかの検証 にあ る。
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sに よれば,人間の精神や歴史は 2つの喫み合 った 円錐形 で表 され,それぞれの 円
錐 の頂点が一方の基底部 に接 した形 を作 っている。 この 2つの円錐 はそれぞれ基底部 か ら
gyr
e) す るが,その渦巻 の
頂点 ,頂 点 か ら基底部 に向か って反対方 向へ螺旋状 に旋 回 (
線上 を移動 す る点 が一方 の円錐 の頂点 か ら基底部 に達 す る と,逆転 して もう一方の円錐の
(
7
)
頂点 か ら再 び螺旋 を描 きなが らに基底部 へ と向かい,互いに拡大 と収縮 を繰 り返すのであ
る。 これを歴史 に当てはめ る と,`
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e"は周期的 に回帰 す る円環的歴史 とな る。
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)す る力 と内向 きに収縮 (
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関係が歴史 におけ る時代の盛衰 を表 わ し,一時代 の終息期 に次の時代の特徴 が啓示 の形で
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sは この周期 を2
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年 とす る。
現 れて くる とい うこ となのだ。Ye
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0年 とい う数 は しか し,正確 であ るはずはな く, またその必要 もない。過去の終
末論神話 が示す ように,預言者 が世界の破滅 を予告 した年 には実際何 も起 こるこ とはなか
った し,黙示的預言 とはそ う した ものであ るか らだ。Ye
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s自身キ リス トにまつわ る聖霊
降臨や受難か ら数 えて2
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年後 に再臨が起 こる と信 じていたか どうかは疑わ しい。確 かな
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modeも指摘 す るように Ye
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sが 「それをあ るかたちで信 じていたのであ り,
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黙示録 を戦争 と結 びつけて考 えていた」 ことであ り,現代 を終末 に繋 がる過渡的時代 と見
ていた とい うこ とであ る。彼 が具体的な数字 をあげ るのは過去 の文 明の消長 がその年数 に
集約で きるか らに過 ぎない。
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0年頃 にエーゲ,ク レタ文 明
これを実際の ヨーロ ッパの歴史の流れで見 る と,B.
B.
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を基 に成長 したギ リシ ャ文 明はその隆盛期 に入 った時期 に発生 した ローマ文 明 (
頃) に よって徐 々に侵食 されポエニ戦役後 に滅 び る (
B.
C.1
46
)
。 同時 に, ローマ帝国は
A.
D.3
95
),それぞ
その隆盛 の時期 に登場 したキ リス ト教 を受容 した後で東西 に分裂 し (
5
世紀半 ば までには滅 ぶ。 また,キ リス トの誕生 もって祖 とす るキ リス ト教 も教皇 グ レ
れ1
4
4
長崎大学教育学部 人文科学 研究報告
第5
7
号
ゴ リー 7世 (
在位 1
075-8
5)の時期 に世俗的権 力の隆盛 をむかえて後 はルネ ッサンス と宗
教改革 を経 て次第 にその権 力を衰退 させてい く。 代 わ りに近代合理主義,科学思想 がキ リ
ス ト教 の くび きを離 れて進化 し, ロマン主義及 び産業革命 を経験 して Ye
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sが言 う S
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時代 とな るのだ。 いわば,キ リス ト教 が生 ん だ文 化 の "
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e"がその先端 に向か って拡
大 を終 え, まさにその力の尽 きん とす る瞬間 に直面 してお り,あ らたな神 が誕生す る胎動
の時代 なのであ る。聖書ではキ リス トの再臨,ハルマゲ ドン,至福千年 ,大審判 ,神の支
配 を もって歴史 は永遠 に閉 じて しま うが,Ye
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sは再臨 を新 しい文 明誕生 の前兆 と捉 え る
のだ。
さて,第 1連 の後段 にな る と,具体的 なイメージを持 ち出す ことに よって,詩人 は終末
的現実の世界 を描 く。
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ここでい う "
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hy"は革命後 の無政府状態 を指 すが,広義的 には伝統 と伝統 に裏打 ち
された ヒエ ラルキ ーが崩壊 した混乱状態 の こ とであろ う。 伝統的な価値体系が社会 に存在
し,確 固た るヒエ ラルキ ーの枠組みの中でそれぞれの階級の人間が 自分の属す る階級固有
の 「
儀式」 に従 って生 きれば整然 とした秩序 あ る世界 が保 たれ る と Ye
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sは考 える。
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e" とは全 くの 同義 であ り,辛
命 が もた らす 「血 で濁 りきった潮」に溺 れ る,儀式 を重 ん じる伝統的な階級 を指 してい る。
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『黙示録』 のサ タンの 「解 き放 ち」 (
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) を連想 させ る ような,
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'に抗 い難 い歴史 の流 れ (
宿命) に翻弄 され る旧支配階級 の姿 を読み取 る こ
と "
とは容易であ る。 もっ と具体的 に言 えば,旧支配階級 とは ロシア皇帝 とその体制 に属 す る
貴 族 ,地主 たちであ り,近 くアイル ラン ドでは Ye
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sも属 し,1
9世紀 以後急速 に衰退 し
つつあ った "
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y"といわれるイギ リス系アイル ラン ド人たちであ る。
この人 々が文化 を創造 した こ とを彼 が高 く評価 した こ とをあ らためて言 う必要 もないだ ろ
う。 "
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"と "
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" と呼応 す る一対の語 が Ye
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sの価値判断 を十分 に表 して
い るか らであ る。激 しい情熱 に満ちた革命の嵐 がその血塗 られた潮で無垢 な最善の もの を
飲 み込 んで しま うと,「
儀式や習わ し」は もはやその確信 も説得力を も失 って しま うのだ。
草稿 に残 る詩句 ,"…c
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) は よ り具体的 に没 落階級 の悲劇 を語 って い る。
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第 1連 が終末 を予 想 させ る世界 の情 況描写 であ る とす るな ら,第 2連 は SCの中心 とな
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s の幻視 ,即 ち終 末的黙示 であ る。前者 の
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な人類 の宿命 へ と変 わ る。
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ng" と同族語 として根底 では繋 が ってい るため
表 現 とな ってい るが,続 く "
に互 いの言 葉 の間 に違和 感 はな い。 ここはや は り, Bl
oom が言 うような草稿 の "
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h"であ って はな らな い。 全体 的 な意 味の厳 密 さの問題 は ともか くと して,語 の重 さ
や衝撃 の度合 いは 「
再 臨」 とい うシンポ リカル な固有名詞 の方 がは るかに勝 り,その後 に
ava
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'の 出現 との繋 が りを 自然 な もの にす るか らであ る。
来る "
ふ と詩 人 の 口を衝 いて 出た こ¢)"
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ng"は存在感 を暗示 す る共 に繰 り返 され
る 2対 の `
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r". と指摘 して い るが ,期待感 はあ って も僅 かな もの
で しかないだ ろ う。 第 1連 の 「善 と悪」 の逆転 ,解 き放 たれた血生臭 い暴 力の横暴 が 「期
待感」 を霧散 させ る程 に圧倒的 であ るか らだ。 む しろ,不安 が現実 の もの とな り,読 み手
ava
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'に戦傑 す る。 この "
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ge" も同様 に暖味 な表現 では
は詩 人 と共 に "
あ るが,それは Ye
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sが意識 的 に創造 した もので はな く,「世 界霊 」 あ るいは 「宇宙 霊」
"
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) に よって与 え られたイ メ ージ とす るためだ。 Ye
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(
1
4
)
説 明す るように,意識 の奥底 に埋 もれて いたイ メージのその突然の訪 れ に抗 えない もので
もあ る。 いわば,個人 の力では制御 で きない太古 の記憶 とも言 うべ き,人間 が共有 す る記
憶 であ る。詩 人 は抽 象的 な観念 を用 い,暖味 な表現 に終始 す るこ とで,作品 に普遍 的 な意
味づけ を しよう として い るのだ。 いわば,個 人的 なイ メージの神話 化であ る。
意識 の闇の奥 か ら浮 かび上 が り,詩人 の視野 を遮 る巨大 なイ メ ージは常識 的理解 を超 え
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6
長崎大学教育学部人文科学研究報 告
第 57号
ここで も詩人は "
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'な どの暖味 な言
葉 を使 うが, "
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n"とい う非現実なが らも明確 なイメー ジ描写
をす るこ とで預言の重厚 さ,不気味 さを提示 している。 明 らかにスフ ィンクスの姿 を想い
起 こさせ るように,人間の頭 とライオンの体躯 を して砂漠 に うず くまる生 き物 は もはや石
造 りの物質 ではな く,その重 い腿 を緩慢 に動 かす生命体 であ る。砂漠 に照 りつけ る虚 ろで
無慈悲 な太陽の ような眼差 しには まだ 自由な活動 を許 されない静 け さが感 じられ る もの
の,回 りを飛 び交 う怒 りに満ちた砂漠 の猛禽の ざわめ きは この怪物 がい ったん活動 を始め
た時の破壊 力の凄 ま じさを十分 に予測 させ る。
Ye
a
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sの幻影 はやがて砂漠 か ら立ち上が って世界 を破壊 し尽 くそ う と構 える怪物 の,宿
動直前の緊張感の張 り詰 めた画像であ る。 さ らに言 えば, この 「
怒 りに満ちた砂漠の猛禽
たち」 (
"
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)の怒 りとは第 1連の最終行 にい う 「悪な る もの」の
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,すなわち 「
善 な るもの」の確信 を揺 るがす激 しい熱情であろ う。
Ye
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sの幻影 は こう して時代交代直前 の世界 を視覚的 に描 いてみせ るのだ。革命 はその後
に続 くさ らなる殺教 の時代 の前兆,つ ま り生 まれ出 ようとす る怪物 の回 りを旋回す る 「猛
禽たちの影 」 にす ぎないのであ る。
釆た るべ き未来への不安 を象徴 す る幻影の後 ,詩人 は一 つの確信 を得 る。
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係で現実の世界の嵐 と取 れない こ ともない。揺 りか ごが誕生の象徴 で もあ るか らだ。 とす
れば,文字通 り2
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0
年 の大記憶 の底 に眠 る人類 の狂暴 な心 が何 かを煽 り立 て る 「
揺 りか ご
の軋み」 によって 目覚め ようとしている とい うこ とになる。 だが, ここは批評家たちが指
摘す るように, "
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e"はそれぞれ神話 を想起せ るような呪術
的な眠 りと幼子キ リス トの眠 る揺 りか ごを象徴 し,スフ ィンクスの 2
0
0
0
年 にわた る不動 の
(
1
5
)
眠 りはキ リス トの再臨 を連想 させ る揺 りか ごの軋む音 に よって悪夢 に うな され る ととる方
が続 く "
Be
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hl
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'との関係 か らいって 自然 であ る。 また,その悪夢の意味 す る ところ
が,聖霊 の降臨 に よって反 対方 向の "
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e"が収縮 し,歴史 の舞 台か ら去 って深 い眠 り
についた異教の神や人類の遠 い過去の追憶 なのか,封 印 を解かれ る直前の 『黙示録』の反
キ リス トの象徴, "
be
a
s
t
"の武者震 いなのか明確 ではない。確 かなのは世界 に破滅 を もた
らす ものの誕生が もうそ こまで迫 ってい る とい うことであ る。
最後の 2行, "
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'には母性愛 と無垢 な幼 児性 を象徴 す る聖母子 と彼 らを踏 み に じろ
うと厳然 として時 を待 ち跨 る猛獣 との強烈 な コン トラス トがあ る。 "
Come r
ound"には頂
点 か ら基底部 へ向か う "
gyr
e"が拡散 しきって,一 つの完全 な円環 を完成 させ よ う とす
る 「動 き」 を表 してい る。 その 円が完成 す る時 ,Be
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ehem に生 まれ るのはキ リス トで
池
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管見
4
7
はな く,狂暴 な新 しい神 であ り,キ リス トもキ リス ト教文 明 も歴史の彼方 へ消 え去 って し
ま うのであ る。 だが, この 2行の問 い掛け に,不安 と恐怖 を抱 きなが らも Ye
at
sの意識 の
片隅 に `
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'の出現 を無意識 の うちに待 つ気持 ちはないだ ろ うか。一切 の もの
を破壊 し尽 くそ う とす る野獣 のエネルギ ーに詩 人はあ る種 の エクス タシー,悲劇的結末の
r
modeは 「黙示録的思考 の最
カタル シスに も似 た壮快 さを感 じてはいないだ ろ うか。 Ke
も恐 ろ しい要素 は,あ らゆ る ところで流血 がなければな らぬ とい うその確信 であ る。 イ ェ
ーツは, もっ と実践的であ るがゆえにい っそ う危険な人 び との思考 に付 きものであ ったあ
(
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6
〕
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rも同様 に,
の情熱 をい くぶんか共有 していて , これ を歓迎 した。 」 と言 い,Y.
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"を待望す る Ye
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sの心情 の一端 を認 めてい る. この ような こ とが語 られ る根拠
は確 かにあ って,彼のキ リス ト教 (
"
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)嫌 いや民主主義嫌 いはつ とに知
(
1
9
)
られてい る。キ リス ト教 の教条主義的な個 の抑圧 と民主主義の 「
個人の 自由」 の履 き違 え
が現在 の混乱状態 を生み出 した原因だ とい うこ とだ。 とすれば,秩序 を取 り戻 すために革
命 やフ ァシズムの狂暴 な破壊的 エネルギ -は必要悪 としての存在価値 が認 め られ るこ とに
な る。
これを証 明す るかの ように,Ye
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sは後 に `
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)の中で こう詣 う。
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7)
ここで も SCが提示 したテ ーマが繰 り返 され, "
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ood"な ど SCq)イメージを努葉 とさせ る語句 が並 んでい る。詩人の死の
前年 に出版 された この詩 の背景 に もやは りフ ァシズムの台頭 ,第二次大戦 を予感 させ る世
界の混沌 とした情勢 があ った。 だが, ここで,詩人は "
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'と歓喜の声
をあげ る。血 に染 め られた大地 も破壊 された文 明 もや がては `
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e"の旋 回 とともに再
び豊穣 の大地 とな り,新 しい文 明の もとで高貴 な時代 を迎 えるだ ろ うとい う確信 があ るか
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es は血潮 におおわれた
らだ。 あ らゆ る物 を地 と水 と火 と大 気 の混 合 と捉 えた Empe
大地 に種 を撒 くよ うに もうすべて を撒 き散 ら した。 あ とは "
gyr
e'
'の巡 り来 る時 を待 て
ばいいか らであ る。
4
8
長崎大学教育学部人文科学研究報告
第57号
流血 と破壊の情況の最中の壮快 さ,悲劇的情況下 の歓喜,キ リス トの再 臨 (
救済) と新
たな神 スフ ィンクス (
滅亡)な どのパ ラ レルな描写 は酸味 さ,両義性な ど決定不可能 な性
格 を帯 び,批評家 たちを混乱 させてい る。 が,あ る意味 では こう した特質 こそが SCの魅
力のひ とつであ って,Ye
at
sの代表作 の一編 に数 え られる所 以で もあ るのだ。
Ⅳ
ところで,SC には草稿 が残 っていて,先 に述べた ように最近 にな って完全 な形 で出版
された。構成 ,語句 ,内容 か ら現在の形 に近 く,"
TheSe
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ondComi
ng"の タイ トルを付
された 2枚 を除 く残 りの草稿か ら,現在 の形 になるまでの詩人 の意識 が変化 してい った過
程 を窺 い知 るこ とがで きる。最後 に,草稿 と完成稿 とを比較 し,詩人の変化の性質 につい
て検討す るこ とにす る。 SCの創作 にあた って Ye
at
sの念頭 にあ ったのは まず革命後の粛
正の嵐 であ った。書簡 も J.
Honeの伝記 もそ こは明 らか に していないが, ロシア革命後 の
混乱やイース ター革命後 の軍事裁判 の伝聞,報道 を通 して直感的 に時代の変化 を読み取 っ
たに違 いない。草稿 に残 る具体的かつ特定の固有名詞 がその辺 の事情 を物語 ってい る。 イ
メージの中心 にあ るのは 「
儀式 を重 ん じる,罪のない (
無垢 な)人 々」 (
"
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(1 ・2稿)Thi
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前後関係か ら 2枚の草稿の削除部分 を省略 して続けたために,多少散文的 にな って しまっ
たが, ここは被告 (
支配階級)の弁 明 もな しに裁判官が即決で死の判決下 す描写 で,流れ
作業 に も似 た不気味な風景であ る。 ロシア革命 では皇帝 とその家族 たちが,またイ ース タ
ー蜂起 では指導者 たちが猶予 も与 え られず死刑 を宣告 され,処刑 された。
(3稿)
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ここで も詩人は現代の革命 をフ ランス革命の混乱 と結 びつけ, ドイツ軍 に よるロシア侵攻
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に もかかわ らず滅 び去 る王朝 の末路 に思 いを寄 せ る。
ところが,第 2連 の創作 に入 る と, この ような特定の イメージが消 え,徐 々に現在の形
の よ うな形 に近 づ い て くる。 そ れ ぞ れ 4, 5, 6稿 で は未 完 成 な が ら, 第 1連 に は
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h" もこの段階で出て くる。第 2連 に絞 って見 る こ
とにす る。
(5稿)Sur
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1
5
9)
多少整理 したに もかかわ らず,いささか長 い引用 にな って しまったが,詩人の幻影 ,覚醒
a
l
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wo
r
t
hyは 5稿 で削除 された "
kni
f
e" と
後の認識 の原形 は以上 の ような ものだ った。 St
"
c
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h"が再臨の 「時 間 」 を限定 しす ぎる し, "
e
ye" と `
`
f
ee
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"はあ ま りに も人 間的 なイ
メージであ りす ぎる等の原 田で書 き換 られたのだ ろ う と推測 し,スフ ィン クスの 出典 につ
(
2
0
。
いて,若 い頃 か ら Ye
at
sには怪物 と砂漠 の イメ ージが付 きま とって いた と述 べ,それが
)
She
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Oz
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as'にあ る と指摘 してい る
"…Twov
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5
0
長崎大学教育学部人文科学研究報告 第5
7
号
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n)を加 えて, `
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1
)
(
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oom は "
Romant
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t
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t
sの両詩人 に対 す る撞着 は周知 の事実
ら意識 的 な ものだ としてい る。 いずれにせ よ,Yea
であ り,壮大なテーマの創造 に際 してイメー ジの一致 があ るこ とは否定で きない。 が,そ
れは,特定 の事件 を滴過 し,普遍化 させ るためのフ ィル ターの役割 を果 た したのか も知 れ
ない。
Bl
oom は また,両詩人の "
apoc
al
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ps
t
i
cpoems'
'に対 す る Ye
at
sの誤解 が内容 とは整合
しない,限定的な タイ トル を使用 した為 に批評 の混乱 を生 み出 してい る と非難 してい る。
"
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(
2
.
2
)Bl
akeも She
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ey も革命下 の世界 に絶望 しな
at
sに とって,終末の黙示 はフ ィクシ ョ
が らも人類救済 に対 す る希望 を持 っていたが,Ye
ンに過 ぎず,SC は避 け難 い災厄 に満 ちた未来 の神託 だ と解釈 してい る。 だが,Bl
oom が
指摘 す るように,SC が ロシア革命 ,アイル ラン ド内乱 ,フ ァシズム台頭 の予感 を 「
再臨」
が もつ本来 の意味 か らかけ離 れたイメ ージで描 いてい る として も,凄 ま じい破壊 を予感 さ
せ る恐怖 と不安 は この詩 に意味的 に矛盾 を感 じさせない程 の完結 さを与 えてい る。1
939年
に世 を去 った Yea
t
sは確認 こそで きなか った が,その後 の大戦 に よる惨 禍 と革命 , 内乱
と暴動 な どの歴史的事 実は詩人の予感 が間違 ってはいなか った ことを証 明 してお り, こう
した悲劇 が繰 り返 され る限 りこの詩 が常 に新鮮 であ り続 け るこ とは誰 に も否定 で きないだ
ろ う。
(
症)
(1)W.
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2
.以下,引用後の
略記 CP.
及び数字は全てこの版による。
(2)A.
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2
5
.
(3)H.
Bl
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m,Ye
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3
,
p.
2
1
5
.
(4)横井正一郎他,『イェイツ名詩評釈』,大阪,大阪教育図書,1
(5)J
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3
7
.
Bl
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.
,p.
3
2
1.
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.(
El
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ma
n
n,
o
p.
c
i
t
.
,p.
2
5
9
)と書
『
イェイツ名詩評釈』前掲書,
いている。さらに,津田氏は 「
鷹 (
人間の営為一歴史)と鷹匠 (
人間)」(
p.
2
1
5
)と捉えている。
(6)Bl
o
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o
p.
c
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3
1
8
.
(7)T.
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p.
1
9
5-9
6.
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管見
また,鈴木弘,『イ ェイツ詩辞典』, 東京 ,本の友社 ,1
99
4,p.
1
0
0. `
gyr
e'
の項 を参考 に した。
(8)W.
B.
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4,p.
2
03.
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sは A Vi
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nの中で,同趣 旨の
こ とを書 いている。
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2
9.
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9
6
6),岡本清 正訳 『終 りの意識』,東京 ,国文社 ,1
9
91,p.
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6.
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9
4,p.
1
47.
,以下 ,引用語 の略記 ,及 び数字 は同書,ペ ージ
数 を表 す。
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2
5
9.
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73,p.
1
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3.
)
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1
6)Ke
m ode,岡本訳 ,前掲書 ,pp.
1
2
6-27.
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1
7)Yvo
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.
,p.
3
2
3・また,横井氏 も
「一種の晴朗 さ とい うべ きものが後 に残 る‥.
。」 と言 ってい る。『イ ェイツ名詩評釈』,前掲書 ,p.
21
4.
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9
81,p.
1
6
2.
(
1
8)El
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9,p.
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9
63,pp.
22-2
3・
(
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31
9.
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2)I
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,p.
3
24.