日本語とドイツ語のオノマトペ

日本語とドイツ語のオノマトペ
麗澤大学
ドイツ語ドイツ文化専攻3年
櫻岡 瑛
オノマトペとは
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オノマトペとは擬声語の総称であるとされる
擬声語には明確な区別はされてはいない。
擬声語
生き物が発する声を文字で模倣した物
犬の鳴き声の ワンワン ネコの鳴き声ニャーニャー
擬音語
物の音響などを言語音で象徴的に表した物
物を叩いたときの トントン 風がふく ヒューヒュー
擬態語
状態や感情など音を発しないものを字句で模倣した物
静まり返った様子を表す シーン 豊かで余裕のある様の たっぷり
日本語とドイツ語とで似ているオノマトペ
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犬の鳴き声 ワンワン wau-wau
牛の鳴き声 モーモー muh-muh
銃の音 バンバン peng-peng
呼び鈴などの音 リーンリーン kling-klang
騒ぐ様子 キャーキャー kyah-kyah
子どもが寝ている様子 ムニャムニャ mnja-mnja
日本語とドイツ語とで違うように聞こえ
ているもの
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鶏の鳴き声 コケコッコー kikeriki
ブタの鳴き声 ブーブー oink-oink
ぐっすり寝ている様子 グーグー ra-püh
息が乱れている様子 ハーハー schnauf-schnauf
食べ物を食べる様子 パクパク mampf-mampf
水が跳ねる様子 パシャパシャ plitsch-platsch
せきをする様子 ゴホッゴホッ hust-hust
日本語のオノマトペの特徴
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日本語はオノマトペによる表現の幅や種類が豊富である
例)雨の様子を表す言葉
ぽつぽつ、ぱらぱら、ぽつりぽつり、しとしと、ざあざあ、ざん
ざんと
1つのオノマトペに複数の意味をもつこともある
例)がんがん
1. 金属などを叩いて発する大きな音を表す
2. 音がやかましく鳴り響くさま、またそのような頭痛
3.ものごとが勢いよい様子
ドイツ語の擬態語や特徴
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schwupp 何かが勢い良く動く様子。
例) Schwupp!, da stand eine neue Flasche auf dem Tisch.
新しい瓶が代わりにサッと置かれた。
Ruckzuck すぐにしろ、急げなどと言う意味
zuck は驚く様などにもつかわれる
wupp 日本語で言うと クルッ(振り向く様)に近い感覚
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ドイツ語では形容詞や動詞が使われることが多く、鳴き声などには動詞もある
うきうき lustig /fröhlich heiter
ぶらぶらする herumulungern
(ブラシなどで) ゴシゴシあらうschrubben
ワンワン吠える ballen (人が喚く などの意味もある)
牛がなく blöken
カラスがなく krächzen
ウマなどは擬声がなく動詞 wiechern だけである
ネコが喉をならす schnurren というのもある
まとめ
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調べていて分かったことだが、オノマトペというのは得てして
表現を分かりやすくするため絵本などで使われるので「子ど
もっぽい」とされ、やや研究の対象としてはなりづらいようで
ある。学術論文などでこのような表現を使っているのはほと
んどないと思われる。
それぞれの言語には特定の意味をもつオノマトペがあり、そ
れらを互いの言語のオノマトペで訳したり説明するのには難
しいことがある。
日本語はオノマトペの種類が非常に豊富であるが、逆にドイ
ツ語などでは物の様子を表す独特なニュアンスをもつ、動詞
や形容詞が様々あった。それゆえに日本語のほうが表現豊
かな言語とは言いにくい。