「使用上の注意」の改訂に伴うお知らせ - Janssen Pro

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医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。-
「使用上の注意」改訂のお知らせ
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
(一般名:ミルナシプラン塩酸塩)
発 売 元
製造販売元
2013年3月
ヤンセンファーマ株式会社
旭化成ファーマ株式会社
この度、標記製品の「使用上の注意」を一部改訂致しましたので、お知らせ申し上げます。
今後のご使用に際しましては、下記の改訂部分にご留意の上、添付文書をご参照下さいますようお願い申し上
げます。
1�改訂の概要
1)「効�・効果に関�する使用上の注意」の項に“18歳未満の患者での有効性に関する注意”
を記載するとともに、「小児等への投与」の項の内容を一部改訂しました。
2)“高血圧の発現に関する注意”として、「重大な副作用」の項に“高血圧クリーゼ”、「慎重
投与」の項に“高血圧のある患者”及び「重要な基本�注意」の項に“血圧・脈拍数等を測定
すること”を追記しました。
3)副作用の概要及び副作用発現頻度を改訂しました。
4)「�の�の副作用」の項に“血圧低下”及び“上室性頻拍”を追記しました。
5)「臨床成�」の項に製造販売後臨床試験の結果を追記しました。
2�改訂内容
(
部:薬食安に基づく改訂,
改
訂
部:自主改訂,
後
部:頻度改訂箇所,取り消し線:削除箇所)
改
�効�・効果に関�する使用上の注意�
1、2.
略(現行より変更なし)
3.類薬において、海外で実施された18歳以下の大
うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照臨
床試験において有効性が確認できなかったとの
報告がある。本剤を18歳未満の大うつ病性障害
患者に投与する際には適応を慎重に検討するこ
と。[「7.小児等への投与」の項参照]
訂
前
�効�・効果に関�する使用上の注意�
1、2.
略
1
改
訂
後
改
訂
前
��用上の注意�
��用上の注意�
1.��投与
1.��投与
(1)~(12)
略
(1)~(3)
略(現行より変更なし)
(4)高血圧のある患者[高血圧クリーゼがあらわれる
ことがある。
]
(5)~(13)
略(番号の繰り下げ。内容変更なし。
)
2. ��な��的注意
2. ��な��的注意
(1)~(5)
略
(1)~(5)
略(現行より変更なし)
(6)高血圧クリーゼ、血圧上昇があらわれることがあ
るので、適宜血圧・脈拍数等を測定し、異常が認め
られた場合には、減量、休薬又は中止するなど適切
な処置を行うこと。特に、高血圧又は心疾患のある
患者に対しては定期的に測定すること。
4. 副作用
4. 副作用
略
略(現行より変更なし)
また、製造販売後臨床試験の症例303例中、217例
(71.6 %)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が
報 告 さ れ た 。 そ の 主 な も の は 、 悪 心 ・ 嘔 吐 98 例
(32.3%)
、便秘38例(12.5%)
、頭痛30例(9.9%)、
排尿障害(尿閉、排尿困難)30例(9.9%)
、頻脈29
例(9.6%)
、腹痛29例(9.6%)等であった。
(製造
販売後臨床試験終了時)
(1)��な副作用
(1)��な副作用
1)~7)
略
1)~7)
略(現行より変更なし)
8)高血圧クリーゼ(頻度不明):高血圧クリーゼがあ
らわれることがあるので、血圧の推移等に十分注意
しながら投与すること。異常が認められた場合には
投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(2) その�の副作用
頻度
分類
循環器
5%
以上
0.1~5%未満
(2) その�の副作用
0.1%
未満
起立性低血圧、
頻脈、動悸、血
圧上昇
頻度
頻度
不明
分類
血圧低
下、上室
性頻拍
循環器
消化器 悪心・ 口渇、腹痛、腹部 飲水量
嘔吐、 膨満感、胸やけ、 増加
便秘
味覚異常、舌異
常、食欲不振、
食欲亢進、口内
炎、下痢
5%
以上
0.1~5%未満
0.1%
未満
起立性低血圧、
頻脈、動悸、血
圧上昇
消化器 悪心・ 口渇、便秘、腹痛、 飲水量
嘔吐
腹部膨満感、胸 増加
やけ、味覚異常、
舌異常、食欲不
振、食欲亢進、
口内炎、下痢
2
頻度
不明
改
訂
後
改
訂
前
7.����の投与
7.����の投与
(1)、(2)
略(現行より変更なし)
(1)、(2)
略
(3)類薬において、海外で実施された18 歳以下の大 (3)パロキセチン塩酸塩水和物において海外で実施
うつ病性障害(DSM-IV*における分類)患者を対
された7~18 歳における大うつ病性障害
象としたプラセボ対照の臨床試験において有効性
(DSM-IV*における分類)患者を対象としたプ
ラセボ対照の臨床試験において有効性が確認で
が確認できなかったとの報告がある。
きなかったとの報告がある。
*DSM-IV:American Psychiatric Association
*DSM-IV:American Psychiatric Association
(米国精神医学会)のDiagnostic and
(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical
Statistical Manual of Mental Disorders, 4th
Manual of Mental Disorders, 4th edition
edition(DSM-IV 精神疾患の診断・統計マニュ
(DSM-IV 精神疾患の診断・統計マニュアル)
アル)
【臨床��】
【臨床��】
1、2.
略(現行より変更なし)
1、2.
略
3.製造販売後臨床試験
製造販売後に、本剤(ミルナシプラン塩酸塩)又は
パロキセチン塩酸塩水和物(パロキセチンとして
30又は40mg/日)を9週間投与する二重盲検比較
試験15)を実施した。本剤100mg/日群及びパロキ
セチン塩酸塩水和物群のハミルトンうつ病評価尺
度(HAM-D17)合計スコアの変化量は下表のと
おりであり、本剤100mg/日のパロキセチン塩酸塩
水和物に対する非劣性(非劣性限界値Δ=2.0)が検
証された。
HAM-D17
合計スコア
ミルナシプラン
塩酸塩
100mg/日群
(N=249)
パロキセチン
塩酸塩水和物群
(30 又は 40mg/日)
(N=253)
開始時
22.1 ± 3.4
22.1 ± 3.2
最終
評価時
9.2 ± 6.0
9.0 ± 6.0
変化量
-12.9 ± 5.8
-13.1 ± 6.2
0.1
(-1.1~1.3)
-
パロキセチン塩酸塩
水和物群との差※2
※2 ( )はDunnett型の95%同時信頼区間
Mean ± S.D.
【主要文献】
【主要文献】
1~16)
略
1~14)
略(現行より変更なし)
15)社内資料:ミルナシプラン塩酸塩の製造販売後
臨床試験
16)~17) 略(番号の繰り下げ。内容変更なし。
)
��改訂��
� �����医薬�����対�����(��25�3�29日�)に���改訂
� �主改訂
3
���
�
�)18 歳未満の大うつ病性障害患者での有効性
従来、パロキセチン塩酸塩水和物において海外で実施された7~18歳の大うつ病性障害患者での臨
床試験成績に基づき「��等への投与」の項に記載し、注意喚起を行ってきました。今回、パロキ
セチン塩酸塩水和物以外の類薬においても海外で実施された18歳未満の大うつ病性障害患者を対
象としたプラセボ対照臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告があることから、「効
�・効果に関�する使用上の注意」に記載し、又「��等への投与」の項の内容を一部改訂しまし
た。
18歳未満の大うつ病性障害患者での本剤の投与に際しましては、適応を慎重に検討して頂くようお
願いいたします。
�)高血圧の発現に関する注意
現在までに、本剤との因果関係が否定できない重篤な「高血圧、血圧上昇」の副作用報告が8例集
積され、臨床症状(痙攣等)が認められた例も報告されていることから、「重大な副作用」の項に
「高血圧クリーゼ」を追記しました。また8例中4例では、心疾患あるいは高血圧合併患者であった
ことから、「慎重投与」の項に「高血圧のある患者」を追記し、「重要な基本的注意」の項に適宜
血圧・脈拍数等を測定すること、特に高血圧又は心疾患のある患者に対しては定期的に測定するこ
とを記載しました。
重篤な「高血圧、血圧上昇」発現例における発現時期は、8例中3例は投与3日以内の早期に発現し
ていますが、半年以上投与した後に発現した例もあります。
本剤の投与にあたっては血圧の推移等に十分注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適
切な処置を行ってください。
発現症例のうちの1症例を以下に示します。
<症例の概要>
患者
性・
使用理由
年齢
(合併症)
男・ 抑うつ状態
40代 (側頭葉て
んかん、て
んかん性精
神病、高血
圧)
副作用
1日投与量
投与期間
50mg
3日間
経過及び処置
高血圧性脳症・大発作重積状態
投与開始日
投与 3日目
(投与中止日)
他剤に代えて、本剤 50 mg/日の投与開始。
午前中に排尿困難、便秘の愁訴あり。
午後 5 時頃、全身倦怠感がみられる。血圧:158/98 mmHg。
本剤の投与中止。
午後 6 時 15 分、血圧:208/130 mmHg。
ニフェジピン 10 mg 舌下投与で、血圧:190/122 mmHg
までしか下がらず、患者より「ボーッとしてしんどい」との愁
訴あり。
午後 9 時頃、ニフェジピン 10 mg 舌下投与。
午後 10 時 35 分、血圧:220/132 mmHg。悪寒とともに
両下肢を中心に全身痙攣発作がみられた。
その後、痙攣発作が頻発し、血圧も下がらないため、各種モニ
ター装着、ルート確保。ニカルジピン塩酸塩 2A 点滴静注、ジ
アゼパム 4A 静注で高血圧は改善。
CT で、くも膜下出血等を除外後、脳外科へ転科。
フェニトインナトリウム点滴静注で痙攣発作はコントロールで
きた。
意識清明、発作はなく、血圧も 140/80 mmHg 前後で安定し
た。回復。
中止1日後
併用薬:ブロムペリドール、カルバマゼピン、アズレンスルホン酸ナトリウム・L-グルタミン、
フルニトラゼパム、レボメプロマジン、アムロジピンベシル酸塩、アルプラゾラム
4
�)副作用の概要及び副作用発現頻度
製造販売後臨床試験の結果に基づき、副作用の概要及び副作用発現頻度を改訂しました。
�)その他の副作用
○ 血圧低下
現在までに本剤との因果関係が否定できない「血圧低下」の副作用報告が21例集積されたことか
ら、「その他の副作用」の項に「血圧低下」を追記し、注意喚起を行うこととしました。
発現症例のうちの1症例の概要を以下に示します。
<症例の概要>
患者
性・
使用理由
年齢
(合併症)
男・
うつ状態
70代 (高血圧症、
慢性腎不
全、高尿酸
血症、不安
神経症、高
コレステロ
ール血症、
慢性副鼻腔
炎)
副作用
1日投与量
投与期間
50mg
14日間
経過及び処置
血圧低下
投与前
投与開始日
投与 9日目
血圧:152~156/56~72 mmHg。
本剤 50 mg/日の投与開始。
血圧低下発現(血圧:94/60 mmHg)。不整脈、心筋梗塞
否定のため心電図、採血を行ったが、異常なし。立ちくらみ、
ふらつきはなし。
血圧:86/50 mmHg。心電図異常なし。
本剤の投与中止。
血圧:150/48 mmHg。回復。
投与14日目
(投与中止日)
中止27日後
併用薬:ニフェジピン、イミダプリル塩酸塩、オルメサルタン メドキソミル、ベニジピン塩酸塩、
ベンズブロマロン、アロプリノール、プラバスタチンナトリウム、ロフラゼプ酸エチル、
リゾチーム塩酸塩、クラリスロマイシン、クレマスチンフマル酸塩
○ 上室性頻拍
現在まで「その他の副作用」の項に「頻脈」を記載し、注意喚起を行ってきましたが、本剤との
因果関係が否定できない「上室性頻拍」の副作用報告が5例集積されたことから、より具体的な
副作用名として「上室性頻拍」を追記し、注意喚起を行うこととしました。
発現症例のうちの1症例の概要を以下に示します。
<症例の概要>
性・
年齢
女・
80代
患者
使用理由
(合併症)
うつ病
(多発性脳
梗塞症)
副作用
1日投与量
投与期間
25mg
4日間
経過及び処置
上室性頻拍症・洞性頻脈
投与前
投与開始日
投与3日目
心拍数は80台で経過しており、他の不整脈は認めなかった。
本剤25 mg/日の投与開始。
うつ状態はやや改善傾向。モニター上、心拍数100台に上昇。
洞性頻脈も認めたが、経過観察とした。
午後1時頃より、心拍数200台の上室性頻拍を認めた。
本剤の投与中止。ベラパミル塩酸塩の投与にて改善。回復。
投与4日目
(投与中止日)
併用薬:フルボキサミンマレイン酸塩、チクロピジン塩酸塩、ニセルゴリン、ファモチジン
�)臨床��
製造販売後に実施した二重盲検比較試験において本剤(ミルナシプラン塩酸塩)のパロキセチン塩酸
塩水和物に対する非劣性が検証されたため、その結果について記載しました。
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最新添付文書情報は医薬品医療機器総合機構情報提供ホームページ(http://www.info.pmda.go.jp/)に
掲載されていますので、あわせてご利用ください。
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