JREI固定インフォ No60 - 日本不動産研究所

◆JREI固定インフォ No60◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
日本不動産研究所からの固定資産税評価に関連する情報配信です。
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一般財団法人日本不動産研究所 固定資産税評価研究会です。
◇◇≪目次≫============================================
1.復興庁が発足
2.第30次地方制度調査会の専門小委員会が開催される
3.都市再生特別措置法の一部を改正する法律案について
4.内閣府が「景気動向指数」と「景気ウォッチャー調査」を発表
5.固定資産税評価における不動産鑑定評価の活用(連載)
第53回「土砂災害警戒区域等の取り扱い
その5 土砂災害対策関連法制度の相互関係」
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---------------------------------------------------------------------------------------------------1.復興庁が発足
---------------------------------------------------------------------------------------------------2月10日(金)に東日本大震災の復興施策を統括する復興庁が発足しました。
http://www.reconstruction.go.jp/
復興庁の所掌事務は、(1)復興に関する国の施策の企画、調整及び実施、(2)地方公共団体への一元的な窓口と
支援です。
組織としましては、内閣総理大臣を長とし、事務を統括する復興大臣を置き、各省より一段高い位置づけとな
っています。また、復興局等を岩手県、宮城県、福島県等におきまして、現地で被災自治体の要望を受けてワン
ストップで対応する機能を備えています。
設置期限は、復興基本方針に定める復興期間と合わせて、震災発生年から10年間(平成23年度から32年
度までの間)となっています。
---------------------------------------------------------------------------------------------------2.第30次地方制度調査会の専門小委員会が開催される
---------------------------------------------------------------------------------------------------1月17日(火)に総務省の第30次地方制度調査会第3回総会が開催され、会議資料などが総務省のホームペ
ージに公開されました。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/chihou_seido/singi/02gyosei01_03000076.html
この会合では、今後の審議事項についての検討が行われました。
また、2月2日(木)に地方制度調査会第6回専門小委員会が開催され、会議資料などが総務省のホームページ
に公開されました。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/chihou_seido/singi/02gyosei01_03000081.html
この会合では、「大都市圏のあり方について」が議題としてあげられました。 今後は大都市制度の見直しに
ついての議論が本格的に行われます。
---------------------------------------------------------------------------------------------------3.都市再生特別措置法の一部を改正する法律案について
---------------------------------------------------------------------------------------------------2月7日(火)に「都市再生特別措置法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/toshi05_hh_000051.html
この法律案は、「大規模な地震が発生した場合における都市再生緊急整備地域内の滞在者等の安全の確保を図
るため、都市再生緊急整備協議会による都市再生安全確保計画の作成、都市再生安全確保施設に関する協定制度
の創設等の所要の措置を講ずる」ことを理由として、法律の目的に「都市の再生を図り、併せて都市の防災に関
する機能を確保すること」を明示させるようにしています。
具体的な内容としましては、「都市再生緊急整備協議会は、都市開発事業等を通じて、大規模な地震が発生し
た場合における滞在者等の安全の確保を図るための計画(都市再生安全確保計画)を作成することができる」と
しています。
このなかで地方公共団体の役割として「都市再生安全確保計画に記載された事項に係る備蓄倉庫を自ら管理す
る必要があるときは、当該備蓄倉庫の所有者等との間において管理協定を締結し、当該備蓄倉庫の管理を行うこ
とができる」とされています。
なお、対象となるのは、都市再生緊急整備地域(全国63地域)となっています。
また、この法律案は同日に国会に提出されています。
http://www.mlit.go.jp/policy/file000003.html
---------------------------------------------------------------------------------------------------4.内閣府が「景気動向指数」と「景気ウォッチャー調査」を発表
---------------------------------------------------------------------------------------------------内閣府は2月7日(火)に平成23年12月の「景気動向指数」を発表しました。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
一致指数は93.2となり、前月と比較して2.9ポイント上昇しました。これは、2ヶ月ぶりの上昇となりま
す。また、先行指数につきましては、0.6ポイント上昇し94.3となりました。これは2ヶ月連続の上昇とな
ります。
内閣府では基調判断を、前月の「下げ止まり」から「上方への局面変化を示している」に改善させています。
一方で、内閣府は2月8日(水)に平成24年1月調査の「景気ウォッチャー調査」の結果を発表しました。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2012/0208watcher/menu.html
こちらの「街角景気」の1月の全国の現状判断DIは、前月比2.9ポイント低下の44.1となり、2ヶ月ぶ
りに低下しました。これは「正月商戦等が好調であったものの、その反動や天候不順に伴う売上げ減が中旬以降
にみられたこと、テレビ等の駆け込み需要の反動減が引き続きみられたこと等」といった理由から低下を示しま
した。
しかし、2~3ヶ月先の景気の先行きを判断する1月の先行き判断DIは、前月比2.7ポイント上昇の47.
1となり、こちらは7ヶ月ぶりに上昇しました。
このような調査結果から、内閣府では基調判断を「景気の現状は、円高の影響が続く中で、緩やかに持ち直し
ている」と判断しています。
---------------------------------------------------------------------------------------------------5.固定資産税評価における不動産鑑定評価の活用(連載)
第53回「土砂災害警戒区域等の取り扱い
その5 土砂災害対策関連法制度の相互関係」
---------------------------------------------------------------------------------------------------前回は「警戒区域と特別警戒区域の発生原因別の指定基準」について説明しましたが、今回は「土砂災害対策
関連法制度の相互関係」についてご説明いたします。
土砂災害対策関連法制度の関係を、①目的、②ハード対策、③ソフト対策に整理すると以下のとおりになりま
す。
(1)土砂災害の発生源に着目するもの
<砂防法>
①目的
砂防指定地において、砂防設備を施設し、一定の行為を禁止・制限することにより土砂災害を防止
②ハード対策
砂防工事
③ソフト対策
工作物の新築・改築・移転等の制限、土地の形状を変更する行為の制限、土石の採取等の制限、立木竹の伐採等
の制限
<地すべり等防止法>
①目的
地すべり及びぼた山の崩壊による被害を除却、軽減するため、地すべり及びぼた山の崩壊を防止
②ハード対策
地すべり防止工事、ぼた山崩壊防止工事
③ソフト対策
地下水を誘致、
停滞させる行為の制限
(地すべり防止区域)
、
地下水の排水施設の機能を阻害等する行為の制限(地
すべり防止区域)、のり切、切土の制限 (地すべり防止区域、ぼた山崩壊防止区域)、立木竹の伐採等の制限(ぼ
た山崩壊防止区域)
<急傾斜地法>
①目的
急傾斜地の崩壊を防止するために必要な措置
②ハード対策
急傾斜地崩壊防止工事
③ソフト対策
水を放流、停滞させる行為の制限、急傾斜地崩壊防止施設以外の施設等の設置等の制限、のり切、切土、掘さく
等の制限、立木竹の伐採の制限
(2) 土砂災害の危険地域に着目するもの
<土砂災害防止法>
①目的
土砂災害が発生するおそれがある土地の区域を明らかにして警戒避難体制の整備を図る、著しい土砂災害が発生
するおそれがある土地の区域において開発行為を制限する等により土砂災害の防止のための対策を推進
②ハード対策
ない
③ソフト対策
警戒避難態勢の整備、開発行為の規制(特別警戒区域)、建築物の構造規制(特別警戒区域)、移転等の勧告(特
別警戒区域)
以上のとおり、砂防法、地すべり等防止法、急傾斜地法は、いわば土砂災害の発生源に着目したハード面中心
の対策法であるのに対して、
土砂災害防止法は土砂災害の危険地域に着目したソフト面中心の対策法といえます。
これらの法律が取り扱う分野は表裏一体の関係にあり、固定資産税評価において所要の補正を検討する場合に
は、総合的な観点で検討する必要があります。
次回3月7日(水)に配信予定のメルマガ No.61では「土砂災害警戒区域等の指定に
よる影響」について説明いたします。
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