横浜ファッションデザイン専門学校(YFD)で学ぶ留学生

23年度も多くの留学生がチュータープログラムを利用しました
現代留学生 事
情 ∼シリーズ●大学・専門学校の留学生戦略∼
横浜市内の大学や専門学校に通う留学生からの依頼を受けて、日本語を個別に指導してくださるチューターを紹介す
横浜ファッションデザイン専門学校
(YFD)
で学ぶ留学生
るのが横浜市国際学生会館のチュータープログラムです。ボランティアで活動できる18歳以上の市内在住・在勤・在学
の方であれば、
どなたでもチューターとしてご登録いただけます。特別な資格は必要ありません。
23年度は延べ42人の留学生・家族等にチューター
JR京浜東北線の鶴見駅から徒歩1分に位置しているYFD。プラ
に日本語に堪能で、
熱心に授業に取り組んでいます。
ットフォームから、
また、東口改札前の窓から校舎が見える好立地
留学生の出身地は、中国をはじめ、
フィリピン、ネパール、
ミャン
を紹介しました。
レッスン内容は、読み書きや日常会話
条件です。横浜、川崎、東京にも近く、
マーケティング等を学ぶのに
マー、韓国となっています。
の練習のほか、
レポート・卒論の文章チェック、
日本語能
最適の学習環境が整っています。
YFDでは、少人数のクラス単位となっているため、校長をはじめ
力試験の受験勉強などさまざまです。日本での就職を
目指す留学生からは、
「エントリーシートの日本文がお
かしくないか見てほしい」
「面接の練習相手になってほ
しい」
という依頼もあります。最近は英語で指導できる
チューターの需要が高まっています。
チューターのための指導法講座
23年度チュータープログラム実績
こうした活動に関心のある方は、ぜひ学生会館にお
問合せください。
YFDは、1948年に創立しました。現在、
ファッションクリエイテ
教職員と留学生との距離が近く、
日々いろいろな悩み、相談や就職
ィブ科、
ファッションビジネス科、そして、ザッカ・インテリア科の2年
活動支援を行なっています。もちろん、
日本人学生との交流も盛ん
制3学科7コースに加え、
1年制進学課程ファッションデザイン科が
です。
設置されている、
ファッション
(服飾)専門の学校です。
修学以外に、
ニューヨークやパリへの海外研修に参加している留
卒業後、ほとんどの学生はファッション業界、アパレル企業に就
学生もいます。短期間ですが、最新のファッション事情をマーケティ
職しています。自国の企業に就職する留学生もいます。
ングし、FIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)で受講し、服飾
YFDの留学生は各学科に数名ずつ在籍しています。日本人以上
文化やテキスタイルなどの学ぶ絶好の機会を自ら得ています。
また、横浜で開催されるいろいろなイベント等に
チューター登録者
109人(男性48人、女性61人)
も積極的に参加しています。地場産業(横浜スカー
プログラムを利用した留学生
延べ42人
フ:横浜繊維振興会など)活性化の一役を担っても
留学生の出身地
中国、韓国、ベトナム、モンゴル、
ウ
ズベキスタン、エジプト、スリラン
カ、
タイ、台湾、
ブラジルなど
留学生の在籍校
横浜国大、横浜市大、明治学院大、
東京工業大、東京都市大、慶應大、
理化学研究所、専門学校など
留学生の日本語レベル
(申請時の自己申告)
います。
YFDを卒業した留学生の中には、
アパレル企業の
最前線で販売職、技術職
(デザイナー、
パタンナー等)
として活躍している人もいます。北京の空港でアテン
ダントとして働いている卒業生もいます。留学生それ
ぞれが職場でがんばり、健康な生活を送っていると耳
にすることが、教職員一同の何よりの喜びです。
初級/10人、中級/18人、
上級/14人
「留学生と英語で語ろう!」
( 2/18(土) )
学生会館の語学講座は人気があります。
「留学生と英語で語ろう!」にも58
横浜ファッションデザイン専門学校
留学生によるコラム
か け は し
人の市民が参加し、
アメリカ、
ケニア、
スリランカ、中国、
フィリピン、ベトナムか
ら来た17人の留学生と交流しました。初級者のグループは日本語をまじえな
がら、
中級者はほぼ英語だけで、
上級者はノーマルスピードの英語で会話を楽
しんでいました。国内外のお薦め観光地、留学の目的や将来の夢、英語学習
のコツなど、
いろいろな話題で盛り上がったようです。
これまで「中国語/韓国朝鮮語/英語で語ろう!」は年1回ずつ開催してきま
したが、
「もっと機会を増やしてほしい」
というリクエストにお応えし、24年度
は「会話サロン
(全5回)
」形式で行うことにしました。
7月14日
(土)
からは「留学生をかこむ中国語サロン」がスタートします
(詳
細は学生会館HPをご覧ください)
。皆さまのご参加をお待ちしています。
カザフスタンを観光国家に
横浜商科大学
トゥルスペコフ カリムジャン
(カザフスタン)
私はカザフスタン出身で現在、横浜商科大学で観光と
ら来ました」
と言っても、
カザフスタンを知っている人は
貿易を学んでいます。よく先生や友達に何故日本に留学
わずかしかいません。それが、
日本で観光・貿易を学ぼう
しているのかと聞かれますが、私は実は10歳∼16歳ま
と思ったきっかけです。大学でいろいろなことを勉強し
で親の事情で日本に住んでいました。日本での生活には
て、将来少しでもカザフスタンに観光客を増やせたらと
迷い、不安もありましたが、優しい先生や友達に巡り合え
思います。日本の皆さんも是非一度カザフスタンに足を
て充実した6年間でした。私は日本が大好きになり、将来
運んでみてはいかがでしょうか。
は日本で勉強や生活をしたいと思うようになりました。
世界の
ことわざ
∼インド ∼
「手を黄色くする」
奇妙な表現ですか?「手を黄色くする」はインド独特のこ
とわざだと思います。インドの結婚式では、
花嫁さんはインド
に多く生育する植物のヘナという染料を手に塗って飾りま
す。ヘナを塗ると2週間位手が黄色くなり
ます。それで「手を黄色くする」
とは「結婚
母親が年頃の娘に「早く手を黄色くしな
アメリカへ行き、英語を学びました。アメリカでは文化、
さい(結婚しなさい)」
というように使いま
す。またヘナの色が濃いと、夫からより多
大変貴重な経験になりました。アメリカの短大を出てカ
く愛されると言われています。写真は私
ザフスタンで仕事をしながら、自分が本当にやりたいこ
の従兄が結婚した時の私の手です。イン
とを模索し続けました。カザフスタンで生まれ、
日本で育
ドでは従兄が結婚した時でも、親戚の女
ち、アメリカで学ぶ中で、私は他国の人と関わるのが本
性はヘナを手に塗ります。私の手のヘナ
当に好きなのだと気付きました。
の色は濃いので、
きっと将来夫からたくさ
でもその中で思ったことがあります。それはカザフス
ん愛されるでしょう。
タンという国が他国でほとんど知られていないというこ
とです。今も先生や学生会館の友達に「カザフスタンか
なるほど!
おもしろい!
する」の意味になります。このことわざは、
高校1年の時、
さらに新しいことに挑戦しようと思い、
宗教など自分とは正反対の人達とも多く出会い、それも
よこはま地球村 2012 No.72 夏
広告企画担当 小泉義隆
横浜市国際学生会館に住んでいるフィリピンのカジレス ジェム アンさん
(ファッションクリエイティブ科在籍)
国際学生会館の仲間たちと
(前列右から3人目が筆者)
(慶應義塾大学 ジェーン パリディ)
よこはま地球村 2012 No.72 夏