バイオマス発電と再生可能エネルギーの 固定買取制度について

山陰発技術シーズ発表会
in とっとり 2011
2011. 8. 26
バイオマス発電と再生可能エネルギーの
固定買取制度について
横山 伸也
鳥取環境大学
バイオマス関連の国内施策動向
○ 新エネルギー促進法の政令改正:
新エネルギーの利用等の促進に関する特別措置法(平成14年1月)
○ NEDO平成13年度 「バイオマスエネルギー高効率転換技術開
発プロジェクト」 (平成13年4月)
○ 「バイオマス・ニッポン総合戦略」策定 (平成14年12月)
○ 電気事業者による新エネ利用制度(RPS) (平成15年4月)
○ バイオマスタウン構想の募集(平成16年8月)
○ NEDOバイオマスエネルギー地域システム化実験事業
(平成17年1月)
○ 「バイオマス・ニッポン総合戦略」見直し (平成18年3月)
○ 新・国家エネルギー戦略 (平成18年5月)
○ バイオエタノール600万kL構想 (平成18年11月)
○ 国産バイオ燃料の大幅な生産拡大(工程表)(平成19年2月)
○ バイオ燃料技術革新計画 (平成20年3月)
○ 農林漁業バイオ燃料法 (平成20年5月)
○ バイオマス活用推進基本法 (平成21年9月)
○ エネルギー供給構造高度化法 (平成21年8月施行)
○ エネルギー基本計画 (平成22年6月閣議決定)
○ バイオマス活用推進基本計画 (平成22年12月閣議決定)
○ 総務省による政策評価(平成23年2月)
○ 再生可能エネルギーの全量買取制度閣議決定 (平成23年3月11日)
○ 再生可能エネルギーの全量買取制度 (平成24年度から?)
バイオマスのエネルギー変換一覧
熱化学的変換
バイオマス
発電
電気
コジェネ
電気、熱
ガス化
ガス燃料
熱分解
オイル
直接液化
オイル
間接液化
メタノール、 DME、ガソリン
エステル化
バイオディーゼル燃料
アルコール発酵
エタノール
嫌気性消化
メタン
固形化
ペレット
炭化
木炭
生物化学的変換
その他
木質系バイオマスエネルギー
利用事例の設備規模と利用形態
木質系
バイオマスの種類
設備規模とエネルギー利用形態のイメージ
1t/日
10t/日
100t/日
300t/日
1000t/日
森林バイオマス
林地残材
工場端材
生産端材
おが粉・バーク
ペレット
チップ
建設廃材
エネルギーの
利用形態と用途
直接燃焼発電
・熱利用
ガス化発電
(主に自家消費)
小規模
ペレットストーブ
・・・住宅・公共施設
ペレット(チップ)ボイラー
・・・公共施設
ガス化発電
・・・工場内利用
直接燃焼発電
・熱利用
ガス化発電
(自家消費及び場外供給)
-海外事例-
中規模~大規模
直接燃焼発電・・・工場利用、売電
直接燃焼熱利用
・・・木材乾燥、工場熱源、暖房、給湯、冷房
海外での直接燃焼利用・・・売電、地域熱供給
海外でのガス化発電、石炭混焼発電・・・売電
出典:NEDOバイオマスエネルギー導入ガイドブック
ガス化炉の種類と特徴
ガス化方式
(炉形式)
固定床
ダウンドラフト型
アップドラフト型
噴流床
ガス
ガス
ロータリーキルン
バイオマス
ガス化剤
バイオマス
(媒体)
ガス
ガス化剤
炉イメージ図
バイオマス
ガス化剤
バイオマス ガス
バイオマス
流動床
キルン
回転
ガス
ガス化剤
原料
破片、ブロック
破片、ブロック
バイオマス
700~1100℃ 700~900℃
ガス化温度
備考
規模
タール
用途等
小規模対応
タール比較的少
発電用
簡易・小型地域
分散
対応型としての
実証例あり
小規模対応
一次発生タール多
発電用
破片、ブロック
粉体状
破片、ブロック
650~900℃ 800~1000℃ 700~1000℃
大規模
一次発生タール多
発電(コジェネ)用
液体燃料製造も可
構造により
バブリング型、
循環流動床型など
多種存在
中~大規模
一次発生タール少
組成ガス調整が
中~大規模
一次発生タール多
後段に改質部位を
容易で液体燃料
製造に適す
発電用も可
設けることにより
タール減少
発電用
発電・コジェネ技術の課題
発電・コジェネの課題
• 原料の安定的確保
• 小型高性能機器の開
発(ガスエンジン発電)
• タール生成の抑制
• 高率的前処理(粉砕、
乾燥など)
• 電気・熱の有効利用
• 制度的支援
各種原料、製品の炭素換算(市場)価格
○ポリ乳酸 (9.6)
1.5
○木炭 (1.36)
○澱粉 (3.3)
○エタノール (1.31)
1.0
0.5
○水素 (0.66)
○メタノール (0.54)
○電気 (0.47)
○ナフサ (0.36)
0
製品
○木質ペレット (0.53)○未利用樹 (0.9)
○間伐材 (0.64)
○天然ガス (0.45) ○林地残材 (0.4)
○原油(0.32)
○製材残材 (0.2)
○一般炭 (0.07)
○建築廃材(-0.1)
-0.5
化石資源
○食品廃棄物(-0.9)
単位:円/C(1g-atom=12g)
バイオマス
再生可能エネルギー全量固定買取制度の導入
-基本的な考え方-
再生可能エネルギーの導入は「地球温暖化対策」のみならず「エ
ネルギーセキュリティの向上」、「環境関連産業育成」の観点から
低炭素社会と新たな成長に貢献
「再生可能エネルギーの導入拡大」、「国民負担」、「系統安定化
対策」のバランスをとり国民負担をできる限り抑えて最大限の導
入効果
導入量は3,200万~3,500万kW程度増加し、CO2は2,400万~
2,900万トン削減の見込み。2020年までに再生可能エネルギー
関連市場が10兆円規模。買取制度による標準的家庭の負担は
150円~200円/月程度(導入後10年目の試算)
再生可能エネルギー全量固定買取制度の導入
-バイオマスの要件など-
買取対象、買取範囲:研究開発段階の技術は除き実用化段階の発電方式を採用
既存用途から発電用途への転換で供給逼迫や市況高騰が起こらないこと
森林破壊や生物多様性に影響を及ぼさない持続可能な利用
LCA的な観点からトレーサビリティ確保の仕組み等を整備
買取価格は20円/kWhが最低限、買取期間は15年~20年
RPS制度は廃止が適当
現在、RPS制度の対象となっている既存施設の中でRPS制度導入以前に運転を開始した設備につ
いては、事業の計画時点においてはRPS価値の存在を前提とした買い取りを見込んでいるとは言
えず、このためRPS制度が廃止されても当初の投資回収計画には影響はないと考えられ特段の措
置は不必要
RPS制度導入以降に運転を開始した設備であって、同制度の新エネルギー等発電設備として認定
された設備を対象として措置を講ずるべき。RPS制度下において設備を運転させていた期間(Z)に
ついては、新設設備の買取期間(Y:15年~20年)に準じて、買取期間から設備の運転期間を差し
引いた残りの期間(Y-Z)について買取りを行うことが適当
木質系バイオマス発電の経済性
木質バイオマス原料: 年間5万トン (含水率50%、比重0.8)
木質エネルギー: 3,500kacl/kg(乾燥基準)
稼働率: 80%
発電効率: 20%
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木質バイオマス量(乾燥基準):2x104 トン
木質バイオマスの総エネルギー(2x104 x 103 x 3.5 x 103kacl): 7x107Mcal
総発電量( 木質バイオマスの総エネルギー x 0.2 x 1.163) : 1.63 x 107 kWh
プラント規模: 総発電量 / 稼働率 / 8760= 2300kW
* 仮に1kWhが20円であれば、年間の電力量は約3.2億円に相当
家畜排泄物処理によるバイオガス生産と経済性
搾乳牛数: 100頭
発生糞尿量: 65kg/頭/日
処理量: 6.8m3/日
ガス発生量: 204m3/日 (30m3/m3、 有機物分解率; 40%)
発電量/日: 374kWh/日
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支出: バイオガスプラント建設一式、発電機建設一式、廃水処理費用、
メンテナンス費用
収入: 発電、嫌気性処理に対する便益評価価格
仮に1kWhが20円とすれば年間で売電価格は約260万円
ご静聴有難うございました
横山 伸也
[email protected]