ことばの使い分け 6月 日本語教師会 細井 6月は梅雨の季節です。天気が悪く、4月から新生活を始めた人には、 ちょうど疲れも出てくる頃、ちょっとガマンのひと月ですね。 その一方で、ジューンブライドは幸せになると言われ、6月に結婚式を 挙げる人も多いのです。 今日はどんな空模様? (様子) 6月は雨の季節、今朝も朝から雨が ①しとしと 降っている。天気予報によると、昼には 一度 雨が上がるらしいが、夕方には また② ぽつぽつ 振り始め、夜には ③ざあざあ 降ると言っていた。ここ数週間、雨が降らなくても,④ どんよりとした天気ばかりなので ⑤ からりと晴れて欲しい。春の ⑥うららかな天気が懐かしいし、太陽が ⑦ かんかんと 照りつける夏が待ちどうしい。 ① ② しとしと(と):細かい雨がとても静かに降って、あたりを湿らせる様子。 ぽつぽつ:間を空けて小さい水滴や雨などが、一つ一つ落ちる様子。 ぽつりぽつりとも言う。 ③ ざあざあ(と):大量の雨が激しく降ったり、液体.砂.粒状の物が 流れたり音を立てて移動したりする様子。雨の場合は名詞 で「ざあざあ降り」とも言う。 ④ どんより(と):雲が重い感じに空に広がっていて、日差しもなく薄暗い様子。例:目が 曇っていてどんよりしている。 ⑤ からりと:雲が全然なく、空が晴れていて、空気も乾燥している様子。また洗濯物など が乾燥したり、揚げ物が油で上がる様子にも使える。例:てんぷらがからり と揚がった。 ⑥ うららかな:天気が良くて暖かく明るく穏やかな様子。 ⑦ かんかん(と):太陽が強く照ったり、日が当たったりしている様子。 ⑧ ちらちら(と)::雪や花びら紙片など、小さくて軽くて薄いものが落ちる様子 ⑨ しょぼしょぼ(と) :弱い雨が降る様子で暗い感じがあるときに使う。⑩ じりじり(と) : 何か脂を含んでいるものが少しずつ焼けたり、焦げた りする様子や音 また、焼けそうなくらい強い日差しが続いている様子。 次の( )の中にはどんな言葉が入るでしょうか。 ① しとしと ② ぽつぽつ ③ ざあざあ ④ しょぼしょぼ A.バスを待っていたら、突然雨が( )降ってきて、びしょぬれになった。 B.( )降っている雨を時々感じる程度だから、傘がなくても大丈夫だ。 C.肌寒いし、外は暗いし、( )雨が降っていて気持ち悪くなる。 D.音がしなかったので分からなかったが、外に出たら雨が( ) 降っていた。 ⑤ ⑨ どんより じりじり ⑥ からりと ⑦ うららかな ⑧ かんかんと E.みんなで4月にお花見に行った日は( )天気だった。 F.梅雨になる前は、気持ちよく晴れて( )したよい天気が続いた。 G.今日は、暗くて、そらが( )している。まるで冬の空みたいだ。 H.南側の窓のそばにベットがあるので、夏には朝から日が( )照りつける。 I.真夏になると強い日差しが( )照りつけて、すぐ 日焼けしそうだ。 < おまけ > 湿気や水分の多いことを表す表現 ◇ 湿気が多いことを表す表現 1.じめじめ::不快に感じるほど湿気が多い様子。 2.しめっぽい:少し湿気が多く、不快な感じがする様子。 3.じとじと:粘りつくように、ひどく湿気があって、不快な様子 4.じっとり:水分が中からにじみ出て、湿っている様子。あまり いい意味に使わない。 5.しっとり:水分を十分に含んで潤っている様子。いい意味。 雰囲気が落ち着いて静かな様子も表す。 壊れる音はどんな音?( 様子 ) 子どもが路で遊んでいたが、子どもが蹴ったサッカーボールが 隣の家の窓に ① がしゃん と当たって、ガラスが ② 粉々に 割れた。そのボールがテーブルの上の電気スタンドに当たって、 スタンドは ③ ぱったり倒れてしまい、スタンドの横にあった箱は ④ ぺしゃんこ につぶれ、その中に入っていた卵が ⑤ ぐしゃぐしゃに割れてしま った。部屋に入ってきた六美は、その様子を見て キャーと叫び、ショックで ⑥ へなへなと座り込んでしまった。 その声を聞いて子供たちはボールを取りに行く勇気がなくなってしまった。 ① がしゃんと :ガラスのような硬くて薄いものに強く当たったときの音や、硬いも のが何かにぶつかって割れたり壊れたりするときの音や様子。 ② 粉々: 硬いものがもとの形がわからないほど壊れて小さな破片や部分にな る様子。 ③ ④ ⑤ ぱったり(と):人や物が突然そのままの形で倒れる様子。 ばたり(と)とも言う。 ぺしゃんこ:強い力で押されて平らになった様子。 ぐしゃぐしゃ:押されたり、落とされたりして、元の形がひどく変わってしまっ たときの様子。一度で完全に ⑥ つぶれた時の様子は ぐしゃり(と)と言う。 へなへな(と):体力や気力が急になくなって、普通に立って いることができなくなる様子。またものが簡単に曲がったり、ゆが んだりする性質も表わす。 ぺこんと:押されたりぶつかったりして、薄くて硬い材料で できているものの一部がへこんでしまう様子。 ぐにゃぐにゃ:柔らかいものが強い力で押されてゆがんだり 曲がったりして、形が定まらない時や、硬かったものが熱や力で折 れないで形が変わるときの様子。 びりびり:布や紙などが、大きく勢いよく敗れる様子。 もみくちゃ:強い力で周りから何度も押されたり揉まれたりし て、しわになったり形が崩れたりする様子。 ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ つぎの( ① )の中には、どの言葉が入るでしょうか。 ぺしゃんこ ② ぐしゃぐしゃ ③ ぺこんと A.地震で8階建てのビルが倒れ、前に止めてあった車は( )になった。 B.空き缶を机の角にぶつけたら( )へこんでしまった。 C.踏切で、走ってきた車とぶつかった車は( )につぶれてしまった。 ④ へなへなと ⑤ ぐにゃぐにゃ ⑥ びりびり ⑦ もみくちゃ D.彼女から別れの手紙が来たので、腹を立てて( )に破いた。 E.満員電車の中で、毎日( )にされながら、通勤している。 F.車が激しくぶつかり、ガードレールは( )に曲がってしまった。 G.最後の 1 分で点を取られて負けたので、選手たちは( )座りこんでしまっ た。 < ◇ おまけ > 湿気や水分の多いことを表す表現 水分がとても多い場合 1.びっしょり:服などがひどく濡れる様子。 例:雨でびっしょり濡れてしまった。 2.びしょびしょ:雨や水、汗などで、絞れるほどひどく濡れている様子。例::雨に濡 れてシャツがびしょびしょだ。 3.びちゃびちゃ:水にすっかり浸かっている様子。 例:道路が水でびちゃびちゃになっていた。 4.ぐしょぐしょ:濡れて形が崩れた様子。 例:下着までぐしょぐしょになった。
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