焼却灰等に含まれる鉛の分析 - マイクロエミッション

Application Note
廃棄物
[A00091J]
Waste
焼却灰等に含まれる鉛の分析
定量分析
焼却灰等の後処理を検討する際、土壌汚染対策法で定める有害金属の溶出量試験(平成 15 年環境省
告示第 18 号)や含有量試験(平成 15 年環境省告示第 19 号)の値によって、選択肢が異なります。
液体電極プラズマ発光分光法(以下、LEP-AES と略記)を採用しているハンディ元素分析器 MH-5000
を用いて、焼却灰等の試料に含まれる Pb を定量しました。公定法の1つであるフレーム原子吸光法(以
下、AAS と略記)との比較を行い、良好な相関を得ました。LEP-AES が、焼却灰等に含まれる Pb の現
場迅速測定に適用可能であることが確認できました。
サンプル:
焼却灰、焼成物、飛灰
処理概要:
焼却灰、焼成物、飛灰
環境省告示第 19 号に準拠
Pb 溶出液
固相抽出
AnaLig® Pb-01 利用
飛灰のみ
10 倍希釈
AAS による分析(*1)
Pb 溶出液
LEP-AES による分析
(*1) 石川県工業試験場に依頼
分析結果:
300
40
30
20
10
0
0
10
20
30
40
50
AAS測定値 [mg/L]
図 1 焼却灰
LEP-AES測定値 [mg/L]
10
LEP-AES測定値 [mg/L]
LEP-AES測定値 [mg/L]
50
8
6
4
2
0
0
2
4
6
8
AAS測定値 [mg/L]
図 2 焼成物
10
250
200
150
100
50
0
0
50 100 150 200 250 300
AAS測定値 [mg/L]
図 3 飛灰
Pb 溶出の少ない焼成物から、Pb 溶出の多い飛灰まで、広いレンジに渡って、両者の相関性
は良好でした。上記の結果から、LEP-AES は焼却灰や飛灰中に含まれる Pb を簡単迅速に測定
できることが示されました。
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[A00091J]
補足 1: 前処理
1. サンプルからの Pb 溶出
2. 固相抽出(分離・濃縮)
(環境省告示第 19 号準拠)
Meta SEP AnaLig® Pb-01
コンディショニング
サンプル 0.6 g 秤量(*2)
水 20 mL
1 mol/L 塩酸
20 mL(*2)
試料注入
試料溶液 10 mL
2 時間振とう(200 回/分)
洗浄
水:20 mL
10 分放置
pH10 アンモニア水 6 mL
水:10 mL
ろ過(孔径 0.45 μm MF)
溶出
0.03 mol/L EDTA、
Buffer 入(*3)
試料溶液(濃縮前)
(*2)
サンプル、塩酸とも、告示 19 号
指定の分量の 1/10 ずつ
(*3)
(*4)
エチレンジアミン四酢酸 0.88 g と緩衝液(pH10)(*4) 6 mL を水に溶かし 100 mL にしました。
緩衝液(pH10):塩化アンモニウム 67.7 g を 26.4%アンモニア水 572 mL に溶かしました。
試料溶液
(5 倍または 10 倍濃縮)
補足 2: LEP-AES 分析条件
装置:
MH-5000 s2086
発光容器:
LepiCuve-02
印加電圧:
800V(塩酸、0.1 mol/L)
1000V(Pb-01 溶出液)
パルス回数:
10 パルス
1 パルス ON 時間:
3 ms
1 パルス OFF 時間:
2 ms
長さ
204 mm
幅
105 mm
高さ
114 mm
重量
約 1.4 kg
図 4 ハンディ元素分析器 MH-5000
補足 3: 検量線
4000
を用いて 10 倍濃縮した濃縮液の検量線を示します。
高い直線性が確認できます。
お問合せ先:
株式会社マイクロエミッション
メール
[email protected]
電話
0761-51-1420
http://www.microem.co.jp/
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営業担当
発光強度[a.u.]
Pb 標準液の希釈液に対して、Meta SEP AnaLig® Pb-01
y = 490.11x - 73.939
R² = 0.9969
3000
2000
1000
0
0
2
4
6
濃縮前Pb濃度 [mg/L]
図 5 Pb 濃縮液の検量線
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