JUKI PLAZA マルチプログラム装置付きドライヘッド電子本縫袖付けミシン DP-2100 データは簡単入力、 グレーディングもワンタッチ。 フルオートで高い操作性、袖付け1人日産250着。 カマタニ 生産事業部部長 原田祐助さん 生産管理長 岡 孝司さん 製造班長 小西竜夫さん イメージアップの手伝いをする 短納期で高品質が条件 のスイッチで切り替えないといけないのですが、 これが非常にわ ずらわしくて、 できればいせ込みの切り替えをフルオートでやって くれるミシンが欲しかったのです」 と導入の理由を語るのは、 生 「アパレル生産が中国に出て行く中で、 官庁関係の制服は、 産事業部部長の原田祐助さん。 入札があり、 生産に移るのは期に入ってからなので納期が短い 「自動機といってもいせの切り替えが必要だと、 ベテランしか のです。そのために国内に残っているのですが、 官庁の制服を 使えないんですね。工場の運営としてはネックになりかねない。 外国に依存するわけには行きません。これからも国内で続ける そこで、 DP-2100を導入したのですが、 いせ込みもフルオートから ために、 いっそうの短納期化と高品質化を進めなければ……と セミオート、 マニュアル……と自由に変換できる。 しかも、 データ入 思っています」 と同社社長の鎌谷正弘さん。 力も簡単に出来ますので、 ベテランを全体の管理に回すことが 同社のメイン事業は、 官庁や企業の制服、 民間企業、 学校の 出来ます。 これは大きいですね」 と生産管理長の岡孝司さん。 ユニフォームなどである。 自動機は便利だが、 それを使うためのデータを入力しなけれ 「ユニフォーム市場は景気の動向に影響されやすいので、 景 ばならないという課題がある。DP-2100では、 基本サイズを入力 気が後退すれば需要が減少するのですが、 逆にそんな時代に すると、 スイッチを押すだけでグレーディングは一発変換。その間 なると、 少しでもイメージを上げたいとユニフォームの役割は大き 1秒。左右のデータ変換も同様で、 右のデータを入力し、 ワンタッ くなります。わたしたちの仕事は、 単に制服をお届けするだけで チボタンを押せば、 ミラーリング機能が働き、 左右をひっくり返した なくイメージアップのお手伝いをすることであると思っています」 入力が完了する。後は、 実際に縫製作業を行なって若干のデ と生産事業部部長の原田祐助さん。 ータを修正すれば終わり……などなど便利な機能がたくさん搭 厳しいといわれる制服業界で同社が勝ち残っているのも、 デ 載されている。 ザイン部門を設置したり、 短納期化、 高品質化に力を入れるなど、 顧客の需要に積極的に応えようとする姿勢の結果であろう。 データはパネルで簡単入力 左右入力は反転機能で1タッチ完了 短納期、 高品質を目指す同社にとって、 なくてはならないのが 高性能な設備。品質と生産性が大きく左右されるからだ。そん 新しい機能は、 たとえば、 な同社が新しく導入されたのが、 マルチプログラム装置付きドラ ・ティーチング入力:各ノッチ間を縫製する際に縫長さを記憶で イヘッド電子本縫袖付けミシンDP-2100である。 待っていたフルオートの袖付けミシン いせ量の調節が不要に 「それまで使っていた袖付けミシンは、 いせ込みをする際に膝 12 2004 Vol.221 きるため、 素早く簡単にプログラミングが可能。 ・グレーディング機能:基本データを入力するとサイズごとにその データを展開。 ・ミラーリング機能:右の袖付けプログラムを作成すると、 他方の 左のプログラムはミラーリングで自動的に作成される。 また、 片 方の袖付けプログラムの修正内容が他方のプログラムに反 テランの方が多いのでわたしの出る幕はありません。みなさんの 映できる。 仕事がしやすいように環境を作ることが仕事です」 という。 ……など豊富で、 自動機としての力を十分に発揮する。 ユニフォーム業界は、 かつては、 同業者で仕事を取り合う…… 「入力するデータは、 Y、 A、 B、 YA、 AB、 BEの6体型にサイズ という状況だったのだが、 最近は厳しい環境を反映して業界も が5サイズで、 6×5=30のデータが必要です。これだけあっても、 縮小しつつあり、 同業者が撤退すると、 その分の負担が残りの CADの型紙データを持ってきて、 標準サイズを入力すればいい 他社にかかる。 「短納期が求められる中で、 生産量が急に増え のですから、 助かります。 1着分を入力するのに、 2時間と少し。 ても対応できないという状況で、 お互いに同業者同士が頑張ら 日常の作業では、 1月22日稼動で、 1日250枚が出来ますから、 月 ないと制服業界の存続も難しくなりかねません」と生産事業部 産5500枚ができます」 と岡生産管理長。 部長の原田祐助さん。 1日250枚というのは、 左右の袖をつけた後に、 タレワタをつけ 厳しい環境を生き残る手段として、 袖付けミシンが役に立てる る作業も含んでいるから、 作業効率は高い。 のはうれしい。 設備の導入で“標準作業”が明確に 同業の共栄を願う 「設備化するメリットの一つは、 標準化されるということですね。 個人の作業は微妙に異なりますが、 設備は常に一定の作業が 株式会社 カマタニ 本社:姫路市御国野町国分寺 創業:大正8年10月 社長:代表取締役 鎌谷正弘 工場:本社工場、新宮工場、越智工場、神埼工場 従業員数:204名 生産品:各種ユニフォームの企画・製造・レンタルなど 行なわれ、 品質も一定です。この設備を入れたら、 裁断作業の バラツキや縫製作業のバラツキが、 そのまま結果に出てくる。結 果を見ると、 個々人の作業の課題が明確に見えてくるんです」 と 生産管理長の岡孝司さん。 現場を預かるのは入社4年の若き班長小西竜夫さん。入力 や保全を担当するが、 自分はあくまでも裏方という。 「作業は、 ベ 本社工場。 1本 針 本 縫自動 糸切りしつけ縫い ミシンLT-1040も 活躍。 マルチプログラム装置付 きドライヘッド電子本縫袖 付けミシンDP-2100 「厳しい状況のなか、官庁の制服などはリードタイ ムの短さから国内に残っているのですが、 そのメリッ トを生かして、短納期、高品質なものづくりを目指し たい」と代表取締役社長鎌谷正弘さん。 原田祐助さん 岡 孝司さん 小西竜夫さん 工場を切り盛りする生産事業部部長 原田祐助さん、生産管理長岡孝司さんと、現場を 南京玉縁と呼ばれる貫通したポケッ 扱いやすいと評判のカラーパネルIP-200C。データはス 預かる生産班長小西竜夫さん。 「1人で1日に250着できますので、一人でいいのですが、 ト穴の縫製も官公庁のユニフォーム マートメディアで差し替えも可能。いせ込みプログラム 多能化を目指して3人が担当しています。いずれ余力がでますので、小西班長をサポートさ を作る同社ならではの技術である。 のスタート位置の変更もワンタッチで出来る。 せたいと思っています」。 2004 Vol.221 13
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