ハイブリッド鉄道 - 群馬県立高崎高等学校鉄道研究部

ハイブリッド鉄道
3 年 飯沼晃也
未使用のオレンジカードがあるので、みどりの窓口あたりで Suica にチャー
ジできるかと思ったら、そんなことはできねぇと説明書に書かれていて愕然と
した飯沼晃也です。あと何十年かしたら高く売れるかな・・・
さて、これまでディーゼルについてしつこく書いてきた私ですが、部誌内容
を決めかねていたそんな3月 25 日に面白い機関車が公開されました。その名も
ハイブリッド機関車
「HD300 形式」
。もう度存知の方もいらっしゃると思います。
まずはその基本スペックを紹介。(DE10 のデータは参考)
形式
HD300
全長
14330 ㎜
14150 ㎜
重量
60t
65t
運転台配置
性能
DE10
セミセンターキャブ
セミセンターキャブ
最大牽引力
約 20tf
約 19.5tf
最大踏面出力
500kW
約 660kW
最高運転速度
110 ㎞/h(回送時)
85 ㎞/h
45 ㎞/h(力行時)
↑「HD300-901」のデザイン図
(JRF 新型入換専用機関車(試作)の形式名とデザインについて
より)
「DE10」等の国鉄から継承された機関
車の老朽化が進み JR 貨物は政府の補助
を受けながら東芝と新型車両を共同開
発。そしてこの「HD300 形式」を公開す
るに至りました。
←公開された「HD300-901」
(10.3.25 東芝府中事業所試験線)
この車両の最大の特徴は形式名称の「H」が示すとおり、ハイブリッドである
ということです。ディーゼル発電機を動力源とする電気式ディーゼル機関車と蓄
電池(リチウムイオンバッテリー)を動力源とする蓄電池機関車の2つの要素を兼ね備
え、具体的には「シリーズ・ハイブリッド」と呼ばれる、状況に応じて駆動力となるモータ
ーの動力源についてディーゼル発電と蓄電池の両者を切り替える機構を備えていま
す。従来のディーゼルエンジンを搭載した機関車と比べ、排出ガスは 30~40%
以上、騒音は 10 デシベル以上低減できる「エコ機関車」です。
「シリーズ・ハイブリッド」はトヨタ社の「プリウス」やホンダ社の「インサイト」
のようなハイブリッド自動車のシステムとは異なります。「プリウス」も「イン
サイト」も発進時などにモーターを使っていますが、何らかの形でエンジンが直
接、駆動に関わっています。しかし「HD300 形式」では上記のとおりエンジンは
あくまで発電用のもので、走行は全てモーターで行っています。
力行時は状況に応じて蓄電池と発電機を
ブレーキ時はモーターを発電機と
同時に、あるいは蓄電池のみで走行。
して機能させる。
前項の図でもわかるように(わからなかった人は下の図で)、車体はセミセン
ターキャブタイプで、前位側から主変換機モジュール、蓄電池モジュール、運転室モジ
ュール、発電モジュールと、車体を4ブロックに分割したモジュール構造とし、保守の
簡略化を目指しています。運転台は DE10 と同様に進行方向に対して横向きとなって
います。
↑モジュール化された車体
←↓ED10 と同じく進行方向に対し横向
きの運転台。
今後「HD300 形式」は東京貨物ターミナル駅、南松本駅北海道各地で約1年間試験
走行を行い、車両の性能を確認した上で 2011 年以降を目処に量産化。それが進めば
JR 旅客会社でも導入、本線で走る日が来るかもしれません。
あらゆる物の「エコ」がうたわれる今日、さまざまな面で省エネが進んできています。
炭素排出量の多い自動車から鉄道への切り替えが注目される中、電気機関車と比べ
内燃料機関を積んでいるディーゼル機関車はあまりエコでなく、今後姿を消していくの
だろうと寂しく思っていました。そんな時、この「HD300 形式」の登場には驚きとともに
形を変えてでも生き残ろうとするディーゼルのしぶとさを感じました。今後のハイブリッ
ド機関車の活躍に期待です。
あとがき
「4ページ以上書け」という命令だったにもかかわらず、3ページで終わってしまった
ので枚数稼ぎ目的で最後の挨拶を書くことを思いついた mame です。本文は終わった
ので次のページに行ってもらってかまいません。
このたびは翠巒祭(もしくは群馬県総文祭、その他鉄研の展示)にお越しいただきあ
りがとうございました。来たことがない人は、ぜひいらしてください。詳しい展示の日程
についてはホームページの方でご案内します。・・・いきなり話がズレました。スイマセ
ン。
現部長に赤城で洗のー・・・もとい勧誘され、何もわからないまま鉄研に入り早2年。
1つぐらい買おうと思っていた N ゲージを結局買わずに引退を迎えました。
この2年間自分は鉄研でいったい何をしてきたのかと振り返ってみると、旅先で買っ
た変なお土産を持ってきたり、部長の意見に文句言ったりと、くだらない事ばかりして
いたように思われます。そんなので、よくこの伝統ある高高鉄研をやっていけたなと、
半ばあきれながらも感心しています。
自分たちはこれで引退ですが、自分たちよりも能力のある後輩たちがよいよいモノを
作っていってくれるでしょう。絶対。
早くも次のレイアウトへの期待を膨らませつつ、この辺で失礼。少しはテスト勉をし
ないと・・・(何でこんな時期に中間があるかなぁ・・・)
今後も高崎高校鉄道研究部をよろしくお願いします。
それでは、サヨナラ(_ _)ノシ
平成 22 年 5月 21 日
mame(すいか味、海洋深層水味、焼き饅頭味、笹かま味)
参考資料
Wikipedia 「JR 貨物 HD300 形ハイブリッド機関車」 URL(略)
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2010_03/pr_j2502.htm
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100325/biz1003252122053-n1.ht
m
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/03/post_1231.html
他