ネットでAAS 「チャレンジ春秋 1回目」 解答解説 本年も、AAS大阪の

−『毎週火曜日の真剣勝負!』
さあ!チャレンジです!―
■ ネットでAAS 「チャレンジ春秋 1回目」 解答解説
本年も、AAS大阪の田畑先生とともに「チャンレンジ春秋」を担当させていただきます、AAS名古屋の
鷺山(さぎやま)です。国語の基本である読み書きは、人にモノを伝える時の基本です。診断士 2 次試験にお
いても、読み書きは重要なスキルです。合格するためには、解答の内容うんぬんの前に出題者の書いている与
件文や設問文の意味を正しく読み取る必要があります。また、採点者にわかりやすく解答を伝える必要があり
ます。読み書きの基本が出来なければ、出題者や採点者とのコミュニケーションは取れません。すなわち採点
者にあなたの気持ちが理解されず、受け付けてもらえない=合格できない、ということです。
「チャレンジ春秋」では、日経春秋の要約を通じて正しい文章の読み方やロジカルな文章の書き方をトレー
ニングしていきます。まさに国語の基礎=合格するための基本、そのものを勉強していきます。
『国語の基本なんか判ってる、今更やる必要なんかない。
』と思われるかもしれませんが、思い込みをせずに客
観的に読んだり、誰にでもわかりやすい文章を書くことは思いの他難しいものです。合格のためにも自分の読
み書きの癖を再確認する意味でも、国語の基本に忠実に、練習していきましょう。
これまでも多くの合格者が要約練習の価値を実感してきました。
あなたも、これからの約 10 ヶ月でその価値を実感し合格を勝ち取ってください!
私たち講師がしっかりとサポートします。
※チャレンジ春秋のやり方や意義・効果、及び基本的な要約の方法については、HP クラス H20 年度のサンプ
ルに記載してありますので、今回の解説では割愛します。こちらもよく読んでおいてくださいね。
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■解答解説
★今回のAAS要約案
大統領選の間に米国経済は激変し、新大統領演説の重点は「金融」と「景気」となろう。
(40 字)
【主な内容】本文のポイントに焦点を当て読み直してみましょう。
米国の学生が歴代大統領の発言を解析し、ネット上で公開している。それを見るとその時代の国の様子や
社会状況、大統領の強調したいことなどが見えてくる。
過去の大統領、例えばリンカーン、ルーズベルト等を分析したものを見ても、強調したい内容や時代背景
まで見えてくるようだ。なるほどである。
今日米国は大統領選の投票日を迎える。これまでオバマ氏は「チェンジ」を叫び続け、マケイン氏は変革
を訴えていた。しかし長い選挙戦の間に米国の姿はすっかり変わってしまった。
(本来なら「チェンジ」や「変
革」
の言葉が踊るはずだが状況が変わったので)
今度の新大統領の演説で強調される言葉も変わるのだろう。
「金融」や「景気」という言葉へ。
※(
)の中は筆者が言わんとする気持ちを代弁してみました。
※与件には「米国の姿」と表現してありますが、
「金融」
、
「景気」はいずれも経済状況のことだと思いますので、
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言いかえてあります。
【文章構成】
はじめに、文章構成はまず段落で位置づけを見ていきます。
段落の分け方は形式段落と意味段落にわかれます。
形式段落とは:形式上分けてある段落です。
春秋の場合、既に4つの形式段落に分けてありますね。
意味段落とは:形式段落には関係なく、書いてある文書の意味によって分かれる段落です。
文章の内容は、主にこの意味段落で見ていきます。
今回の春秋の例で意味段落を見てみましょう。主に3つに分かれますね。
意味段落の分け方
1 第1段落
内 容
前振りです。あとから出てくる「付箋(タグ・クラウド)
」につい
て説明しています。
2 第2段落∼第3段落
大統領演説の言葉には、その大統領が強調したい言葉や時代背景が
表れることを、過去の大統領の例で説明しています。
3 第4段落
1.2.を踏まえ、今話題の米国大統領選を述べ、それによって米
国の現状を暗示しています。
【要約に盛り込みたいワード】
○主語(または主部)
:
(新大統領の)演説の重点は
○述語(または述部)
:
(金融と景気)となろう。
○背景(筆者がこのコラムを書こう思った話のきっかけ、時事ネタ、季節ネタなど)
:今日は米国大統領選の投票日だ
○その他のワード:長い選挙戦、米国の姿(経済)がすっかり変わった、など
※主述は、上記のように文章(主部・述部)で捉えても、全体の主旨が合えば OK です。
●ここでもう一度要約の方法を確認しておきます
一般的に要約に盛り込んでいただきたい内容は次の3点です。
①筆者の主張文(最終的に言いたい結論)
②筆者が書こうと思ったきっかけや背景
③その他①と②を修飾する言葉
要約の方法は、まず①→②の優先順位で基本的な文章を作ります。その後③で①、②を修飾しながら、マス
目(40字)の中に文章全体を短くまとめていきます。
今回は、背景はなくても構いません。筆者が一番伝えたいのは大統領選の演説内容とそこから見える米国
経済の状況です。
この中に背景の投票日の話を入れようとすると 40 字という文字数では十分に説明しきれま
せん。文全体のロジックがまとめづらくなります。盛り込みたいキーワードも多いので、このようなケース
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の場合は、主張文のみ述べ、因果を明確に要約すればOKです。
ただし、通常は背景を盛り込めないか、まずは基本に従ってトライする努力をしてくださいね。背景を切
り捨てるかどうかは、その後の検討事項としてください。まずは基本に忠実に!
【採点基準】
主な採点基準は次の通りです。
1.キーワードが入っているか
(筆者の主張や背景、及びそれを修飾する言葉が入っているか、など)
2.ロジックは正しいか
(因果がある、主語と述語のよじれがない、など)
3.具体性、客観性があり、誰にでもわかりやすい表現か
(比喩を用いたり、自分の意見を入れていないか、など)
【優秀者発表】
今回は大半の方が主張文を理解できていました。ただ、
「金融」や「景気」という言葉がなぜ演説で強調さ
れる言葉になるのか、その根拠を書けた方は半数程度でした。
文章を作る時は、ロジックを明確にすることが必要です。ロジックを明確にするということは因果を明確に
することです。結論を書く場合には、根拠も入れるようにしていきましょう。
ちなみに今回の要約文の例で言うと次のような因果関係になります。
(因)長い選挙戦の間に米国の状況が変わったので
(果)演説の言葉もそれに合わせて変わるだろう。
★添削の仕方
・主語・述語に関するワード→赤字
・その他盛り込みたいワード→青字
で表記しています。主語・述語に関しては、該当したキーワードがあっても、ねじれがあるなどロジカルな表
現でなければ、何も記してありません。
★最優秀賞
残念ながら該当者は居ませんでした。初回の要約ですのでやむを得なかったと思います。
次を期待しています。
★優秀賞
・pikoさん
米国経済が激変して、新大統領の政権のキーワードは金融や景気になるのは間違いない。
(40字)
新大統領の主張したいことが「金融」や「景気」であること、そしてその根拠である米国経済の激変にも触
れておられます。ほぼ満点に近い要約ですね。ただ惜しいかな「長い大統領選の間に」というが抜けています。
単に米国経済が激変というだけでは、いまひとつ具体性に欠けます。
『なぜ激変したの?』と再度質問したくな
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りますね。与件文を読んだことがなく、要約だけ初めて読む人にも疑問を抱かせない書き方をお願いします。
また「政権のキーワード」ではなく「演説のキーワード」ですね。与件文にも「演説の付箋」とあり、微妙に
違っています。厳しいようですが、与件にできるだけ忠実に言葉を使うことが本試験でも鉄則ですので、今回
はあえて減点とさせていただきました。本当にあと 1 歩でしたので、次は最優秀賞を期待しています!
★佳作
今回、以下3名の方が惜しくもあと一歩でした。いずれの方も長い選挙戦の間、新大統領の就任演説、米国
の姿(主に経済)の激変、等のキーワードが不足しています。主張文はわかりやすく表現されていますので、
次はもっとキーワードを引用するように頑張ってみてくださいね!
・はらてんさん
米国のキーワードは、大統領選でのチェンジ・変革から今や金融・景気に変化している。
(40 字)
・ウォーリーさん
米国大統領の選挙演説は、同国の姿を反映し、金融と景気が強調されているに違いない。
(40字)
・スト合さん
新しく就任する米国大統領の演説では、金融や景気がキーワードになるだろう(35 字)
以上
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