) 日向 長さ 21の棒 Sの両端におもり A とおもり Bを取り付けた回転子 Rがある。 棒 Sの中点は,鉛直でな め らかな壁に釘で固定されており,回転子 R は棒の中 点を支点として壁面上をなめ らかに回転できるものとする。おもり A の質量 を M,おもり Bの質量 を m,重力加速度の大きさを g とする。ただし, M >m と , し,棒と釘は変形せず,おもり A の大きさ ,おもり Bの大きさ,釘の大き さ 棒の質量,空気抵抗や摩擦 は無視できるものとする。図 1に示すように, 棒 S の中点を原点 O とし,鉛直上向きに z軸をとる。また,原点 O とおもり A を結 ぶ線分と鉛直下向きがなす角を Oとし 反時計まわりを正の向きとする。 z B , , ' , 、 、 、 ' ' ' 図1 A〕 回転子 R を,おもり A とおもり Bが z軸上にない状態で静かに放したと 〔 ころ,周期的な運動を始めた。 このときの運動について,回転子 R を,棒 Sとおもり A とおもり Bに分けて考える。 a) おもり A の速さが uのとき,おもり A が棒 Sに及ぼす力を考える。そ ( ,。のうち必要な記号 ,v , M,m ,f の力について,棒と平行な成分を, g を用いて表せ。ただし,原点 0からおもり A に向かう向きを正の向きと する。 - 1 ) 5 3-1 8 6 ( O M2 棒 Sにはたらく力の合力は 0であり,棒 Sにはたらく原点 0 のまわりの 力のモーメントの和も Oであるけ参考)。以下では,この考えにもとづき議 論を進める。 棒 Sに対して,釘,おもり A,おもり Bが及ぼす力を考える。これらの 力について,棒と垂直な成分を,それぞれれ, F 1 , F2とする。図 2に示す ように F 1と F2は反時計回りを正の向きとし, Foの正の向きは F 1の正の向 きと同じとする。 z F2の正の向き 、 , ' 、 ' F。 の 正の向き l 、 、 F 1の正の向き 図2 ( b )棒と垂直な方向について,棒 Sにはたらく力のつりあいの式を求め よ。また,棒 Sにはたらく原点 0のまわりの力のモーメントのつりあい の式を求めよ。それぞれ Fo .F 1 ,F 2 , fのうち必要な記号を用いて表 せ 。 (?参考) 棒 Sの両端にはおもりがついており,棒 Sは無限に速く運動するこ とはない。仮に棒 Sにはたらく力の合力が Oでない,もしくは,棒 Sにはた らく原点 O のまわりの力のモーメントの和が Oでないとすると,棒 Sの質量 は無視できるとしているので,棒 Sは無限に速く運動することになり矛盾す る 。 -2- > くM2( 6 8 3 1 6 ) 棒と垂直な方向のおもり A の加速度を αとし,図 3に示すように,反時 計回りを正の向きとする。以下の(C) ,( d) ,( e) では, M =2mとする。 ( c) 棒 と垂直な方向に関するおもり A の運動方程式を F1を用いて表せ。た ,f ,m ,e のうち必要な記号を用いてよい。同様 だし, F1の他に α,g に,棒と垂直な方向に関するおもり Bの運動方程式をれを用いて表せ。 ,i , m, e のうち必要な記号を用いてよい。 ただし, F2の他に α,g ( d) αを , g, i , m, eのうち必要な記号を用いて表せ。 ( e )以下の空欄に入る適切な数式を答えよ。解答には g, i , m を必要に応 じて用いてよい。解答欄には答のみを書くこと。 回転子 Rを Oが十分小さい状態から静かに放したところ振動を始め た。おもり A の最下点からの円周にそった変位を xとし,反時計回りを i n0士弓 0が成りたち, 正の向きとする。振動の振れが十分小さいとき, s α二 仁 己 xと表すことカ 往復するとみなせるので,単振動すると考えてよい。この振動の周期は 仁 己 と な る。 -3- > くM2(683-17 ) z 、 、 , , , , , , , 、 ' んりρ 図3 -4- <)M2( 6 8 3-18) 〔 B〕 図 4のように,質量 m の物体 Cが,なめらかな床の上を壁にそって右向 きに進んできた。ただし,物体 Cの大きさは無視でき,物体 Cは直線 z= t上を運動すると考えてよい。おもり A が反時計回りに運動し, z軸 を左から右に通過したとき,物体 Cがおもり A と衝突した。物体 Cの衝突 前の速さは u,衝突後の速さは j であり,衝突後も物体 Cは,壁にそって 右向きに運動した。おもり A と Bの衝突直前の速さは u,衝突直後の速さ は〆であり,衝突直後もおもり A と Bは,反時計回りに運動した。ただ し , u>v>0であり,この衝突において u-v=〆 −u’が成りたってい た。また,衝突の前後で物体 C と回転子 R の運動エネルギーの和が保存さ れるものとする。摩擦や空気抵抗は無視でき,おもり A,おもり Bは床と 衝突しないものとする。なお,おもり A,おもり Bの質量はそれぞれ M, m である。 z 、 − B 、 、 、 、 , ' ' , ' c ~4~:二二三」ーι〈: 図4 -5- < >M2(683 1 9 ) l 衝突の前後の運動エネルギー保存の式を記せ。この式を利用して, f ( u' 九1+m)v+mu=(M+m)〆+ m ( が成りたつことを示せ。ただし,衝突の前後で物体 Cと回転子 R の運動 量の和は保存されないことに注意せよ。 以下では, M =2mとする。 , vの ,u (回衝突直後において,回転子 R全体の運動量の大きさを,.£, m うち必要な記号を用いて表せ。また,衝突により釘に与えられた力積の大 , vのうち必要な記号を用いて表せ。 ,u きさを,.£, m (同衝突前,回転子 Rは周期的な運動をしており,衝突後も周期的な運動 をした。衝突前のおもり A の z座標の最大値は一」−fであり ,衝突後の 2 , , u'を , u ' v このときの −fであっ弁。 おもり A の z座標の最大値は」8 − それぞれ uを用いて表せ。ただし,物体 Cが回転子 Rに衝突した後,物 体 Cは回転子 R に再び衝突することはなかったとする。 - 6- 。 M2(683-20) 囚 ω点) 間隔を変えることのできる平板コンデンサーが組み込まれた図 1の装置を用い て実験を行う。平板コンデンサーは水平に配置され,下側の極板(下極板)は土台 に固定されている。上側の極板(上極板)は質量の無視できる糸によって巻き上げ 機につながれ,その高さを変えることができる。上極板は前後左右に揺れること がないよう両側から支えられており,常に水平を保ちながら摩擦なく上下に動 く。それぞれの極板の面積を A,上極板の質量を m とする。極板の大きさに比 べて極板の間隔は十分に小さく,コンデンサーの端での電場の乱れは無視できる ものとする。また,極板内の電荷は常に水平方向に一様に分布するものとする。 z 巻き上げ機 接点 2 h 』 装置 x 図1 紙面手前を x軸の正の向き,紙面右方を y軸の正の向きとし,上方を z軸の正 の向きにとる。下極板の上面を z= 0とし,上極板の位置はその下面の z座標に よって表す。極板の表面には厚さの無視できる絶縁膜が貼られており,上極板の 位置が z=Oであっても二枚の極板が接して電荷が移動することはない。 上極板が z=hまで上昇すると,上極板とともに移動する接点 lが接点 2と接 触し,コの字型をした放電回路にコンデンサーが接続されるようになっている。 放電回路は z=Oおよび、 z=hの高さに水平に置かれた導線と,鉛直に置かれた Oでない抵抗を持つ長さ hの細い棒よりなる。接点 1および接点 lと上極板を -9- ) く M2( 6 8 3 2 3 ) つなぐ導線は上極板の下面の高さに取り付けられており,それらの質量は無視で きるものとする。 o,重力加速度の大きさを g とす 装置の内外は真空であり,真空の誘電率を c る。重力の向きは z軸の負の向きである。なお,極板,接点,導線,放電回路以 外の部分は絶縁体であり,電荷がもれることはないものとする。 A〕 まず,装置の土台を動かないように固定して実験を行う。はじめ,上極板 〔 の は z= 0の位置に静止しており,上極板に + Q,下極板に− Q(Q> O) 電荷が与えられている。その後巻き上げ機により上極板を上昇させ, z=h の位置で上極板が放電回路に接続されたところで静止させる。上極板の上昇 中に糸がたるむことのないよう,加速,減速はゆっくり行うものとする。以 , hのうち必要な ,z .A. Q, m, g に答えよ。解答には εo d) から ( ) a 下の問( ものを用いよ。 ただし 0<z<h)のとき,極板間の電場の強さ Eと (剖上極板の位置が z( 下極板を基準とした上極板の電位 Vを求めよ。 ただし 0<z<h)のとき,コンデンサーに蓄えられ )上極板の位置が z( b ( ている静電エネルギーを求めよ。 ) 上極板が一定の速度で上昇しているときの糸の張力を求めよ。 c ( d) 上極板が z=hに達し上昇が止まると同時に,上極板は接点を通して放 ( 電回路に接続される。そしてコンデンサーが完全に放電する。 この放電に よって発生するジュール熱を求めよ。 0- 1 。 M2(683-24) 〔B〕 次に,装置をなめらかで水平な床の上に置き,摩擦なく自由に動けるよう にした。装置全体の質量は M である。さらに装置を含む空間全体に磁束密 B ,0 , 0)の一様磁場を x方向にかけた。 度 B= ( 一様磁場 B ⑨ z ν 増 装置 図2 はじめ,装置全体は静止している 。上極板は z=Oの位置に静止してお り,上極板に + Q,下極板に− Q(Q>O)の電荷が与えられている。その 後巻き上げ機により上極板を上昇させ, z=hの位置で上極板が放電回路に 接続されたところで静止させる。上極板の上昇中に糸がたるむことのないよ う,加速,減速はゆっくり行うものとする。 今度は磁場中を電荷が移動することによって生じるローレンツカのため, 装置全体が y軸にそった方向に運動する。 このローレンツ力の効果は非常に 小さに通常の実験においては無視しても差し支えない。 しかしここではこ の効果を無視せずに評価し,装置の運動がどの程度になるかを見てみよう。 装置の向きは変化しないものとする。 ( e) ,( f ) ,( g) には εo ,A ,B , Q, M, m, g , z , hのうち必要なものを用い て答えよ。 ( 却には数値で答えよ。 ( e) 以下の空欄に当てはまる適切な数式を答えよ。解答欄には答のみを書く こと。 - 1 1- く )M2(683 2 5 ) 上極板の上昇中,微小時間企tの聞に,上極板の高さ zが位変化し,装 置全体の y方向の速度 uが U 変化した。上 酬 の 上 昇 速 度 は 告 装置 日 向 の 加 速 度 寸 で あ り , そ れ ら の 比 は 十 仁 日 であ る。これが定数であることと, z=0において v=0であることを用いる )関数として v= 仁 己 と与えられる。 j と,速度 v~j: z( ) 上極板が高さ zの位置を一定の速度で上昇しているときの糸の張力は, f ( で求めた磁場が無い場合の値に比べてどれだけ変化するか答えよ。ただ c) ( し,増加する場合を正とする。 g) ( 以下の空欄に当てはまる適切な数式を答えよ。解答欄には答のみを書く こと。 上極板が z=hに達し上極板の上昇が止まると同時に,放電回路を通し tの聞の上極板の電荷の変化を i て放電が始まる。放電中のある微小時間 l vとすると,そ i Q(増加する場合を正),装置の y方向の速度 uの変化を ! 1 1 ~(J の聞に放電回路を流れる電流は上向きを正として一工である。このこと | から,比企ι= 企t ウ |は定数である。また,放電が始ま った瞬間に 一一一一I 一 」 ーよー」 Q 1 ! I V は装置の y方向の速度と電荷の比は 一一= | 工 |である。これらの 」 一 一 L Q y方向の速度は , コンデンサーが完全に放電したときの装置の ことか ら v= 仁 日 であることがわかる。 (同前に述べたように,磁場の影響による装置全体の運動は非常に小さい。 このことを具体的に数値を計算して確認しよう。以下の数値を用いて,上 極板が z=hに到達 した瞬間の,装置の y方向の速度を有効数字 3桁で求 sで答えること。 めよ。単位は m/ ,M m 0c 0 ,h=2. 0m2 .0 A =1 , 0g 0 , 111 =1 g 0k .0 =1 , 0T .0 , B =1 V 0k .0 ,=1 V, Eo= ただし 1m/s2 8 . 2F/m, g = 9 01 5× 1 8 . 8 ,, は上極板が z=hに到達した瞬間のコンデンサ一両極板間の電 v 位差である 。 2- 1 ) 6 2 3 8 6 くM2( > 囚肌点) 水面にできる波について考えよう。水平面上に座標軸 x , yおよび原点 O をと る。また各点で、の水面の鉛直方向の変位を zで表し,波がない場合を z= 0とす る 。 〔 A〕 いま,図 l中の破線の矢印に示されるように, x軸に対して 3 0 ° の向きに 進む平面波を考える。図中で,時刻 t= 0における波の山の波面が実線で表 されており,その lつは原点を通っている。この波は正弦波で表すことがで きるものとし,波の振幅の減衰は考えないものとする。波の振幅を A,周期 を T,波長を Aとする。 ( a ) 時刻 tでの点 P(/3' 1 ,1 ')における水面の変位 Zpを求めよ。 ( b ) 時 刻 t= 0において点 Pを通る波の山の波面は,時間とともに進行す る。その山の波面の進行速度の x成分, y成分をそれぞれ求めよ。 ( c ) 時刻 t=0における y軸上での波形を描け。なおこの波形は正弦波とな る 。 \ y m穴べず\ , , x 図1 - 1 5- OM2(683 2 9 ) 0 ° の向きに 〔B〕 次に, 図 2中の破線の矢印に示されるように, x軸に対して 3 進む平面波と, y軸の正の向きに進む平面波が同時に存在する場合を考え る。図中で,時刻 t=0における 2種類の波の山の波面が実線で表されてお り , 山の波面の lつずつが原点を通っている。 これらの波は, ともに振幅 A , 周期工 波長 Aの正弦波で表すことができるものとし,波の振幅の減衰 は考えないものとする。 ( d) 時刻 tでの点 P(/3' 1 ,1 ')における水面の変位 Zpを求めよ。 γ /.究 j ( e) 時刻 tでの点 Qド 十)における水面の変位 Z Qを求めよ。 ( f ) 図 2に示した時刻 t= 0の瞬間,点 Pにおいて, なって高い山となっている。 この高い山は, 2つの平面波の山が重 2つの波の進行とともに移動 する。 この高い山の移動を追跡することを考える。時刻 t=Tにおける, この高い山の位置を Y として,点 P’の位置を答案用紙に示せ。 波の進行する向き {[3 入 、 ふ , ~;(与す) 山の波面 x 図2 1 6- > くM2( 6 8 3 3 0 ) ( g) 時刻 t= 0において点 Pにある高い山の移動速度の z成分, y成分をそ れぞれ求めよ。 〔 C〕 次に図 3のように, y軸の正の向きに進む平面波と,原点 O を波源とす る球面波が同時に存在する場合を考える。図中で,時刻 t= 0における 2 種類の波の山の波面が実線で表されており,山の波面の lつずつが点 P C f子t i ,i t)を通っている。すなわち,点 Pにおいては, 2つの波の山が重 なって高い山となっている。これらの波は,振幅 A, 周 期 工 波 長 Aの正弦 波で表すことができるものとし,簡単のため波の振幅の減衰は考えないもの とする。 ( 同 この高い山の移動を追跡することを考える。高い山の移動速度の x成 分 , y成分の時間変化を表すグラフの概形として適当なものを図 4中の ①∼⑩よりそれぞれ選べ。なお同じものを 2回選んでも良い。 y 平面波の進行する向き 。 x 図3 - 1 7- 0M2( 6 8 3 -3 1 ) 平成 2 7年度東京工業大学前期日程試験の問題訂正について 「物理J の試験問題の一部に訂正があります。 日〔 C〕 ( h) 問題冊子 18ページの「図 4J を全て 速度 下記の図に差し替えて解答しなさい。 速度 ① ② 。 。 速度 ③ 速度 ④ 。 。 速度 ⑤ 速 度ト ー ⑤ 。 i 速度 ⑦ 。 速度 ⑨ 。 。 , ,, 速度 ③ 。 速度 ⑮ 。 ( i ) この高い山の描く軌跡の概形として適当なものを図 5中の①∼⑥より l つ選べ。 ( j) 時刻 t=0 , T T の 3つの瞬間における y軸上の波形を答案用紙 4’ 2 中に描け。 ① y ② ③ ④ ⑤ ⑥ p 。 x 図5 - 1 9- 0M2(683 3 3 )
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