顔の印象評価の過程について(落合美佐)

26HP2-22
顔の印象評価の過程について
心理情報学科
1
落合美佐(指導教員
背景・目的
日常生活において人は他人を外見で判断す
る(中島・神山,1999)。そのとき印象は好印
田中吉史)
の内容は「普段化粧をするときに気をつかって
いること」と「感想や気づいた事」などだった。
3
結果・考察
象、悪印象に分かれるが、その判断基準が分か
12
れば好印象を意図的に与えられるようになる
10
と思われる。まず自分の化粧の印象について、
8
回数
自己評価と他者による評価が一致しないこと
自分
他人
6
がある。これは自分の顔を評価するときと他者
4
の顔を評価するときとで、評価方法の過程が違
2
うからだと考えられる。評価方法の違いは顔を
0
目
評価するときの視線に現れると考えられる。そ
こで、自分の顔と他人の顔を評価するとき、ま
鼻
口
口周り
頬
額
あご
首
その他
図 1 化粧をしない被験者
た好印象の時と悪印象のとき、視線がどのよう
10
に違うかを調べる。これを自他共に高評価を与
9
8
えられるメーク法に役立てる事が目的である。
6
方法
被験者
回数
2
7
本学心理情報学科 4 年生の女子学生 4
自分
他人
5
4
3
名、アイマーク計測のみ 3 名であった。
刺激
2
1
日本人女性の平均顔と被験者本人の顔
0
目
鼻
口
口周り
頬
額
あご
首
その他
それぞれの顔写真の唇の色を PhotoShop で変
えた。唇の色は唇の明度を-20、色相を 10、-20
図 2 化粧をする被験者
とそれぞれ設定した。元の写真とあわせて 4
アイマークの停留点分析の結果を図 1,2 に
種類ずつとなった。
示した。化粧をしない被験者2は評価の高低ま
nac 製アイマークレコーダーを付け
た顔が自分、他人に関わらず視線は変わらなか
てもらい、パソコンの前にアイマークカメラの
った。化粧をする被験者の場合、自分の顔と他
視点がパソコンの画面で埋まるように座って
人の顔で見る箇所が違っていた。また、自分の
もらった。作成した写真 8 種類をランダム順で
顔に限り、評価が低いものは自分の気に入らな
パソコンに提示した。被験者には表示された顔
い部分を多く見ており、評価が低いものに口を
写真の印象を 10 段階(1 が最低、10 を最高)で
見ているものが多かった。このことから、自己
評価してもらった。実験の様子をアイマークレ
評価と他者による評価が一致しない原因は、自
コーダーで取りながら行った。評価は口頭で行
分の欠点を隠す化粧が他者には不自然に感じ
い、評価がすみ次第スライドを白紙にし、小休
られることにあると思われる。
憩を 15 秒ほど入れてから注視点を提示し、次
文献
のスライドを提示した。全てのスライドを評価
中島義明・神山進(1996)
し終えた後、アンケートをとった。アンケート
店
手続き
まとう
朝倉書