2012年「フィルムケースロケットの実験2」

フィルムケースロケットの実験2
小学五年 H.T
編集・補足 H.Y
【動機】
去年の実験で理想的なフィルムケースロケットの形を考えたので、それが本当に良く飛ぶの
かどうかを確かめたい。
【目的】
理想的なフィルムケースロケットが良く飛ぶのかを調べる。
3種類のフィルムケースロケットを作って飛ばし、先端のおもりやフィンを付けるとどのくらい
飛ぶようになるかを調べる。
【準備】
3種類のフィルムケースロケットを作る
天秤を作り、フィルムケースロケットの重さを量る
【準備するもの】
発射に必要なもの
天秤に必要なもの
•
粉末状に砕いたバブ(炭酸入浴剤)
•
500ml のペットボトル 1 本
•
水
•
竹ひご 10cm
•
ペットボトルのふた
•
つまようじ 1 本
•
ゼリーのスプーン
•
ストロー 5cm
•
メジャー(軽く細い紐に目盛をふったもの)
•
割りばし 1 本
•
ストップウォッチ
•
紙コップ 2個
•
タコ糸
•
大クリップ 1 個
ロケットに必要なもの
•
フィルムケース
•
ゼムクリップ 8 個
•
薄いフィルム(クリアファイル使用)
•
粘土 少々
•
粘土少量(おもり用)
•
ビニールテープ
•
セロテープ
•
砂
軽量型
【フィルムケースロケットの作り方】
《軽量型》
① 薄いフィルムを左の図の形に切る
② ①をとんがりぼうしの形に丸め、セロテープではる
11cm
フィン付き
③ フィルムケースの底に②を直接セロテープではる
《フィン付き》
軽量型に薄いフィルムで作ったフィンを付ける
《理想型:フィンおもり付き》
フィン付きの先端に粘土のおもりを付ける
理想型
【天秤の作り方】
参考ホームページ:
アルキメデスと学ぶ てこのはたらき~作ってみよう<てんびん>
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0450a/contents/tsu09_02.html
【フィルムケースロケットの飛ばし方】
注意!: 必ず屋外で行いましょう。条件によってはかなり高く飛ぶことがあります。
①
②
③
2杯
急ぐ!
1杯
フィルムケースにペットボト
2杯
ルのフタ2杯の水を入れる
ゼリースプーンすりきり1杯
フィルムケースのふたを
のバブを入れる
閉め逆さに地面に置く
④
2~3mはなれる
2~3mはなれてバブが溶けるのを待つ。
しばらくするとふたがはじけて開き、ロケットが飛ぶ。
補足:
炭酸入浴剤の主成分・炭酸水素ナトリウムは水と反応して、二酸化炭素を発生させます。
発生した二酸化炭素がフィルムケース内に充満し、圧縮された二酸化炭素が膨張してフィルムケースを吹き飛
ばします。
通常ロケットは、ガスを地面に噴出す力で飛び上がり(作用・反作用の原理)、後方へガスを噴出させ続ける力と
同じだけの力を前方に得て(運動量保存の法則)加速し飛行します。
フィルムケースロケットは、二酸化炭素と水を噴出し飛び上がりますが、噴出口が大きく一度にガズと水噴出し
てしまうため、加速飛行はできません。
【前回の実験】
牛乳パックで作ったいろいろな形のロケットケースをフィルムケース
にかぶせて飛ばし、飛んだ時間と飛んだ距離を調べる
時間: ストップウォッチで離陸から着陸までを測る
距離: 機体にメジャーを付けて測る
順位
形
説明
飛んだ
飛んだ
時間
距離
8g
1.41秒
3.7m
6g
0.97秒
2.4m
18g
0.94秒
1.8m
17g
0.95秒
1.8m
12g
0.77秒
1.5m
重さ
《軽量型》
軽量型》
1位
フィルムケースに軽い
ノーズコーンを付ける
《ロケットケースなし》
ロケットケースなし》
2位
フィルムケースだけ
《おもり入り》
おもり入り》
3位
フィルムケースと
おもり入りロケットケース
《フィン型》
フィン型》
3位
フィルムケースと
フィン付きロケットケース
《基本型》
基本型》
5位
フィルムケースと
ロケットケース
理想のロケット
分ったこと
•
軽いロケットはよく飛ぶ
•
おもり・フィン・ノーズコー
ンを付けるとよく飛ぶ
おもり
軽い
ノーズコーン
フィルム
ケース
軽 い
フィン
【予想】
前回のロケットケースの実験では、基本型に比べておもり入りは、
時間: 0.94÷0.77=1.22
距離: 1.8÷1.5=1.2
また基本型に比べてフィン付きは、
時間: 0.95÷0.77=1.23
距離: 1.8÷1.5=1.2
となって、おもり入り・フィン付きのどちらもおよそ1.2倍よく飛んでいる。
だから今回の実験では、
×1.2
×1.2
軽量型
フィン付き
理想型
1. 41秒
1.69秒
2.02秒
3.7m
4.4m
5.3m
くらい飛ぶと思う。
【実験1】
2012年8月15日 17:00~ 晴れ・風強
《方法》
それぞれのロケットについて、
メジャー
フィルムケースが吹き飛んだ音からロケットが地面に落ちるまで
の時間を、ストップウォッチで計る。
機体にメジャーを付け、引っ張られた長さを測る
ストップ
ウォッチ
《結果》
飛行時間 (秒)
1 回目
飛行距離(m)
2 回目
1 回目
2 回目
軽量型
1.28
1.16
4.4
4.1
理想型
1.15
1.15
3.0
2.7
※ 強風のため実験中止
予想と違って
おもりがおもすぎるの
軽量型にくらべて、なぜか
ではないか?
理想型は飛ばなかった。
JAXA で作った水ロケット(ペットボトルロケット)を調べてみると・・・
機体110gに30gのおもりが入っていた。
30÷110=0.27・・・0.3 となり、機体に対しておもりは0.3倍。
この実験のおもりの重さは5gだったが、
機体(フィン付き)8g×0.27=2.16 だから、
おもりは2gが適当だとわかった。
《気付いたこと》
機体とおもりの重さのバランスに気をつけなければいけない。
【実験2】
2012年8月17日 17:00~ 晴れ・風なし
《方法》
理想型のおもりを5g → 2gにして、実験 1 と同じように測る
おもり 5g
全体 13g
おもり 2g
全体 10g
改良
《結果》
飛行時間 (秒)
1 回目
2 回目
3 回目
4 回目
軽量型
1.28
1.34
1.34
1.29
フィン付き
1.09
1.04
1.35
理想型
1.35
1.34
1.31
1.34
飛行距離 (m)
5 回目
1.30
1 回目
2 回目
3 回目
4 回目
4.3
4.6
4.3
4.3
3.0
2.9
3.8
3.4
4.6
3.6
4.2
5 回目
4.3
予想と違って
メジャーがフィンに当
•
フィン付きがあまり飛ばない
たったり、ぬれて重く
•
理想型は少し飛んだが予想
なったりして、じゃまに
ほどではない
なっているのではな
数字がばらついている
いか?
•
【実験3】
2011年8月24日 17:00~ 晴れ・風なし
《方法》
メジャーを使わず、飛んだ時間だけを測る。
ストップ
ウォッチ
《結果》
飛行時間 (秒)
1 回目
2 回目
3 回目
4 回目
5 回目
平均値
軽量型
1.52
1.63
1.72
1.63
1.69
1.64
フィン付き
1.81
1.75
2.01
1.69
1.71
1.79
理想型
2.22
2.03
2.16
2.00
1.94
2.07
予想では
軽量型1.41秒 × 1.2 = フィン付き1.69秒 × 1.2 = 理想型2.02秒
結果は
軽量型1.64秒 × 1.1 = フィン付き1.79秒 × 1.2 = 理想型2.07秒
ほ ぼ、予 想 通 り !
《気付いたこと》
軽量型もよく飛ぶようになったので、メジャーがじゃまだったことが分かった
軽量型はななめ方向に飛んだり横向きになって飛んだりしたのに、理想型はまっすぐ上に飛
んでいた。
補足:
フィンや先端おもりをつけると、飛んでいるときの姿勢や方向が安定します。
フィン: 空気がフィンの間を流れる力で飛行を安定させます。
おもり: 飛行時の首ふり運動(先端が大きく回転する)を防ぎまっすぐ真上に飛ぶと共に、飛行のために有
効的にエネルギーを使うことができます。
【まとめ】
フィルムケースロケットがよく飛ぶためには「軽い」ことが一番大切
フィンやおもりを付けるとよく飛ぶ
おもりを付けると真上に発射する
【反省】
初めはおもりを適当に入れてしまった
軽いメジャーを使ったけれど、ぬれて重くなったり高く飛ぶ分重くなることまで考えなかった
実験中おもりが傾いてしまって、ちゃんと飛ばないことがあった
【次に作りたいフィルムケースロケット】
パラシュート
おもり
軽い
ノーズコーン
フィルム
軽 い
ケース
フィン
【参考文献】
HP: ISAS~フィルムケースロケットを飛ばそう
HP: JAXA~フィルムケースロケットを飛ばそう
HP: アルキメデスと学ぶてこのはたらき~作ってみよう〈てんびん〉