「静岡市税条例の一部を改正する条例」の概要

(財政局税務部税制課)
(財政局税務部税制課)
「静岡市税条例の一部を改正する条例」の概要
1 個人市民税関係
(1)個人住民税の公的年金からの特別徴収制度の見直し(第40条の2、第40条の5)
・賦課期日後に、納税義務者が市町村の区域外に転出した場合も特別徴収を継続することとします。
・仮徴収税額を、前年度の特別徴収税額(年税額)の2分の1に相当する額とします。
(2) 金融所得課税の一体化(附則第40条の3、第46条から第51条まで、第53条から第53条の3まで)
・「上場株式等に係る配当所得等」に関する課税の損益通算範囲について、特定公社債の利子・譲渡損益が対象に追加されたことに伴い
所要の規定を整備します。
・「株式等に係る譲渡所得等」の分離課税を、「一般株式等に係る譲渡所得等」の分離課税と「上場株式等に係る譲渡所得等」の分離課税
に改組したことに伴い所要の規定を整備します。
・「条約適用配当等」に係る分離課税について、特定公社債の利子・譲渡損益が対象に追加されたことに伴い所要の規定を整備します。
・上記に関連し、課税標準の計算の細目を定めていた条項を削除します。
2 その他の改正・施行期日
地方税法の改正等に伴う関連規定の条項ズレの修正、文言の修正を行うものとし、施行については、一部の規定を除き、公布の日から施
行します(上記1(1)の規定については、平成28年10月1日から、1(2)の規定については、平成29年1月1日から施行します)。
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地方税法の改正に伴う静岡市税条例の改正について
1 公的年金からの特別徴収制度の見直し
年金所得者の便宜向上や、徴収事務の効率化を
目的として改正を行うもの。
2 金融所得の課税方法の見直し
金融取引により生ずる所得について損益通算する
仕組みなどの整備に関する改正を行うもの。
3 その他
条項ズレ・語句の修正について改正を行うもの。
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公的年金からの特別徴収制度の見直し
①特別徴収税額の算定方法の見直し
⇒「仮徴収税額」を、前年度の年税額の2分の1に相当する額とする。
(例)65歳以上の夫婦世帯(夫の個人住民税額が60,000円で、妻は非課税の場合)
【現行】
年度
年税額
「仮徴収税額」
「本徴収税額」
4月
6月
8月
10月
12月
2月
前年度
60,000円
本年度
36,000円
(医療費控除の増等)
【改正後】
「仮徴収税額」
「本徴収税額」
4月
6月
8月
10月
12月
2月
10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円 10,000円
10,000円 10,000円 10,000円
2,000円
2,000円
2,000円
60,000円/2=30,000円
2,000円
2,000円
2,000円
10,000円 10,000円 10,000円
翌年度
60,000円
2,000円
2,000円
2,000円
18,000円 18,000円 18,000円
36,000円/2=18,000円
6,000円
翌々年度
60,000円
18,000円 18,000円 18,000円
2,000円
2,000円
2,000円
6,000円
14,000円 14,000円 14,000円
6,000円
60,000円/2=30,000円
10,000円 10,000円 10,000円
10,000円 10,000円 10,000円
【現行】一度生じた不均衡が平準化しない
【改正後】年税額が2年連続で同額の場合、平準化
②市外転出者などの特別徴収方法の見直し
⇒市外に転出した者などについて、一定の要件のもと特別徴収を継続する。
※①・②について、平成28年10月以後の特別徴収より適用する。
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金融所得の課税方法の見直し①
①金融所得に関する損益通算範囲の拡大
⇒広く一般的に取引される金融証券(上場株式等・特定公社債等)から生ずる所
得(利子・配当・譲渡損益)の間で、損益通算を行うことができる。
拡大後の損益通算範囲
現行の損益通算範囲
【特定公社債等】
【上場株式等】
【非上場株式等】
利子
配当
配当
譲渡損益
譲渡損益
譲渡損益
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金融所得の課税方法の見直し②
②その他の所要の規定の整備
・株式等より生ずる金融所得について、「一般的な取引から生じたもの(上場株式等に係
るもの)」と「それ以外のもの(非上場株式等に係るもの)」に区分する。
・特定公社債の利子・譲渡益が、「租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地
方税法の特例等に関する法律」の対象として追加されたため、これに関する規定を整備
する。
・地方税法に定めのある、金融所得についての課税標準の計算の細目に関する記載を削
る。
※①・②について、平成29年度以後の課税より適用する。
【参考】
●「上場株式等」とは、株式や新株予約権付社債等のうち、上場されているもの及び公募株式投資信託等をいい、金
融商品取引業者への委託等により売却したものが該当する。「上場株式等」で具体的なものは次のようなものがある。
・上場株式(新株予約権等を含む)
・ETF(株価指数連動型上場投信等)
・ETN(上場投資証券)
・J-REIT(上場不動産投資信託)
・上場新株予約権付社債
・カントリーファンド
etc.
●「特定公社債等」とは、特定公社債(国債、地方債、上場された社債など)や公募公社債投資信託の受益権などを
いう。
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