通信端末切り換えのための セッションマイグレーション - Kogalab.net

通信端末切り換えのための
セッションマイグレーションに関する研究
古閑研究室 博士前期課程2年
杉尾 勇介
研究目的
通信機器の多様化
アクセス環境の多様化
場所にとらわれない
通信環境が普及
携帯性を重視したネットブックなど小
型端末の開発推進による高機能化
公衆無線LANサービスや携帯電話
網を利用した高速データ通信環境
FTTH
通信環境に適した機器の選択
Æ 高度で自由度の高いサービスを実現
PC
User
例) 屋内のPCで利用している動画サービスを外出時に
携帯端末 (MS) へ通信を切断することなく移行する.こ
のようにユーザ主導で通信端末を切り換えることで,利
用サービスを継続できる
Internet
Mobile phone network
MS
このようなサービス提供が可能となる動的な利用端末の切り換え実現に向けて,提案された新たな
ネットワークアーキテクチャ(TCP/IPモデルにセッション層を導入)において性能評価を行う
y
複数端末間のアプリケーションデータとコネクションの関係をセッション情報として管理
y
セッションマイグレーションによって動的な利用端末の切り換えを実現
研究内容
研究成果
コネクション制御手法の提案・評価
端末がセッションへ参加するために行われる処理
• 通信相手とのコネクション確立
• 前端末からアプリケーションデータを移行
ノードCNがMN1へのデータ送信中(①)にセッションマイグレーション(②)を行い,
受信ノードをMN2とし送信を再開(③)
前端末
端末切り換え
切り換え後,コネクションをどう扱うか
新端末
よって,効率的なセッションマイグレーションを実現するためにはコ
ネクション制御が必要
マイグレーション後のコネクション操作の違いから3方式を提案
• 再確立方式 : 新端末においてコネクション確立
• 継続方式 : 前端末のコネクションを引き続き利用
• ハイブリッド方式 : 再確立,継続方式を融合した方式
再確立
継続
提案セッション層
トランスポート層
新端末へどのデータパケットから
新たにコネクション確立
送信するか管理が必要
Æ 送信速度を初期化
Æ 実装が困難
前端末での受信データパケットを 既存コネクションを利用
Æ ネットワーク状況に応じて送信
管理する必要がない
Æ 実装が容易
速度調整できない
受信パケットの管理が不要
ハイブリッド
Æ 実装が容易
パラメータ
SACK
:アプリケーションデータ
•送信速度の初期化
•既存コネクションを利用
TCP
CN
パケットサイズ 1500 bytes
リンク遅延 d
5‐25 ms
帯域幅 b
10‐50 Mb
③
0
10
15
30 Mb/s
MN2
シミュレーショントポロジ
再確立
継続
ハイブリッド
5
②
BS
10
5
100 Mb/s
d ms
GW1
GW2
b Mb/s
b :10 Mb/s
15
MN1
AP
①
スループット [Mb/s]
:コネクション
セッションマイグレーションに適したコネクション制御手法を示すための
評価
スループット [Mb/s]
セッション層
20
リンク遅延 d [ms]
25
b :50 Mb/s
45
再確立
継続
ハイブリッド
30
15
0
5
10
15
20
25
リンク遅延 d [ms]
マイグレーション後,1秒間におけるスループット
• ハイブリッド方式が高いスループットを獲得
結論
シミュレーション評価や実装面の点から,提案したコネクション制御方
式の中で,ハイブリッド方式がセッションマイグレーションに適している