様式1-1 経営分析報告書 団体名 ( 横浜シティ・エア・ターミナル株式会社 ) 横浜シティ・エア・ターミナル株式会社 団 体 概 要 (平成20年7月1日現在) 所在地 横浜市西区高島二丁目19番12号横浜スカイビル15階 URL http://www.ycat.co.jp/ 代表者 代表取締役社長 寺澤成介 資本金 3,000,000 千円 ( うち本市出資額・割合 (TEL) 459-4861 設立 昭和54年1月18日 平成20年6月23日 就任 ) 1,550,000 千円 ・ 51.7 % ) ( 主務官庁 国土交通省 市所管課 都市整備局企画部企画課 設立目的 新東京国際空港の開港に伴い、横浜市をはじめ神奈川県域在住の航空旅客に対する 利便増進のため、神奈川県及び横浜市の支援を得て、横浜商工会議所など地元経済団 体の発起により設立されました。 団 体 の 役 割 (平成20年7月1日現在) 横浜市が 期待する 役割 [所管局] 羽田・成田両空港へのアクセス確保及びエア・ターミナル機能の拡充等を行うこと により、横浜市民及びその他の神奈川県民に対する利便性の向上及び交通拠点性の強 化に寄与することを期待しています。 団体の 抱える 経営課題 [団体] 空港アクセスの競争激化や燃油高騰、景気の停滞などにより厳しさを増すなか、羽 田空港再拡張・国際化及び成田空港の暫定平行滑走路の延長による航空旅客の増加 や、みなとみらい地区を中心に住居、ビジネスの集積が進展すること等による空港ア クセスニーズの高まりに対応し、新たな利用客を獲得して収益の黒字を確保するこ と。 将来の 経営見通し [団体] 国内景気の低迷や原油高に伴う旅行費用の高騰により航空旅客が減少し、当社の利 用客への影響が懸念されます。航空・旅行業界においては、航空券のチケットレス化 やホールセラーのインターネット直販が進み、店舗販売は売上の減少が続くと予想さ れます。 このような状況において、空港アクセスの競争激化や雇用改善等にも対策を講じな ければならず厳しい状況ですが、各部門の収益向上や効率的な経営に努めています。 また、累積損失を解消し、企業体力の強化を図り、将来の羽田空港国際化・成田空 港滑走路延長に伴う航空旅客の増加や、MM地区の開発による空港アクセスニーズの 高まりに対応して発展を目指します。 主 要 事 業 (平成20年7月1日現在) (1)シティ・エア・ターミナル及び自動車ターミナル等交通施設の運営 (2)航空運送事業者、航空旅客及び航空貨物並びに自動車運送事業者に対する役務の提供 (3)旅客から依頼された宅配便等の取扱業務 (4)土産品、食料、衣料品及び日用雑貨等、旅行に必要な物品の販売 (5)旅行の主催及び旅行代理店業務 (6)旅行者が加入する旅行損害保険等の損害保険代理店業務 様式1-2 経営分析報告書 事 業 実 績 ( 横浜シティ・エア・ターミナル株式会社 ) (各年度3月31日現在) (1)ターミナル事業 指標の推移 成田線バス発着回数 羽田線バス発着回数 和歌山線バス発着回数 岡山線バス発着回数 主要な事業量 下関線発着回数 台場線バス発着回数 幕張線バス発着回数 東扇島線バス発着回数 はとバス発着回数 成田線利用客 羽田線利用客 和歌山線利用客 岡山線利用客 下関線利用客 台場線利用客 主要な事業効果 幕張線利用客 東扇島線利用客 はとバス利用客 横須賀西線利用客 ANAチェックイン数(国内) JASチェックイン数(国内) JALチェックイン数(国内) H15 H16 32,887 91,452 824 693 36,265 91,052 860 774 9,260 7,171 6,013 9,230 6,055 5,985 226 733,519 2,134,900 7,426 5,855 609,989 2,223,000 6,680 4,046 74,641 36,796 166,881 78,030 34,584 180,850 968 101,630 21,637 37,647 145,366 0 106,823 H17 H18 H19 36,435 41,275 43,285 91,184 91,909 92,615 870 833 773 781 778 772 798 508 9,222 9,243 9,218 1,987 506 870 6,429 7,473 8,186 1,025 933 764 751,672 789,378 790,296 2,056,800 2,084,600 1,971,100 7,092 6,336 7,032 6,665 6,008 6,694 3,060 2,139 82,743 84,291 91,082 27,422 11,627 29,949 203,935 249,364 272,991 6,964 5,151 4,040 13,043 40,219 143,856 138,101 103,035 0 0 0 120,341 122,905 115,761 ◆ 事業実績に関するコメント 団 体 空港へのバスアクセス路線の競合激化に加え、鉄道アクセスも強化され、利用者の分散化に拍車 がかかっています。平成19年度の利用客は、成田空港線では前年を若干上回ったものの、羽田空港 線は前年を下回りました。 このような状況のなか、便利で快適なアクセスを提供するため、バス定時性の確保や施設のリ ニューアルを図り利用者満足度の向上に努めるとともに、市民に親しまれるターミナルを目指して イメージキャラクターの名称公募などを実施しました。 所 管 局 横浜シティ・エア・ターミナルは、成田・羽田空港へのアクセス交通施設として、市民の利便性 向上に資する公共公益性の高い事業を行っています。 今後、空港へのバスアクセス路線の競争激化や、鉄道路線の大規模整備など厳しい経営環境が予 想されるため、バスターミナルとしての利便性や顧客満足度の向上を図るなど、主力となる空港線 の利用者の確保が求められます。 評価アドバイザー 横浜シティ・エア・ターミナルには公共性・公益性の高いバスターミナルの運営という役割が求 められていますが、直接的にはその役割と関係の薄い旅行代理店事業も行われています。現状、旅 行代理店事業は経営努力もあり収支ゼロに近い状態ですが、手数料水準の下落やインターネット予 約の増加等の原因により、今後収支が悪くなるおそれがあります。このため、旅行代理店事業から 撤退することも検討する必要があるといえます。 バスは時間が読みにくいという一般的なイメージを払拭するためにも、遅延率1.4%という数字は ホームページやパンフレット等により積極的に情報発信すべきであるといえます。 様式1-3(株式会社) 経営分析報告書 財 務 状 況 貸 借 対 照 (各年度3月31日現在) 表 (単位:千円) 18年度 19年度 <資産の部> 資 ○ 平成19年度決算の特徴[団体] 3,251,492 1,095,293 2,156,199 3,319,723 1,087,125 2,232,598 計 324,831 197,684 127,148 329,055 191,613 137,442 合 計 2,926,661 3,000,000 2,990,667 3,000,000 算 書 産 合 流動資産 固定資産 計 <負債の部> 負 債 合 流動負債 固定負債 <純資産の部> 純 損 資 産 資本金 益 計 ( 横浜シティ・エア・ターミナル株式会社 営業収益 営業費用 営 業 利 益 営業外収益 営業外費用 経 常 利 益 特別損益 税引前当期純利益 当 期 純 利 益 (単位:千円) 18年度 4,634,271 4,546,342 87,930 2,285 89 90,125 △ 99,415 9,290 △ 7687 [財政支援状況] 19年度 4,588,139 4,479,488 108,651 4,519 150 113,021 △ 1,259 111,761 64,126 ○ 財政支援状況の特徴[団体] 平成19年度は、横浜市から、ターミナル施設整 備補助金を受けております。バス駐待機場やバス 進入路は、市有地を借り受けています。平成18年 10月より観光バスターミナル54番館の管理を無償 で受託しています。 (単位:千円) 18年度 補助金 委託料 市税等の減免 損失補償額 新規借入額 借入金残額 平成19年度は、長引く景気の低迷や原油高によ る旅行費用の高騰が、海外旅行者の動向に少なか らず影響を与えました。また、航空券や旅行商品 はインターネット販売等による直販が普及し、当 社店頭販売は減少が続いています。 このように厳しい環境にあって、増売策を講じる とともに経費を抑制し、運用益を安定的に確保す るなど、効率的な経営に努めました。その結果、 営業損益は1億円を確保し、累積損失も順調に減少 しています。 0 0 0 0 0 0 19年度 補足説明 4,500 バスターミナル施設整備費 0 0 0 0 0 ◆ 財務状況に関するコメント 団 体 単年度黒字を確保して累積損失を解消し、経営の黒字化を目指しています。バスターミナル事業収 入を強化するため、ターミナル施設使用料の適正化に向け、バス会社に対し料金の値上げ折衝をして います。また、旅行部門の収支を改善するため、営業時間の見直しを行うとともに人員を削減し、効 率的な運営に努めています。 現在、財務諸表の信頼性を確保するための「財務報告に係る内部統制」の整備を進め、業務の効率 化と併せてITの導入も検討しています。 所 管 局 平成19年度については、団体に対して補助金を支出していますが、これは国のバス利用促進等総合 対策事業に基づき、支出したものです。 ここ数年間の経営改善の結果として、単年度黒字が継続されており、近い将来、累積損失の解消が 期待されています。今後も、団体による経営改善の成果を期待しており、本市が団体に対して財政的 支援する予定は、今のところありません。 評価アドバイザー 無借金経営であり、経営成績も安定しているため、他の外郭団体に比べ財務状態は良好です。しか し、他の交通機関の充実、経済情勢の悪化等により、今後経営成績の悪化も考えられるため、一部の 主要路線のバスターミナル使用料の見直しやバスターミナル稼働率の向上を目指して新規路線需要の 開拓・誘致といった更なる収入増加に向けた取り組みが望まれます。 平成19年度にバスターミナルの整備補助金を受けていますが、その他の経常的な補助金や損失補償 等の財政的支援は行われていません。 ) 様式1-4 経営分析報告書 ( 横浜シティ・エア・ターミナル株式会社 ) 人 事 組 織 (役職員数は各年度7月1日現在、人件費総額は各年度3月31日現在) 役 職 員 数 (単位:人) 役 員 常勤役員 固有 市現職 市OB 非常勤役員 固有 市現職 市OB 職 員 固有 市派遣 市OB 嘱 託 員 固有嘱託 市OB嘱託 数 数 数 人 件 費 総 額 (単位:千円) 20年度 19年度 15 4 0 0 2 11 0 0 1 46 44 0 0 0 0 0 ※職員数は、嘱託員数やアルバイト数を除く 15 4 0 0 2 11 0 0 1 44 42 0 0 0 0 0 人 件 費 総 額 (a) 役員報酬 職員人件費 退職給与引当預金支出額 法定福利費 当 期 収 入 (b) 人 件 費 割 合 (a/b) 18年度 259,709 21,856 235,948 21,847 29,138 4,636,557 5.6% 19年度 260,974 23,928 194,258 13,463 29,325 4,592,658 5.7% ※人件費は、嘱託員やアルバイトを除く 平 均年 齢・ 年齢 構成 (19年4月1日~20年3月31日までの実績) 年齢構成 区分 平均年齢 30歳 30歳 40歳 50歳 60歳 未満 代 代 代 代 全職員 38.2歳 7人 21人 10人 うち 固有職員 37.5歳 7人 21人 10人 9人 0人 7人 0人 ※全職員は、役員や嘱託員及びアルバイトを除く ◆ 人事組織に関するコメント 団 体 組織編成の見直しにより適正体制への改善を図るとともに、人事・賃金制度の改善による適正配置や 人材確保に努めています。 また、登用制度を推進して人材活用を図るとともに、定期的に配置転換を行い育成に努めています。 所 管 局 団体への職員派遣については必要最小限とする市の方針に基づき、現在、固有職員の派遣は行ってい ません。今後も、会社を取り巻く状況等に変化がない限り、派遣の予定はありません。 なお、常勤役員4名のうち横浜市OB1名は、週1回勤務・無給であることから、実質的には「常勤役 員3名うち横浜市OBが1名」と考えております。 評価アドバイザー 社内LAN導入後に会計システム等の改善を予定されているとのことですが、その際には帳票出力・ データ連携・セキュリティ対応などシステムが具備すべき要件やその優先度を見極めるとともに、パッ ケージ購入によらない調達方法(いわゆるASPやSaaS)の選択も視野にいれるなど、初期導入・運用 トータルのライフサイクルコストを考慮した上で再検討することが望まれます。 投資有価証券の中に上場株式が含まれています。過去において業務上の関係で取得したとのことです が、現在は当該会社と業務上の関係は無く、適時に処分することを検討する必要があります。 常勤役員4名中、横浜市OBは1名(実質的には常勤役員3名・横浜市OB1名)、正職員には横浜市職 員・OBはゼロとなっています。他の外郭団体に比べれば横浜市の人的支援は過剰ではありません。 評価アドバイザーによる総合評価 (平成20年度経営分析結果) 団体の方向性 引き続き経営努力を期待 ・ 事業等の再整理を含めた見直しが必要 ・ 市の関与の見直しが必要 横浜市からの経常的な財政支援は行われておらず、繰越欠損も解消される見込みであり、他の外 郭団体に比べ財務状態・経営成績も良好といえます。今後、外郭団体の枠にとらわれず、より自由 に経営を行い事業収入の拡大を図るのであれば、株式の一部売却等の横浜市の関与度合いの見直し が必要といえます。 ※ 評価アドバイザーとは 専門的な視点と中立的立場から団体への調査や評価関係書類の作成を行うことを目的として、公認会計士(監 査法人)と市職員から構成される監察チームをいう。 様式2 自己評価等分析シート 団体名 横浜シティ・エア・ターミナル株式会社 評価アドバイザーの所見 公益的使命の達成 横浜シティ・エア・ターミナルには公共性・公益性の高いバスターミナルの運営という役割が求められてい ますが、直接的にはその役割と関係の薄い旅行代理店事業も行われています。現状、旅行代理店事業は経営努 力もあり収支ゼロに近い状態ですが、手数料水準の下落やインターネット予約の増加等の原因により、今後収 支が悪くなるおそれがあります。このため、旅行代理店事業から撤退することも検討する必要があるといえま す。 バスは時間が読みにくいという一般的なイメージを払拭するためにも、遅延率1.4%という数字はホームペー ジやパンフレット等により積極的に情報発信すべきであるといえます。 財 務 の 改 善 無借金経営であり、経営成績も安定しているため、他の外郭団体に比べ財務状態は良好です。しかし、他の 交通機関の充実、経済情勢の悪化等により、今後経営成績の悪化も考えられるため、一部の主要路線のバス ターミナル使用料の見直しやバスターミナル稼働率の向上を目指して新規路線需要の開拓・誘致といった更な る収入増加に向けた取り組みが望まれます。 組織・業務の改善 社内LAN導入後に会計システム等の改善を予定されているとのことですが、その際には帳票出力・データ 連携・セキュリティ対応などシステムが具備すべき要件やその優先度を見極めるとともに、パッケージ購入に よらない調達方法(いわゆるASPやSaaS)の選択も視野にいれるなど、初期導入・運用トータルのライフサイ クルコストを考慮した上で再検討することが望まれます。 投資有価証券の中に上場株式が含まれています。過去において業務上の関係で取得したとのことですが、現 在は当該会社と業務上の関係は無く、適時に処分することを検討する必要があります。 財 政 的 支 援 平成19年度にバスターミナルの整備補助金を受けていますが、その他の経常的な補助金や損失補償等の財政 的支援は行われていません。 人 的 支 援 常勤役員3名のうち横浜市OBが1名、正職員には横浜市職員・OBはゼロとなっています。他の外郭団体に 比べれば横浜市の人的支援は過剰ではありません。 協 約 平成20年度においては、累積損失の前倒しでの解消を始めとして各協約事項は達成する見込みであります。 但し、上述したとおり最近の経済情勢により、客足は減少気味であり、来期以降の達成はより一層の経営努力 が必要となっています。 総 ( 合 評 ~ 団体の方向性について ~ 価 引き続き経営努力を期待 ・ 事業等の再整理を含めた見直しが必要 ・ 市の関与の見直しが必要 ) 横浜市からの経常的な財政支援は行われておらず、繰越欠損も解消される見込みであり、他の外郭団体に比 べ財務状態・経営成績も良好といえます。今後、外郭団体の枠にとらわれず、より自由に経営を行い事業収入 の拡大を図るのであれば、株式の一部売却等の横浜市の関与度合いの見直しが必要といえます。
© Copyright 2024 ExpyDoc